節税対策を検討するなら、節税に関する知識やノウハウが豊富で、相談しやすい税理士を選びたいですよね。
このページでは、節税対策に強い税理士の選び方に関する12のチェック項目や、節税のコツ、顧問料の相場、税理士との面談に向けて準備することを解説します。
節税に強い税理士を選び、納める税金を徹底的に抑えましょう。
節税に強い税理士の選び方「チェックリスト12」
徹底的に節税したいなら、積極的に節税対策をしてくれる税理士に依頼しましょう。
節税に強い税理士の選び方で迷わないために、12のポイントがあります。
1.節税対策の相談に積極的に乗ってくれるか |
2.節税対策につながる最新の控除制度・知識・ノウハウに詳しいか |
3.試算表の提示が早く、経営面のアドバイスをしてもらえるか |
4.融資に対するリスクも説明してくれるか |
5.税務調査に強いか |
6.顧問料などの料金や業務内容についての説明が明確か |
7.レスポンスが早く、訪問にも対応してくれるか |
8.相性がよく、コミュニケーションがとりやすそうか |
9.自社の業界の事情を詳しく把握しているか |
10.税理士事務所の情報がオープンになっているか |
11.他の経営者からの評判がいいか |
12.IT環境を整えているか |
1. 節税対策の相談に積極的に乗ってくれるか
税理士の主な業務内容は、官公署へ提出する税務署類の作成であって節税対策ではありません。
最近はサービスの一環として節税対策をすすめてくる税理士もいますが、積極的に助言してくれないこともあります。ですので、税理士に依頼する際は節税対策もサポートしてくれるかどうか、してくれるとしたら具体的にどういった方法でサポートしてくれるかをしっかり確認しましょう。
最近ではホームページなどで得意分野を明示している税理士が増えているので、参考にすると良いでしょう。
2. 節税対策につながる最新の控除制度・知識・ノウハウに詳しいか
節税対策につながる控除制度は、会社の規模や業種によっては適用できなかったり、控除額が異なります。また、制度によっては数年おきに改正されることもあります。
ですので、税理士を選ぶ際は、最新の控除制度や適用条件に精通しているかどうかも確認しておくべきです。
3. 試算表の提示が早く、経営面のアドバイスをしてもらえるか
仕訳帳から総勘定元帳に正確に転記されているか確認するための集計表を「試算表」と言います。節税対策に強いだけでなく、経営者のお金の使い方や金融機関との上手な付き合い方など、経営面のアドバイスもしてくれる税理士を見極めることが必要です。
4. 融資に対するリスクも説明してくれるか
会社を経営していく上で資金が必要になり、銀行に融資を申し込むことがあります。
融資の申込みを受けた銀行は、会社の決算書の内容をチェックした上で融資を行うかどうか判断します。もし過度に節税を行うことで利益が大幅に減額している場合、融資を受けられないケースもあります。
このように、節税対策にはメリットばかりでなく、銀行から融資を受ける際の審査が厳しくなるというリスクもあります。節税することで生じるリスクを理解した上で、説明を果たしてくれる税理士を選びましょう。
5. 税務調査に強いか
税務調査によって調査官から指摘を受ければ、追徴課税を納付しなければなりません。
税務調査には税理士が立ち会うことができ、調査官の調査が妥当かどうかの判断などを任せることもできます。しかし、税務調査が入る割合は3%程度と低く、税理士試験において問われる内容ではありません。そのため、税務調査に強いと言える税理士は限られています。
節税対策を積極的に行いたい場合、税務調査に関する知識や経験を備えた税理士選びが必要です。
6. 顧問料などの料金や業務内容についての説明が明確か
かつては税理士会によって税理士の報酬規定が定められていました。しかし現在、税理士の料金は自由化されており、面談回数や会社の売上高によって同じ作業量でも料金が変わることがあります。
税理士のホームページを確認する際は、料金や業務内容についての説明が明確かどうかをチェックしましょう。
7. レスポンスが早く、訪問にも対応してくれるか
税理士に対する不満の声としてよく聞かれるのが「レスポンスが遅い」というもの。税に関する相談や質問を投げかけても、何日も音沙汰なしというケースです。
