「屋根の修理が必要です」と業者から勧められたけれど、本当に今修理をすべきか、どうやって判断すればいいのか、またどのくらい費用がかかるのか、不安に感じていませんか?
屋根の劣化は自分では気づきづらく、初めて修理を検討する方にとっては判断が難しいものです。
この記事では、屋根の修理のタイミングから、修理方法ごとの費用目安、さらに信頼できる業者の選び方まで、初心者にもわかりやすく解説します。業者の言いなりになることなく、適正な修理内容と価格で安心して進められるよう、知っておくべきポイントをまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
屋根修理をした方がいい?屋根修理すべき劣化症状の目安
屋根の種類ごとに、発生する劣化症状は異なります。下記の表で、屋根材別に修理をすべき劣化症状と発生年数の目安をまとめました。
屋根材 | 劣化症状 | 発生の目安 |
---|---|---|
スレート | 割れ・欠け・反り | 築10~15年 |
瓦 | ズレ・割れ・破損 | 築15~30年 |
ガルバリウム鋼板 | 錆・屋根の浮き | 築10~15年 |
スレートとガルバリウム鋼板は、塗膜のコーティングが劣化する10~15年を目安に、劣化症状が発生してきます。このタイミングで異常が発生し、修理が必要になるケースがよくあります。
瓦には塗装は必要ありませんが、15~20年を目安に、土と瓦が内部結露によって剥離し、ズレが生じてきます。割れや破損といった症状は外部からの衝撃が原因で発生する劣化症状です。
上記のような劣化症状が見られる場合は屋根を修理するべきタイミングが来たとお考えください。
屋根修理の費用相場は数万円~200万円
屋根の修理にはいくつかの方法があります。下記は代表的な屋根の修理方法と費用相場です。
修理内容 | 費用目安 |
---|---|
屋根塗装 | 40万円~80万円 |
屋根葺き替え | 120万円~240万円 |
屋根カバー工法(重ね葺き) | 80万円~120万円 |
屋根の雨漏りの修理 | 20万円~250万円 |
屋根の棟板金の修理 | 3万円~10万円 |
屋根材の部分修理・一部交換 | 3万円~20万円 |
それぞれの修理方法と費用相場について、より詳しく解説します。
屋根塗装:40万円~80万円
屋根塗装の費用は40万円~80万円が目安です。工期は1~2週間程度になります。
屋根塗装は、以下のような屋根の劣化が比較的軽い場合に行われる修理です。
- 表面にコケ・カビが生えている
- 表面にサビが出てきいる
- 屋根材の退色がみられる
費用は使用する塗料のグレードや塗装面積で大きく変わります。
屋根葺き替え:120万円~240万円
屋根葺き替えの費用は、120万円~240万円が目安です。工期は屋根塗装と同様に1~2週間程度となります。
屋根の葺き替えは、屋根材自体が寿命を迎えてしまった場合に行う修理方法の1つです。ひびや穴・サビなどが多く見られるなら、屋根材が寿命を迎えている可能性が高いため葺き替えを検討しましょう。
屋根カバー工法(重ね葺き):80万円~120万円
屋根葺き替えの費用は、80万円~120万円が目安です。こちらも工期は1~2週間程度となります。
カバー工法は既存の屋根材上にルーフィングを敷き、新たな屋根材を葺いていきます。「葺き替え」のように既存の屋根材を撤去する必要がないので、コストを抑えることができます。
カバー工法は葺き替えと同じく屋根材が寿命を迎え、塗装などでの対応が難しい場合に行います。こちらもルーフィングを新たに施工するため、防水機能は完全に復活させることができます。
屋根の雨漏りの修理:20万円~250万円
屋根の雨漏りの修理費用は、程度によって大きく異なります。修理費用の目安は下記の通りです。
- 天井にシミがみられるなど症状が軽微な場合:20万円~35万円程度
- 天井から雨水が落ちてくる場合:25万円~50万円程度
- 複数箇所から雨漏りしている場合:60万円~250万円程度
複数個所から雨漏りしている場合は、屋根の下地を全て修理する必要があり、工事費用が高額になります。
雨漏り調査は目視の調査であれば無料の業者が多いです。しかし目視では雨漏りの原因が分からなかった場合、より詳しく調査を行うため別途費用がかかるので注意が必要です。なお、調査費用の相場は3〜30万円程度となります。
屋根の棟板金の修理:3万円~10万円
屋根の棟板金の修理費用は、3万円~10万円が目安です。費用は修理が必要な棟の長さと、屋根材によって変わります。
屋根の棟と呼ばれる屋根の頂点や、軒と呼ばれる端の部分には、水切りのための板金と呼ばれる部材が被せられており、ここのパーツが強風に煽られるなどして浮いてしまった場合は修理が必要になります。
屋根材の部分修理・一部交換:3万円~20万円
屋根材の部分修理・一部交換の修理費用は、3万円~20万円が目安です。屋根材が変形してしまった場合は屋根材を一部交換することもできます。
緊急性がある、あるいは建て替え間際で大きな費用はかけたくないという場合は、スポットでの部分修理がいいかもしれません。
屋根修理を安く行う方法|火災保険や補助金は使える?
