おすすめのスタッドレスタイヤは、地域の気候や求める性能によって大きく異なります。
- アイスバーン(つるつるの氷上)を走るのに適したスタッドレスタイヤ
- 柔らかい雪の上を走るのに適したスタッドレスタイヤ
- 耐久性を重視する人に適したスタッドレスタイヤ
- 雪国で(もしくは雪国以外で)使うのに適したスタッドレスタイヤ
など状況に応じておすすめの製品が変わるのです。選び方を間違えると、うまくスタッドレスタイヤの効果が発揮されないなんてことも。
そこでこの記事では、注目すべき5つの要素に分けて選び方を解説。それをもとに人気のスタッドレスタイヤ一覧を紹介し比較しています。あなたにピッタリのスタッドレスタイヤが分かるようになっているはずですよ。
また記事の最後では、タイヤ交換をできる限り安く済ませる方法も解説しています。特にタイヤをネットで購入して持ち込み依頼をしたい方には必見。ぜひ参考にしてみてください。
それではスタッドレスタイヤの選び方から見ていきましょう。
スタッドレスタイヤの選び方!4ポイントを解説
まずはスタッドレスタイヤの選び方を見ていきましょう。
選び方①:地域の気候や求める性能に合わせてスタッドレスタイヤを選ぶ
ここが最も重要なポイントです。スタッドレスタイヤには大きく分けて、次の3つの性能があります。
- 氷上性能(つるつるの氷の上を走る性能)
- 雪上性能(柔らかい雪の上を走る性能)
- ドライ・ウェット性能(通常の道を走る性能)
地域によって重視すべき性能が異なります。
氷上性能 | 雪上性能 | ドライ・ウェット性能 | |
極寒地域(北海道など) | ◎ | ○ | △ |
寒冷地域(北陸など) | ○ | ○ | ○ |
温暖な地域(関東など) | △ | △ | ◎ |
※◎が付いている性能を最重視すべき
これらの性能が全て最高クラスのスタッドレスタイヤは存在しません。どこかの性能が良ければ、他の部分は劣るのが一般的です。
詳しく見ていきましょう。
- 北海道や東北などの「寒さが厳しい地域」では氷上性能を重視する
冬場の最高気温が氷点下になるような寒さの厳しい地域では、氷上性能の高いスタッドレスタイヤがおすすめです。
氷上性能とは文字通り、凍った滑りやすい路面を走行する時の性能です。氷上性能が高い車であればアイスバーン(※)を走行する時でも、車はスリップすることなく進む・止まる・曲がることができます。
(※)スケート場のようなツルツルに凍った道路
氷上性能を保つためにはタイヤと氷が密着していることが重要です。しかし濡れたアイスバーンではタイヤと氷の間に水膜ができ、密着できずにスリップしやすくなります。冷凍庫から出した氷を濡らすと一気に滑りやすくなるように、氷の表面に水分があると滑りやすくなってしまうのですね。
そのため氷上性能の高いスタッドレスタイヤでは、その「表面の水分」への対策が重視されています。例えば接地面の水分を吸い上げられる仕組みになっていたり、サイプと呼ばれる横方向の細かい溝で排水したりなど。氷に素早く密着できるようなさまざまな工夫がされています。さらに柔らかいトレッド(タイヤの接地面)が氷の表面の凹凸を捉えて、スリップしづらくしているのです。
氷上性能の高い製品を選びたいなら「氷上性能が優れている」「濡れた路面でもしっかり密着する」などと説明されているものが良いでしょう。氷上性能は各メーカーごとに制動距離などの試験データがあるので、気になる方は比較してみるのもおすすめです。
- 北陸などの「積雪は多いが比較的気温の高い地域」では各性能のバランスを重視する
雪は降るけれども日中の気温が高めの地域では、路面に柔らかい雪が積もっていたり、シャーベット状になっていたりすることも多いでしょう。このような地域では氷上性能に特化したものよりも、雪上性能やドライ・ウェット性能も高いバランスのとれたスタッドレスタイヤがおすすめです。
- 雪上性能:柔らかい雪が積もっている道路の走行を安定させるための性能
- ドライ性能:乾いた路面(通常の路面)の走行を安定させるための性能
- ウェット性能:濡れた路面の走行を安定させるための性能
