ペットが亡くなってしまった場合、火葬後の供養方法は飼い主の方の意向に沿って決めて問題ありません。最近では人間と同様に、ペット供養にもさまざまな選択肢が増えています。
最終更新日: 2024年06月28日
とはいえ、初めてペットを供養する場合、どのように進めて良いかわからない方もいるかもしれません。
そこで本記事では、ペット供養の方法や費用の目安、それぞれの特徴について解説します。火葬の進め方やよくある質問も紹介するので、参考にしてください。
ペット供養とは
ペット供養に明確な定義はありませんが、一般的にはペットが亡くなった際にお見送りをしたり、弔ったりする行為のことをいいます。
ペットの供養に「必ずこうしなければならない」といった決まりはなく、供養方法は飼い主の方が自由に決められます。
一般的に、まずは火葬となり、骨壷を受け取った後、お墓に納骨したり自宅で供養したりする流れとなります。
ペットが亡くなってしまったら
ペットが亡くなってしまった場合、まずは涼しい場所で適切に安置します。その後、供養方法に応じて各業者や機関へ連絡しましょう。
1. 涼しい場所で安置する
ワンちゃんやペットが亡くなってしまったら、目や口をやさしく閉じたあと、タオルなどで体をきれいに拭いてあげましょう。できるだけ早く涼しい場所へ移動して、保冷剤などで冷やした状態で安置します。
遺体の状態や気候、室温などで安置できる期間は異なりますが、夏場は1〜2日、冬場は2〜3日が目安となります。
火葬に時間がかかってしまいそうな場合は、保冷剤だけでなくドライアイスなどを用いて冷やし、できるだけ長く状態を保てるようにしましょう。
2. 必要な場所へ連絡する
大切なペットとのお別れは寂しいですが、時間の経過とともに遺体の腐敗は進んでしまいます。しっかりとお見送りをするためにも、おおまかな供養の方法を決めて、できるだけ早く適切な場所へ火葬や引き取りの依頼をしましょう。
火葬
民間業者に火葬を依頼する、もっとも一般的な方法です。火葬からその後の供養までを一貫して行っている業者もあれば、訪問火葬車のように火葬のみに対応しているところもあります。
個別火葬であれば立ち会いが可能なところもありますが、他のペットと一緒に火葬される合同火葬では、引き取りのタイミングが最後のお別れとなるため、納得の上で依頼先を決めるようにしましょう。
「ミツモア」では、対応エリアの中から複数の火葬業者を比較して依頼できます。
埋葬
お庭のある一戸建ての住居に住んでいる場合、法律的には敷地内にペットの遺体を埋葬することも可能です。しかし、火葬せずにそのまま埋葬する場合、遺体が自然に還るまでには長い年月がかかります。
場合によっては他の動物に掘り起こされてしまったり、近隣住民との間でトラブルに発展してしまったりする可能性もあるため、近年では実際に行わることはほとんどありません。
埋葬を希望する場合、まずは火葬をしてから遺骨をお庭に埋めるようにしましょう。
自治体に引き取ってもらう
民間業者への依頼が難しい場合、ペットの遺体を自治体に引き取ってもらう方法もあります。しかし、自治体ではすべての動物の遺体は基本的に一般廃棄物の扱いとして処理されます。廃棄物はできる限り形が残らないように焼却され、最終的には埋め立てられることになります。
自治体によっては返骨に対応しているエリアもありますが、例えば大阪市のホームページ上では「埋葬、ご供養をご希望の場合は、民間の動物霊園等にご依頼ください」との案内があります。大切なペットをしっかり供養したいという気持ちがある場合、民間業者に直接依頼することをおすすめします。
ペット供養の方法5選
ここからは、火葬後のペットを供養する方法を紹介します。一般的な供養方法は以下の通りです。
- お骨を手元供養する
- お墓を作る
- 共同の施設で供養する
- 散骨する
- ペットと一緒に入れるお墓を探す
供養の方法によっては、一度納骨したあとは返骨できないものもあります。最終的な供養方法に迷っている場合は、途中で他の供養にも変更可能な供養を選ぶとよいでしょう。
1. お骨を手元供養する
火葬後の遺骨を自宅や手元で安置する供養方法です。一口に手元供養といっても特に決められた形やルールがある訳ではなく、遺骨をアクセサリーやグッズにして身に付ける方もいれば、自宅の一角で骨壷を祀ったり、お墓プレートを設置したりする方もいます。
ペット霊園に足を運ばなくても毎日供養できるほか、他の供養方法と比較すると費用を抑えやすいメリットもあります。
また、遺骨を手元で安置することで、ペットの存在を身近に感じられるところも魅力です。飼い主の方の中には、死別から立ち直るためのグリーフケアとして自宅供養を選ぶ方もいます。
| 手元供養の種類 | 相場の目安 |
| お墓プレートを設置する（骨壷なしの場合） | 数千円〜2万円程度 |
| 骨壺を祀る | 数千円〜2万円程度 |
| アクセサリーにする | 数千円〜数十万円以上 |
2. お墓を建てる
ペット専用のお墓を建てる方法です。人間の遺骨は「墓埋法」によって指定の「墓地」以外の場所への埋葬が禁じられていますが、動物の体や遺骨の扱いに明確な制限がありません。
そのため、飼い主が希望する場合は私有地や敷地内にお墓を建てることもできます。
人間のお墓のように骨壷の入るお墓はもちろん、最近では手軽に作れるタイル式のプレート型のお墓も人気です。
| お墓の種類 | 相場の目安 |
|---|---|
