ミツモアメディア

プライマー塗装とは?〜役割から種類まで詳しく解説!〜

最終更新日: 2024年03月21日

プライマー塗装をご存知でしょうか?塗装業者に見積もりを依頼すると、プライマー塗装という項目が出てきます。

専門用語のような言葉に、難しいイメージを持たれる方もいらっしゃるでしょう。聞き慣れない言葉ですが、意味はいたってシンプルです。

そんなプライマー塗装の基本や役割、種類など、知っておくと便利な情報をご紹介いたします。

プライマー塗装とは?〜役割と重要性〜

プライマー塗装とは?〜役割と重要性〜
プライマー塗装とは?〜役割と重要性〜

プライマー塗装は、塗装の基礎とも言える最も重要な役割を持っています。そもそも、塗装の工程とは単純に塗るだけでなく、3つの段階があります。

具体的にどんな場面でプライマー塗装が必要か理解したうえで、塗装工事の計画を立てて下さい。

また費用相場もしっかりと頭に入れておきましょう。

プライマー塗装の役割

プライマー塗装とは、最初に行う下塗りです。プライマーという言葉自体が、「最初の、はじめの」といった意味を持ちます。

塗装には下塗り・中塗り・上塗りと段階があり、その中で下地のような役割を持ち土台となるのが「下塗り」です。プライマー塗装を含む下塗りは、その後の中塗り・上塗り塗装をしっかりと密着させ綺麗に仕上げるためにも、とても大切な作業となってきます。

プライマー塗装をきちんと行うと、綺麗な状態をより保つことが可能です。プライマー塗装は塗装を長持ちさせるためにも、なくてはならない存在と言えるでしょう。

プライマー塗装の重要性

プライマー塗装による密着性は、塗装を保つために重要になります。接着剤のように塗料と建物を密着させ、耐久性を高めることができるからです。下塗り塗料を使用しないと、いくら綺麗に仕上がっても塗装がすぐ剥がれてしまったという事態になりかねません。

また、プライマー塗装をすると、中塗り塗料・上塗り塗料が建物の下地に直接吸収されることを防ぎます。直接塗料が吸収されてしまうと、表面に凹凸ができ施工しにくくなってしまうのです。

塗装の表面を綺麗に仕上げるためにも、プライマー塗装が必要となります。ほかにも、塗膜の強度を高めて雨風から守る伝導率が高いプライマー塗料で、火災を防ぐといった効果も期待できるでしょう。

塗装の3工程

基本的に、塗装の工程は3段階に分かれています。

  1. 下塗り(プライマー塗装)
  2. 中塗り
  3. 上塗り

下塗り(プライマー塗装)

最初に行う下塗り(プライマー塗装)は、中塗り・上塗り塗料との密着性を高めたり、表面をなめらかにしたりと様々な役目を持ちます。

下塗り(プライマー塗装)がしっかり行えているかにより中塗り・上塗りの効果が決まりますので、最も重要な塗料と言えるでしょう。

中塗り

下塗り(プライマー塗装)の次は、中塗りという工程です。中塗りをすることで塗料のシワやゆがみを防ぎ、ムラのない綺麗な塗装に仕上がります。

基本的に中塗りと上塗りは同じ塗料を使い、2度塗りをするというイメージです。

上塗り

最後の工程は、上塗りです。3工程の中で、最も外壁や屋根などの見た目に影響してくる作業と言えるでしょう。

下塗り(プライマー塗装)・中塗りがしっかりとできていれば、上塗りは薄塗りで綺麗に施せるようです。

プライマー塗装の費用相場

プライマー塗装の費用相場は種類によっても異なりますが、外壁1㎡あたり500円〜1000円ほど、屋根1㎡あたり600円〜1200円ほどです。分かりやすくすると、一般的に外壁塗装の下塗りが、10万円前後だと妥当な金額となります。

また、建物にひび割れなどがあるとプライマー塗装の前に、別途シーリング補修代やコーキング補修代がかかってきます。外壁全域や屋根の塗装は足場を組む必要があり、中塗り・上塗りと込み料金のプランも多いようです。

料金設定がいずれにしろ、内訳にプライマー塗装費と、しっかり提示されている業者が推奨されるでしょう。プライマーの種類も表記されていると、使うプライマー塗料による費用の違いが明確になるので安心です。

外壁と屋根の塗装におすすめ!