その他「顧問税理士がなかなか訪問してくれない」という不満も聞きます。
顧問契約の場合、月に1回以上経営者を訪問することが通例となっていますが、これは直接会うことで書類やデータだけでは読み取れないことを確認するためでもあります。
契約前の見積書を提示するスピードや面談日程を決定するスピードなどから、レスポンスが早いかどうか見極めるようにしましょう。
また「月に何度訪問してくれるか」という具体的な訪問回数もあらかじめ確認しておくと安心です。
8. 相性がよく、コミュニケーションがとりやすそうか
仕事上の付き合いとは言え、人間同士として相性の合う合わないは、これからコミュニケーションをとっていく上でも非常に大切なポイントです。メールや電話のやり取りだけで判断するのではなく、実際に会って話してみることをおすすめします。
第一印象が良く聞き上手でこちらの話を理解してくれる税理士とは、今後のやり取りもスムーズに進められる可能性が高いでしょう。
9. 自社の業界の事情を詳しく把握しているか
税理士が顧問先に適切な助言をするためには、顧問先の属する業界の事情を詳しく把握していることが大切です。同業種の顧問先を多く抱えている税理士であれば、そうでない税理士よりも業界事情に精通していることが期待できます。
10. 税理士事務所の情報がオープンになっているか
サービス内容や料金設定をはじめとして税理士事務所の情報がオープンになっているかどうかもチェックしましょう。もちろん、情報をオープンにしていなくとも信頼できる税理士もいます。しかし後々認識のズレによるトラブルやロスを未然に防ぐ意味でも、情報を明確にしているかどうかの確認は大切です。
11. 他の経営者からの評判がいいか
インターネットで口コミや評判をチェックしても、書かれてある内容が正しいとは限りません。他の経営者からの評判を聞く機会があれば、ぜひ参考にしましょう。特に、実際に顧問契約を結んでいる経営者であれば、仕事の進め方やレスポンスの早さについても教えてくれるでしょう。
12. IT環境を整えているか
事務所にIT環境が整っており、パソコンやメールの操作に明るいかどうかも考慮しておきたいポイントです。
近年ではクラウド会計ソフトも普及してきました。納税方式や納税システムもインターネット経由で行うことができる時代です。
事務所にIT環境が整備されており使いこなせるかどうかを見極めておけば、今後の作業時間やコストの削減にもつながります。
税金対策に強い税理士、なぜ少ない?
節税対策は税理士の本来の業務ではないため、節税対策に積極的でない税理士も少なくありません。それ以外にも、税金対策に強い税理士が少ない5つの理由を見ていきます。
税理士は生命保険や国の制度の提案に終始しがち
税理士によっては「生命保険への加入や国の制度を活用することが1番の税金対策」と説明し、その提案に終始することがあります。
他にも節税方法がある中で生命保険加入を積極的に推奨することが多いのは、加入してもらうことによって紹介料を受け取ることができるためです。
国の制度の場合は、紹介料というバックはありませんが、ノーリスクで利益の繰延が可能です。
節税対策をしても税理士報酬は上がらない
生命保険へ加入してもらうと紹介料という形で報酬がアップしますが、その他の節税方法をアドバイスしても税理士の報酬は上がりません。
税務調査で指摘され、追徴課税を払うリスクがある
積極的に節税対策を推奨し実現したとしても、税務調査で指摘され追徴課税を払うリスクが生じます。追徴課税の税率は10%〜15%であり、その責任は節税対策をアドバイスした税理士にあります。
報酬が上がらないばかりか、追徴課税を払うリスクがある。
これが、多くの税理士が節税対策に消極的である理由です。
そもそも節税知識・節税ノウハウの蓄積があまり無いことも
そもそも知識やノウハウが不足している税理士もいます。提案することといえば「生命保険へ加入してください」「設備投資でなるべく経費をつくってください」など一般的な内容ばかりで、あとは決算書類をするだけというケースです。この場合、本来なら納めなくて済む税金まで多く払ってしまうことになります。
節税コンサルの利用は効果的?