火災保険:20万円~全額免除
火災保険を利用することで、屋根の修理費用を保険会社から保証してもらえる可能性があります。保険金額は加入している保険内容次第ですが、20万円以上または、最大で全額免除してもらえることも。ただし火災保険を申請するためには、下記の条件を満たす必要があります。
- 風災や雪災、雹災等の自然災害による損害であること
- 修理費用が免責金額以上であること
- 被災してから3年以内に申請すること
火災保険は自然災害による損害を補償するものであり、経年劣化で修理が必要になった場合は、適用外となります。
また、火災保険はあくまで「事故にあった部分を修繕する費用」を補償してくれる制度です。部分的な損害に対して全面葺き替え等は認められないので注意が必要です。
ただ、そのように対処せざるを得ない妥当な理由があれば認められる場合もあるので、保険会社に確認してみるとよいでしょう。
補助金:20~30万円
国や一部の自治体では、屋根のリフォームに利用できる補助金・助成金制度を設けており、支給条件を満たす工事を行う場合に、20~30万円程度の補助金を受け取ることができます。
屋根修理で利用できる補助金の一例は下記の通りです。
▼国の補助金制度
- 長期優良化リフォーム推進事業制度
- 支給金額:工事費用の3分の1の金額(限度額は100万円)
- 支給条件:耐震性能などの項目が不適合の状態から性能基準まで上げる工事であることなど
- 公式HP:長期優良住宅化リフォーム推進事業【総合トップページ | 国立研究開発法人 建築研究所
▼東京都江戸川区の補助金制度
- 新耐震戸建住宅耐震改修工事助成制度
- 支給金額:工事費用の3分の2の金額(限度額は200万円)
- 支給条件:軽量化のための屋根の葺き替え工事
- 公式HP:新耐震戸建住宅耐震改修工事助成制度 | 東京都江戸川区
お住まいの自治体が補助金制度を提供しているかホームページで確認してみましょう。
屋根修理で信頼できる業者を選ぶコツ
相見積もりを取る
まず大切なのが相見積もりです。
屋根は劣化の状態が目視しづらい部位であるものの、施主は業者からの説明をもとに修理内容を決断する必要があります。騙しや詐欺をはたらく悪徳な屋根の修理業者がいることもまた事実。
複数の見積もりが取れる相見積もりでは、業者の説明の真偽を見極めやすくなります。自分自身の目で確認しづらい屋根の修理だからこそ、業者の提案や説明を比較することが大切です。
必ず相見積もりを取るようにしてください。
実績・専門性を確認する
屋根の屋根修理をする際は「瓦葺業者」「板金業者」といった屋根の専門業者を探して依頼しましょう。
「瓦葺業者」は瓦屋根、「板金業者」はガルバリウム鋼板などの金属屋根といったように、業者によって得意な屋根材が異なっています。
相談や見積もりの依頼前には、業者のホームページで施工実績の件数を確認しながら、自宅と近しい条件での修理実績が豊富な業者を選ぶようにしてください。
調査力を観察する
屋根修理では、劣化の原因を根本的に解決することが重要になります。劣化の原因を特定するためには調査力が欠かせませんが、業者の調査力が不足している場合、不適切な修理を行ってしまう恐れがあります。
雨漏りが発生している状況で、業者からカバー工法を提案してもらったものの、屋根内部にまでダメージが及んでいて、工事の数年後にまた雨漏りが発生するようになった。というケースです。屋根の状態を適切に見極められる調査力のある業者であれば、このような失敗は防ぐことができます。
根本的な問題を解決するためには調査力のある業者に依頼することが大切になります。最低でも30分は現地調査を実施しているか、調査内容には裏付けがなされていて、業者の説明には説得力があるか、しっかりとチェックするようにしましょう。
悪徳業者をみきわめるポイント!
