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スズメバチの巣を自分で駆除するのは危険!自治体や業者に依頼したほうが良い理由

最終更新日: 2024年06月28日

庭や自宅の軒下などにスズメバチの巣が見つかり、駆除したいけどどうすればいいのか困りますよね。できれば自分で駆除したいものの、巣の状態や時期によっては危険性が高くなるため、自治体や駆除業者に依頼したほうが安全です。
今回はスズメバチの巣を自分で駆除するのはなぜ危険なのかについて解説します。あわせて駆除を支援する自治体の制度や、駆除業者に依頼するときの費用相場なども紹介するので、参考にしてください。

スズメバチの巣の駆除を自力でやるのは危険な理由

スズメバチの巣を自分で駆除しようとするのは、非常に危険です。日本に4,000種類以上生息する蜂の中でも、スズメバチは攻撃性や毒性が高く、刺されると死に至る可能性があります。なぜ危険なのか、その理由を解説します。

理由1:他の蜂と比べて攻撃性と毒性が高いから

スズメバチはミツバチやクマバチよりもとても攻撃性が高く、アシナガバチと同様に強力な毒を持っています万が一刺されてしまうと、呼吸障害や不整脈といった「アナフィラキシーショック」を引き起こし、場合によっては死に至る可能性があります。

加えて警戒心も強く、巣を通るだけで敏感に反応して人を襲うほか、行動範囲も巣から1〜2km、エサが近くなると10km以上と広くなります。自力で駆除しようとすると、自分自身や家族だけでなく、近隣の人にも被害が及ぶ可能性があり、大きなトラブルになります。

アシナガバチとの違い

スズメバチとしばしば見間違える「アシナガバチ」との違いについて表にまとめました。

スズメバチ アシナガバチ
体長 最大で4cm 最大で2.6cm
毒性 強い 強い
攻撃性 巣に近づくとすぐに攻撃する 巣に刺激を与えない限り攻撃する可能性は低い
特徴
  • 体の色は黒とオレンジ
  • 腰にくびれがある
  • 蜂のなかでも特に体が大きい
  • 比較的早いスピードで真っ直ぐに飛ぶ
  • 体の色は黒と黄色
  • 腰にくびれがあるが、細身
  • おとなしめの性格
  • 長めの脚を垂らしながらフワフワと飛ぶ

さらに巣で比較すると、下記のとおりです。

スズメバチの巣 アシナガバチの巣
初期の巣(4~6月)

フラスコ・とっくり型

シャワーヘッド型

中~後期の巣(7月以降) 茶系のマーブル模様 灰色〜灰褐色のむき出し型
大きさ 10〜100cm 5〜20cm
作られる場所 主に閉鎖空間
※巣が大きくなる時期は開放空間に作ることも
開放空間

スズメバチとアシナガバチの巣の違いは、色や大きさだけでなく、巣穴が見えているかどうかです。スズメバチの巣を見かけたら、すぐに自治体や業者に連絡して対処してもらいましょう。

理由2:スズメバチの巣かどうか判断しにくいから

スズメバチの巣は外皮が厚く、球体状またはボール状の形をしていて、1か所のみ穴が空いているのが特徴です。日本には17種類のスズメバチが生息しており、種類によって巣の大きさや形が異なります。主なスズメバチの巣は以下のとおりです。

オオスズメバチ キイロスズメバチ コガタスズメバチ
場所 土の中や木の中、屋根裏など 木の枝や軒下など 低い木の枝や生垣など
見た目 巣の底が抜けていて吊鐘状 マーブル模様で、ボール状の巣 貝殻模様で、ボール状の巣
時期 5月中旬~下旬に巣を作り始め、ピークは9~10月 4月下旬~5月初めに作り始め、7~9月に解放空間に引っ越す 5月上旬から巣を作り始め、10月にピークを迎える
特徴 人気のないところに巣を作る 都市部に多く見かける 初期の巣はフラスコまたはとっくりを逆さにした形

スズメバチが巣を作る主な場所は天井裏や床下、ベランダ、土の中など、雨風がしのげる場所です。

4月〜5月にかけて、女王蜂1匹で30〜40もの部屋を作り、産卵や子育てを始めます。6月になると働き蜂が育ち始め、15〜40cmのフラスコ型の巣に成長します。7~8月になると、急激に成長して働き蜂は数十匹から数百匹以上に増え、巣の大きさは80cm以上になることもあります。

