屋根材のひび割れ、落下、浮き、雨漏りなどの修理の際に目を向けるべき業者の選び方は、修理内容に適切な業者探しを行うことです。
屋根修理業者は、業者の考え方により修理方法が異なります。そのため、屋根修理業者の探し方や選び方はとても重要となります。
屋根のひび割れ、落下、雨漏り修理の際に失敗しないための屋根修理業者の選び方を、詳しく解説いたします。
屋根の修理をどこに頼めばいいの?
屋根修理の依頼先は多くいますが、屋根修理の専門業者は2つしかありません。「瓦葺工事会社」「板金工事会社」です。
「瓦葺き工事会社」は陶器瓦を扱う業者で、瓦屋根の修理を専門に行っています。一方「板金工事会社」は、トタン屋根やガルバリウム鋼板などの金属屋根の修理を専門としてます。
大手住宅メーカーや大手リフォーム会社でも修理の依頼をすることが出来ますが、実際に施工するのは下請けの業者です。下請けの業者の中には、「瓦葺工事会社」「板金工事会社」も含まれますが、専門業者ではない「工務店」に依頼されることもあります。
大手住宅メーカー
メリット | デメリット |
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大手住宅メーカーはCMなどでも聞き慣れているので、安心感がある点がメリットといえます。
しかし、大手住宅メーカーは工事を下請けに任せてしまうため、下請け業者に修理で大事な連絡事項が行き届いていないというトラブルが発生することがあります。また、中間マージンが発生するので、費用は高額になりがちです。
大手リフォーム会社
メリット | デメリット |
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大手リフォーム会社は、リフォームに特化した施工を行う企業です。リフォーム実績が豊富であるため、屋根の修理と一緒にリフォームを検討している場合は、大手リフォーム会社に依頼するのがおすすめです。
大手リフォーム会社のデメリットは、大手住宅メーカーと同様に下請け業者に依頼するため、費用が高額になりがちな点です。また、リフォーム会社と下請け業者との間で連絡ミスが起こりやすく、思った通りの施工をしてもらえないことがあります。
地元工務店
メリット | デメリット |
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地元の工務店は、地域に密着したサービスを提供しているため、地域住民から評判が聞きやすいです。修理内容に不備があった場合にはスピーディーな対応をしてくれる点もメリットです。
地元の工務店は建物全体に詳しいものの、屋根の修理を専門に行っているわけではありません。ホームページや評判を確認して、屋根の修理を得意としているのかどうかもチェックしておきましょう。
板金工事会社
メリット | デメリット |
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板金工事会社は主に金属屋根の修理を専門としています。「トタン屋根」や「ガルバリウム鋼板」の屋根材を使用している住宅は、板金工事会社に依頼するのがおすすめです。
しかし、板金工事会社は瓦屋根の修理は一切行うことができません。あくまで金属屋根専門の業者であることを把握しておきましょう。瓦屋根を修理したい場合には以下で紹介する「瓦葺工事会社」への依頼がおすすめです。
瓦葺工事会社
メリット | デメリット |
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瓦業者は主に、瓦屋根の修理を専門としているため、屋根瓦の仕組みに非常に詳しいです。
しかし、板金工字会社と同様に、瓦屋根以外の修理は基本的に行うことができません。また、施工実績が豊富でない業者もいるため、信頼性はそこまで高くないというデメリットがあります。
防水業者
メリット | デメリット |
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防水業者とは、雨漏り対策や防水工事を専門とする業者です。主に、ハウスメーカーの下請けとして屋根の修理を行ってくれることが多いです。
