蜂のなかでもひときわ攻撃性・毒性が強いスズメバチ。そんなスズメバチの巣が家にあると刺されないか心配ですよね。この記事ではスズメバチの巣の駆除方法や業者を選ぶときの注意点などを紹介します。
スズメバチの巣の駆除は業者に依頼すべき
スズメバチは攻撃性も毒性も高い危険な蜂です。刺されると死に至る危険性があるうえに、駆除に必要な道具を揃えるにはかなりの費用が必要です。
自力で駆除するのはリスクやコストが高いので、スズメバチの巣の駆除は専門業者や自治体に依頼しましょう。業者に依頼した場合について詳しく知りたい方は「業者に頼んだときの費用と業者選びのコツ」をご覧ください。
また自力で駆除できるのは作り始めの小さな巣に限ります。4~5月は営巣が始まったばかりなので駆除のリスクが小さいですが、それ以外の時期での自力駆除は大変危険です。基本的には業者や自治体に依頼するのをおすすめします。どうしても自力で駆除したい方は「スズメバチの巣を自分で駆除する流れ」を参考にしてください。
自治体や管理会社によっては蜂の巣を駆除してくれたり、費用を負担してくれたりします。自力で駆除すると決断する前に、自治体や管理会社の対応を調べておくことをおすすめします。
業者に頼んだときの費用と業者選びのコツ
スズメバチは猛毒で危険なので、巣の駆除は業者に依頼しましょう。特に夏から秋にかけては危険度が上がるため、自分で駆除するのはやめてください。
ここでは業者に依頼した時の費用相場や業者選びのコツを解説します。
業者に頼んだときの費用相場
スズメバチの巣の駆除を業者に頼んだときの費用相場は10,000〜50,000円です。スズメバチは危険度が高いので、比較的高額になるのです。またスズメバチの中でも特に危険なオオスズメバチだと、より高くなることがあります。
巣の駆除費用は、巣の大きさや場所によっても変動します。巣が大きかったり、巣が駆除しにくい場所にある場合は費用が高くなりやすいです。安く駆除したいなら、巣が小さいうちに駆除してしまいましょう。
関連記事:スズメバチの巣を駆除する際の料金は?費用の目安と業者の選び方ポイント|ミツモア |
費用は自治体が負担してくれることも!
スズメバチの巣の駆除にかかった費用を自治体が負担してくれる場合があります。適用条件や上限金額が設定されているケースが多いので、お住まいの自治体ホームページをご確認ください。
また無料駆除サービスを提供している自治体や、信頼できる業者を紹介してくれる自治体もあります。行政サービスも活用してみてくださいね。
賃貸住宅の場合、管理会社や大家さんが負担してくれる場合があります。業者に依頼する前に確認すると安心です。
業者選びのコツ
「駆除費用が想定より高かった!」というのは蜂の巣駆除でよく聞くトラブル。そのような事態を避けるために、複数の業者から見積もりを取っておきましょう。相見積もりをすることで自分のケースの相場が分かり、信頼できる業者を選びやすくなります。
もし見積もりと異なる高額請求をされるなど、トラブルに巻き込まれたら消費者センターに相談しましょう。
またアフター保証のある業者を選ぶと安心です。蜂を駆除しても、生き残った働き蜂が元々巣があった場所に戻ってきて巣をまた作ってしまうことがあります。そのような場合にも費用がかからないで駆除できると安心です。
参考:害虫・害獣駆除サービスのトラブル|兵庫県立消費生活総合センター |
自治体のスズメバチ対策や助成金制度
スズメバチの駆除に関しては、まずは民間の駆除業者に依頼、自治体に相談、自力駆除の流れがおすすめです。
①民間の駆除業者に依頼・自治体に相談
ご自身でスズメバチの巣駆除を業者に依頼した場合、駆除にかかった費用を負担してくれる助成金制度を設置している自治体もあります。
地域ごとに負担額が違うため、お住いの地域の助成金について調べるのがおすすめです。
また、自治体では「巣」の駆除を条件に助成金がでるため、飛んでいるスズメバチ駆除は該当しません。
②自力駆除
助成金とは違いますが、防護服の無料レンタルをしている自治体もあります。
防護服を購入すると数万円するので、自力駆除をしようとしている方は一度相談してみるのもよいでしょう。
蜂の巣駆除の相談は、福祉保健センターや環境課、衛生課が窓口になっています。
関連記事:蜂の巣の駆除は市役所にお願いできる?業者選びのポイントも紹介|ミツモア |
自力で駆除したい場合、比較的安全に対応できる基準
ここではスズメバチの巣を、どうしても自力で駆除する場合の条件を紹介します。
自分で駆除できるのは小さい巣のみ!時期や時間帯、場所の条件は?