成功報酬で節税対策をアドバイスするコンサル会社もあります。
しかし、そういったところはコンサル会社に有利な保険商品を推奨していたり、高額な掛け金を要する金融商品であったりするため注意が必要です。過去には「個人事業主コンサルタント」を自称し、脱税指南を行っていた業者が摘発された事例もあります。
脱税を指南していた違法業者が摘発されると、捜査当局は顧客リストを入手します。そうなれば脱税や違法行為という認識がなくても、重加算税や延滞税を課せられることになります。
個人事業主の節税3つのコツ
個人事業主が節税しようと思ったら、具体的にどういった方法があるのでしょう。個人事業主が押さえておきたい3つのコツを紹介します。
個人事業主で節税を考えるのは所得税
個人事業主が収める主な税金には、所得税・住民税・事業税・消費税の4つがあります。
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この内、個人事業主の節税の基本となるものは所得税。所得税は、1年間の売上から必要経費を差し引いたお金に所定の税率を掛けて決定します。
設備投資などの必要経費が大きければそれだけ課税所得額が下がるので、所得税は安くなります。
青色申告にする
個人事業主の確定申告は「青色申告」か「白色申告」のどちらかで行いますが、節税の面から言うと青色申告が有利です。
白色申告の所得控除額が10万円であるのに対し、青色申告の所得控除額は65万円と高く設定されています。
経費をもれなく申告する
課税所得を抑えるためには、経費の積み上げがポイント。日頃から領収書を集めたりと工夫が必要です。
また、何が経費になるのかという知識も節税対策につながります。たとえば自宅で事業を営んでいる個人事業主であれば、仕入れや事務経費だけでなく、家賃や光熱費なども経費として計上できます。
法人化している際の節税3つのコツ
法人化している際も、経費をもれなく申告することが節税の基本になります。それ以外の節税のコツについて紹介します。
非課税で法人から個人に資産を移す
法人から個人に資産を移す主な方法は4つあります。
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役員報酬は税制上は経費として認められていませんが、「定額同時給付」など特定の支払い方法を採用することで非課税となります。
役員賞与は、事前に税務署に届け出をしておくことで損金とできます。
社会保険料の削減
年々上昇している社会保険料の削減を検討することも節税につながります。
会社で加入する社会保険には「健康保険」「厚生年金保険」「労災保険」「雇用保険」「介護保険」の5種類ありますが、これらの保険料を決める基礎となるのが標準報酬月額です。
標準報酬月額とは毎年4月、5月、6月の3ヵ月間に支払われた給与の平均額で、社会保険料を計算する基礎となるもの。
賞与の一部を退職金として支給することで標準報酬月額を下げ、社会保険料を下げるという方法があります。
他には、パート社員を活用するなどして、社会保険料の対象者を限定するという方法もあります。
消費税の削減
設立時の資本金が1,000万円未満の新会社を設立した場合、2期目までは消費税免除です。また、大きな設備投資をして売上にかかる消費税よりも仕入れにかかる消費税が大きくなった場合には、差額が還付されされます。
税理士を雇うといくらかかるか?