屋根が雨漏りしているという症状がある場合には、防水業者に依頼するのがおすすめです。屋根を修理して防水効果を上げてくれます。
屋根修理業者の探し方
屋根修理業者の探し方 |
自治体に紹介してもらう
自治体のHPでは屋根修理業者の紹介をしています。自治体から紹介された業者であれば、一定の基準をクリアしているため、信頼性が高いです。
また、地域密着型の業者が多く登録しているため、地域の景観に合わせた修理を行ってくれます。修理の後に不具合があった場合でも、近所の施工業者であればすぐに駆けつけて修理をしてくれるでしょう。
家を建ててもらったハウスメーカーや工務店に紹介してもらう
家を建ててもらったハウスメーカーや工務店であれば、知り合いの屋根修理業者を紹介してくれます。また、場合によっては、屋根修理費用を保証してもらえることがあります。
チラシや広告から探す
ポストに投函されたチラシや新聞の折り込み広告から業者を探すのも1つの方法です。このような業者は、地域密着型の業者であることが多く、融通も聞きやすいです。
依頼する前に、HPを確認し「施工実績はあるか」「地域住民からの口コミはどうか」を見ておきましょう。
インターネットのマッチングサイトを使う
屋根修理業者は、インターネットのマッチングサイトで調べることができます。屋根修理業者のマッチングサイトには、厳しい審査に通った業者のみが掲載されています。そのため、安心できる屋根修理業者に出会うことができます。
屋根修理業者の多くは、HPを持っています。HPから施工実績や口コミも確認しておくと、優良業者に出会える可能性が高くなります。
ミツモアでは、無料で最大5件の屋根修理業者から見積もりを取ることができます。業者選びが大変という方は、ぜひ活用してみてください。
瓦葺・板金の事業者連盟に登録している業者から探す
事業者連盟に登録している業者であれば、一定の基準を通過し、屋根修理の技術を保証された業者が集まっているため、安心して修理を依頼することができます。
事業者連盟は主に2つあり、「一般社団法人全日本瓦工事業連盟」や「全日本板金工業組合連合会」です。瓦屋根を使用している住宅は、「一般社団法人全日本瓦工事業連盟」から探し、金属屋根を使用している住宅は「全日本板金工業組合連合会」から業者を探しましょう。
参考:一般社団法人全日本瓦工事業連盟 参考:全日本板金工業組合連合会 |
屋根修理業者の選び方!優良な業者に依頼するためには
屋根修理業者の選び方 |
①現地調査が丁寧である
優良な業者は、屋根裏まで上がり現地調査を行います。屋根裏まで登らず、見積もりを出してくる業者は、知識不足だったり契約を急いでいたりする業者が多いです。
②見積もり内容について細かく説明してくれる
優良な業者は、細かい見積書を作ります。悪徳業者の場合は数量欄に「一式」と書かれている箇所が多いです。もし見積書に関する説明が雑で、曖昧な見積書を作成された場合には、悪徳業者である可能性が高いでしょう。
③作業工程について細かく説明してくれる
また、屋根修理業者に質問して即座に納得出来ないような回答をする業者は避けたほうが無難です。
④コミュニケーションが取りやすい
コミュニケーションを取ろうとしない業者は、依頼者の要望を聞き入れてくれなかったり、納得のいく修理を行ってくれないことがあります。
⑤屋根の状態を写真で撮影して、教えてくれる
⑥瑕疵担保責任とメーカー保証の説明がある
優良な業者の場合には、「瑕疵担保責任」と「メーカー保証」の説明を事前に行い、今後不具合が発生しても対処してくれます。しかし、説明の無い業者は、施工後の責任を負わない場合があるため、注意しましょう。瑕疵担保責任とは、施工内容に不備があった場合に、業者が負うことになる責任の事です。
⑦自社施工である
優良業者は、自社施工で責任を持って工事を行います。自社施工の場合、万が一修理に不具合があっても即座に対応してもらえます。
⑧施工管理者が在籍している
大手ハウスメーカーやリフォーム会社の場合には、施工管理者が在籍しているケースは少ないですが、下請け業者に施工管理者がいるかどうか確認しておくと安心です。
