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【パソコンの減価償却】価格帯別に解説!耐用年数と計算方法

最終更新日: 2019年11月22日

個人事業主にとって、パソコンは必需品です。クライアントとのやり取りや請求書・領収書の管理、会計ソフトを使った会計処理や従業員の給料管理などに毎日使用されます。

個人事業主がパソコンを購入した場合、備品に仕分けられ固定資産となります。この固定資産は「減価償却」を行い、数年かけて経費化していきます。ただし、パソコンの金額によって会計処理が異なります。

今回は、パソコンを購入した場合の経理処理についてご紹介します。

この記事の監修税理士

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

こんにちは、高崎文秀税理士事務所の税理士高崎と申します。 当事務所は文京区の総武線水道橋駅から徒歩4分と利便性が高く、税務顧問を月額1万円~の低価格で品質の高いサービスをご提供する税理士事務所です。 創業3年以内の個人事業者・法人については税務顧問を月額1万円、決算料なし(年12万円+年調等1万円、合計13万円)からご提供しております。 創業したばかりでお金と時間に余裕がない、という方でも経理や税金のことを心配せず、本業に集中して頂き、1日でも早く事業を軌道に乗せて頂くお手伝いができればと考えております。
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パソコンの減価償却とは?

パソコンの減価償却とは?
パソコンの減価償却とは?

高額なパソコンを購入すると、会計上、「器具備品」に該当します。「器具備品」とは固定資産の科目で、減価償却を行なうことで事業の経費にすることができます。

ここでは、減価償却の仕組み、耐用年数、パソコンの減価償却について利用できる特例をご紹介します。

減価償却の仕組み

最初に、減価償却の仕組みをおさらいしましょう。減価償却とは、取得した固定資産を使用可能な期間で分割して経費にしていく方法です。

つまり、事業で使用するために購入した一定額以上のパソコンは、その購入した年に全て経費にすることはできません。

使用可能な期間は、省令で決められており、この省令で決められている年数のことを「耐用年数」といいます。購入した金額(取得金額)と耐用年数をもとに減価償却をして、減価償却費という経費を計上します

パソコンの減価償却の期間はどのくらい?

省令で定められている固定資産の使用可能な期間を「耐用年数」といいますが、サーバーとして使用するパソコンの耐用年数は5年となっており、

それ以外の用途で使用するパソコンの耐用年数は4年と定められています。

デスクトップとラップトップの区別はされておらず、どちらの耐用年数も4年となります。

実際のパソコンの寿命は約10年使えると言われていますが、実際はソフトウェアのバージョンアップが3~4年に1度あるので、その周期に合わせてパソコンの買い換えを行なうケースが多いため、パソコンの耐用年数4年は実情とあまり乖離しない年数と言えるでしょう。

一括償却資産と少額減価償却資産の特例について

固定資産の減価償却は、取得価額と耐用年数から1年間に経費にできる減価償却費を計算するのですが、減価償却の特例として「一括償却資産」と「少額減価償却資産」という制度があります

パソコンやプリンターなど長期間使用することを前提として購入した備品などは、購入額が10万円以上のものは原則固定資産に計上しなければなりません。しかし、「一括償却資産」と「少額減価償却資産の特例」を利用することで、通常より早く減価償却することや、一括して経費にすることができます。

一括償却資産

取得価額が10万円以上20万円未満のものを「一括償却資産」として処理することができます。一括償却資産として処理することで、次の2つのメリットと1つのデメリットがあります。

【メリット1】

省令に定められた耐用年数や償却方法に関係なく、3年間で均等に減価償却することができます。パソコンの耐用年数は4年なので、1年早く減価償却が終わるため早く経費化することができます。

【メリット2】

毎年、事業者の保有する資産に地方自治体が課税する「償却資産税」が「一括償却資産」には課税されません。

【デメリット1】

「一括償却資産」に区分した資産を売却したり、除却したりした場合でも、会計上「固定資産売却損益」「固定資産除却損」を計上できません。強制的に3年間の均等償却になります。

少額減価償却資産の特例

青色申告者である中小企業者が30万円未満の資産を取得した場合に、少額減価償却資産の特例が適用できます。

10万円以上の資産を取得した場合は、減価償却資産として決められた耐用年数で減価償却をしていくか、20万円未満であれば前述した「一括償却資産」に区分して3年で均等償却することができます。

しかし、この「少額減価償却資産の特例」を適用すると、30万円未満の資産の取得費用の全額を一括してその年の経費にすることができます。30万円未満の資産を取得した年に全て経費にできるため、事業者にとってとても有利な特例ですが、以下のような規制があります。

規制1 青色申告個人事業主又は、青色申告書を提出する中小企業者等が対象

「少額減価償却資産の特例」の適用を受けるためには、青色申告個人事業主又は、青色申告書を提出する中小企業者等でなければなりません。青色申告の承認を受けていない白色申告事業者は、この特例を受けることができません。