通常タイヤは、雪上ではゴムと路面の摩擦が少なくなるため滑ってしまい走行が安定しません。そこで雪上性能の高いスタッドレスタイヤでは、トレッドパターン(タイヤ表面の形状)に工夫が施され「雪柱せん断力」を高めています。雪柱せん断力とは一言で説明すると「雪上でもタイヤが駆動力を得るための性能」のこと。この性能が高いと、タイヤに踏まれた雪が固まって雪の柱になります。その柱を蹴り出すことで安定した走行が可能になるのです。
また雪上性能の高いスタッドレスタイヤでは、トレッドの切り込み(サイプ)が雪をかきやすくなるような工夫が施されています。雪上性能を重視するなら、このような点に注目してみてください。
ちなみに氷上性能と雪上性能は相反する性能なので、両立が難しいとされています。
- 氷上性能が高い:基本的にはタイヤの幅が広い(氷と密着しやすくなるため)
- 雪上性能が高い:基本的にはタイヤの幅が狭い(接地圧が高まるため)
積雪が多くても比較的気温の高い地域では、アイスバーンよりも雪の積もった路面が多いので雪上性能が重要です。氷上性能に特化したスタッドレスタイヤではなく、雪上性能が高い製品やバランス型の製品を選びましょう。
- 関東などの「たまにしか雪が降らない地域」ではドライ・ウェット性能を重視する
年に数回しか雪は降らないような地域では、ドライ・ウェット性能や寿命・耐摩耗性が重要となるでしょう。もちろん氷上・雪上でも走れる最低限の性能は必要ですが、優先順位は低いといえます。
特に最近では地球温暖化や除雪の技術向上によって、冬場でもドライ路面やウェット路面を走行する頻度が増えてきました。ドライ・ウェット性能の重要性は高まってきており、性能も上がってきています。
選び方②:性能と価格のバランスで選ぶ
スタッドレスタイヤの性能と価格は比例することが多いでしょう。高性能な最新型のスタッドレスタイヤは高額ですが、型落ち品などの価格の安いスタッドレスタイヤもあります。
「とにかく安全性重視で、費用は高くても気にしない」という人には、ブリヂストンなどの有名メーカーのタイヤがおすすめです。
軽自動車に多い「155/65R14」というサイズを一例に、性能と価格の比較をしてみました。このサイズであれば費用相場は安いもので5,000円前後、高いもので1万円前後でしょう。
性能 | 価格 | |
BLIZZAK VRX3(ブリヂストン) | ◎ | 1万円前後 |
OBSERVE GIZ 2(トーヨータイヤ) | ○ | 5,000円前後 |
AW-1(ナンカン) | △ | 4,500円前後 |
スタッドレスタイヤの価格は同じ種類でもサイズによって大きく異なります。そのため同じサイズで比較することがポイントです。
ちなみにスタッドレスタイヤは基本的に、店頭で買うよりもインターネットで購入する方が安くなることが多いでしょう。ただし店頭で購入したタイヤをカー用品店などに持ち込んで依頼すると割高になることもあるので注意してください。工賃を安くする方法は記事の終盤で解説しています。
また費用に関してより厳しく選びたい方は、スタッドレスタイヤの持つ「ライフ性能」「低燃費性能」にも注目してみてください。
- 費用を抑えるにはライフ性能(寿命・耐摩耗性)にも注目
スタッドレスタイヤは長持ちする方が、当然費用を抑えられます。長持ちするスタッドレスタイヤは「ライフ性能が高い」とうたわれているので、そういったものを選ぶと良いでしょう。
一般的に劣化しづらく長持ちするタイヤは次のようなものです。
- 年数が経っても硬くなりづらい(寿命が長い)
- 走行しても擦り減りづらい(摩耗耐性が高い=耐久性が高い)
しかしタイヤはトレッドが柔らかいと摩耗しやすくなるので、柔らかさ(寿命)と耐摩耗性の両立は難しいでしょう。
そのため年間1万km以上走るような走行距離の多い人は、耐摩耗性(耐久性)を重視して選びましょう。逆に行動範囲が狭く走行距離の少ない人は、柔らかさ(寿命)を重視したスタッドレスタイヤを選ぶのがおすすめです。
ちなみにスタッドレスタイヤは、ノーマルタイヤに比べてトレッドが柔らかく作られているため耐久性は劣ります。
- 費用を抑えるには低燃費性能にも注目
燃費の良いスタッドレスタイヤを選びたいなら「低燃費性能が高い」などとうたわれているものを選ぶと良いでしょう。低燃費性能とは、少ない燃料で多くの距離を走るための性能です。