⑨口コミで高い評価を受けている
一方、口コミで高い評価を得ている場合には、信頼できる業者である可能性が高いです。業者依頼の際には必ず、口コミを確認するようにしましょう。
⑩複数の支払方法が用意されている
屋根の修理費用は100万円に登るケースも少なくないため、様々な支払い方法があると非常に安心です。
優良な屋根修理業者の中には、リフォームローンを用意している業者もあります。多くの費用が掛かった場合でもリフォームローンで小刻みに支払えるので、負担を軽減させることができます。支払い方法が現金のみで融通が効かない場合、多くの修理費用が発生すると支払いに困ることがあるので、あらかじめどのような支払方法を設けているのか確認しておきましょう。
悪徳業者によくある事例を紹介!騙されないためのコツ
悪徳業者によくある事例 |
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事例①飛び込み営業してくる
悪徳業者によくあるのが、ご家庭にいきなり訪問してくる飛び込み営業です。「雨漏りが発生している」「このままでは屋根が破損して大変なことになる」などオーバーに症状を伝えてきます。
優良な一般業者は訪問販売をすることはありません。飛び込み営業してくる業者は悪徳な業者である可能性が高いため、依頼は避けるのが無難です。
事例②大幅に値引きを行う
悪徳業者の大きな特徴として、大幅値引きをしてくる手法があります。優良な業者でも、値引きをすることはありますが、費用相場よりも安い金額まで下がった場合は要注意です。
大幅値引ができる理由は、最初から多くの金額を増した見積書の金額としているからです。正規の金額から大幅値引きしているのではなく、最初から割り増しした金額を記載した中から多く割引しているだけです。そのため、大幅割引しても一般の優良業者よりも高い場合があります。
事例③契約を急がせる
悪徳業者は、早く自社の仕事として手に入れたいので契約を急がせます。他の業者と比較されないうちに自社の仕事として獲得したいので、お客様に検討の時間を与えずに早く工事契約をしたがるのです。
「今日契約したら安くする」「明日になると高くなる」などの契約を急がせる言い方を優良な業者は一切しません。
事例④立会いや了承がないまま見積もりを出す
悪徳業者は、お客様の立会いや了承なく見積もりを出す傾向にあります。優良業者の場合、勝手に点検をして見積書を作ることはありません。
立会いや了承がないまま見積もりを出してきた場合、悪徳業者であると思って間違いないでしょう。
事例⑤「火災保険で0円になる」と説明する
悪徳業者は火災保険に目を向け、火災保険で修理費用がタダになるとアピールする場合があります。しかし、火災保険を使って費用を抑えることは出来ても、0円にすることはほとんど不可能です。また、屋根修理のすべてに火災保険が適用するわけではありません。
火災保険でタダで修理ができることを引き出して屋根の修理をすべきとアピールするのは、悪徳業者だけです。一般の優良業者に相談した場合は、火災保険を使うこともできるかもしれないと教えてくれる程度です。
事例⑥10年を超える長い保証期間を提示してくる
屋根の修理における保証期間は「長くても1年間」であり、1年を超えた場合は保証を受けることはできません。つまり、10年を超える保証期間を提示してくる業者は悪徳業者と判断できます。
10年という言葉に聞き覚えがあり、信用してしまう方もいるようです。しかし、建物に対する10年の保証というのは、新築の際に発生する10年の保証です。
業者に依頼する前にしておくべきこと
自宅の屋根の状態を確認する
屋根修理を依頼する際に、自宅の屋根の状態を確認し業者に伝えることで、屋根の状態を把握しやすくなったり、円滑に修理がすすめられたりします。チェックすべき項目は以下の通りです。
業者依頼する際にやっておくべきこと |
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出来たら、破損状況を確認しておきましょう。依頼者が確認できる範囲で良いので、屋根の破損状態を簡単に業者に伝えることができるとよいです。屋根の上に直接登っての確認は大変危険であるため、絶対に登らないようにしましょう。
