ミツモアメディア

開眼供養(かいげんくよう)とは?お布施は必要?供養の準備と当日の流れを解説

最終更新日: 2022年12月26日

開眼供養とはお墓や仏壇、位牌に、故人の魂を込めるための儀式です。故人のために新しく位牌や仏壇、お墓を購入した際に開眼供養を行います。

開眼供養はあらためて故人のたましいを依り付かせる、勧請儀礼としての重要な儀式です。そのため一般の葬儀や法要とは少々服装や香典マナーが異なります。準備や当日の流れ、お布施の相場やマナーを確認しましょう。

この記事を監修した専門家

日本葬祭アカデミー教務研究室 代表
二村 祐輔

開眼供養とは

開眼供養

開眼供養(かいげんくよう)とは新しい位牌や仏壇、お墓に、しかるべき魂を依り憑かせて、これから供養を営むことを祈念する仏教儀式です。仏像やご本尊の像、掛け軸も供養することがあります。

開眼供養のタイミングは、位牌や仏壇、お墓を新たに購入したときです。位牌は四十九日法要で、仮位牌から本位牌に変える際に、法要と合わせて執り行うのが一般的です。

仏壇は家に迎え入れた後、もしくは引越しするときは引越し先で、開眼供養を行います。お墓の場合は完成したタイミングで執り行うことが多いです。

行う日取りは六曜と関係ないことになっていますが、気にする人は凶日を避けつつ、納品してもらう日を決めてもよいでしょう。

開眼供養の由来

開眼供養の「開眼」は、仏師が仏像を作る最後の段階で、仏像に目を入れ魂を込めることが由来です。開眼供養の儀式を経て、それぞれのものや像に命が吹き込まれます。そうしてはじめてそれらが祈願・祈念の祭祀対象となるのです。

物質に対し、開眼供養で僧侶にお経を上げていただくことで、霊験(れいげん)が宿ると考えられています。霊験とは奇跡と似たような意味合いで、神仏がもたらす超自然的な利益や験(げん)のことです。

「開眼法要」「入魂式」「魂入れの儀」とも言う

開眼供養の呼び方は「開眼法要」「入魂式」「魂入れの儀」などさまざまです

浄土真宗の場合は、ご本尊に魂を込めるという思想を持っていません。開眼供養の代わりに、仏壇に仏様をお迎えしたことを喜ぶという意味の、「御移徙法要(おわたましほうよう)」または「入仏法要」を執り行います。

またお墓の開眼供養の呼び方は「建碑式(けんぴしき)」「建碑法要」です。浄土真宗では位牌を作らず、位牌の代わりとなる過去帳にも、開眼供養は行いません。

他の宗派では位牌を魂の依代(よりしろ)と考えるのに対し、浄土真宗における故人の魂は、すでに浄土にあるという考え方によるものです。

開眼供養を行う前の準備

喪服の女性

ここではお墓の開眼供養を行う場合を想定し、準備すべき内容を解説します。開眼供養は施主が一切を取り仕切る必要があるので、準備すべきことに漏れが無いように気を付けましょう。

お墓は完成したタイミングで、開眼供養を行います。

参列者の選定と菩提寺への連絡

開眼供養に招く人に、決まりはありません。開眼供養のみの場合、一般的には家族と親族だけで行うことが多いようです。参列者のおおよその人数がつかめたら、菩提寺に連絡して日程を決めましょう。

日程の決め方は、命日は関係なく参列者が集まりやすい日を選びます。土日は他の檀家の法事も重なるケースが多いため、早めに菩提寺へ連絡しておくことが大事です。

案内状の注文と発送

案内状は供養の1カ月前には発送しましょう。すでに電話で日程を知らせた人にも、改めて送ります。

案内状には返信ハガキを同封し、返信の期限も忘れずに書き添えましょう。案内状の例文は以下の通りです。

【開眼供養の案内状】

拝啓

〇〇(季語が入る)の頃 御尊家御一同様には益々ご清祥のことと拝察申し上げます

さてこの度 悲願でありましたお墓を建立する運びとなりました

つきましては左記の日程で開眼供養を営みたく存じます

御多忙の中誠に恐縮でございますがご参列賜りますよう ご案内申し上げます

なお当日は法要の後に心許りでは御座いますが粗餐を用意しております

末筆になりますが皆様のご健勝をご祈念いたしまして開眼供養のご案内とさせて頂きます

敬具

 

日 時 令和年月日

場 所 寺

住所 ~~~

電話 ~~~

令和年月日 ~~~

住所 ~~~

電話 ~~~

氏名 ~~~

※お手数ではございますが〇月〇日までに返信ハガキにてご都合をお知らせくださいますようお願い申し上げます

 

会食会場の予約や移動手段の手配

開眼供養を終えたら、僧侶や参列者を会食に招きます。会場は大体の参加人数が分かり次第予約を取り、確定したら改めて連絡します。

会食の場は菩提寺のお座敷や、霊園内の施設、ホテルなどです。菩提寺から離れた場所へ移動する場合は、タクシーやマイクロバスなどの手配も、行いましょう。

近頃はコロナの影響もあり、供養だけで済ませるケースも増えています。この場合は会食の代わりとして、仕出し弁当を用意し、供養が終わったときに返礼品とともに手渡します。

引出物の準備

供養に参列いただいた感謝のしるしとして、引出物を準備します。引出物の価格は2,000~5,000円と、頂き物としてあまり高額でない範囲に留めます

内容は持ち帰りが容易なように、軽くてかさばらないものがおすすめです。たとえば海苔・コーヒー・紅茶・緑茶など、日常的には少々高価なものが良いでしょう。洋菓子や和菓子、おせんべい、佃煮のように日保ちするものもおすすめです。