一般的にプライマー塗装を行う場面は、外壁・屋根の塗装をする時が多いでしょう。外壁・屋根は常に雨風や紫外線といった、外部からのダメージを受けています。

プライマー塗装は密着性・耐久性を高めるので、ダメージが多い外壁・屋根の塗装におすすめなのです。屋根・外壁を強化することは、建物の寿命にもつながっていきます。

また外壁・屋根は外観の大部分を占め、見た目に大きく影響してくるので、プライマー塗装で表面を綺麗に仕上げることは重要です。

プライマー塗装の種類

プライマー塗装の種類
プライマー塗装の種類

プライマー塗装は、いくつかの種類に分けることができます。水性プライマーや油性プライマー、防錆用プライマー、浸透性プライマーなどです。

サビが気になる箇所なのか劣化が進んでいる箇所なのか、塗装を行う下地の状態によってプライマー塗装の使い分けが必要となります。

プライマー塗装の種類を理解して、より効果が発揮できる使い方を目指しましょう。

水性、油性の違い

プライマー塗装は大きく、水性と油性の2種類に分けることができます。両者の違いは浸透性が低いか高いか、つまり下塗り塗料の吸収性が低いか高いかの違いです。

水性プライマーの塗装は浸透性が低いので、劣化が少ない下地に塗る場合に適しています。また、水性なので臭いが少なく、環境に優しい、取り扱いが簡単とメリットも多いです。

一方、油性プライマーの塗装は独特の臭いや環境面が気になりますが、浸透性が高く密着性が期待できます。そのため、劣化が激しい箇所や補修が必要な箇所でも、使用することができ便利です。

防錆用プライマー

防錆用プライマーを使用すると、サビが気になる箇所にプライマー塗装を行うことができます。防錆効果があるだけでなく、サビがすでに発生している場所にも使用できる優れものです。

一般的にサビが発生している箇所には、プライマー塗装を行う前にケレン作業というサビを落とす作業を加えなければなりません。この作業は表面を削るものなので建物が傷んでしまう場合がありますが、防錆用プライマーならそのような心配なく使用できます。

また、作業時間を短縮でき、コスト削減につながる点も魅力的です。鉄部にプライマー塗装をする場合は、防錆用プライマーを使用してみましょう。

浸透性プライマー

浸透性プライマーは、劣化が激しい建物を強化させたい時に適しているプライマー塗装の一種です。その名の通り劣化した箇所の奥までプライマーが浸透し、建物の内部から強化できます。

一般的に、コンクリートやセメントの表面を強化する際に使用されますが、建物の外装等に使用することも可能です。雨風や紫外線といったダメージを受けている建物では、プライマー塗装材に浸透プライマーを選んでみましょう。

年数の割に劣化が早いという悩みも解決し、耐久性を高めてくれるはずです。

導電性プライマー

火災の原因となると静電気を防ぐ、導電性プライマーというプライマー塗装材もあります。静電気が蓄積しないよう、電気を通しやすくするプライマーです。

静電気が溜まりやすい精密機器や機械、薬品を扱う工場でよく使用されています。火災が発生しやすい場所や安全性を高めたい場所には、プライマー塗装で導電性プライマーを使用した方が良いでしょう。

一般住居に電導性プライマー塗装材を使用したいと考えている方は、予算や必要性をプロの業者の方とよく相談して決めて下さい。

プライマー以外の下塗り材

プライマー以外の下塗り材
プライマー以外の下塗り材

プライマー塗装以外にも、下塗り材の役割を持つ塗料が多数存在します。その性質や特徴も様々です。

プライマー塗装の代わりに下塗りとして使用できる、シーラーやフィラー、サーフェイサーなど、それぞれの特徴を比べてみましょう。

下塗りにはやはりプライマー塗装がよいのか、その他下塗り材がおすすめなのか気になるところです。

シーラー

シーラーとはプライマー塗装と、ほぼ同じような効果が期待できる下塗り材です。シール(seal)の接着するという意味からきていて、下地と塗料を密着させる役割があります。

