玄関ドアノブの調子が悪いときには、交換を自力で行うべきか業者に依頼するべきかで迷うのではないでしょうか?
ドアノブの適切な交換手段を判断するためのポイントと自力で交換する際の取り付け方や交換業者選びのコツを紹介します。
玄関ドアノブを交換するタイミング
玄関ドアノブは経年によって摩耗するため、適切なタイミングで交換する必要があります。交換が必要になる予兆や、ドアノブの一般的な耐久年数についてみていきましょう。
空回り・ぐらつき・開閉困難などの不具合が起きたとき
玄関のドアノブの使い心地に違和感があるときは、その内容によって原因が違います。
ドアノブが空回りしたり、ドアノブを回してもドアの開閉がスムーズにできなかったりする場合は、ドアノブ内部の部品が破損や摩耗、あるいは欠落しているかもしれません。
放置していると玄関ドアの開閉ができなくなるなどのトラブルにつながるため、早めに対処しましょう。
ドアノブのぐらつきはドアノブを固定するネジを締め直せば直る場合が多いですが、ネジ穴が広がってしまっている場合は修理・交換が必須です。
鍵と一体化しているドアノブの場合は、ドアノブの不具合が鍵の性能低下を招くこともありえます。防犯の観点からも、使用感に異常のある玄関ドアノブは早めに修理・交換することをおすすめします。
ドアノブの耐久年数を超えたとき
ドアノブの耐久年数は、およそ10~20年といわれています。頻繁に開け閉めされる扉に装着されている場合は、平均よりも短期間で故障する可能性が高まるでしょう。
ドアノブの不具合は内側の部品の摩耗や破損に起因していることが多く、一見しただけでは異常に気付けないケースも少なくありません。
「気付かないうちに壊れていた!」などということにならないよう、少しの違和感などの異変を見逃さず、完全に故障する前に修理・交換することを心がけましょう。
玄関に使われるドアノブの種類
玄関に使用されるドアノブには、さまざまな種類があることを知っていますか?ドアノブの特徴は、その種類によって大きく異なります。
握って回す「玉座」
玉座タイプは円筒状のドアノブで、握って回すことでラッチ(留め金)が外れてドアが開きます。昔ながらのドアノブであり、現在では玄関のドアノブとして新たに採用される機会は少ないでしょう。
シンプルな構造のため、アマチュアのDIYでも比較的交換しやすいというメリットがあります。
ただし、玉座タイプのドアノブに組み込まれている円筒錠やインテグラル錠は、鍵の中では機構が単純な部類に入ります。そのため、防犯面に不安が残るというデメリットがあります。
玉座タイプの玄関ドアノブが故障した際は、より新しく防犯性の高いタイプのドアノブに付け替えるか、交換と同時に鍵の数を増やすことをおすすめします。
レバーを下げる「レバーハンドル」
レバーハンドルはその名のとおり、棒状の持ち手が真横に伸びているタイプのドアノブです。レバーをつかんで下に押し倒すことでラッチが外れて、ドアが開きます。
ある程度の手の大きさと握力が要求される玉座タイプと比べて、力が弱い小さな子どもや高齢者にとっても使いやすいドアノブといえるでしょう。玉座タイプのドアノブが故障した際の乗り換え先としても、人気が高いタイプです。
レバー部分の素材や形状も、金属製から木製、直線形から曲線形と種類豊富なため、好みに合ったデザインを選べるという魅力もあります。
親指を使う「サムラッチハンドル」
サムラッチハンドルは、ハンドル上部にあるスイッチを親指で押さえるとラッチが引っ込み、ドアが開きます。
ドアノブを握る動作とラッチを外す動作が同時にできるため、握ったあとに手首を捻る必要のある玉座タイプよりも開けやすいのが利点です。装飾性の高い華やかなデザインも特徴で、洋風の玄関ドアによく使用されています。
デメリットしては経年とともに部品が劣化することで、スイッチが固く押しにくくなることがあります。さびの発生などによってスイッチが動かなくなると、ドアの開閉ができなくなるのです。
サムラッチハンドルの使用中に異常を感じたら、早めに修理・交換しましょう。
デザイン性に優れる「プッシュプルハンドル」