規制2 適用できる資産は年間300万円まで

少額減価償却資産の特例を適用した資産が、年間で合計して300万円までしかこの特例を受けることができません。

規制3 固定資産税が課税される

一括償却資産と違い、少額減価償却資産の特例を受けた資産は固定資産税(償却資産税)の対象になります。

【価格帯別】減価償却の方法について

【価格帯別】減価償却の方法について
【価格帯別】減価償却の方法について

前述したとおり、減価償却には「一括償却資産」と「少額減価償却資産の特例」の制度があります。通常の減価償却とこの2つの制度を組み合わせることにより、取得価額の価格帯によって選択できる効率的な方法を決めることができます。

10万円未満のパソコンの購入は消耗品費扱い

10万円未満の資産の購入は、全てその年の経費として処理します。パソコンについても例外ではなく、10万円未満のパソコンは全てその年の経費となります。

ただし、10万円未満の資産については固定資産に計上することも可能です。利益が出ていない場合や、実際の利用期間に合わせて減価償却を行いたい場合などは固定資産、または「一括償却資産」に計上して減価償却を行なうことができます。

10万円以上20万円未満のパソコンを購入した場合は3通りの方法

パソコンの取得価額が10万円を超えた場合、通常の消耗品費として全て経費処理をすることはできません。

パソコンの取得価額が20万円未満の場合は、通常の固定資産として計上し、決められた耐用年数によって減価償却を行なうか、「一括償却資産」として3年の均等償却を行なうか、「少額減価償却資産の特例」を適用して、全てその年の経費にするか、通常の固定資産として減価償却を行なうか選択することができます。

経費を増やしたい場合は、「少額減価償却資産の特例」を適用して全て経費処理する方法が有効ですが、「少額減価償却資産の特例」は年間300万円までの制限があるので注意が必要です。

20万円以上30万円未満のパソコンを購入した場合は2通りの方法

パソコンの取得価額が、20万円以上30万円未満の場合に選択できる方法は、「少額減価償却資産の特例」を適用して全て経費処理を行なう方法と、通常の固定資産として計上し、決められた耐用年数によって減価償却を行なう2つの方法があります。

「少額減価償却資産の特例」には年間300万円までの制限があるので、どの資産に適用させた方が有利になるのか考える必要があります。

30万円以上のパソコンの購入は通常の減価償却処理

「少額減価償却資産の特例」は、30万未満の資産にしか適用されませんので、30万円以上のパソコンの購入は全て通常の減価償却資産として、決められた耐用年数で減価償却を行なうことになります。

価格帯別で選択できる処理方法は次のとおりになります。

取得価額 通常の経費処理 一括償却資産 少額減価償却資産 固定資産
10万円以下
10万円以上20万円未満
20万円以上30万円未満
30万円以上

税込み・税抜きどちらで記帳するのかを選択する

会計処理には、消費税込みの金額で処理を行なう「税込経理」と、仮受消費税・仮払消費税という科目で税抜処理を行なう「税抜経理」があります。

どちらの経理処理で記帳するかは、事業者が選択することができますが、預かった消費税から支払った消費税を差し引いた消費税を納税するという消費税のシステム上「税抜経理」を採用する方が自然な会計処理です。

また、「税抜経理」を行なうことで、固定資産の取得価額の金額判定が「税抜価額」で判定されます。上記の10万円、20万円、30万円の判定も「税抜価額」で判定されるため、「税込経理」を採用した場合より有利になります。

パソコンの減価償却費の計算方法

パソコンの減価償却費の計算方法
パソコンの減価償却費の計算方法

パソコンの減価償却は、取得価額と耐用年数をもとに計算します。取得価額はパソコンの購入費用のことで、耐用年数はパソコンの用途(サーバーとして使用するかどうか)によって4年と5年に区分されます。

減価償却の計算方法については、個人事業主と法人で異なります。ここでは、減価償却の計算方法をご紹介します。

個人事業主の減価償却費は定額法で計算

個人事業主の減価償却方法は、原則「定額法」が採用されます。「定額法」はその名の通り、「毎年、定額で減価償却費を計上する方法」です。具体的な計算式は次のとおりです。

減価償却費(定額法)=取得価格÷耐用年数

年の途中でパソコンを購入して使用している場合は、減価償却費は月割で計上されます。例えば6月にパソコンを購入して使用を開始した場合は、上記の計算式で計算した減価償却費の金額に6ヶ月を乗じて、12ヶ月で除する計算を行います。

個人事業主の減価償却方法は、原則「定額法」ですが、事前に「所得税の減価償却資産の償却方法の届出書」を税務署に提出することで、「定率法」に変更することが可能です。

法人の減価償却費の計算方法

法人の減価償却方法は、建物・建物附属設備・構築物・ソフトウェアは「定額法」、器具備品・車両・機械については「定率法」で減価償却費の計算を行います。パソコンは器具備品に該当するため「定率法」によって計算を行います。「定率法」の具体的な計算式は次のとおりです。

  1. 減価償却費=未償却残高×償却率(A)
  2. 償却保証額=取得原価×保証率(B)
  3. A>Bの場合は、Aの金額が減価償却費となります。
  4. A<Bの場合は、はじめてA>Bになった年の期首未償却残高×改定保証率
  5. 最終年度は未償却残高を1円残して全額償却(備忘価格)

