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身内が事故死したら葬儀はどうする?遺体の引き渡しから葬儀の流れ、示談の要点も解説

最終更新日: 2022年12月01日

身内が事故死した場合、事故遺体の引き渡しがどのように行われるのか、葬儀はどのように執り行うのかを解説します。

加害者がいる場合の対応や、示談の進め方も見ていきましょう。

この記事を監修した専門家

葬送儀礼マナー普及協会 代表理事
岩田昌幸

事故死からご遺体引き渡しの流れ

スマートフォンを見て泣く女性

死亡事故が発生した場合、警察が関与するのが一般的です。ご遺族が事故遺体を引き取りに行くまでの、主な流れを解説します。

警察による検視・死亡確認

何らかの事故で死亡した場合、まず警察による「検視」が行われます。検視とは検察官または要件を満たす警察官が、医師の立ち会いのもと遺体を確認する作業です。事件性の有無や、亡くなった具体的な原因を突き止めるために行われます。

検視が行われた場合、警察医や監察医によって検案が行われ、死体検案書が発行される流れです。なお事故で心肺停止状態となり、病院搬送後に死亡が確認された場合は、医師が検案後に死亡診断を行い、死体検案書が発行されます。

ご遺族によるご遺体の確認

検視の後、ご遺体は遺体安置所に安置され、警察が遺族に連絡します。かかりつけ医がいる場合は、警察から連絡があった時点ですぐに連絡しましょう。

遺族は遺体安置所に訪れて、ご遺体の確認を行います。ご遺体の損傷状況により、持ち物やDNAでの本人確認となる場合もあるでしょう。

事故の状況によっては、警察から遺族調書を取られることもあります。遺族調書は事故に遭った本人が現場にいた目的や、家庭環境、保険などを調査する書類です。警察は遺族調書も参考に、故人が犯罪やトラブルに巻き込まれていないか確認します。

事件性がある場合、司法解剖をする

遺体や現場の状況により事件性が疑われ、亡くなった原因を詳しく突き止める必要がある場合は、司法解剖が行われます。交通事故の場合には、危険運転致死・過失致死などが疑われるケースが該当するでしょう。

司法解剖は体の内部を見て、死亡の原因を探る作業です。外部から見て亡くなった状況・亡くなった原因が判断できない場合に行われると考えておきましょう。

加害者がいるケースでは、亡くなった原因が交通事故による衝撃であるか、証言と一致しているかなどの点が、刑事責任を明らかにするために重要です。

死体検案書の受け取り

警察で死亡が確認された場合、検察官または認定された警察官、警察医により「死体検案書」が作成されます。病死の場合などに医師が発行する「死亡診断書」と同じ様式で、死亡の事実を公的に証明する書類です。

死体検案書の作成には手数料がかかる点に注意しましょう。検死や司法解剖の費用を含めるため、3万~10万円が目安です。死亡届の提出や相続の手続きなどに必要なので、必ず発行して受け取る必要があります。

遺体の引き渡し

ご遺体の引き渡しには、引き取りに来た遺族本人の身分証明書・故人の身分証明書・印鑑が一般的に必要です。病院または警察から指示を受けた持ち物を持参し、手続きを済ませましょう。

なおご遺体の損傷が激しい場合は、本人確認やDNA鑑定のために、遺体の引き取りまでに時間を要する場合もあり注意が必要です。

葬儀社と一緒にご遺体を棺に納め、決めておいた安置場所へ移動させましょう。ご遺体の外傷の状況によっては、ご遺族への引渡し前に納棺が終わっているケースもあります。

ご遺体引き渡しから葬儀までの流れ

死亡届と計算機

事故死の場合も葬儀は一般の葬儀社に依頼して行います。葬儀の流れは一般的な形式と同じで、お通夜、葬儀・告別式・火葬です。

葬儀を行うために必要な手続きと流れを確認しましょう。

死亡届・死体検案書を役所に提出

身内がなくなった際には、役所に死亡届を提出する必要があります。「死体検案書(死亡診断書)」と一体になっている「死亡届」に記入し、個人が死亡した場所か本籍地、もしくは届出人の居住地にある市区町村役場に提出しましょう。

提出期限は死亡の事実を知った日から、7日以内とされています。ご遺体の引き渡し前に行うこともあるでしょう。

死亡届の手続きに伴い「火葬許可証」が発行されるので、保管しておきます。火葬許可証は火葬のために必ず必要な書類です。取得する際「火葬許可申請書」に必要事項を記入して提出します。この申請書は役所の窓口にあるほか、現在はHPからもダウンロードできるところが多いです。

なお死亡届の記入はご遺族が行いますが、提出のみであれば葬儀社が代行できます。依頼できるか相談すると良いでしょう。

【死体検案書(死亡診断書)は複数コピーを】

死体検案書(死亡診断書)は死亡届の提出以外でも、さまざまな手続きで必要となる書類です。10枚程度のコピーを取っておくとスムーズです。

故人の関係者に死亡通知

事故で急に亡くなった場合、遺族が故人の関係者に死亡した事実を通知します。親戚や友人、所属する団体など、必要な関係者へ連絡しましょう。

特に勤務先や学校など本人が日々通っている場所には、早めに連絡しておくとその後の手続きがしやすくなります。

訃報は電話連絡が一般的ですが、遺族が電話番号を知らない相手には、メールや郵便で知らせても良いでしょう。

親族や親しい関係者は葬儀の日程も気にしています。まずは亡くなった事実を連絡し、葬儀日程が決まり次第再度詳しく伝えるのがおすすめです。

葬儀社に連絡して打ち合わせ

葬儀社への連絡は、ご遺体の引き取りまでに行いましょう。基本的にご遺体の引き渡し後は、ご遺族があらゆる手続きを進めます。今後の手続きを漏れなく、また負担を少なく行うためにも、葬儀社などプロの力を借りられるようにしておくと安心です。

