ヤマモモは庭木の中でも家庭で育てやすく、生食やジャムに利用できるため人気です。ヤマモモの木自体は頑丈で水や肥料の管理はほとんど必要ありませんが、毎年実を楽しむなら適切な時期に剪定することが大切です。
本記事では剪定の時期や方法、お手入れする際の注意点などを紹介します。
ヤマモモの剪定時期は3~4月
ヤマモモは定期的な剪定がとても重要な植物です。何もせずに放置していると、20m以上の高さまで育ち、管理も処分も大変になってしまいます。ヤマモモがおいしい実をつけるには適度に間引く必要があります。ヤマモモの花が咲き始める3~4月に剪定すれば、間引く場所を判断しやすいです。
正しい時期に適切な分だけ剪定を行えれば、ヤマモモの実の収穫量が安定化するうえ、管理も楽になります。ヤマモモが大きくなりすぎてしまった場合はプロに剪定を依頼するのも手です。
ヤマモモの剪定に必要な道具
- 剪定用手袋
- 剪定ばさみ
- 剪定用ノコギリ
- 脚立
剪定用手袋
ヤマモモを剪定する際は剪定用の手袋を着用することをオススメします。風通しを良くするために剪定を行う際、奥まった木の枝をいる際にほかの枝が刺さることでケガをしてしまう可能性があるからです。また毛虫などの害虫もいるため、手袋など肌が露出しない状態にするのはやはり重要でしょう。
剪定ばさみ
ヤマモモのような細い枝を剪定するなら剪定ばさみが便利です。ペンチのような形をしており、切る際に握りこんで使う形状が多く、力が伝わりやすいように設計されているので、女性の方でも軽く握るだけで剪定できます。
握りの部分やサイズは多種多様にあるため、手の大きさに合わせて選ぶと良いでしょう。
剪定用ノコギリ
強剪定のために太い枝を切って樹形を整える際は剪定用ノコギリを使いましょう。ただし強剪定はヤマモモに大きな負担をかけるので、時期とやりすぎには注意が必要です。
剪定用のノコギリは角材を切るような大きいノコギリではなく、軽量で持ち運びがしやすいので、脚立に乗りながら太い枝を切るときにも役立ちます。また折り畳み式や電動式、ピストル式といった剪定ノコギリもあるので、自分にあったものを探すと良いでしょう。
脚立
ヤマモモは大きく育ちやすい庭木で、高くなると15~20mとなって一般の人には手入れが難しくなります。ただし植えてから時間がたっておらず樹高が3~5m程度であれば脚立を使って剪定することはできるでしょう。
ただし脚立を使った剪定は滑落の危険があります。慣れていない場合はプロに依頼して剪定してもらった方が良いかもしれません。
ヤマモモの剪定方法
ヤマモモの剪定は基本的に不要な枝を切る「透かし剪定」を行います。また芯止めと言って樹高が高くなりすぎないように抑える方法も紹介します。
不要な枝を切り落とす透かし剪定のやり方
ヤマモモの実や花付きをよくするために、不要な枝を剪定する透かし剪定は欠かさず行いましょう。例えば伸びすぎている枝、交差して絡まっている枝、元気がない枝などは優先して減らしていくことが大事です。
透かし剪定で栄養を実のなる枝に集中させることができれば、おいしいヤマモモが多く収穫できます。
大きくなりすぎないようにする芯止めのやり方
ヤマモモは植えてから何年も経つと樹高は20mを超えていきます。大きくなりすぎると管理が難しくなるため芯止めを行うことで、ヤマモモを理想の高さに抑えることが可能です。
芯止めは暖かい春から夏本番前に行いましょう。芯止めのやり方自体は簡単で剪定ノコギリなどで、ヤマモモの頂点にある高い枝を切るだけです。時間が経ってまた伸びてきたら、再び同じように芯止めをすれば高さを抑えることができます。
ヤマモモを剪定するときの注意点
ヤマモモの剪定は実の収穫量やおいしさに直結します。特に花芽の量はその年の収穫量に影響するでしょう。また樹形を整えるために強剪定を行うと木に大きな負担がかかるため様子を見ながら剪定するのが非常に大切です。
花芽の量の調節に注意が必要
剪定の適期である3~4月にはすでにヤマモモの花芽が枝についています。その花芽がそのまま実になるため、ヤマモモを収穫する予定であれば剪定する枝は気を付けて選びましょう。樹形を美しくしようとすると大幅に剪定してしまいがちですが、花芽が減りすぎてしまうと実を楽しめません。
ただし、花芽を残しすぎても実に栄養がいきわたらず、病気やおいしくないヤマモモができてしまうことがあります。そのため花芽があまりにも密集している場合は花芽のある枝を切ってしまっても構いません。花芽の剪定する枝の選び方にあまり自信がなければ、プロに剪定してもらうのが一番です。
強めの剪定をすると実の収穫ができなくなる可能性がある
ヤマモモは透かし剪定などの定期的な剪定が重要ですが、まれに樹形を整えるために普段より多くの枝や太めの枝を切ることがあります。強剪定をするとヤマモモに大きな負担を強いることになるので実がほとんどつかなくなってしまうこともあるでしょう。
ヤマモモは収穫量の多かった翌年は実の収穫量が減る習性があるため、そういった収穫量が少ないであろう年に強剪定を行うのがオススメです。
ヤマモモのお手入れ方法
ヤマモモは病気や害虫等には強い耐性を持っていますが、防寒や摘果の面でお手入れをしなければならないことがあります。
ヤマモモが若いときは防寒対策をすると安心
ヤマモモは植えたての頃や若木の状態のときは寒さに少し弱いです。寒冷地方で育てようとしている場合いはマルチングやシート系の資材で防寒対策を施すと枯れる心配が減ります。
マルチングとは地面に樹皮チップや腐葉土、藁などでカバーすることで、地中の保温効果を高め根の凍結や霜柱の対策をすることができます。シート系の資材は植物本体を巻いてひもで縛ることにより、同様の効果が得られるので便利です。
実が多くつきすぎているときは摘み取る
ヤマモモを植えて育てている人の多くは実の収穫を楽しみにしていることでしょう。実が多くつくとすべて大切に育てたくなる気持ちもわかりますが、栄養が分散してしまうことで、実の大きさや味の質が落ちてしまうことが多々あります。
実が密集しすぎている個所を見かけたらなるべく健康そうな実を残しいくつかは摘み取ってしまいましょう。
ヤマモモの剪定を依頼する場合の費用相場
剪定を業者に依頼する場合、費用の算出方法は2パターンあります。
日当制の場合は職人の単価×日数で金額が計算されます。日当制の相場は1日あたり1万5000~2万円です。職人のレベルや経験によって単価は大きく異なるのでチェックしておきましょう。
ただしヤマモモの場合、樹高が高いと単価制で算出する可能性が高いかもしれません。
単価制の場合1本あたりの木の大きさで料金が変わります。たとえば高さ3m以下なら1,000~5,000円、4~7mであれば8,000~2万円が相場です。
また大きく育ちすぎたなどして樹高が7m以上ある場合は、状況を確認したうえでの見積もりで価格が提示されることが多いでしょう。なぜなら高所作業車や交通誘導が必要になるケースもあるからです。
ヤマモモの剪定に困ったらプロに依頼を
「ヤマモモが高くなりすぎて自分で剪定できない」「樹形を整えたいが翌年の実付きが心配」といった方はプロに依頼して剪定をしてもらうのがオススメです。依頼者は労力と時間の節約になるうえ、ヤマモモに大きな負荷を与えてしまう心配も少ないでしょう。
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