| タイル式のお墓プレート | 数千円〜4万円 |
| ワンプレート型のお墓プレート | 5千円〜2万円 |
| 彫刻・写真入りのお墓 | 4万円〜9万円程度 |
私有地・敷地内
一戸建て自宅のお庭など、敷地内にお墓を作る方法です。墓石によって数千円～9万円程度と費用は幅広くなりますが、定期的な管理費はかかりません。
特定施設へ足を運ばなくてもお参りができるので、日常の中で毎日お祈りできるところも魅力です。
ペット霊園など
人間のお墓と同じように、ペット霊園の区画を借りて個別のお墓を建てる方法です。埋葬料や永年供養料といった初期費用だけでなく、基本的には年間管理料がかかることになります。納骨後のランニングコストが発生するため、予算と相談して決めるようにしましょう。
また、霊園によっては墓石のお墓だけでなく、樹木を墓標とする「樹木葬」に対応しているところもあります。樹木葬の場合、墓石と違って継承者が不要な点がメリットです。
3.共同の施設で供養する
共同施設で他のペットと一緒に埋葬したり、供養したりする方法です。遺骨の管理に厳密な決まりはなく、合同火葬された遺骨をそのまま埋葬する場合や、区画を分けて個別で安置する場合などさまざまです。
主な共同施設は以下の通りです。
- 供養塔・合同墓（合同慰霊碑）
- 納骨堂
供養塔・合同墓（合同慰霊碑）
ペット霊園が用意している供養塔や合同墓に納骨する方法です。骨壷から遺骨を取り出し、他のペットと一緒に納骨される場合が多いため、一度納骨したあとは返骨できない場合があります。
火葬も行っているペット霊園であれば当日の納骨も可能ですが、一定期間は自宅での供養を経て、気持ちに区切りがついたタイミングで合祀することもできます。
個別のお墓と比べると費用は1〜2万円と比較的安く、年間管理費もかからない場合がほとんどです。お参りはいつでも可能なほか、お彼岸やお盆などで供養祭を行っているところもあります。
納骨堂
納骨堂はペット霊園の屋内施設にあり、棚やロッカーなどの形で個別にスペースが区切られています。そのため骨壺のまま安置することができ、基本的に返骨も可能です。最終的な供養方法に悩んでいる方や、期間を決めて供養する方が多いです。
決められたスペース内に収まる範囲であれば遺品やグッズも一緒に保管可能で、年間で保管料を支払います。
4. 散骨する
散骨とは、火葬後の遺骨を粉末状にして海や私有地へ散布する方法です。立ち会い散骨だけでなく代行プランに対応しているところもあり、忙しい方でも依頼しやすいのもメリットです。代行の場合は1万円前後〜、立ち会いの場合はチャーター便の手配などで10万円前後〜がおおよその費用目安です。
散骨では遺骨の全てを撒く必要はなく、一部は手元で供養することも可能。また、散骨業者の中には、故人の飼い主と一緒に散骨できるプランを用意しているところもあります。
自然に還す葬送方法として選ばれるほか、管理費や継承者が不要であることから、近年特に注目されている供養の1つです。
5. ペットと一緒に入れるお墓を探す
飼い主の方の中には、家族の一員である大切なペットと一緒にお墓に入る選択をする方もいます。ペットと一緒のお墓に入ることは法律で禁止されておらず、霊園によってはペットと一緒に入ることを許可しているところもあります。
ただし、ペットと一緒にお墓に入る場合、同じお墓を使う家族や親族に必ず確認しましょう。ペットを飼った経験のない方の中には、一緒のお墓に入ることに抵抗感を持つ方も少なくありません。
また、宗教の考え方などによって対応していない霊園も多くあるため、対応が難しい場合に備えて他の供養方法も検討しておくと良いでしょう。
ペット供養に関するよくある質問
最後に、ペット供養に関するよくある質問を簡単に紹介します。
Q.供養は必須ですか？
Q.お骨はどこに安置するのが良いですか？
Q.動物用のお経はありますか？
それぞれについて解説していきます。
Q.供養は必須ですか？
宗教や法律の観点でいえば、ペットの供養は必須では必須ではありません。しかし、儀式やお参りをしてあげることで、飼い主の方自身の心も休まります。供養の方法には「こうするべきである」といった決まりやルールはないため、飼い主の方がどうしてあげたいかで決めるとよいでしょう。
Q.お骨はどこに安置するのが良いですか？
自宅で供養する場合、仏壇のあるなしにかかわらず、お部屋に一角のスペースを設けて安置する方が多いです。明確な決まりはないため、ペットとの思い出の場所やお気に入りの場所などに安置するのも良いでしょう。
Q.動物用のお経はありますか？
特に動物用のお経というものはありません。お葬式やお仏壇でお経を唱える場合、仏教の考えに則り、基本的には人のお経と同じものを使用します。
般若心経、阿弥陀経、法華経、華厳経などいくつか種類があるため、飼い主の方の信仰に合ったものを唱えてあげると良いでしょう。
まとめ
ペットの供養について解説しました。ペットの供養では人間のような厳格な決まりや作法がないため、火葬後は飼い主の方の意向に沿って自由に供養の方法を決められます。
供養方法が決められないという場合は、火葬をしてから骨壷をしばらく手元に安置し、時間をかけて最終的な供養を決めることもできます。
ペットが亡くなってしまったら、しっかりお見送りをするためにもできるだけ早く火葬業者を見つけることをおすすめします。
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