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戒名料の費用相場は?ランク別・宗派別にかかる金額を紹介。

最終更新日: 2022年09月15日

戒名を授かる過程は、日本の仏式葬儀において重要です。戒名を付ける機会は一生に一度しかないため、費用の相場が分からないものです。戒名の授与にかかる費用相場や、費用を抑える方法のほか、戒名料を支払うときのマナーも解説します。

戒名とは

戒名と紙幣と線香

戒名(かいみょう)」は日常的に聞き慣れていない言葉でしょう。戒名の意味と、仏式葬儀において戒名が必要な理由を説明します。

仏の弟子となった証

かつて戒名は出家して厳しい修行を終えた後に、仏の弟子となった証として付けられるものでした。生前に出家したタイミングで授かる名でしたが、今では出家していなくとも、故人に付けられます。現在でも生前に戒名を付けてもらうことも可能です。

仏教では人が亡くなると、仏の世界に行くものだと考えられています。死後に仏の世界で、迷わず極楽浄土に往生できるように、戒名を授かるのです

檀家制度が生まれて、僧侶に葬儀を依頼するのが一般的になった江戸時代に、戒名も登場しました。仏式葬儀で戒名を付けてもらうのは日本だけの制度で、海外の仏教徒の間で、戒名の授与はありません。

宗派によって戒名の呼び方が異なるのも特徴的です。浄土真宗では「法名」、日蓮宗では「法号」と呼ばれます。

仏式葬儀では戒名が必須

日本で行われる葬儀は、ほとんどが仏式葬儀です。仏式葬儀を執り行う場合、原則として戒名の授与が必須です。葬儀を行わず、先祖代々の菩提寺に納骨だけしてもらう場合も、菩提寺のルールに従って、戒名を付けてもらう必要があります。

公営の墓地や民間霊園に納骨する場合や散骨する場合は、戒名を付けなくても大丈夫です。神道やキリスト教でも、もちろん戒名が必要ありません。ただし似た概念として、神道では「諡(おくりな)」、キリスト教では「洗礼名」が存在します。

戒名の構成

数珠と百合の花

戒名を付けてもらうのにかかる費用を考えるにあたって、戒名の構成を把握しておきましょう。戒名の基本的な構成と、ランクを選ぶ基準を解説します。

4つの要素から構成される

戒名は一般的に、「院号」「道号」「戒名」「位号」の四つから構成されます。院号は院殿号とも呼ばれ、戒名の最初に「〇〇院」「〇〇院殿」のように付けられます。院号は宗派の功労者に付けられるものです。院号がない戒名も珍しくありません。

道号には故人の性格や、特徴が感じられる文字を用います。そして道号の下に、狭義の戒名が続きます。戒名には故人の俗名と、経典や尊敬する人から1文字ずつ取るのが一般的です。

最後に仏教徒としての位階を表す位号から構成されます。位号はランクの高い順に「院居士・院大姉」「院信士・院信女」「居士・大姉」「信士・信女」が付けられます。

戒名ランクの選び方

戒名のランクを表す位号は、故人や遺族が自由に選べるわけではありません。宗派や地域に対する故人の貢献度によって決まるためです。ある程度はお布施の金額によって高いランクを付けてもらえますが、ほかにも戒名を決定する要素があります。

先祖と同じ墓に入るときは、先祖よりも高いランクの戒名は付けられません。さらに夫婦で同じ墓に埋葬される場合は、夫婦で同じ戒名にするのが基本的なルールです。新しく墓を建てるケースでは、特に制限はありません。

戒名料の費用相場

喪服姿で計算機を持つ女性

僧侶に戒名を付けてもらう場合は戒名料がかかります。戒名料は位号のランクと宗派によってさまざまです。戒名料の一般的な費用相場と、ランクや宗派別の費用相場を紹介します。

300,000~500,000円が目安

そもそも戒名料は、戒名を付けてもらったお礼として支払うものではありません。ご本尊に捧げるお布施として渡すものです。対価ではないので決まった金額はありませんが、実際には300,000~500,000円に落ち着くのが一般的です

とはいえ気持ち次第でお布施の金額は変動するほか、位号のランクや宗派によって、適切とされる金額が変わってきます。ランク別や宗派別の相場も、あらかじめ確認しておくことが大切です。

