カフェでおしゃれなランチを食べる時や、自分で作った料理が思いのほかうまくできた時など、美味しそうな食べ物を見ると誰でも写真に収めたくなります。
そんな時カメラやスマホを構えますが、写真の撮り方を知らずにお皿の前で固まって悩んでしまう経験はありませんか?
今回は食べ物を美味しそうに撮るコツ5選をご紹介します。
スマホでもまるでプロが撮った写真のようにできるコツがあるんです。
料理の前で固まる前にぜひ一読してみてください。
食品写真撮影はこれだけ押さえる!
食品の写真を撮る時にはいくつか気を付けなければならないことがあります。
プロのカメラマンも基本的にはこの5つの基本を意識して写真を撮っています。
それは「構図」「角度(アングル)」「ライティング」「背景・小物」「シズル感」です。
この5つを知っていれば写真は劇的に変わります。スマホで写真撮影する場合も同様です。
それぞれチェックしていきましょう。
コツ1)構図によって印象は全然違う!
写真の構図はなんとなくセンスで考えるものではありません。
構図の知識を持っていれば、いろいろな印象の写真を選択して撮ることができます。
- 縦に撮る構図
縦の写真では横写真よりも簡単に奥行きが出せます。
奥行きが出てくるとピントの合っているものを印象的にすることができますし「ボケ」を出すことができるので雰囲気のある写真を撮ることができます。
- 横に撮る構図
横の写真は縦の写真よりも奥行きがないので全体がのっぺりとした印象の写真になりやすいです。
料理の作り方を順を追って見せる写真やメニュー表に付いている写真など、どちらかというと説明的な印象を与える写真になります。
コツ2)食べ物にも映える角度(アングル)がある
次に写真の角度を考えてみます。
角度は構図にも大きく関わっていて、食べ物それぞれに映える角度があります。
基本は斜め45°ですが、食べ物それぞれの映える角度を探していきましょう。
- 斜め45°(斜俯瞰)から撮るのが基本
食べ物写真では斜め45°から撮ることが良いとされています。
その理由は、人が食べ物を見る時の角度が斜め45°ですから一番自然に見えるということです。
斜め45°で撮ると食べ物の高さが出るので立体的な写真になります。
- 真上(真俯瞰)から撮る
あえて真上から撮る方法もあります。真上から撮ると物の形がはっきりとします。
食べ物自体を美味しそうに見せるには斜め45°の方が優れていますが、真上から撮ることで空間を活かしてデザイン的な写真を撮ることができます。
おしゃれな写真を撮りたい時におすすめな方法ですが、上級者向きと言えるかもしれません。
- 真横から撮る
真横から撮ると写真に高さが出ます。
高さのある食べ物のボリューム感を出したい時におすすめな撮り方ですが、背景が写ってしまうので注意が必要になってきます。
コツ3)ライティングによって美味しそう感がUP
写真ではライティングは非常に重要な要素です。
被写体が良く写るのは順光(カメラ側からくる光)ですが、食べ物の写真では順光は向いていません。
順光はフラッシュもそうですが、全体が明るくなり後ろの方が暗くなるので「立体感」と料理の「ツヤ」が出ません。
食べ物の美味しそう感をUPさせるのはこの「立体感」と「ツヤ」なので順光は美味しそうに見えることに繋がりません。
- 逆光(食べ物の後ろから来る光)と斜め逆光で美味しそう感UP
逆光で写真を撮ると食べ物に光が当たって「ツヤ」が出ます。
食べ物の上側が最も明るくなり手前側が暗くなるので、「立体感」も同時に作ることができます。
さらに斜め逆光の方がよりツヤと立体感を出すことができますが、出しすぎても美味しそうに見えない場合があるので注意しましょう。
コツ4)背景の色・小物使いは食べ物写真の命
背景の色は写真のイメージに大きく影響を与えます。
暖色系は食べ物に温かいイメージを持たせることができますし、寒色系はさわかやなイメージを持たせます。
例えば、元気なイメージを持たせたければオレンジ色を使ったり、さわやかな朝を表現したければ青色を使用したりします。
背景の色はテーブルクロスだけではなくただの布でもいいですし、色のついた大きな紙でも表現できます。
- 小物を使って簡単に演出
小物も忘れてはならない存在です。
写真全体の色を足すことも簡単にできますし、何よりストーリーを作り出せます。
お箸やカトラリーを置くことで食事のシーンを演出することができますし花や植物を使って季節感を出すこともできます。
外国製の箱や缶をちょっと隣に置いておくだけでもかわいい写真になります。
コツ5)プロが意識するシズル感とは!?
シズル感とは英語の「sizzle」が語源で「食べ物が焼けるジュージューといった音」のことを意味しています。
そこから「食べたいと思わせる表現」という意味で使われるようになりました。
例えば、厚切り肉の断面から肉汁が垂れる様子を撮影したり、温かい鍋料理に湯気をプラスしたりする撮影方法です。冷たい飲み物やフレッシュな果物を表現するには水滴を付けたりします。
プロは「美味しそう」と思わせるテクニックをいくつも使って撮影しています。
ライティングの意識でこんなに変わる
写真のライティングには先ほど触れた「逆光」以外にも、ちょっと意識を向けるだけで効果的なものがあります。
光には「かたい光」と「柔らかい光」があることを知っていますか?
