「あっ美味しそう。一枚撮ろうっと」スマホでパシャっ!
「あれ?見た感じと違うなあ・・・」もう一度パシャっ!
「うーん、見た目では美味しそうなのに上手く撮れない。」
こんなことはありませんか?
原因は料理写真の基本的なことを知らないから、かもしれません。
今日、スマホの進化によってみんなが写真を撮れるようになりました。SNSでは世界中でめまぐるしく料理の写真が更新されています。
その中には美味しそうな写真もありますが、微妙な写真もありますよね。なぜ微妙なのかというと、料理写真の基本的なことが抜けているからかもしれません。
アプリを使ったり、加工したりする前に(それも勿論ありですが・・・)料理写真に大切な事をお話ししたいと思います。
料理写真の撮り方のコツ
意外と深いのが料理写真。この世にカメラマンのテストがあるとすれば料理写真がいいだろう、なんて言葉もあるくらい実は深いのです。なぜなら料理写真では構図やアングル、そして光と影や被写界深度など、写真の基本的なことを網羅する必要があるからです。
ただ、もし料理写真のコツを1つ上げなさいと言われれば、私は「光と影」だと答えます。(※光と影の詳しい話は後半に!)
その光と影が料理写真のシズル感にも繋がってきます。シズルとは、人の感覚を刺激して食欲や購買意欲をわかせる手法のことです。見ている人の味覚を刺激するには、光と影を使って料理の食感や匂いを表現する必要があるのです。
どんな写真を撮りたいですか?
まずはどんな雰囲気で撮りたいかを決めましょう。カラフルなマカロンを綺麗な色合いでファンシーに撮りたいのか。キャビアを使用した料理を高級志向で厳かに撮りたいのか。自家製で作ったパンを自然派なオーガニックな空気で撮りたいのか。
料理によって、または目的によって雰囲気は変わっていきます。
まずはその目的を定めて、それに合うように雰囲気を作っていきましょう!
どんな美味しさを写しますか?
美味しさを写すといっても、美味しさにもいろいろあります。
甘〜いチョコのお菓子はトロッとツヤがでたチョコを写したいし、ガッツリコッテリした料理は、油が滴るように撮りたい。自家製のパンは丁寧な暮らしを感じさせつつ、美味しく朝に食べられるようなイメージで撮りたい。
など、写す美味しさはいろいろありますよね。料理の長所や特徴をとらえ、なおかつ料理に合うシチュエーションを想像しながらイメージを作っていきましょう!
この料理写真のコンセプトは?
例えばクロワッサンを撮るとします。コンセプトは仮に、「モーニングで食べるクロワッサン」 としました。
クロワッサンはパリッとツヤっとして幾重にも重なったあの生地が特徴です。その生地と形に光をあて、どういう影をつくろうかなあと考えるのです。そして、美味しそうな料理写真に仕上げていくのです。
そしてこの写真のコンセプトは朝ですので後ろにコーヒーを入れました。
そしてグリーンの葉をボカシで後ろにいれれば・・・丁寧な暮らしの中モーニングでクロワッサンを食べるそのひとときが、出来上がりました。
このように目的と雰囲気とコンセプトを定めておくと、写真がより明確に仕上がっていくのです。
料理写真の目的
料理写真の目的は、様々です。
雑誌のレシピ、お店の看板またはメニュー、スーパーのチラシ、SNS、料理教室のホームページetc・・・など多種多様です。料理は人間が生きていく中で必要不可欠なものなので、ありとあらゆる場面で出て来ます。
ですのでAI(人工知能)が発達しても料理写真は無くならないと思っています。でもそれもAIが撮るようになるのかな・・・
話が逸れましたが、目的別の料理写真について簡単に見ていきたいと思います。
お店のメニュー
- お店のメニューは使っている具材などがわかりやすく。
- メニュー表の中には料理がたくさん載っているので比較しやすく。(例えば光の方向やアングルを統一して違いを際立たせたり、ページごとや種類ごとに雰囲気を統一させる)
- いわゆるキリヌキで載せるのもあり。
※キリヌキ=料理の形や皿で切り抜いて載せること。一般的には写真は四角だが、四角の写真ではなく、料理以外の余白の無い状態にすること。
統一の光の場合、自然光(太陽の光)は厳しいかもしれません。太陽の光は変わっていくので、ストロボなどの人工の光でライティングすることをおすすめします。(ライティングについての詳しい話は後述)
ホームページのイメージ写真
- ホームページのイメージ写真は雑誌系がいいと思います。影がキツめに落ちていてもいいし、人の手が入ってたりするような雰囲気が伝わる写真です。