たとえ巣の大きさが小さくても、働き蜂が何匹隠れているかわからないため、自分で駆除しようとするのは危険です。決して無理をせず、自治体や専門業者に連絡して駆除してもらいましょう。

理由3:完全に駆除できたかどうかわからないから

ベランダや軒下にスズメバチの巣が見つかり、大きさが小さかったため、自力で駆除できたとしても、油断はできません。

駆除した後も巣があった場所に殺虫剤を噴射しないと、留守にしていた蜂や殺虫剤から逃れた蜂が巣にあった場所に戻り、再度巣を作ってしまう可能性があります。完全に駆除できたかどうか素人では判断できないため、専門知識やノウハウを持った自治体や業者に駆除を依頼したほうが安心です。

スズメバチの巣を業者に駆除する際の費用相場

業者によって料金設定が異なりますが、スズメバチの巣の駆除を業者に依頼したとき、費用相場は10,000円〜50,000円が目安です。

巣の駆除費用は巣の大きさや蜂の数、場所、時期によって変わります特に夏〜秋にかけて巣が大きくなり、蜂の数が増えると、費用も高くなります。なるべく費用を抑えたい人は、巣が小さいうちに駆除を依頼しましょう。

スズメバチの巣の駆除を支援する自治体の制度

スズメバチの巣を見つけたら、専門業者に駆除を依頼するだけでなく、自治体も対応してもらえます。基本的に窓口や専用ダイヤルによる無料相談、駆除業者を紹介してもらえるケースが多いですが、そのほかにも下記のような支援を行っています。

なお自治体による対応は基本的に平日のみのケースが多いため、すぐにスズメバチの巣を駆除したい人は、専門業者に依頼しましょう。

蜂の巣駆除サービス

スズメバチをはじめとした蜂の巣の駆除を無料で行ってもらえる自治体があります。たとえば、以下の自治体でサービスを提供しています。

市区町村名 対応
東京都目黒区 無料で駆除(スズメバチの巣かつ要件に当てはまる場合)
東京都世田谷区 無料で駆除(キイロスズメバチ、コガタスズメバチ、アシナガバチの巣かつ要件に当てはまる場合)
埼玉県さいたま市 無料で駆除(市の委託業者によるスズメバチの巣の駆除)
千葉県船橋市 無料で駆除(スズメバチの巣かつ要件に当てはまる場合)
静岡県藤枝市 無料で駆除(スズメバチの巣かつ要件に当てはまる場合)
※壁や天井などの取り外し等に生じた費用などは個人負担

ただし駆除を依頼するのは事業者とは限らず、ボランティアを募って駆除を行うケースもあるので注意が必要です。加えて「駆除の際に依頼主が立ち会うこと」など、条件を指定されることもあるので、事前に確認したうえで駆除を依頼しましょう。

駆除費用の補助金制度

スズメバチの巣の駆除にかかった費用の一部を自治体が負担してもらえるところがあります。上限金額や「スズメバチの巣のみ」など、地域によってかなり細かく条件が規定されているため、利用する際は事前に条件をよく確認してから申請しましょう。

補助金制度を行っている主な自治体は下記のとおりです。

市区町村名 自治体からの助成金額
東京都武蔵野市 10,200円(指定業者に駆除してもらったとき、6月末までの早期駆除は8,000円)
神奈川県鎌倉市 駆除費用の1/3(上限10,000円)
千葉県流山市 駆除費用の1/3(上限15,000円)
群馬県前橋市 7,250円
愛知県長久手市 5,000円(2個目からは3,000円、市の委託業者に依頼したとき)

防護服の無料レンタル

自治体で駆除を行わないものの、自分で駆除をしたいときに蜂駆除用の防護服を貸し出すところがあります。主に神奈川県川崎市埼玉県川越市大分県佐伯市などの自治体で行っており、担当部署に申請書などを提出すれば、レンタルできます。

ただしスズメバチではなく、アシナガバチの巣の駆除時に推奨するところが多いため、事前に相談してから利用しましょう。

スズメバチの巣を駆除する専門業者を選ぶポイント

スズメバチの巣の駆除を業者に依頼するときの費用相場や、自治体からの支援制度について解説したところで、安心してお任せできる専門の駆除業者の選び方について紹介します。主にチェックするポイントは、下記5つです。