スズメバチの巣を自力で駆除できるのは以下の条件を全て満たしている場合のみです。
自力で駆除できる条件 |
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10cmより大きく丸い巣は、働き蜂が増えている巣なので危険です。また6月以降は働き蜂の数が増えて巣の凶暴性が増すので、自力での駆除は控えましょう。
時間帯は日没から2~3時間がおすすめです。夜は外に出ているスズメバチが少ないので、一気に駆除することができます。また休憩中で動きが鈍っているので比較的安全です。
巣が床下・屋根裏・軒下などの閉鎖的な場所や高い場所にある場合は、駆除の難易度が上がるので業者に依頼した方が良いです。
上記の条件を全て満たしていたとしても、危険であることには変わりないので、自力での駆除はおすすめできないということを念押ししておきます。あくまで自己責任での作業になるため、注意してください。
関連記事:蜂の巣駆除は作り始めの時期を狙おう!駆除方法と注意点を解説|ミツモア |
スズメバチの巣を自分で駆除する方法
準備する道具|市役所から借りれることも
道具 |
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まずは防護服を用意しましょう。自治体が無料で貸し出しているケースもあります。購入するとかなりの額になるので自治体に問い合わせてみましょう。
防護服の上から厚手のズボンやジャンパーを着ると、より刺されるリスクが減るのでおすすめです。スズメバチは黒色に反応しやすいので、白っぽいものを選びましょう。
夜に作業をするために懐中電灯が必要です。懐中電灯の点灯部に赤いセロファンを貼っておくと、光で蜂を刺激せずに済みます。
殺虫スプレーは、スズメバチへの効果が明示されているものを選びましょう。長い棒は、巣を壁などから切り離すために使います。
また火ばさみが必要な理由は、スズメバチの死骸を素手で拾うのが危険だからです。死んだ直後のスズメバチに触ると、反射で毒針を動かして刺してくることがあります。
関連記事:蜂駆除スプレーは噴射力や成分で選ぼう!使用時の注意点もチェック|ミツモア |
関連記事:スズメバチ駆除に防護服はいる?いらない?安全に巣の駆除する方法とは|ミツモア |
スズメバチ駆除の手順
スズメバチ駆除の手順は以下の通りです。
手順1. 刺されないための準備をする
スズメバチに刺されないために、防護服と長靴、厚手の皮手袋などを着用し、皮膚が露出していないかを確認します。防護服と長靴や手袋との間に隙間があれば、ガムテープを何重にも巻いてスズメバチの侵入を防ぎましょう。
夜間の駆除作業用の光源は通常の懐中電灯ではなく、スズメバチに刺激を与えにくい赤色ライト、もしくは赤いセロファンをかぶせた懐中電灯を用いるのがおすすめです。
通常の懐中電灯の光だとスズメバチが反応し、活動を高める危険性があるため使わないようにしましょう。
手順2. 巣に殺虫剤を連続噴射する
ピレステロイド系・ジェット噴射タイプの殺虫剤を2本以上用意します。巣穴への連続噴射をスムーズに行うために、できれば両手に殺虫剤を持っておきましょう。
準備が整ったら、風上から静かに巣に近づきます。周辺にスズメバチがいる場合は、先に殺虫剤で退治してください。巣から2メートルほどの距離をとり、殺虫剤を巣穴に連続噴射します。
連続噴射の目安時間は10~15分程度です。スズメバチが完全に巣から出てこなくなったら、さらに殺虫剤を数十秒間噴射して駆除します。
手順3. スズメバチの巣を安全に撤去する
周辺にスズメバチがいないことを確認したら、ノコギリなどで巣の根元を切り落とします。生きているスズメバチが残っていることを想定し、落ちた巣穴に脱脂綿を詰め込んでおきましょう。
巣やスズメバチの死骸は、ほうきとちりとりを使って厚手のビニール袋に入れ、素早く口を縛ります。このとき、死骸を手で拾うのは危険です。死んだスズメバチでも、十数時間は毒針を出す習性があるため、手で拾うのは避けましょう。