スタッドレスタイヤはトレッドが柔らかいため、転がる時の抵抗が大きくなり燃費が悪くなってしまいます。ノーマルタイヤと比較すると燃費が落ちるので、スタッドレスタイヤに履き替えると燃費の変化に気付く人も多いでしょう。しかし最近では技術の向上に伴いスタッドレスタイヤの低燃費性能も高くなってきています。
選び方③:ホイールセットも検討しよう
ホイールとスタッドレスタイヤをそれぞれ購入する場合は、最初からセットになっているものを選んだほうがお得です。わざわざホイールにタイヤを組み付ける必要がないので、組み付け工賃の分だけ安く購入できます。
タイヤだけを購入してホイールを入れ替えるより、セットで購入してホイールごと履き替えるという方法が一般的です。
選び方④:特殊な車種の場合は適したスタッドレスタイヤを
車種がSUVの車にはSUV用タイヤ、貨物車にはバン・小型トラック用タイヤを選びましょう。スタッドレスタイヤの溝の深さや剛性が車種に合わせて設計されているので、最大限の性能を発揮できます。
乗用車用のスタッドレスタイヤと比較すると種類が少なく選びやすいでしょう。
スタッドレスタイヤの性能にこだわる人におすすめメーカー
スタッドレスタイヤを販売しているメーカーはたくさんありますが、メーカーごとにそれぞれ違う特徴があります。採用されている技術が違うため、タイヤのトレッドの形状や、ゴムの性質などが違うのです。もちろんタイヤの性能にも違いが現れるので、スタッドレスタイヤごとに性格は異なります。
雪道での安全性を最優先する人へ、これを選べば間違いないという安心のメーカーをご紹介します。各メーカーでおすすめのスタッドレスタイヤもその後に解説するので、参考にしてください。
おすすめメーカー①:ブリヂストン
ブリヂストンはBLIZZAK(ブリザック)というスタッドレスタイヤで有名。30年を超える歴史がある国産タイヤメーカーです。「あなたとあなたの大切な人を守る」というブランドコンセプトから、冬の運転に対しての「安心・安全」を追求していることが分かります。
北海道・北東北主要5都市の一般ドライバーのブリザック装着率は46%、北海道札幌市のタクシーのブリザック装着率は69%です。極寒地域で圧倒的な装着率を誇っている点からも信頼できますね。ブリヂストンは2020年に世界一のタイヤ売上高を記録しています。
従来品の「BLIZZAK VRX 2」でも十分な性能と実績がありますが、2021年に最新モデルの「BLIZZAK VRX 3」が登場。氷上性能や耐久性はさらに向上しました。
おすすめメーカー②:ダンロップ
ダンロップは、WINTER MAXX(ウィンターマックス)というスタッドレスタイヤで有名なメーカー。
2020年に登場した「WINTER MAXX03」は満足度が95%と、高い信頼性を獲得しています。また旧モデルとなった「WINTER MAXX02」もバランス型のスタッドレスタイヤとして、高い評価を得ています。
氷上性能特化の「WINTER MAXX03」、バランス型でライフ性能が高い「WINTER MAXX02」と使い分けしやすいところが魅力的です。
おすすめメーカー③:ヨコハマ
ヨコハマはice GUARD(アイスガード)というスタッドレスタイヤで有名。ブリヂストンやダンロップと並ぶ国内大手タイヤメーカーです。
ヨコハマのスタッドレスタイヤの歴史は1985年の第1世代から始まり、2021年には第7世代の「ice GUARD 7」が登場しました。従来品の「ice GUARD 6」を上回る氷上性能と雪上性能の両立、性能を長持ちさせることへの追求にこだわったスタッドレスタイヤです。
おすすめメーカー④:ミシュラン
X-ICE(エックスアイス)というタイヤで有名なミシュランは、フランスのタイヤメーカーです。2020年のタイヤ売上高は世界2位で、ブリヂストンと肩を並べる世界大手タイヤメーカーの1つです。
2020年に登場した「X-ICE SNOW」は北海道で開発されたスタッドレスタイヤで、日本の雪道に合った設計となっています。
雪国におすすめのスタッドレスタイヤ6選を比較!