  1. 日本ペストコントロール協会に加盟しているか
  2. 自宅周辺のエリアに対応しているか
  3. 駆除のほかに別途費用がかからないか
  4. アフターフォローがしっかりしているか
  5. 今までの実績や口コミの評価があるか

1.日本ペストコントロール協会に加盟しているか

日本ペストコントロール協会は害虫駆除や予防に関する知識、情報提供を行っている団体で、講習や研修を定期的に行っています。加盟の条件として、適正価格での施工を求められるため、スズメバチの巣の駆除業者が日本ペストコントロール協会に加盟しているかどうか確認しましょう。

2.自宅周辺のエリアに対応しているか

スズメバチを含む蜂の巣の駆除業者は、全国対応しているところがありますが、限定されたエリアしか対応しないところもあります。依頼する際、居住地で駆除してもらえるかどうか確認しましょう

加えてスズメバチの活動が活発になる7月〜8月の時期は、駆除の依頼が多くなるため、業者も忙しくなります。メールや電話などの返答が早く、希望に近い日程で対応してもらえるかどうか確認するのも業者選びのポイントです。

3.駆除のほかに別途費用がかからないか

スズメバチの巣を駆除する作業方法は、どの専門業者も差異はありませんが、費用は駆除だけではありません。業者によっては自宅に駆けつけるための出張費や、蜂の巣の状態を確認するための調査料を依頼者に請求するところもあります

見積もりに提示された金額に出張費や、調査料が含まれているか確認するのと同時に、1社だけでなく、複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。

複数のスズメバチの巣の駆除業者から見積もりを取る

4.アフターフォローがしっかりしているか

スズメバチの巣を駆除した後、しっかりとしたアフターフォローを受けられるかどうかも業者選びのポイントのひとつです。駆除作業を完了したとしても、最低でも1週間は巣があった場所に殺虫剤を撒かないと、蜂が戻って新たな巣を作る可能性があります。駆除後、蜂が再発したときは、無料で駆除できるか確認しましょう。

5.今までの実績や口コミの評価があるか

スズメバチの巣の駆除業者を選ぶ際、いくつかの業者に絞ったうえで口コミや評判の高さを考慮することもおすすめです。料金だけでなく、当日の対応や駆除方法など、口コミサイトや業者の公式サイトで掲載しているので、参考にしたうえで選ぶといいでしょう。

 

どうしても自力でスズメバチの巣を駆除するときの注意点

費用や時間など、何らかの事情があって「どうしても自分で駆除しないといけない」というとき、身を守ることを第一に駆除してください。何度か解説しましたが、スズメバチは猛毒で危険な蜂です。注意点を8つ紹介しますので、よく確認をしてから駆除にかかってください。

  1. 巣が小さいときに駆除する
  2. 手の届く場所にスズメバチの巣があるか確認する
  3. 7月~10月までの時期は自力でやらない
  4. 完全防護の服装で駆除する
  5. 夜の時間帯に駆除を行う
  6. 巣の表面と中に殺虫剤を噴射する)
  7. 駆除後1週間は巣があった場所に殺虫剤を噴射する
  8. 刺されたら応急措置をして病院にいく

1.巣が小さいときに駆除する

作り始めのスズメバチの巣

自分でスズメバチの巣を駆除できるのは、作り始めの小さな巣です巣の大きさが5cmまでなら、巣の中に女王蜂と幼虫しかいない可能性があり、人に攻撃を加えるリスクは低いといえます。

ただし大きさが5cm以下、またはそれ以外であっても、働き蜂が何匹か潜んでいる可能性があります。自分で駆除する自信がないときは無理をせず、自治体や専門業者への依頼も検討しましょう。

2.手の届く場所にスズメバチの巣があるか確認する

スズメバチの巣を駆除する際屋根裏や天井裏、床下など、高い場所や狭い場所に巣ができてしまうと駆除するのは大変です。ベランダや窓枠など、自分の手が届く場所に巣を見つけたら駆除するようにしましょう。

なお、土の中や木の中でスズメバチの巣を見つけたとき、非常に攻撃的なオオスズメバチの可能性があります。自分で駆除するのはやめて、すぐに自治体や業者に駆除を依頼しましょう。