- 全体がよくわかる料理写真もあるといいと思います。テーブルに数種類の料理がのっているカットなど。
- 全体の空気感も大事。(お店の料理や内装の空気感、料理教室の料理ジャンルが前面に押し出された写真など)
インスタ投稿用
- 俯瞰のアングルで撮る。
俯瞰はインスタらしくなります。このアングルは丸い皿がおすすめです。丸皿に入れたスープなどは俯瞰で撮るとまーるく写るので決まりやすい! - 料理の部分アップやプロセスなどもいれる。
インスタ投稿用は決めカットももちろん大事ですが、ある意味軽さも大事。日常や裏側を少し見せる意識で撮る! - スクロール画面で考える。
一枚一枚も大事だけど、全体のスクロール画面で見た時にどう見えるかも大事。
色彩豊かに、なおかつ全体がギラギラした色になりすぎないよう、単色も混ぜたりして抜けを作りましょう。
広告写真
- 広告写真は写真の強さが大事。ポスターなどは不特定多数の人に向けて撮るので、振り返るような印象的な光やスタイリングにしたい。
- 一枚で伝わるようなわかりやすさと訴求力が必要。
- 写真が大きくなることも多々あるので、ささいなところにまで気を配る。ある意味雰囲気だけではごまかせず、技術はかなり必要な写真です。
料理写真のカメラとレンズ
料理写真のあれこれがわかってきたのではないでしょうか。ここからは実践編です。
料理撮影に最適なカメラ選びは?レンズは?スマホでの料理撮影のコツは?
などについて、色々お話したいと思います。
料理写真に向いているカメラ:一眼レフ
一眼レフはイメージセンサーが大きいので、とにかくボカすことができます。さらにボカすにあたって、ボケているところが綺麗なグラデーションを描けるような画素数と包容力?を持っています。
また、プリントを大きく伸ばすことも出来ますし、レンズも選べます。F値を絞ってテーブルの上の料理全てにピントを合わせることも出来ます。
自由自在ですが、使いこなすには少し時間が必要かもしれません。
料理写真に向いているレンズ
- 標準的なズームレンズ(24mm~120mmなど)
これは撮りやすいレンズです。料理単品から、テーブルイメージなど幅広く対応できます。結局はこれ一本あれば大体事足りてしまう万能レンズ。
ただ小さい食べ物や、接写を求められた時はピントが合わなかったりします。ズームレンズは構造上レンズを複数重ねているため、鮮明さに欠けると感じる時があります。
- 単焦点レンズ(マクロレンズ60mmなど)
このマクロレンズを使えば、小さな食べ物や、接写もできるので1つは欲しいレンズ。焦点距離は色々ありますが、60mmくらいがいいのではないかと思われます。
単焦点はレンズが一枚で構成されているものがあるので、非常に鮮明でクリアに撮れます。ゆがみも少ないです。ズームはできないので不便だと思いがちですが、癖になったらズームレンズに戻れなくなるときもあるくらいです。
※シフトレンズというのもあります。料理の一箇所だけにピントを合わせてあとはボカしたり、逆に全てにピントを合わせたり(パンフォーカス)できます。
スマホの最低条件の設定
- スマホで撮影する時はフラッシュは切る。
料理写真で前からの光が極端に強いのはタブーに近いです。後ろや横からの光に重きを置くため、内臓フラッシュは切りましょう。
- HDRもいらない。
HDR(High Dynamic Range)は簡単に言えば白トビと黒つぶれを抑える機能です。料理写真には、光と影が大事なのでHDRのフラットにさせてしまうような機能はいりません!!
- ピントは画面長押し。
スマホの画面を指で長押しにすると、その場所にピントと明るさが合って固定されます。是非試してみてください。
料理に近づいて、ピントを合わせると被写界深度の法則により、ピントが合っているところ以外のボケがかなり強くなるはずです。明るさもこの方法でコントロールしていきましょう!
- スクエア(正方形)のトリミングで撮る。
スクエアで撮るのは長方形よりも、構図の組み立てが少し難しいです。だからこそ初めからスクエアで撮れば画面を決め込めるし、ほかの人と差をつけられるかもしれません。
料理写真のライティング
料理写真にライティングはとても大事です。
この記事の始めに料理写真のコツを1つあげるとしたら「光と影」だとお伝えしました。それくらい料理と光は密接な関係にあるのです。
ここではそのライティングをよく理解していただくために、照明を使い、ライティング別に1つ1つお話したいとも思います。
逆光または半逆光のみ
料理写真の基本は逆光または半逆光です!!