プライマー塗装と同様に、シーラを塗ることで中塗り・上塗り塗料をしっかりと密着させ、剥がれにくくすることが可能です。また、中塗り・上塗り塗料が下地に吸収されることを防ぎ、凹凸がない滑らかな表面に仕上げます。

シーラーは木材など吸収性がある下地にも、効果が期待できる下塗り材です。プライマー塗装材とシーラーは共に下塗り材の定番なので、使用する業者が多数います。

フィラー

フィラー(filler)とは埋める・詰めるといった意味を持つ下塗り材です。下地の凹凸が激しい箇所には、プライマー塗装より向いているでしょう。

また、ひび割れ防止が期待できる微弾性フィラーという種類は、ひびが広がりやすいコンクリートやモルタル素材におすすめです。浸透性のプライマー塗装材を使用したときのように、塗料がひびの奥までしっかりと吸収し建物を強化することができます。

断熱材が入っている素材を除き、フィラーはローラを使い厚塗りしても問題ありません。薄塗りがベストなプライマー塗装とは、大きく異なる点でもあります。

サーフェイサー

サーフェイサー(Surfacer)は表面を施すものという意味の通り、傷や凹凸の多い場所に適している塗料です。基本的にはプライマー塗装やシーラーの後に、中塗りのような役割で使用されます。

サーフェイサーはプライマー塗装などの下塗りなしでも使える場合が多く、下塗り材を兼ねた中塗り材と言えるでしょう。また、上塗りの発色をよくする性質を持ち、仕上がりを最も重視させたい場合におすすめです。

プライマー塗装では補えない小さな傷が無数にある場所には、サーフェイサーが適しています。

バインダー

バインダー(binder)とは結びつけるという意味を持つ、金属やプラスティック等の塗装に適している下塗り材です。プライマー塗装と異なり、吸収性が低い性質の塗装に向いています。

プライマー塗装とバインダーは対応している下地の性質が違いますが、どちらも密着性を高めるためという点は同じです。プライマーが吸収性を防ぎ凹凸をなくし密着性を高めるのに対し、バインダーは金属やプラスティックの素材と上塗り材をしっかりとつなぎ合わせる役目があります。

吸収しやすい木材にはプライマー塗装、吸収しにくい金属やプラスチックにはバインダーと使い分けると効果がより期待できます。

プラサフ

プラサフとはプライマー塗装とサーフェイサーの名前が合わさったもので、どちらの機能も兼ね備えた下塗り材のことです。

プライマー塗装の密着性とサーフェイサーの上塗り塗料の発色性を高める効果と、両者のメリットを取り入れています。しっかりとした下地を作ったうえで、仕上がりの美しさを極めるとても魅力的な塗料です。

機能性を重視したい方はプライマー塗装にプラスの効果がある、プラサフを考慮してみてはいかがでしょう。

DIYでプライマー塗装をする方法

DIYでプライマー塗装をする方法
DIYでプライマー塗装をする方法

外壁や屋根の塗装で重要なプライマー塗装ですが、DIYで使用されることも多いようです。

プライマー塗装材には容量が小さい使い捨てタイプやスプレータイプもあるので、DIYするものにより使い分けましょう。

DIYでプライマー塗装を行う際の、手順やおすすめのプライマー材をご紹介いたします。

DIYでも使えるプライマー塗装!