3.7月~10月までの時期は自力でやらない

スズメバチは3月〜11月頃に活動しますが、特に7月〜10月は活発に活動する時期で巣も急激に大きく成長するため、自力で駆除するのはやめましょうこの時期の働き蜂は、女王と幼虫を守るため、巣を刺激したものに毒針で攻撃を仕掛けてきます。

4.完全防護の服装で駆除する

スズメバチの巣を駆除するときは、防護服を着用しましょう一部の自治体でレンタルができるほか、レンタルできない場合は以下のアイテムで代用できます。

  • フード付きの雨合羽(できれば表面がツルツルしているもの)
  • 作業着
  • タオル
  • 厚手の帽子
  • 軍手2枚
  • マスク
  • ゴーグル

着用する際、首筋などにすき間ができないようにタオルや軍手を付けて肌を隠すことが大切です。加えてスズメバチは香りに敏感なため、整髪料や香水などを付けずに作業を行うほか、黒をはじめとした濃い色の服装は着用しないようにしましょう。

5.夜の時間帯に駆除を行う

スズメバチに限らず、蜂は日中に活動するため、活動が活発な時間帯で駆除するのは避けましょうスズメバチは暗いのが苦手なので、夜の時間帯に駆除を行うのが最適です。ただしキイロスズメバチの場合、夜でも警戒を怠らない性質があるため、注意しましょう。

6.巣の表面と中に殺虫剤を噴射する

スズメバチの巣を駆除する際は、下記のアイテムを用意しましょう。

  • 殺虫スプレー(合成ピレスロイド系の成分が含まれている蜂専用のもの)
  • 懐中電灯
  • 枝切りバサミまたはノコギリ
  • 長い棒
  • ゴミ袋
  • 虫取り網

アイテムを用意した後、巣から2〜3m離れた場所から、巣の表面に殺虫スプレーを噴射します。2〜3分噴射した後、巣に近づいて入口から中に向かって噴射して駆除しましょう。巣の中から蜂が出てきても慌てず、スズメバチが出てこなくなるまで、噴射を続けることが大切です。

スズメバチの羽音が止まり、巣の中から完全にいなくなったことを確認したら、枝切りハサミやノコギリ、虫取り網を使って巣を取り除きます。巣を取ったら、袋に入れてすぐに口を閉じましょう。

7.駆除後1週間は巣があった場所に殺虫剤を噴射する

スズメバチの巣を除去したら、巣があった場所に殺虫スプレーを吹きかけておきましょう巣を駆除している間にエサ探しなどをしていたスズメバチが戻る可能性があるからです。巣がなくなったことで凶暴化して被害を受ける可能性があるため、駆除後1週間は殺虫スプレーを吹きかけておきましょう。

ただし、あまりにもスズメバチの数が多い場合は、専門の駆除業者に依頼してください。

8.刺されたら応急処置をして病院にいく

スズメバチに刺されたときは、その場から身を低くしてゆっくりと離れましょうあわせて大声を上げたり、激しい動きをしてはいけません。逆にスズメバチを刺激し、攻撃してくる可能性があります。スズメバチを襲ってこない場所まで来たら、以下の応急処置を行うことで、症状の緩和につながる可能性があります。

<刺されたときの応急処置>

  1. 傷口を指で強くしぼりながら流水でよく洗う
  2. 傷口を水でよく冷やす
  3. 針が残っていたら、毛抜きなどを使って抜く
  4. 傷口に虫さされの薬を塗る

スズメバチに刺された箇所は大きく腫れて痛みを伴います。蜂の毒にアレルギーがある場合は呼吸困難や嘔吐などのアナフィラキシーの症状が出るのでとても危険です。スズメバチに刺されたときは、病院で医師の治療や診断を受けましょう。

参考:原因別アナフィラキシー|蜂毒アレルギー 蜂毒アレルギーの症状|アナフィラキシーってなあに.jp

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スズメバチの巣を自分で駆除するのは、高い攻撃性や強い毒性もあって危険です。特に7月〜8月にかけてスズメバチの巣は急激に成長し、9月になると働き蜂の数が1,000匹以上になる場合もあります。家族や近隣の人へ迷惑をかけることを考えて、スズメバチの巣を見かけたら、専門の駆除業者に依頼しましょう。

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