死亡届の提出や訃報連絡などの手続きとともに、葬儀の日程やプランを取り決めます。なお解剖やDNA鑑定が必要なケースでは、遺体の引き取りに数日〜1週間ほどかかるため、葬儀の日程が遅くなる点に注意しましょう。

事故による遺体の損傷状態によっては、式次第に影響する可能性もあります。棺のふたを開けて参列者がお別れをする時間が省略されるケースがあることも知っておきましょう。

加害者に費用を請求できる?

通帳を見る人

加害者が存在する交通事故では、保険会社を通して慰謝料や示談金を請求できます。加害者に請求できる主な費用や、詳細について見ていきましょう。

葬儀費用の一部を請求できる

事故に加害者がいる場合には、慰謝料とは別に、損害賠償として葬儀費用の一部を請求できます。加害者に請求できるとされているのは、遺体の運搬費・葬儀費用・火葬代・四十九日までの法要にかかる費用などです。

必ず全額請求できるわけではないため、保険会社が対応している場合は、詳細や状況を確認しておきましょう。原則として、150万円が葬祭費の賠償金額の上限とされています。

葬儀前は慌ただしく、費用の請求先・金額について相談している時間はないかもしれません。葬儀社により発行された領収証と内訳を忘れずに保管しておき、のちほど保険会社や加害者への請求を進めるようにしましょう。

死亡慰謝料の請求について

また被害者と遺族は加害者に対して、「死亡慰謝料」を請求できます。死亡慰謝料は死亡した本人と身内を亡くした遺族の、精神的苦痛に対して支払われるものです。

自動車・バイクの保有者は自賠責保険への加入が義務付けられており、死亡慰謝料として本人分は400万円、遺族分として550万円以上の補償が受けられます。遺族分は請求権のある人数によって、変動する仕組みです。

自賠責保険からは葬儀費用・死亡慰謝料・事故で亡くなったことによる逸失利益を含め、最大で3,000万円が支払われます。被害者または加害者が任意保険に加入している場合は、自賠責保険以上の補償が受けられるでしょう。

なお保険の補償とは無関係に、弁護士に示談を依頼すると、独自に示談金を算出し請求が可能です。自賠責保険・任意保険基準よりも、高額な示談金が算出されます。

加害者との示談における注意点

弁護士の女性

慰謝料や葬儀費用の請求にあたり、遺族は加害者と示談を行います。身内が亡くなり動揺している時期だからこそ、示談を受け入れる時期や対応に注意が必要です。弁護士に依頼するかどうかも、検討しておきましょう。

示談は無理に急がないことも大切

弁護士や保険会社を交えた「示談」は、加害者と遺族が話し合いを行って問題を解決する場です。一般に、慰謝料を含む示談金が話し合われます。

加害者に対して厳罰を求める場合は、刑事罰が確定してから示談に応じることも検討しましょう。

遺族が早い段階で示談に応じると、刑事罰を決める裁判で、加害者側が有利になる可能性があります。遺族側に謝罪と賠償を行い、損失を補償していることで、量刑に影響があるためです。

弁護士に相談すると負担軽減

加害者への対応や慰謝料の請求に不安がある場合は、弁護士への相談を検討しましょう。専門家に相談することで、示談金の交渉がスムーズに進みます。慰謝料の相場が分からない場合にも、相談に乗ってもらえるでしょう。

被害者が任意保険に加入し、弁護士費用特約が付帯している場合は、弁護士報酬・相談費用が抑えられます。限度額は故人が加入する保険会社に確認しましょう。

身内が突然亡くなっても冷静に対応を

葬儀社の男性スタッフ

身内が事故で亡くなると、遺族には大きな精神的負担がかかります。病死・自然死とは異なる流れで遺体の確認や引き取りが必要になりますが、冷静な判断を心掛けましょう

加害者がいる場合には、保険会社や弁護士を通して、しっかりと交渉を進めることが大切です。

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監修者:岩田昌幸

葬送儀礼マナー普及協会 代表理事

葬送儀礼(臨終から葬儀、お墓、先祖供養等)が多様化している中で、「なぜそのようにふるまうのか」といった本来の意味を理解し、そうした考え方や習慣を身につけられるよう「葬送儀礼マナー検定」を実施しています。メディア監修多数、終活・葬儀・お墓関連セミナーも実施しています。

コメント
事故死の連絡を受け取ったら、まずは焦らずに医師や警察の指示に従いましょう。医師から死体検案書を受け取り、死亡届の提出をします。葬儀社にも相談しながら手続きを進めましょう。

参考:一般社団法人葬送儀礼マナー普及協会