寒さの厳しい雪国でも安全にカーライフを楽しめるように、氷上性能と雪上性能にこだわって設計されたスタッドレスタイヤをご紹介します。
性能 | 氷上 | 雪上 | ドライ・ウェット | ライフ | 価格 |
ブリヂストン
BLIZZAK VRX 3 |
◎ | ◎ | △ | ○ | △ |
ダンロップ
WINTER MAXX03 |
◎ | ○ | △ | ○ | ○ |
ヨコハマ
ice GUARD 7 |
○ | ◎ | △ | ◎ | △ |
ミシュラン
X-ICE SNOW |
◎ | △ | ○ | ◎ | ○ |
グッドイヤー
ICE NAVI 8 |
○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
トーヨータイヤ
OBSERVE GIZ 2 |
○ | ○ | △ | △ | ◎ |
なおサイズは全て「155/65R14」の場合で解説していきます。
氷上 | ◎ |
雪上 | ◎ |
ドライ・ウェット | △ |
ライフ | ○ |
価格(155/65R14) | 9,000円前後/本 |
ブリヂストンが2021年に出したBLIZZAK VRX 3は、とにかく性能が高いスタッドレスタイヤです。氷上性能と雪上性能を両立させていますが、特に氷上性能に優れています。
前述の通りBLIZZAKシリーズは圧倒的な装着率を誇り、北海道や北東北では最も人気があるスタッドレスタイヤ。
もともとBLIZZAKには発泡ゴムという素材が使われています。ゴムの中にある無数の小さな気泡が氷上の水分を除去することでグリップ力を確保し、滑りにくくしているのです。またBLIZZAK VRX 3からは「フレキシブル発泡ゴム」という新素材が使われており、吸水力はさらに向上。より氷上性能が強化され滑りにくくなったということですね。
またトレッドのパターン(表面の形状)も進化しており、余計な水流の回り込みを抑制することでグリップ力が向上しています。ブロックの角に突起を設けたり、サイプの端を貫通させない端止めサイプを採用したりすることで、水の流れをコントロールしているのです。
従来品のBLIZZAK VRX 2でも、氷上性能は他メーカーと比較すると頭ひとつ抜けた存在でした。BLIZZAK VRX 3では氷上ブレーキ性能がさらに20%向上しています。
価格は他のスタッドレスタイヤと比較すると高めですが、
- 冬の運転に絶対的な安心感を求める
- 氷上性能と雪上性能のどちらも求める
- 氷上運転の初心者
- 国産で信頼性の高いスタッドレスタイヤを使いたい
という人にはおすすめのスタッドレスタイヤです。
氷上 | ◎ |
雪上 | ○ |
ドライ・ウェット | △ |
ライフ | ○ |
価格(155/65R14) | 8,500円前後/本 |
2020年にダンロップが出したWINTER MAXX 03は、氷上性能と効き持ち性能に特化しています。2020年度のユーザー調査では満足度95%という結果をたたき出した、信頼性の高いスタッドレスタイヤです。
WINTER MAXX 03の素材には「ナノ凹凸ゴム」が使われており、トレッド表面の凹凸が氷上の水を素早く除去。そして柔軟性に優れたゴムが氷面の凹凸に隙間なく密着することで、高い氷上性能を確保しています。
ナノ凹凸ゴムは摩耗しても新しい凹凸構造が生まれてくる設計となっており、高い効き持ち性能を実現。さらにパターン設計を工夫することでトレッド面をより均一に摩耗させることができるので、溝が減っても安心感が続きます。
従来品のWINTER MAXX 02と比べると氷上ブレーキ性能は22%向上。また氷上コーナリング性能11%向上、摩耗後氷上ブレーキ性能36%向上と、氷上性能にこだわり抜いた設計といえます。
摩耗した後もずっと安心して氷上を走行したいという方におすすめのスタッドレスタイヤです。