簡単に言うと、かたい光とは影が濃く出る光、柔らかい光とはぼんやりした影が出る光です。
ライティングの意識とは「どんな光を使うのか」ということに繋がります。
自然光で撮る
ライティングの考え方の基本は自然光で撮ることです。
自然光は電球を使った照明とは違い自然な色合いや風合いを出すことができる柔らかい光です。直射日光ではなく、室内に入って来る光を利用します。
光が足りない場合は窓際で撮影したりすると良いでしょう。
また、部屋の照明は切っておくことも重要です。照明がついていると光の方向が複数になるので逆光で撮影することができなくなってしまいます。
室内のライトで撮影する
もちろん自然光が使えない場合は室内のライトを利用します。
カメラのフラッシュ機能を使う手もありますが、それよりも室内のライトで撮影した方が良いでしょう。
天井のライトにもいろいろありますが、蛍光灯などの強くて青白い光はかたい光ですので、美味しそうに撮影することは難しくなってきます。
できれば室内では人工光を用意して逆光を演出したいところです。
その場合は真上からの部屋の照明は落としておきましょう。
照明に一枚布を被せるといったテクニックもあります。
レフ版を使いこなす
ライティングが上手くなるためにはレフ板を使うことも考えなければいけません。
レフ板とは光を反射させて暗い部分を明るくさせる白い板のことを言います。
光が来る逆の位置にレフ板を置き、影の部分の黒さを調節して写真の明るさや色合いをイメージに近いものに仕上げていきます。
レフ板を置く距離が近ければ明るく、遠ければ暗くなっていくことを利用して明るさをコントロールしていきましょう。
プロは黒いレフ板を使って影の黒さをより強調するテクニックも使います。
機材はどうする?食品写真撮影に使えるカメラ
食品写真を撮るためにはさまざまな機材があります。
カメラだけでも一眼レフ、ミラーレス、コンデジ(コンパクトデジタルカメラ)、スマホとたくさんの種類のカメラが売られていますから、どれにしようか悩んでしまうはずです。
他にもレンズや三脚などあったら便利な機材もあるのでそれぞれの目的や用途にあった機材を見極めることも大切になってきます。
SNS投稿ならスマホが使える
SNSに投稿するならば圧倒的にiPhoneなどのスマホが便利です。
撮ってすぐ投稿することができる上、アプリを使って簡単に撮った写真を加工、おしゃれに仕上げてアップできます。
そんなスマホで食べ物写真を撮るコツもあるのでみていきましょう。
- 完成写真をイメージする
特にインスタ映えを意識する場合、インスタではさまざまな画像処理機能があります。
簡単におしゃれな写真に画像を加工できますが、始めに撮影する前からどんな完成写真にしたいのかイメージしてから撮影に入ると良いでしょう。
- カメラアプリの個性を知っておく
カメラアプリにもいろいろな設定があります。
あらかじめ個性を知っておかなければいけません。
特にスマホのカメラは広角レンズが付いているので食材やお皿の形がゆがんでしまうケースがあります。
- スマホ装着レンズが意外と便利
スマホのカメラ部分につける専用の装着レンズを使えば、コンデジのような写真を撮ることもできます。
さまざまなレンズが売られているので選択肢の幅も広がります。
料理写真を一眼レフで撮る技
一眼レフで料理写真を撮る強みは簡単にボケが出せるところです。
ふんわりとした雰囲気のある写真を取りたい時に必須のボケですが、一眼レフなら「絞り(F値)」を調節してボケの度合いを変えられます。
テーブルの上のピントを合わせたい食べ物以外の周りをボケさせて印象的にすることが誰にでもできます。
多種多様なレンズを付け替えていろいろな写真が撮れる一眼レフですが、単焦点レンズをつければ「F値」を小さく設定できるのでさらにボケを強くしたい場合でも対応可能です。
レンズの中でもマクロレンズをつければマクロ撮影の楽しさを存分に味わえます。
デメリットは間違いなく「重量」です。
重いだけでなく大きいのでレンズも合わせると持ち運びは非常に不便です。
言うまでもなく、納得のいく料理写真を撮るには技術も必要になって来ます。
メニュー撮影はプロの力を借りるのも手
カメラの性能が上がり簡単に綺麗な写真を撮れるようになったので、飲食店のメニューも自分で撮ってしまおうと考える人が増えてきました。
メニューでは「おしゃれな写真」を撮ることも必要かもしれませんが、「どんな料理かわかる説明的な写真」であることも重要な要素です。
実際に撮影してみればわかりますが、この2つの要素を組み込んだ写真を撮ることは意外と難しいです。
メニューは飲食店の看板でもありますから、やはりいくつもテクニックを駆使して「おしゃれで美味しそうな説明的な写真」を撮ることができるプロに任せてしまう選択肢も考えたほうが良いでしょう。
プロの料理写真カメラマンの探し方
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