プッシュプルハンドルは、押す・引くというシンプルな動作だけでドアの開閉が可能なドアノブです。室内からは押して開けるように、室外からは引いて開けるようになっており、直感的にも理解しやすい仕組みといえるでしょう。
ドアノブ自体のサイズが大きく、縦に長い形状をしているため、背の低い子どもでも手が届きやすいというメリットがあります。
機能面でのデメリットはほぼありませんが、あえて難点を挙げるとすれば、他タイプのドアノブと比べてやや高価なところや、デザインのバリエーションが少ないところでしょう。
よくあるドアノブの不具合と原因
ドアノブの不具合にはどのようなものがあるのでしょうか。ドアノブに関するトラブルでよくあるものとその原因、対処法について紹介します。
トラブルの内容によっては、交換しなくても直せることもあるので、不具合の特徴をよく確認してから対処しましょう。また、無理に力を加えたり、力ずくでネジを締めたりすると破損する可能性もあるので、慎重に対処することが大切です。
ドアノブが空回りする
ドアノブが空回りして開けることができない不具合は、バネの劣化や破損が原因です。バネが劣化したり破損したりすると、バネの反動で動いていたラッチが動かず、空回りしてドアを開けることができません。このような場合は自分で修理するのは困難です。
力の入れ方や力を入れる方向など、ちょっとしたコツがあれば何とかドアを開けることはできますが、長くは持ちません。ドアノブ内部の不具合であり自力での修理は不可能であるため、完全に壊れて開かなくなる前に対処することが必要です。
ドアノブがぐらつく
ドアノブがぐらついて安定しない場合は、台座やラッチの緩みが原因です。台座やラッチはネジで固定されているので、プラスドライバーを使ってネジを締め直せば改善する可能性があります。
ドアノブがぐらつくからといってすぐに交換しなくても、ネジを締め直す程度であれば自力でできるので、まずは試してみましょう。力ずくでネジを締め直すと、壊れていないパーツを壊してしまうことになるかもしれません。そのため慎重に対処することが大切です。
ドアノブ周辺を触ってみて、台座がぐらついている場合は台座のネジを、ラッチがぐらついている場合はドアの側面にあるネジを締め直してみましょう。
ネジ穴が広がってしまっている場合やつぶれてしまっている場合は、締め直すことができないので、修理または交換を検討することをおすすめします。
レバーハンドルが下がったまま上がらない
レバータイプのドアノブでよくあるのは、レバーハンドルが下がったまま上がらないトラブルです。設置して5年以下のドアの場合は、ネジの緩みや汚れの蓄積、潤滑油の不足などが原因となります。
ネジの緩みなら締め直すことで直る可能性が高いです。レバーハンドルの側面にあるネジを一度緩めてから、再度締め直してみましょう。
ただし、設置から10年以上経った古いドアの場合は、ドア内部のパーツが壊れている可能性もあります。いったんネジを締め直しても改善されない場合は、ドア自体の交換や修理を検討した方が良さそうです。
プッシュプルハンドルが押しても動かない
プッシュプルハンドルが押しても動かない場合は、ラッチの不具合や、蝶番の緩みが原因として考えられます。ラッチに不具合がある場合は交換、蝶番の緩みがある場合はネジを締め直すことで解決できる可能性が高いです。
それでも改善できない場合は、内部のパーツが破損している可能性もあるので、自力での修理は難しいかもしれません。放置していると鍵が開かなくなったり、ドア自体も開かなくなったりする可能性があるので、早めに対処しましょう。
ドアノブの種類ごとの交換手順
ドアノブの交換手順を、ドアノブの種類別に解説します。同じ種類のドアノブであってもメーカーによって構造が微妙に異なる場合もあるため、交換作業に取り掛かる前に製造元の取扱説明書を必ず確認しましょう。
ドアノブを自力で交換する際は、交換前と交換後のドアノブの種類やメーカー、型番を一致させる必要があることにも留意してください。
同じメーカーとサイズのドアノブを用意する