スプレーを使って自分で駆除する方法
日没から2~3時間、あたりが暗くなったら作業を作業を始めましょう。手順は以下の通りです。
手順 |
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スプレーは巣から2,3m離れた場所から噴射します。スズメバチは巣の穴に向けてスプレーを噴射しましょう。2〜5分噴射し続けてください。
巣の周りを飛ぶ蜂がいなくなったら棒で巣を地面に落とします。落ちた巣やスズメバチの死骸を素手では触らず、火ばさみやトングで集めてゴミ袋に入れましょう。スズメバチは死んだ後も10時間ほどは反射的に針を出す習性があり、素手で触るのは危険だからです。ゴミ袋内に再度スプレーしておけば、より安心です。
巣の駆除後に、駆除のタイミングで巣にいなかったり、駆除剤で死ななかったりしたスズメバチが戻ってくることがあります。これを「戻り蜂」といい、巣の駆除後でも1週間ほど巣のあった場所を飛び回るといわれてます。戻り蜂の対策として、1週間ほどは巣があった場所に駆除剤を噴射しておくと良いでしょう。
スズメバチの見分け方と危険性
そもそも駆除したい巣は本当にスズメバチのものなのでしょうか?ここではスズメバチの巣の特徴を紹介します。
スズメバチの巣の見た目|作り始めはフラスコ型
スズメバチの巣は丸いイメージがあるかもしれませんが、作り始めはフラスコのような形をしているのをご存知でしょうか?
スズメバチの女王は4月ごろから活動を始め、5~6月にはフラスコ型の巣を作ります。この時期に巣で生活しているのは女王蜂と幼虫のみなので、他の時期に比べれば危険性が低いです。また、自分で駆除が可能なのは、一辺が15cm未満の作りはじめの状態の巣のみです。だいたい大人の手の中に収まる程度の比較的小さい蜂の巣だと覚えておきましょう。
自力での駆除は4~5月がおすすめです。
7月に入って働き蜂が羽化すると巣が丸くなってきて、9月には直径1m以上の大きな巣ができます。また、15cm以上の大きさの巣は、働き蜂の数が多いため、巣に異変があったときに攻撃してくる蜂の数が段違いに多いので、駆除が著しく難しくなります。丸い巣を駆除する場合は必ず業者に依頼しましょう。
他の蜂の巣について知りたい方やスズメバチの種類を明らかにしたい方は関連記事をご覧ください。
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スズメバチの四季ごとの危険性|冬は巣が空っぽだけどリスクあり
スズメバチは以下のようなスケジュールで活動します。
春 | 女王蜂が冬眠から目を覚まして単独で巣を作る。産卵もする。 |
夏 | 働き蜂が羽化し、巣が大きくなる。 |
秋 | 新しい女王蜂が生まれ越冬準備をする。 |
冬 | 女王蜂以外は死亡し、女王蜂のみ土の中などで冬眠する。 |
春は巣が小さく、働き蜂もいないので比較的簡単に巣の駆除をすることができます。自力で駆除するなら、働き蜂が羽化する前の4~5月にしましょう。
夏から秋にかけては巣の規模が大きくなり、攻撃性も高くなるのでとても危険です。この時期のスズメバチの巣を駆除したい場合は必ず業者や自治体に依頼してください。
スズメバチは女王蜂以外越冬できないので、冬になると巣が空っぽになります。しかし気温などの関係から冬眠しておらず、「空っぽだと思っていたのに蜂がいた」というケースもあり、油断は禁物です。スズメバチの巣は冬でもリスクがあるので、自力で駆除するのはおすすめできません。
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自分の家以外でスズメバチの巣を見つけた時の対処法
自分の家だけでなく、公共の場や空き家、隣人の家にスズメバチの巣があることもありますよね。そのような場合はどうすれば良いのでしょうか?