定率法は、定額法に比べて早い時期に多くの減価償却費を計上することができます。しかし、定額法に比べて計算が複雑になります。下の表が定率法の償却率表になります。

 H24/4/1~
(200%定率法)
耐用定率法改定保証率
年数
償却率償却率
21
30.66710.11089
40.510.12499
50.40.50.108

一般的な用途のパソコンの耐用年数は4年のため、償却率は0.5となり1年目の減価償却で半分が経費になります。

自分でパソコンを修理している場合

パソコンに詳しい人は、パソコンに不具合がある場合に修理して使い続けるケースがあります。部品の交換を行い修理し、部品代が10万円以上になる場合、減価償却資産に該当するのか、それとも経費になるのか判断が難しいです。

修理をして使い続ける場合で通常の維持管理にかかる費用は、修繕費として全て経費にすることができます。機能が高いパーツに交換することで、そのパソコンの価値が上昇する場合(資本的支出)は、原則的に資産計上を行い減価償却の対象になります。しかし、資本的支出が20万円未満の場合は、全てその年の経費にすることができます。

確定申告について

確定申告について
確定申告について

個人事業主のパソコンの減価償却費の計算が必要になるのが「確定申告」をする時です。確定申告は1年間の売上・経費を確定し、所得税の計算を行なう個人事業者にとってとても大切な手続きです。ここでは、パソコンの減価償却費をどのように確定申告するのかご紹介します。

少額減価償却資産の特例は青色申告のみ!

一般的なパソコンの価格は、30万円未満の価格帯が多く見られます。パソコンの価格が30万円未満であれば、前述した「少額減価償却資産の特例」を適用し、全額をその年の経費にすることができます。ただし、「少額減価償却資産の特例」の適用を受けるためには、青色申告個人事業主でなければなりません。

減価償却の仕訳について

ここまで減価償却方法をご紹介しました。次は、パソコンを購入した場合の具体的な会計処理方法、減価償却費の計上方法をご紹介します。

例1) 個人事業主が40万円のパソコンを1月に購入した場合
購入時 (借方)器具備品 40万円 (貸方)現金預金 40万円
減価償却時 (借方)減価償却費 10万円 (貸方)器具備品 10万円
※減価償却費は「定額法」で計算。40万円÷4年=10万円
例2)個人事業主が25万円のパソコンを1月に購入した場合
①減価償却資産として処理する方法
購入時 (借方)器具備品 25万円 (貸方)現金預金 25万円
減価償却時 (借方)減価償却費 62,500円 (貸方)器具備品 62,500円
※減価償却費は25万円÷4年
②少額減価償却資産の特例を適用して全て経費にする方法
経費 (借方)消耗品費 25万円 (貸方)現金預金 25万円
※全て経費処理をしているため、減価償却費の計算は不要

パソコンの購入する場合の会計上の注意点

パソコンの購入する場合の会計上の注意点
パソコンの購入する場合の会計上の注意点

個人事業主の方がパソコンを購入される場合に、会計処理上、気をつけなければならない注意点が2点あります。この2点を誤ってしまうことでパソコンの購入費用がその年の経費にならないおそれがありますので十分注意しましょう。

購入価格は1セット(ディスプレイやキーボード)で考える!

パソコンの取得価格とは、パソコンの購入費用と直接購入に要した費用や付随費用が含まれます。例えば、デスクトップパソコンでディスプレイとパソコン本体を明らかに一式で使用する場合は、パソコンとディスプレイはセットで考えることになります。

その他に、メモリ増設費用やソフトウェア、キーボード、送料などを含めて1セットになります。パソコン本体の値段が10万円未満だからといって消耗品費として全額経費処理できませんので注意して下さい。

未使用のパソコンは減価償却資産にはならない!

未使用のパソコンは減価償却資産になりません。年末セールなどでパソコンを購入し、箱を開封しないまま年を越してしまうと、そのパソコンは減価償却することはできません。

未使用のパソコンは「器具備品」の勘定科目ではなく、「貯蔵品」という科目で会計上計上されます。固定資産は全て事業にしようした時から減価償却ができるようになりますので注意しましょう。

監修税理士のコメント

高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷

減価償却資産は、所得税と償却資産税の両面から総合的に判断した上で償却方法を選択しないと、余計な税金を払うことになるケースもあります。特に償却資産税は、除却や売却をしない限り毎年発生してくる税金なので、最初から償却資産税の対象にならない償却方法を選択したほうが得をするケースが多いです。固定資産をたくさん取得した年などは、このあたりを留意しながら顧問税理士とも相談し、慎重に判断されることをおすすめ致します。
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個人事業者のパソコンの減価償却は決して複雑なものではありません。しかし、事業の利益を考えながら、どの費用(パソコン購入費用など)を資産計上し、どの費用を一括して経費にするかを判断することは税金の専門家の税理士ではないと難しいです。確定申告を自分一人で計算できるか不安な方は「ミツモア」で税理士に見積もりを依頼しましょう。

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