また、雨漏りの状況を確認する際は、天井にシミがある、聞き慣れない音が屋根裏の中でするなど、発生している状況を把握し、業者に伝えるようにしましょう。。
屋根の修理にかかる適切な費用相場を確認する
修理方法 | 築年数 | 費用の相場(建物坪数30坪) | 修理方法 |
塗装 | 築7年以降 | 40万円~普及品の塗装材料の場合) | 既存の屋根の上に、新規の塗装工事を行います。 |
部分修理 | 都度(様々な原因があるので経年数に該当しない場合多い) | 5万円~(部分修理の方法により異なる) | 破損している屋根部分を修理する方法です。 |
葺き替え | 築20年程度 | 50万円~(屋根材料種類によりにより異なる) | 既存の屋根材を撤去し、新規に屋根材を葺きます。 |
葺き直し | 築20年程度 | 100万円~瓦屋根に該当する屋根メンテナンスであり、瓦を扱うので費用が高額になる) | 既存の瓦を使って、屋根を再度葺く方法です。下地も綺麗になることにより頑丈で丈夫な屋根とすることができます。 |
カバー工法 | 築20年程度 | 40万円~(屋根材料種類によりにより異なる) | 既存の屋根を上に新規の屋根を葺く方法です。既存屋根の撤去をしない分費用が安価です。 |
屋根の修理を依頼する前に、適切な費用相場を把握しておかないと、悪徳業者の高額な請求に騙されてしまうことがあります。
費用相場を把握しておくだけでも、悪徳業者に騙されるリスクを回避できます。
以下の記事では雨漏りの修理費用を紹介しています。屋根の葺き替えやカバー工法を行わなくても部分修理で直せることがあります。
屋根を修理するタイミング
屋根の状態 | 施工方法 |
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屋根材の落下、ひび、浮き、雨漏りというのは経年劣化で発生することが大半であり、早い場合は築5年程度で発生してしまうことがあります。築5年経過したら、屋根材の破損、雨漏りが発生していないかチェックしましょう。
雨漏りが発生しやすい気候は、雨風が多い時期です。雨や台風時期は雨漏りが発生しやすいので、こまめにチェックしましょう。
また、様々な災害が発生した際には、建物が歪むなどの不具合が発生して雨漏りに繋がることがあります。災害が発生した際には、雨漏りが発生していないかチェックしましょう。
屋根の修理費用を安くする方法
屋根の修理費用を安くする方法 |
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火災保険を利用する
火災保険の適用範囲は幅広く、自然災害で屋根が破損した場合にはほとんど適用することができます。台風や雹・雪によって破損した場合も適用範囲内です。
適用範囲外となるのは、地震で屋根が壊れた場合です。火災保険の適用範囲がわからないという方は、保険会社に確認するようにしましょう。
屋根と外壁の塗装を一緒に行う
屋根の塗装を行う場合は外壁塗装と一緒に行うのがおすすめです。屋根塗装と外壁塗装では、それぞれ足場の設置が必要になり、別々に依頼すると足場代が2回分かかってしまいます。1回の足場設置で約20万円かかります。
屋根と外壁を一緒に依頼することで足場の設置を1回に抑えましょう。
自治体の補助金を利用する
自治体の補助金制度を利用することで、修理にかかる費用を抑えることができます。多くの自治体は補助金支給の条件として「耐震性向上のための工事」を設けています。例えば、屋根の耐用年数が過ぎたため、葺き替えを行う場合や、劣化した部分を修理する場合です。
自治体によって補助金支給の内容や条件が異なることがあるため、あらかじめHPや問い合わせなどで確認することが大切です。
複数の業者から見積もりをとる
複数の業者から見積もりを取ることで、自分の条件に適した業者の中から、修理費の安い業者に依頼することができます。
また、適正な費用相場を把握できるため、悪徳業者に騙されにくくなります。
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