ドアノブの交換をする場合は、ドアノブの種類だけでなく、メーカーと型番(サイズ)も揃える必要があります。現在使っているドアノブの種類やメーカーを確認してみてください。
ドアノブの側面にあるフロントプレート、または室内側の鍵付近を確認すればメーカーや型番が分かるケースが多々あります。
ドアノブには、それぞれ玄関やトイレ、屋外用など多くのシェアを占めるメーカーがあります。よく見てみると同じメーカーのものが使用されていることも多いものです。ここではドアノブに使用されている主なメーカーを紹介します。
【主な6つのメーカー】
「MIWA」というロゴが刻印されています。スマートロックシステムや電子錠など玄関のドアに採用されることが多いです。美和ロックのドアノブは非常に多く使われているので、目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
「GOAL」というロゴマークが刻印されています。トイレなど室内のドアノブで使われることが多いです。トイレの使用状況が分かるドアノブなど、目にしたことがある人も多いと思います。
「ALPHA」のロゴで知られており、コインロッカーなどのドアノブとして使用されることが多いです。電子錠のスペシャリストといって差し支えないでしょう。
「SHOWA」のロゴが刻印されているのは、ホテルなどで使用されるドアノブや電子錠が多いです。屋外用のドアなども使用されています。
「WEST」のロゴが刻印されたドアノブは、スタイリッシュで機能美を追求した作りになっています。ピッキングを防ぐことに特化した特殊なものも製造しているメーカーです。
「GIKEN」は川口技研のロゴです。握り玉と呼ばれる屋内用のドアノブや、室内用のレバーハンドルなどを製造しています。 |
このように、ドアノブにはそれぞれメーカーのロゴが刻印されていることが多くあります。ロゴからメーカーが分かれば、あとは型番などを特定するだけなので、まずはメーカーを確認してみてください。
玉座タイプの交換手順
一口に玉座タイプといってもさまざまな種類(チューブラ錠・シリンダー円筒錠・インテグラル錠など)がありますが、ここではもっともプレーンなタイプである「チューブラ錠」の交換手順を紹介しましょう。必要なものはドライバーのみです。
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取り外すのは内側から外側、ドア側面ラッチの順番です。ネジ山をつぶしてしまわないよう、ネジのサイズに合ったドライバーを選びましょう。
レバーハンドルの交換手順
レバーハンドルタイプのドアノブも、玉座タイプと同じくドライバーがあれば交換が可能です。作業手順も、玉座タイプのときとほとんど変わりません。
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場合によってフロントプレートのネジを緩めたら、すき間からマイナスドライバーなどを差し込み取り外しやすくしましょう。室内側に新しいドアノブを取り付ける際は、サムターンが縦向きの状態になっていることを確認してから作業を開始しましょう。
DIYでドアノブを交換する際の注意点
ドアノブの自力交換に失敗しないためには、いくつかコツを押さえておく必要があります。ドアノブをDIYで交換する際、注意すべきポイントをリストアップしました。
ドアノブのメーカーとサイズをそろえる
ドアノブを交換する際は、ドアノブの種類だけでなくメーカーと型番(サイズ)もそろえる必要があります。
ドアノブのメーカー・型番を知りたいときは、ドアノブの側面にあるフロントプレートか室内側の鍵付近を確認しましょう。製造元の会社名や製品の型番名が刻印されています。
メーカー・型番ともに同一のドアノブを用意することで、交換後に生じうる不具合を防ぐことができるでしょう。
廃盤などの理由で同一品の入手が困難な場合は、互換性のある代替品を用意します。しかし、ある程度の専門知識を要求されるため、交換業者などプロの力を借りることも視野に入れましょう。
価格と防犯性を考える
ドアノブを自力で交換するには、ドアノブ代にプラスして工具代がかかります。