後ろからの光がピザの具材を際立たせます。この表面の質感、食感がわかるように光をあてるのがコツです。これは自然光でも同じ事です。
逆光なので料理がシルエットになってしまわぬように、明るめで撮りましょう。
それでも前が暗い場合は、レフ板をあててみましょう。
逆光+レフ板
よく見ると、右下に少し見切れているのがレフ板です。
ピザの前側の生地の部分を見てください。レフ版だけでもこんなに明るさが違います。このレフ板は白い紙でも、発泡スチロールでもいいのです。光を反射させる白いものであればなんでもOKです。後ろからの光を受けて、反射させる意識であてます。
この時ピザに近づけると明るくなり、遠ざけると明るさは落ちていきます。自分の好みに合わせて距離を調節していきましょう!
サイドからのみ
これはサイドからあてた光のみです。
具材の立体感は潰れてフラットになりました。テリは消えて形を出す影が横に流れ、立体感が失われました。
サイドからの光だけで撮る場合もあるにはありますが、基本は2灯使う時の抑えとして使います。つまり、後ろからの光をメインとし、その時に落ちた影をサイドからの光で抑えて明るさを調整していくのです。
※透過光
グラスやビンなど透ける被写体は透過光で表現すると綺麗です。透過光は幻想的で劇的にみせることができます。自然光でもストロボでも透過を意識して撮ってみると面白いですよ!
※光の調節の際はヒストグラムを見ながら撮影するとやりやすいかもしれません。
料理写真の構図
料理写真においては構図も大事です。
構図によって印象はガラリと変わります。これを知らないと落としどころのないような写真になってしまいがち。構図は覚えて、実践に活かしましょう!
料理写真の構図:C字
C字構図です。
楕円型や丸いお皿など、このように端を切って見せる構図。端に見せたくない隙間があったりする時も、このように切って見せればキマります!インスタでもすぐに使えるおしゃれな構図。
料理写真の構図:S字
続いてはS字構図。
お皿が2枚あると意外とどう置けばいいか迷うもの。その時にこのS字構図が使えます。赤い線の部分がSになるように置きます。優雅さが出て、2皿が自然とフレームの中におさまります。
料理写真の構図:被写体を手前に置く
複数同じものがある時は、このようにピントを合わせたい被写体を手前に持ってきましょう。
フレーム内に動きが出てきますし、奥がボカせるので印象的な画面になります。例えば、後ろにパッケージがあり手前には中身がある、といったことも出来ます。
料理写真の構図:日の丸
最後は日の丸構図です。
高級感のある料理を、堂々と真ん中にスッと置いても説得力があります。洒落てない分、威厳と風格がでることもあります。
前述したキリヌキ写真の時も、料理のアウトラインを全て見せるため、この構図で撮ることが多いです。
料理写真のアングル
料理写真では、アングルもコツの一つです。
ここではアングルの種類と効果をお話していきたいと思います。
ハイアングル(真俯瞰)
前述にもありましたが、インスタグラムで多用されている流行りのアングルです。
真俯瞰にすることで丸いものや皿が丸く写り、絵になりやすいです。上の写真のように、色々な料理が載っているテーブルフォトの時にも使いやすいアングルです。
昔のフィルムカメラはすごく重かったプラス、カメラの性能的に感度を高くできないので三脚が必須だった。なので以前は少なかったアングルなのだと思われます。
ローアングル
続いてはローアングルです。
テーブルにカメラが付くくらい低く構えます。料理に立体感が生まれるアングルです。テーブルの奥行き感も出せるので、奥はボカし手前にピントを合わせて劇的に見せることができます。
斜俯瞰
人がテーブルに座って料理を食べる時の目線くらいの角度です。一番オーソドックスなアングルと言えます。使いやすいし、違和感のない自然なアングルなので多用されています。
接写
料理に近づくアングルです。
ローアングルに近いですが、思いっきり近づくことで迫力がだせます。
さらには広角気味で撮れば、遠近効果で食べ物が大きく見えます。小さいものでも大きく見せたい時などに使います。撮影距離が近いとボケ感も強くなるので、ボカしたい時にもいいでしょう。
料理写真の加工のポイント
実践編の最後は加工のポイントです。
ポスターやカタログの料理写真は、おそらく加工されているものが割とあります。理由は統一感を出すためのトーン合わせだったり、写真の質をあげるためだったりと様々です。
ここでは簡単にいくつかお話したいと思います。
加工のポイント:彩度
彩度は少しあげて色を出します。
特にサラダのグリーンなどは黄色がかっていると鮮度が悪く見えるので、緑を鮮やかにする意識で彩度を上げていきましょう。
加工のポイント:明度
基本は明るい方が食べ物が美味しそうに見えます。
外で食べるご飯が美味しく感じるのは、光をサンサンと受けているからではないかと、私は思っているのですがいかがでしょうか。
コントラストを上げたり明るさを上げたりして調節しましょう。AdobeのPhotoshopではトーンカーブという調整項目がありますが、それはよく使われます。
加工のポイント:湯気
上級編ですが、湯気をつけられるようになると見違えるほど良くなることがあります。
左が加工前で右が加工後です。
右側の方が美味しそうなコーヒーに見えるのではないでしょうか。詳しい話は長くなってしまうので割愛させていただきますが、プロが使うAdobeのPhotoshopではこんなこともできてしまいます。
似たようなことができるアプリもあるようですが、Photoshopで色々試してみるのもいいかもしれません。
霧吹きまたは筆
画像加工とは少し違う話ですが、実際の料理に霧吹きで水を吹きかけたり、筆で油を塗ってテリを出したりもします。料理は時間がかかるとどんどん乾くので、こういった方法で対処しながら撮影していくことがあります。
ただ基本は素早く撮る。これに尽きます。
料理写真はプロのカメラマンに撮影を依頼しよう!
