ペット火葬の持ち込みについて解説します。ペットが亡くなってしまった場合、一般的には葬儀社や火葬業者が自宅までご遺体を引き取りに来てくれます。しかし、場合によっては、ペット霊園や自治体、ゴミ処理場施設などへ持ち込む形で飼い主がご遺体を運ぶ場合もあります。
また、収集が可能だが持ち込みにより料金を抑えられるという葬儀場や葬儀社も多くあります。
本記事では、ペット火葬の主な持ち込み先や持ち込み手順のほか、具体的な運び方についても解説します。
ペット火葬の持ち込みとは
ペットが亡くなってしまったら、まずはご遺体を涼しい場所で適切に安置しましょう。ペットの供養方法に決まりはなく、飼い主の意向によってさまざまな葬送方法が行われますが、いずれの場合もまずは火葬を行います。
一般的なペット火葬では火葬業者がご遺体を引き取りに来てくれることが一般的ですが、火葬業者によっては飼い主からの持ち込みに対応しているところもあります。
また、収集が可能だが持ち込みにより料金を抑えられるという葬儀場や葬儀社も多くあります。
ペット火葬の主な持ち込み先
ペット火葬における、主な持ち込み先は以下の3つです。
- ペット霊園
- 自治体
- 廃棄物としてごみ処理施設に持ち込む
それぞれについて解説します。
ペット霊園
民間のペット霊園では、ペットの持ち込みを受け付けているところもあります。ペット霊園によっては持ち込むことで火葬にかかる費用が割引されることもあるので、費用を抑えたい場合は持ち込みを検討してみるのも良いでしょう。
ペット霊園ごとに持ち込みの流れは異なるため、いきなり持ち込むのではなく、事前に確認を取るようにしましょう。ペット霊園であれば、火葬後にそのままお墓へ納骨することもできます。
自治体
エリアによっては、自治体の斎場へ持ち込むことも可能です。しかし、地域によってはペット火葬を受け付けていないところもあるため、必ず事前に確認してから持ち込むようにしましょう。
例えば、兵庫県姫路市の名古山斎場では、予約なしでペットの持ち込みを受け付けていますが、個別火葬やお骨上げはできません。
神奈川県横浜市では、市営4斎場のうち、戸塚斎場でのみペット火葬を受け付けています。また、個別火葬と合同火葬の中から選ぶことができ、個別火葬の場合骨壷を持ち帰ることも可能です。
一方で、東京都新宿区のように自治体でのペット火葬を行っておらず、管轄の清掃事務所・清掃センターへの引き渡しとなる場合もあります。
なお、自治体の斎場に持ち込む場合も料金は無料ではなく、数千円〜数万円が発生します。自治体によって対応方法は大きく異なるため、不明点や懸念があれば必ず問い合わせるようにしてください。
廃棄物としてごみ処理施設に持ち込む
自治体によってはペット火葬自体を行っておらず、廃棄物として焼却処分をしているところもあります。手数料は自治体によって異なりますが、この場合も料金が発生します。
自治体によってはごみ処理施設で引き渡しが行われたあと、委託先の火葬業者などへ合同火葬を依頼している場合もあります。しかし、いずれの場合も廃棄物としての扱いとなり、民間業者の火葬とは考え方自体が異なります。
ペット火葬の持ち込み手順
ペット火葬でペットのご遺体を持ち込むときの主な手順は以下の通りです。
- ご遺体の安置
- 火葬内容の決定・依頼
- ご遺体の持ち込み
- 火葬・引き渡し
それぞれについて解説します。
1. ご遺体の安置
ペットが亡くなってしまったら、まずはご遺体を涼しい場所に移して適切に安置しましょう。目や口をやさしく閉じたあと、保冷剤やドライアイスなどを用いて冷やした状態を保ちます。時間が許せば、湿らせたタオルなどを使って、体をお清めしてあげても良いでしょう。
ご遺体を適切に安置したら、近くの火葬場を探します。
2. 火葬内容の決定・依頼
持ち込み先の火葬場を決めて、不明点があれば直接確認しましょう。火葬場によっては当日いきなり持ち込んでも対応してもらえない場合があるため、「予約不要」と明記されている場所以外に持ち込む際は、事前に確認を取ることをおすすめします。
時間の経過とともにご遺体の腐敗は進んでしまうため、できるだけ早いタイミングで火葬場へ持ち込むようにしましょう。供養の方法に悩んでいる場合は、個別火葬で返骨してもらえる火葬場を選ぶと良いでしょう。
3. ご遺体の持ち込み
公式HPの情報や施設からの指示に沿って、ご遺体の持ち込みを行います。詳しい運び方は後述しますが、一般的には自家用車を使用する場合がほとんどです。