公園などの公共の場や空き家にスズメバチの巣がある場合は、自治体に相談してください。スズメバチは危険な蜂なので、住民の安全を確保するために自治体が駆除を引き受けてくれることがほとんどです。
隣人の家にスズメバチの巣があった場合は、まずその家の管理者に知らせてみましょう。蜂の巣の存在に気付いていない可能性があるからです。蜂の巣の存在に気付いてもなお駆除してくれない場合は、自治体に相談してください。他の住民の安全を脅かすと判断すれば、自治体が説得してくれるでしょう。
隣の家にある蜂の巣が怖いからといって自分で駆除するのはNG。他人の私有地に無断で入ることは法律で禁止されています。危険を感じた場合は自力で全て解決しようとせず、行政を頼りましょう。
スズメバチの巣を予防するには殺虫スプレーがおすすめ
スズメバチは4月ごろから巣を作り始めます。そのため、巣の予防は3月ごろに始めると良いでしょう。
スズメバチの巣を予防するには、殺虫スプレーがおすすめです。殺虫スプレーは蜂の駆除のみならず、予防の役割を果たすものもあります。巣ができそうな場所に吹きかけておけば、巣が作られにくくなるでしょう。
また新聞紙で作ったダミーの巣を軒下などに飾っておき、営巣場所が他の蜂に占領されていると錯覚させる方法もあります。
関連記事では予防方法について詳しく解説しているので、是非参考にしてください。
関連記事:蜂の巣を予防対策すべき時期と方法を解説!巣を作り始めるタイミングでの対処が肝心|ミツモア |
スズメバチの巣ができやすい場所
スズメバチは雨風をしのげ、直射日光が当たらない場所を好んで巣を作ります。これらの条件を満たすのは、軒下・ベランダ・屋根裏・床下などです。
もし戸締りをしているにもかかわらず家の中にスズメバチが出た場合は、床下や屋根裏に巣を作られている可能性があります。
山中などの自然界では、スズメバチが土の中や木に巣を作っていることがあります。気付かず近付いてしまい襲われた場合は、大声を出さず、落ち着いてその場を離れてください。
また室外機に蜂の巣があった場合は、アシナガバチのものである可能性が高いです。室外機に直接スプレーするとエアコンが故障してしまう可能性があります。室外機に蜂の巣を見つけた際は業者に駆除を依頼するか、くん煙剤型の駆除剤を使いましょう。
関連記事:室外機に蜂の巣を見つけたらどうする?安全な対処法と予防法を解説|ミツモア |
スズメバチに刺されないためには?刺された時の対処法も紹介
スズメバチを見かけたら刺激しないようにしよう
スズメバチを見かけたら大声を上げたり激しい動きをせず、その場を静かに離れましょう。大声や激しい動きはスズメバチを刺激し、刺される可能性を高めてしまいます。
スズメバチがあごをカチカチ鳴らしていたら威嚇のサインです。威嚇しながら空中で留まり見つめてきている時は、攻撃体制に入っていてとても危険な状態です。
スズメバチに威嚇されないよう、巣に近づかないようにしましょう。また黒い服や香水などの香りはスズメバチを刺激してしまいます。家の近くに蜂の巣がある場合はそれらを身に付けないようにしてください。
刺されたときの対処法
スズメバチに刺されたときはまず、その場を離れましょう。スズメバチが襲ってこない場所まで来たら、傷口を流水で洗い流してください。針が残っていたら抜いておきます。口で毒液を吸い出すのはNG行為なのでやめてください。
スズメバチに刺された箇所は大きく腫れて痛みを伴います。蜂の毒にアレルギーがある場合は呼吸困難や嘔吐などのアナフィラキシーの症状が出るのでとても危険です。蜂に刺された後は1時間ほど誰かと一緒に安静にしていてください。少しでも体調に異変を感じたら病院へ向かいましょう。
参考:原因別アナフィラキシー|蜂毒アレルギー 蜂毒アレルギーの症状|アナフィラキシーってなあに.jp |
巣を駆除するならミツモアで業者探しを
スズメバチの巣を自力で駆除できるとしたら、4~5月頃の、巣作りが初期の段階です。それ以降は巣が大きくなっており働き蜂が多く飛び交う危険な時期になります。
また春先は蜂の巣が小さいとはいえ、刺される危険性はゼロではありません。基本的にスズメバチの巣を見かけたら業者に依頼するのが安全です。
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