料理写真のあれこれをお話しましたが、いかがだったでしょうか。
中には「こんなにも気をつけることだらけで難しそう・・・」と思われる方もいるかもしれません。
もしお困りの方がいたら、一度プロに依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。
お話した技術や知識が頭に入っていてなおかつ、自分の要望を形にできる近道をプロは知っています。
料理写真はプロのカメラマンに撮影を依頼しよう
自然光なのかストロボなのか、マクロレンズかズームレンズか、下地は木目のテーブルか色紙かなど、選択肢はたくさんあります。
気をつけることや覚えることもありますし、それを覚えても使いこなせるかは別の話だったりもします。
今回お話したように、実は奥が深い料理写真。
例えば撮影はプロに任せ、自分はその出来上がりを見てブラッシュアップしていく方に回るのも、クオリティを上げる一つの方法ではないでしょうか。
プロカメラマンの見積もり価格相場
プロカメラマンに頼もうとした時、まず気になるのが料金ではないでしょうか。
人物や物撮りなど撮影の種類にもよりますがカメラマンの拘束時間やカット数、データで受け渡すのかプリントして受け渡すのかによっても変わってきます。
例えば拘束時間は1時間2~3万ほどが相場です。1日拘束の場合は、5~10万くらいにはなります。
物撮りの場合は、約2〜8万となっています。商品の点数や撮影内容などでは分けておらず、大まかな予算の目安としてお考えください。
物撮りの撮影は
- 完全にお任せにする
- その場で自分も確認したい
- 出張してきてほしい
- スタジオに自分が行きたい
など、様々な要望があると思います。
それぞれの場合で撮影料金が変わってきます。イメージに近いスタジオを探して借りるとなるとスタジオのレンタル代もプラスでかかってきます。
また、プリント納品の場合のプリント費用、交通費や出張費、必要機材費などプラスアルファで料金に上乗せの場合もあります。
ですので、まずは見積もり依頼をして細かく明確にプランを立てるのもいいのではないでしょうか。
ミツモアでカメラマンの撮影を依頼しよう!
みなさん、ミツモアというサービスをご存じですか?
ミツモアではとても簡単に早くプロのカメラマンを探すことができるサービスです。
ミツモアには様々な場面や撮影に精通したカメラマンが多数登録しています。地域、条件、好きなテイストなどから、自分の依頼したいプロカメラマンを探してみましょう。
ミツモアで簡単に見積もり依頼
ミツモアなら簡単な質問に答えるだけで、プロカメラマンへ見積もり依頼ができます。見積もりはもちろん無料なので、気軽に始めてみましょう。
思い立ったら見積もりです。
最大5件の見積りが届く
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納得できるプロカメラマンがみつかれば、その場で依頼や交渉が可能です。もし、見積もりに納得できなければ、断ることも可能ですので、安心して相談してみてください。
チャットで見積り内容の相談ができる!!
お気に入りのカメラマンが見つかったら、見積もり内容の相談ができます。しかもチャットで出来ます。
チャットで見積もり内容の相談ができるのもミツモアのメリットです。チャットなので、やりとりも速いので、ストレスなく依頼までつなげることができます。
撮影であればおまかせあれのミツモアで是非一度、プロに依頼をしてみませんか。