火葬場によっては持ち込める動物のサイズや体重に規制が設けられている場合もあるため、条件に当てはまっているか事前に確認しておきましょう。
4. 火葬・引き渡し
持ち込みを行いペットのご遺体を引き渡した後、火葬が行われます。合同火葬の場合はそのまま引き取りとなる場合もありますが、個別火葬の場合は立ち会いが可能なプランもあります。
火葬にかかる時間はおおよそ30分から2時間程度で、ペットの大きさによって大きく異なります。
火葬場にペットを持ち込むときの運び方
火葬場にペットを持ち込むときの主な手段は、「車」と「公共交通機関」の2つです。ただし、特別な理由がない場合は車での持ち込みをおすすめします。
火葬場が徒歩圏内にある場合は、歩いての持ち込みも可能です。
車の場合
もっとも一般的な持ち込み手段です。多くの作業を必要とするので、できれば2人以上で持ち込むことをおすすめします。
一般的には自家用車を使用しますが、タクシー会社によっては乗せてくれることもあります。ただし、必ず事前に問い合わせるようにしましょう。
ペットのご遺体は、キャリーケースやクレート、カーシート用のペットベットなどに寝かせて運びます。難しい場合は棺やダンボール箱などにタオルを敷き詰めて、車の揺れに耐えられるように固定します。ご遺体から体液が漏れてしまうこともあるため、タオルやペットシーツを敷いておくと良いでしょう。
亡くなってから時間が経過してしまっている場合や異臭が気になる場合などは、大きなビニール袋を用意して、箱の上からさらに密閉した状態で運びます。
公共交通機関の場合
小型のペットであれば、公共交通機関で運べる場合もあります。運営会社によって規定はさまざまですが、小犬や猫、ハト、またはこれらに類する小動物の持ち込みを可能としている一部の交通機関もあります。
公共交通機関を利用する場合は、ご遺体全身がケースの中に入るようにして、他の利用客の目に入らないように布をかけたり、ふたをしたりして配慮しましょう。また、匂いや体液の漏れにも、車で運ぶとき以上に細心の注意を払う必要があります。
ペット火葬の持ち込みにおける注意点
ここからは、ペット火葬の持ち込みにおける注意点を解説します。ペット火葬の持ち込みでは、以下の点に注意しましょう。
- 飛び込みを受け付けていないところもある
- 体重に規制が設けられている場合がある
- 火葬場によっては服装に配慮する必要がある
- トラブルに注意する
飛び込みを受け付けていないところもある
近くの火葬業者が見つからない場合など、「当日に火葬してもらいたい」という理由で持ち込みを選ぶ方もいるかもしれません。
しかし先述の通り、火葬場によっては飛び込みの対応を受け付けていないこともあります。HPに「予約不要」といった内容が明記されている場合を除いて、必ず事前に問い合わせるようにしましょう。
飛び込みOKの火葬場であれば、ペットを24時間以内に火葬すること自体は問題ありません。
体重に規制が設けられている場合がある
火葬場によっては、超小型動物や大型サイズの動物の火葬に対応できない場合もあります。ハムスターや小鳥、土佐犬やドーベルマンの大型犬など、サイズが気になる場合は事前に確認しておきましょう。
火葬場によっては服装に配慮する必要がある
ペットの火葬における服装は、人間のお葬式のように厳密なマナーやルールがあるわけではありません。しかし、自治体の斎場をはじめ、持ち込み先の火葬場によっては人間の火葬を行っている場合もあります。
そういった場合は周りの参列者に配慮して、喪服や黒い服装を着用するのが基本です。
まとめ
ペット火葬の持ち込みについて解説しました。持ち込み先はペット霊園や自治体、ごみ処理施設などがあります。しっかり返骨してもらって供養したいという方は、民間のペット霊園を選ぶと良いでしょう。
自力での持ち込みが難しい場合は、引き取りや出張火葬に対応してくれる火葬業者を見つける必要があります。
しかし、予算やお住まいの地域によっては、なかなか火葬業者を探せないという方もいるかもしれません。自分のエリアに対応している火葬業者の探し方がわからないという場合は、選択肢をクリックするだけで複数業者を比較検討できる「ミツモア」が便利です。
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