悪徳業者は言葉巧みに契約を迫ってきます。後々のトラブルを避けるためにも悪徳業業者を見きわめるポイントを紹介していくのでぜひ参考にしてくださいね。
飛び込み営業には注意
飛び込み営業の業者は悪質な業者が多いので注意しましょう。台風や地震などが起こった後に営業をかけてくるパターンが多いです。
そもそも屋根の修理は実際に現地調査をしてみないと、どのような修理が必要か適切に判断できません。また「無料で点検しますよ」と提案してきた場合も断った方が良いです。
専門用語を多用し、「今すぐ修理しないと危険」というように言葉巧みに契約を促してくるので騙されないようにしましょう。
大幅な値引きをしてくる
最初に提示している料金から数十万以上、もしくは半額というように大幅な値引きを提案してくる業者も避けた方がよいでしょう。
このような業者は見積もり自体が適正でない可能性が高いです。
契約を急かしてくる
屋根の修理には数十万以上もの費用がかかることもあります。そのため何社かを見比べてよく考えてから依頼したいですよね。
しかし悪徳業者の中には「今日中に契約してくれたら安くしますよ」と契約を急かしてくるところがあります。
また話を強引に進めてくる、誰にも相談させようとしない、というような業者は信頼できません。
見積もり書の内訳が明確に記されていない
見積もり書に工事内容やそれぞれの費用が明確に記されているかも大切なポイントです。
費用が「一式」で表されていたり、数量や単価が書かれていなかったりする場合は注意しましょう。
後からのトラブルを避けるためにも内訳までしっかり確認し、わからない部分があれば業者に質問するようにしてください。
屋根修理に関するQ&A
続いて、屋根修理に関してよくあるQ&Aを紹介します。
屋根にひび割れがあるのですが、修理が必要ですか?
ひび割れは雨漏りの原因になる可能性があるため、早めに修理するようにしましょう。ひび割れ部分に防水テープを貼って応急処置をするか、コーキング材を使ってひび割れ部分を補修する方法があります。
軽微なものであれば自分でDIYで修理しても良いですが、高所に昂分危険が伴いますので専門業者に点検してもらい、必要な補修や交換を行うことがおすすめです。
屋根のメンテナンスはどのくらいの頻度で行うべきですか?
屋根の種類にもよりますので、以下の屋根材別のメンテナンスのタイミングを参考にしてみてください。早期の発見で大規模な修理を避けることができますので、定期的なメンテナンスが大切になります。
スレート屋根 | 15年前後 |
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瓦屋根 | 洋瓦の場合30年前後、日本瓦の場合50年前後 |
ガルバリウム屋根 | 25年前後 |
トタン屋根 | 10年前後 |
アスファルトシングル | 20年前後 |
屋根の雨漏りが発生した場合、まず何をするべきですか?
まずは漏水箇所を確認し、バケツや雑巾で一時的に水が室内に入るのを防ぐための対策を取りましょう。その後、速やかに専門業者に連絡して修理を依頼して修理を依頼してください。
もし、雨が止んで余裕がある場合は屋根にブルーシートを被せると応急処置方法もありますが、高所に登る分危険ですので、支えてもらえる人がいない状態でしないようにしてください。
屋根修理にはどのくらいの費用がかかりますか?
修理する屋根材や修理する範囲によって異なります。以下の表を参考にして費用の目安を見積もってみてください。
工法 | 費用相場 |
---|---|
部分修理 | 10~30万円 |
葺き替え(ふきかえ) | 120~240万円 |
カバー工法(重ね葺き) | 80~120万円 |
屋根塗装 | 40~80万円 |
屋根の修理は自分でDIYで行うことができますか?
簡単なひび割れや瓦の補修など軽微な補修は可能ですが、高所作業は危険ですので必ず支えの人が1人以上いる状態で行うようにしましょう。
DIYは専門的な知識も必要になりますので、施工品質に不安があったり、高所に登る危険な作業をするのが嫌な方は、安全面を考慮して屋根修理業者に依頼するのが無難です。
屋根の修理業者はどうやって探せばいい?
屋根修理業者を探す際は、見積り価格の安さだけでなく実績や口コミ、保証内容を確認しましょう。また、複数の業者から見積もりを取って比較し、価格や実績を比較しながら信頼できる業者を選ぶことが重要です。
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