氷上 | ○ |
雪上 | ◎ |
ドライ・ウェット | △ |
ライフ | ◎ |
価格(155/65R14) | 1万円前後/本 |
ヨコハマが2021年に出したice GUARD 7は、氷上性能と雪上性能のバランスに優れたタイヤです。
ice GUARD 7は摩耗した時の性能が落ちないよう、サイプが細くならない形状に仕上がっています。また新素材である「ウルトラ吸水ゴム」は硬くなりづらく、4年経過後も氷上性能がほとんど落ちません。
もともとice GUARDシリーズは、氷上よりも雪上に強いイメージのスタッドレスタイヤ。ice GUARD 7では従来品より雪上制動性能が3%向上しています。しかしice GUARD 7が従来品から最も大きく変わったのが氷上性能でしょう。従来より氷上旋回性能7%向上、氷上制動性能14%向上、氷上発進性能が15%向上しており、雪上性能と氷上性能の両立を実現しています。
ice GUARD 7は
- 氷上と雪上どちらの路面も走行する人
- かつ性能を長持ちさせたい人
におすすめのスタッドレスタイヤです。
氷上 | ◎ |
雪上 | △ |
ドライ・ウェット | ○ |
ライフ | ◎ |
価格(155/65R14) | 8,000円前後/本 |
2020年にミシュランが出したX-ICE SNOWの特徴は、氷上性能が高く摩耗しても性能が長持ちすること。
X-ICE SNOWのトレッドパターンは特徴的で「Vシェイプトレッドパターン」が採用されています。V字状になっているトレッドが効率良く雪や氷表面の水を排出するため、高いグリップを発揮してくれるのです。
また溝が50%まで減った時でも、トレッドパターンがくっきりと残るように設計されています。プラットホームよりも深く溝が刻まれているので、交換時期がくるまで安心して使うことができるでしょう。
氷上性能とライフ性能の両方を重視する方におすすめのスタッドレスタイヤです。
氷上 | ○ |
雪上 | ◎ |
ドライ・ウェット | ○ |
ライフ | ○ |
価格(155/65R14) | 8,000円前後/本 |
グッドイヤーが2021年に出したICE NAVI 8は、とにかく各性能のバランスが良いスタッドレスタイヤです。
雪上性能の高い従来品から、氷上ブレーキ性能と氷上コーナリング性能が大幅に向上したことによりバランスのとれた製品に仕上がっています。
このタイヤの一番の特徴は、トレッドパターンに「左右非対称のアシメトリックNAVIパターン」が採用されている点。通常、氷上性能と雪上性能は反比例に近い関係にありますが、特殊なトレッドパターンを採用することにり両方を高いレベルで維持できています。
さらにショルダー部(トレッドの両肩部分)の溝を深くすることで、排水性を良くして高いウェット性能も実現。このように各性能に優れたタイヤとなっています。
各性能のバランスがとれたスタッドレスタイヤを選びたい人におすすめです。
氷上 | ○ |
雪上 | ○ |
ドライ・ウェット | △ |
ライフ | △ |
価格(155/65R14) | 5,500円前後/本 |
トーヨータイヤが2020年に出したOBSERVE GIZ2 は、価格と性能のバランスがとれたスタッドレスタイヤです。
このタイヤの特徴は何といっても、クルミの殻をトレッドゴムに配合していること。鬼クルミ殻が氷を直接ひっかくことで、高いグリップ力を確保しています。
また水膜を瞬時に吸水する「NEOカーボニックセル」や路面への密着性を高める「持続性密着ゲル」を配合することで、滑りにくくしているのです。
2020年にはパターンデザイン技術がニーズの変化を的確にとらえて時代とマッチしていると高く評価され、グッドデザイン賞を受賞しました。
信頼性の高い国産メーカーのスタッドレスタイヤを、安く購入したい人におすすめです。
雪国以外におすすめのタイヤ2選を比較!