開眼供養の当日の流れ

お墓

お墓の開眼供養の式の当日、施主は早めに菩提寺・霊園へ到着するように心がけましょう。開眼供養を行う前に、施主と家族、霊園のスタッフや石材店で、墓所の周りの掃除や、祭壇の準備を済ませておきます。

開眼供養の流れは以下の通りです。

  • 墓石にさらしを巻く
  • 祭壇・供物の準備
  • 本堂で法要(法要がある場合)
  • 墓所へ移動し除幕
  • 読経・焼香
  • 閉式
  • 会食会場へ移動
  • 開式の挨拶
  • 閉式の挨拶
  • 散会

四十九日法要や一周忌法要といった法要も兼ねる場合は、先に本堂で法要を執り行ってから、開眼供養に移るのが一般的な流れです。

生前にお墓を建立することを、「寿陵(じゅりょう)」といい、大変縁起の良いこととされています。除幕は供養の後に行う場合もあるので、お寺の指示に従いましょう。

開眼供養ではお布施を用意する

お布施と榊と現金

開眼供養では僧侶に読経を上げていただくため、感謝の気持ちであるお布施を渡します。開眼供養で包むお布施は3万~5万円を目安にすると良いでしょう。具体的な額は親戚に聞くか、お寺に直接聞くのがおすすめです。

お布施は和紙でお札を包んで内包みとし、奉書紙を使って包みましょう。簡易的な白の無地袋を使っても問題ありません。表書きは「お布施」「御布施」とし、濃い墨の筆ペンで書きます。封筒の裏面もしくは内包みの裏面に、施主の名前を記入しましょう。

この他に墓地までの移動が伴うような場合、「御車代」を準備します。金額的には実費以上か、または5,000~1万円が目安です。また「御膳料」なども用意しておくとあわてないで済みます。これも5,000~1万円を別々の封筒に入れて用意します。

お札は新札を揃えるようにしますが、新札がない場合はなるべく使用感のないお札を用意します。

開眼供養の服装・香典マナー

開眼供養はめでたいとされる儀式のため、服装や香典が葬儀とは少々異なる点に注意しましょう。

服装マナー

服装は男性、女性共に喪服を着用していれば問題ありません。ただし開眼供養のみの場合、男性はブラックスーツまたは略式礼服に、白ネクタイを合わせます

女性はブラックフォーマルもしくは略式礼服か、ダークカラーのアンサンブルを着用しましょう。アクセサリーは葬儀時のように厳格なマナーはありませんが、華美なものは避けたほうが無難です。

法要とともに納骨式を行う場合は、法要のマナーに服装を合わせます。男性はブラックスーツまたは略式喪服に黒ネクタイ、女性はブラックフォーマルまたは略式喪服となります。

香典の表書きと相場

とくに寿陵(生きているうちにお墓を立てること)の開眼供養のみを行うような場合、不祝儀袋を使いません。赤白の熨斗のない祝儀袋を使いましょう

表書きは「開眼御祝」「開眼供養御祝」とし、水引の下にフルネームを書きます。

香典の金額は親族・親戚が1万円程度、友人・知人は3,000~5,000円が目安です。法要も同時に行うときは、不祝儀袋を使い「御仏前」とします。

なお法要時のお包みは、葬儀時と異なり、あまり「香典」とは言いません。表書きは「御仏前/ご仏前」が一般的ですが、「お花料」「供物料」「香料」「志」などもあります。

金額は三回忌くらいまでは、兄弟・近親者は3万~。三回忌以降は1万を目安にします。親族以外で参列し、会食などがあるい場合は5,000~1万円を目安としましょう。

開眼供養は魂を入れる重要な儀式

手を合わせる女性

開眼供養は仏壇やお墓、位牌に故人の魂を込める大切な儀式です。仏壇やお墓を購入したときや、四十九日法要、一周忌法要といった別の法要を行うタイミングで実施します。

事前の準備や流れをしっかりと把握して、スムーズに執り行えるようにしましょう。参列者の選定から案内状の送付、引き出物の準備など、時間のかかる作業もあるので、余裕のある計画を立てることが大事です。

お近くの葬儀屋・葬儀社を探す

監修者:二村 祐輔

日本葬祭アカデミー教務研究室 代表
『葬祭カウンセラー』認定・認証団体 主宰
東洋大学 国際観光学科 非常勤講師(葬祭ビジネス論)

著書・監修

  • 『60歳からのエンディングノート入門 私の葬儀・法要・相続』(東京堂出版) 2012/10/25発行
  • 『気持ちが伝わるマイ・エンディングノート』 (池田書店) 2017/9/16発行
  • 『最新版 親の葬儀・法要・相続の安心ガイドブック』(ナツメ社) 2018/8/9発行
  • 『葬祭のはなし』(東京新聞) 2022年現在連載

など多数

コメント
たましいを「寄り付かせる」ことを「勧請(かんじょう)」といいます。また勧請には、祭壇や仏壇などに神仏の来臨や招請(しょうせい)をする意味もあります。この儀礼を経て、はじめて霊位が定着したことを意識付けます。日本人の霊魂観は、神仏に限らずこの勧請によって、霊性の無限の分化をそれぞれ本体としてあやかり、位牌にも仏壇にもお墓にも、ちゃんと故人のたましいがそれぞれ宿っているものとして尊崇しているのです。