ドアノブの価格は種類やグレードによって大きく異なり、2,000円程度の玉座タイプのものから30,000円を超えるプッシュプルタイプまで、さまざまなグレードや種類があります。工具は通常のドライバーであれば数百円で、電動式であれば2,000円前後で購入可能です。
またドアノブを交換する際は、費用だけでなく防犯性についても考慮する必要があるでしょう。
特に玄関のドアノブは、家全体の防犯の要ともいうべきパーツです。安さを重視するより、多少費用がかかっても防犯面が安心なドアノブを選択することも大切です。
玉座タイプなどの古い仕様のドアノブを使用している場合には、より防犯性の高いレバーハンドルやプッシュプルハンドルへの交換も検討しましょう。
ドアノブの種類によっては自力での交換は難しい
ドアノブの種類によっては、自力での交換が難しい場合もあります。
サムラッチハンドルやプッシュハンドルは、玉座タイプやレバーハンドルよりも防犯性が高く、その分ドアノブ内部の構造も複雑です。そのため修理や交換は素人の手に余るケースが少なくないでしょう。
確実な取り替え作業には特殊な知識や技術が必要なため、無理にDIYにこだわるよりも、専門業者に依頼する方が安心といえます。
玉座タイプやレバーハンドルからサムラッチ、プッシュハンドルへの取り替えを希望する場合も同様に、専門業者に相談しましょう。
安全のためには業者に依頼しよう
より安全かつ確実にドアノブを交換したいなら、専門業者への依頼をおすすめします。見積もりの取り方を工夫すれば、自分の希望や目的に合った業者をスムーズにみつけられるでしょう。
業者に依頼する場合の修理相場
ドアノブ交換業者への依頼費用の相場は、交換するドアノブの種類や必要となる作業内容によって大きく変動します。大まかには、10,000~40,000円程度と考えておくとよいでしょう。
安価であれば、作業代10,000円と部品代の実費を合わせた程度の費用で依頼することも可能です。簡単な修理や調整のみで対応可能で交換は不要となれば、10,000円未満に収まるケースもあるでしょう。
自力でのDIYと比べると費用がかかるイメージがありますが、プロによる早く確実なドアノブ交換には、安心感と確実性があります。ドアノブの買い間違いや取り付けミスもなく、余分な出費の心配もなくなるでしょう。
業者を選ぶ際は一括見積もりが便利
ドアノブ交換にかかる費用は業者によって異なります。相場の情報はあくまで参考程度なため、正確な費用を知りたい場合は見積もりを取る必要があるでしょう。
しかし依頼候補の業者ごとに見積もり依頼を出すのは手間がかかります。各社の見積もり結果の管理や比較も、手作業では非常に骨が折れるでしょう。
ドアノブ交換の依頼先を吟味する際は、「ミツモア」のサービス利用がおすすめです。案内に合わせて簡単な質問に答えていくだけで、最大5社から見積もりを取得できます。口コミや各社のサービス内容も確認できるため、ぜひ一度試してみてください。
調子が悪いと感じたら早め交換を検討
ドアノブは経年劣化するパーツのため、使用時に空回りやぐらつきなどの違和感を覚えた場合には早めに修理・交換することが大切です。そのまま放置していると、急にドアの開閉が困難になったり、鍵の施錠・解錠に問題が生じたりする可能性もあります。
シンプルな構造のドアノブであれば自力で交換することも可能ですが、不安がある場合は専門業者への依頼をおすすめします。
一口にドアノブといっても、さまざまな種類があります。古いタイプのドアノブを使い続けている場合には、より新しく防犯性の高いタイプのドアノブへの交換も検討してみましょう。
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玄関のドアは、防犯のうえで最も重要な機能を果たします。安全性を高めるためには専門知識を持ったプロの修理業者に依頼するのが得策です。
ミツモアでは、ドアに付ける鍵の交換や修理の業者を探すことができます。
それぞれの業者と直接やり取りできるので、自分の要望も伝わりやすいですよ。