たまにしか雪が降らない地域では、ドライ・ウェット性能や価格が重視されます。また雪国とは違い長いアイスバーンを走ることも少ないので、氷上性能は優先されにくいのです。
雪国以外の地域でスタッドレスタイヤを使うなら「性能の高い人気タイヤの型落ちモデル」を使うと良いでしょう。
性能 | 氷上 | 雪上 | ドライ・ウェット | ライフ | 価格 |
ヨコハマ
ice GUARD 6 |
○ | ◎ | ○ | ○ | ○ |
ダンロップ
WINTER MAXX 02 |
○ | ○ | ○ | ○ | ◎ |
※サイズは155/65R14で統一しています。
雪国以外の地域ではこういった高性能タイヤの型落ちモデルを使うと、コスパが良くなります。
もちろん「お金よりも性能・安全の方が大事」という方は、上で紹介した雪国用のものを使ってもOKですよ。
それぞれのスタッドレスタイヤを解説していきます。
氷上 | ○ |
雪上 | ◎ |
ドライ・ウェット | ○ |
ライフ | ○ |
価格(155/65R14) | 6,000円前後 |
雪国用でおすすめした「ice GUARD 7」の型落ちモデル。
ice GUARD 6 は、2020年までは最高級クラスのスタッドレスタイヤでした。しかしice GUARD 7が登場したことで型落ちとなり価格が下がっています。
全体的に高い性能を持つスタッドレスタイヤなので、雪国でも十分に使用できます。特に雪上性能に強いという特徴があり、アイスバーンの少ない雪国以外の地域では相性のいいタイヤです。
性能が良い型落ちモデルを使いたい方におすすめですよ。
氷上 | ○ |
雪上 | ○ |
ドライ・ウェット | ○ |
ライフ | ○ |
価格(155/65R14) | 5,500円前後 |
雪国向けのおすすめ製品で紹介した「WINTER MAXX 03」の型落ちモデルです。
WINTER MAXX 02はトータルバランス型のスタッドレスタイヤ。雪上性能やドライ・ウェット性能、ライフ性能はWINTER MAXX 03よりも優れています。
氷上性能はWINTER MAXX 03よりも劣りますが、雪の少ない地域で求められる性能が高いという特徴があります。そのため雪国以外ではWINTER MAXX 02の方が使用用途にマッチしているでしょう。
バランスの取れた高性能な型落ちモデルを、できる限り安く使いたい方におすすめです。
雪がほとんど降らない地域ならスタッドレスタイヤではなく、オールシーズンタイヤもあり
どの季節でも走行できるオールシーズンタイヤというものがあります。オールシーズンタイヤには次のようなメリットとデメリットがあります。
メリット | デメリット |
突然の積雪があってもタイヤ交換をする必要がない | 氷上路面を走行できない |
ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤをどちらも準備する必要がない | 雪国に行く場合はチェーン装着が必要 |
季節ごとに履き替える必要がないので、工賃を節約できる | タイヤの種類が少ない |
スタッドレスタイヤよりもドライ・ウェット性能が高い | ノーマルタイヤよりもドライ・ウェット性能が低い |
オールシーズンタイヤの最大のメリットは、ノーマルタイヤとスタッドレスタイヤを兼用できることです。季節ごとにタイヤを履き替える手間がなくなり、さらにタイヤの保管場所に困ることもありません。年に数日しか積雪がないような地域には相性の良いタイヤです。
またスタッドレスタイヤよりもドライ・ウェット性能が優れているので、雪国以外では実際に走る路面状況に合っています。ただしアイスバーンなどの氷上路面では使用できないため、雪国に行く場合にはチェーン装着が必要です。
おすすめのオールシーズンタイヤをご紹介します。
オールシーズンタイヤ | 価格(155/65R14) |
Vector 4Seasons Hybrid(グッドイヤー) | 7,000円前後 |
ALL SEASON MAXX AS1(ダンロップ) | 7,000円前後 |
BluEarth-4S AW21(ヨコハマ) | 9,000円前後 |
ミニバン・SUV専用の製品、バン専用の製品などもあるため、車種やサイズに合わせて適切なものを探してみてください。
スタッドレスタイヤの交換費用をなるべく安くする方法
スタッドレスタイヤは基本的に、店頭で買うよりもインターネットで購入する方が安くなることが多いでしょう。
しかしネットで買ったものを交換依頼に出すと「持ち込み」となるため、カー用品店などでは工賃が割高になってしまうことも。またそもそも持ち込みを受け付けていない場合もあります。
そこでおすすめなのは、カー用品店ではなく自動車整備工場に依頼する方法。整備工場であれば持ち込みも受け付けてくれるうえ、割高にならず適正価格で対応してくれることも多いでしょう。
とはいえ「自動車整備工場ってどうやって選べばいいの?」という方もいるでしょう。また事前に金額をある程度把握してから頼みたいですよね。
そのような方はぜひミツモアを使ってみてください。ミツモアはあなたの地域や求めるサービス内容を入力するだけで、複数の自動車整備工場からおおまかな見積もりを提案してもらえるサービスです。
複数の工場が提示する金額を比較できるため、より安く信頼できるところに依頼できます。またチャットで気になることを何でも質問できるので「持ち込みOKかどうか」を聞くことも可能。
ミツモアの見積もり比較は無料です。ぜひ一度利用してみてください。