プライマー塗装は外装や屋根に向いているとお話しましたが、実はDIYにも使用することが可能です。DIYとは素人が自分で手作りしてみたり修繕してみたりすることをいい、近年趣味としても流行しています。

やはり、外装や屋根のプライマー塗装は高度な技術や足場を組む必要があり、プロの業者に依頼した方が良いでしょう。ですが、素人でも挑戦できる室内の壁やドア、家具の塗り替え等にはプライマー塗装はおすすめです。

プライマー塗装を行うことで、素人でもより綺麗な仕上がりを目指せます。アルミニウムやステンレス、木部用と様々な種類が販売されていますので、使用箇所に合わせてプライマーを選んでみましょう。

DIYにおすすめのプライマーと必要な道具

DIYにはプライマー塗装材だけでなく、様々な道具が必要です。

  • 塗料、プライマー塗装材
  • ハケ、ローラ
  • 使い捨て手袋
  • ウェス
  • ゴミ袋
  • マスキングテープ(塗装しない箇所をマークする)

次に、DIYのプライマー塗装におすすめの商品をいくつかご紹介いたします。

DIYにおすすめのプライマー①:木部用プライマー

メーカー名 アサヒペン
価格 300ml、595円〜
特徴 初心者でも使用しやすいスプレータイプ、1回塗りでOK

DIYにおすすめのプライマー②:瞬間接着剤用硬化促進剤スプレープライマー

メーカー名 アテルコ
価格 100ml、1,136円〜
特徴 速乾性がありDIYにぴったり、スプレータイプで使いやすい

DIYにおすすめのプライマー③:染めQスプレープライマー

メーカー名 染めQテクノロジィ
価格 264ml、1,827円〜
特徴 プラスチック、ガラス、金属、レザー、合皮に下塗りが可能

DIYにおすすめのプライマー④:ミッチャクロンマルチ

メーカー名 染めQテクノロジィ
価格 1L、2,656円〜
特徴 金属やプラスチックにも密着性が抜群

DIYにおすすめのプライマー⑤:内装用古壁用強化アク止め剤 アクドメール

メーカー名 フジワラ化学
価格 1kg、1,018円〜
特徴 アク・シミを止めるとともに下地を強化

塗装手順

プライマー塗装のタイミングを含めて、塗装の手順をしっかりと確認しておきましょう。塗装手順は、以下の通りです。

  1. 下地処理
  2. 養生
  3. プライマーで下塗り
  4. 塗装
  5. 仕上げ

下地処理

プライマー塗装を行う前の下処理は、綺麗な仕上がりに影響する重要な作業です。木部の場合は表面をヤスリがけしたり、鉄部の場合は錆を取り除く必要があります。汚れをしっかりと落とし、塗料が塗りやすい状態にしておきましょう。

養生

プライマー塗装や塗装をする際は、ひと手間かかりますが忘れずに養生を行って下さい。塗装しない箇所に間違えて塗料がつかないように、マスキングテープ等を使用して塗装範囲を確定させます。

プライマーで下塗り

塗装の準備が整ったら、プライマーで下塗りを行います。プライマー塗装はなるべく薄くぬることで、密着性を高めることができます。粘着性が強いプライマー塗料は、1度ついてしまうと落とすことができません。下塗りだからといって気を抜かずに、埃などの付着にも気をつけて作業を進めましょう。

塗装

プライマー塗装が終了したら、いよいよ塗装の開始です。はけやローラを使い分け、塗料を薄く塗っていきます。塗料の種類にもよりますが、2度塗りすることでムラのない綺麗な仕上がりが可能です。2度塗りをする際も、塗料が完璧に乾いてから行って下さい。

仕上げ

プライマー塗装と塗装が全て完了したら、後は完璧に乾かして完成です。木部素材等には専用のニスやワックスを使用すると、よりツヤのある仕上がりとなります。最後に、養生テープを丁寧に取り外し、ハケやローラを綺麗に洗い、塗料の保管にも気をつけましょう。

ミツモアで外壁塗装業者に見積りを依頼しよう!

ミツモア

プライマー塗装はDIYにも使用できるので、内装や家具の模様替えにもおすすめです。ですが、外壁を塗り替えたい場合は、プロの業者に依頼した方が無難でしょう。

ミツモアには多くの外壁塗装業者が登録しています。お住まいの場所を考慮して、安心して任せられる業者を探してみましょう!

外壁塗装業者を探す!