税理士を雇うことを考えた場合、気になるのが費用(報酬)だと思います。
ここでは一般的な費用相場を紹介します。
税理士報酬の法人/個人事業主での相場
税理士報酬は、法人か個人事業主か、年間売上がいくらかによって違います。
記帳代行も依頼する場合の一般的な費用相場は下記の通りです。
・月額顧問料
<法人の場合>
年間売上 | 月間顧問料 |
1,000万円未満 | 3万円/月~ |
1,000万円~ 3,000万円未満 |
3万5,000円/月~ |
3,000万円~ 5,000万円未満 |
4万円/月~ |
5,000万円~ 1億円未満 |
5万円/月~ |
1億円~5億円未満 | 7万円/月~ |
5億円以上 | 仕訳数等によって変動 |
<個人事業主の場合>
年間売上 | 月間顧問料 |
1,000万円未満 | 2万円/月~ |
1,000万円~ 3,000万円未満 |
3万円/月~ |
3,000万円~ 5,000万円未満 |
3万5,000円/月~ |
5,000万円~ 1億円未満 |
4万5,000円/月~ |
1億円以上 | 仕訳数等によって変動 |
・決算書作成や確定申告書作成、消費税申告など(年に1度の業務)
月額顧問料の4~6カ月
・年末調整
従業員10名まで2万円 (+1人ごとに1,000円)
作業量で料金を決める税理士も
売上高ではなく作業量を基準に料金を決める税理士もいます。
業務内容と一般的な費用相場は、以下の通りです。
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税理士との面談に向けて準備すること
問い合わせはメールや電話であっても、契約までに最低1度は税理士と直接面談しましょう。税理士との初回面談では、節税の内容や顧問料の予算などを伝えます。
また、面談にあたって事前に準備しておくべき資料もありますので、紹介します。
どのような節税をしたいか、どの経費を節減したいのか
どのような節税をしたいか、どの経費を節減したいのかなるべく具体的に伝えましょう。
可能であれば、同業他社の顧問実績や税務調査時の対応についても初回で確認しておくと安心です。
その他、資金繰りに関するコンサルや相続対策の知識・ノウハウの有無も確認できると良いでしょう。
顧問料として想定している予算の範囲
税理士報酬は、売上高や作業量によって異なります。
税理士に依頼したい業務が、想定している予算内に収まるかどうかは予め確認しましょう。
予算の範囲内であっても相場と比較して適切な料金体系かどうかを見極めるために、事前に報酬相場をチェックしておくと良いでしょう。
契約をいつ頃から開始したいか
契約を希望する開始時期を伝えた上で、期限に間に合うかどうかを確認しましょう。
あわせて、「解約する場合は何ヶ月前に申し出が必要か」ということも初回面談のタイミングで確認しておきましょう。
【準備する資料1】定款、謄本
税理士との初回面談では、事業に関する基本情報や売上高などの資料を見せることで、具体的な業務内容や料金の話まで進めることができます。
定款や謄本は、自身の事業の基本情報(業種など)を説明するために必要です。
これらの基本情報を事前にしっかり揃えておくことで、会社の信用を伝えることができます。
【準備する資料2】過去3期分程度の決算書、申告書
会社の経営や納税に関する決算書や申告書の資料は、過去3期分程度準備しておくと良いでしょう。
自身の事業の売上高や予算を説明する資料を揃えておくことで、顧問料を具体的に見積もることができます。
【準備する資料3】伝票
記帳代行を依頼する場合、月にどれくらいの領収書が出るかを伝えておくと、期間や費用の検討をつけてもらいやすくなります。
口頭で伝えた伝票数と実際発生する伝票数に大幅な差があれば、見積もり後に顧問料が上がってしまうこともあります。
税理士探しの方法
節税に強い税理士の選び方が分かったところで、実際どのように税理士を探したら良いのでしょう?
税理士探しの3つの方法を紹介します。それぞれのメリットとデメリットも抑えておきましょう。
電話・インターネットで自分で探す
1つ目は、電話帳やインターネット検索を使い自力で探す方法です。
費用がかからずメールで簡単に問合せできるというメリットがある一方、情報量が膨大で時間と労力がかかってしまいます。
また、電話やインターネットの情報だけでは、正確な評判や相性までは推し量ることが難しいです。
知人からの紹介
すでに税理士と契約している知人がいれば、その人から紹介してもらう方法もあります。
信用できる税理士を紹介してもらえる可能性が高い方法ではありますが、紹介された税理士と自分との相性までは担保されていません。
自分が依頼したい業務内容を遂行する知識やノウハウがあるかの確認も必要です。
もし断ることになった場合、紹介してもらった手前、断りづらいという弊害もあります。
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2024年(令和5年分)の申告に関する最新情報
申告は期限後にも行えますが、ペナルティが発生するため期限内に行いましょう。