ランク別の費用相場

最もランクの低い信士・信女では、100,000~300,000円が相場です。次にランクの低い居士・大姉は、出家をせずに仏教に帰依していた人に付けられます。居士は男性、大姉は女性に付けられる位号で、500,000~800,000円を渡すのが一般的です。

続いて院信士・院信女は700,000円以上、最もランクの高い院居士・院大姉では1,000,000円以上のお布施が相場です。

宗派別の費用相場

戒名料の費用相場は、同じランクでも宗派によって異なるケースもあります。例えば院信士・院信女の場合、浄土宗だと700,000円からですが、天台宗や真言宗では800,000円から、曹洞宗では1,000,000円以上が相場です

また浄土真宗には信士・信女と居士・大姉の代わりに、釋(しゃく)・釋尼(しゃくに)と院釋・院釋尼の位号があり、それぞれ200,000円以上と500,000円以上のお布施を渡します。

戒名料にかかる費用を抑えるには?

墓地にいる僧侶

戒名を授かるのに数十万円、ときには数百万円もかかることから、なるべく費用を抑えたいと考える人もいるでしょう。戒名料をかけない、あるいは費用を抑える方法について紹介します。

自分で戒名を付ける

戒名は僧侶に依頼せず自分で付けることも可能です。自分で付ければ費用がかからないことに加えて、自分のイメージに合わせて納得のいく戒名を付けられます。数十万~数百万円の戒名料がかからないのは、大きなメリットです。

公営の墓地や民間の霊園に遺骨を埋葬する場合は、自分で好きな戒名を付けても問題ありません。しかし菩提寺がある場合や寺院に埋葬してもらう場合は、勝手に付けた戒名では、葬儀や納骨をしてもらえないケースもあります。

オンラインの戒名授与サービスを利用する

菩提寺の僧侶に戒名を付けてもらうのではなく、オンラインの戒名授与サービスを利用すれば戒名料を抑えられます。信土・信女であれば20,000円から、院居士・院大姉でも150,000円から依頼可能です。

自分で付けた場合だけでなく、別の僧侶に付けてもらった場合でも、菩提寺によっては、葬儀や埋葬を受け入れてもらえないところもあります。

オンラインサービスで戒名を授与してから菩提寺に断られると、余計な費用がかかるため、別の寺院の僧侶に戒名を付けてもらうときも、事前に菩提寺に確認を取ることが大切です。

戒名料に関するトラブルを避けるために

スーツ姿で白い手袋をしている女性

戒名料は高額なため、すれ違いが発生すると、大きなトラブルに発展する恐れがあります。トラブルを避けてスムーズに戒名を付けてもらうために、気を付けるべきポイントを解説します。

菩提寺の有無を確認する

戒名を付けてもらうとき、まずは菩提寺があるかどうか確認しましょう。菩提寺は先祖代々の位牌を収めている寺院です。親戚の葬儀を寺院でやっている場合は、菩提寺があるのが一般的です。

菩提寺がないと思い込んだまま葬儀を執り行ってしまうと、先祖と同じ墓に納骨するために、戒名を付け直す必要があります。葬儀も最初からやり直すことになり、当初の倍のお金がかかってしまいます。

戒名料がいくらか確認する

戒名料を含むお布施の金額は、「お気持ちで」決めるように言われるものです。しかし適切な金額が分からないままお布施を渡すと、後から注意を受ける可能性もあります。

生前戒名を付けてもらうときや自分で付けるとき、オンラインサービスを利用するときはもちろん、菩提寺の僧侶に付けてもらうときも、事前に戒名料の相場を確認しておくと無用なトラブルを避けられます

戒名料を渡すときのマナー

喪服姿の女性

お布施として渡す戒名料の費用相場が分かっても、どのように渡せばいいか分からなければ、トラブルに発展する恐れがあります。お布施を渡すときの正しい包み方や、適切なタイミング、渡し方のマナーを解説します。

正しい包み方

お布施を裸のまま渡すのは良くありません。奉書紙に包んだ上で渡すのがマナーです。最初に折り目や破れが少なく、新札に近い紙幣を用意して、表裏と向きを揃えます。紙幣を整えたら、紙幣の表面が、中包みおよび上包みの表面と一致するように包みましょう。

奉書紙の上包みの表面上部には、黒墨の筆あるいは筆ペンで「お布施」と書き、下部には、喪主のフルネームまたは姓のみを書きます。

中包みの表面にはお布施の金額を「金参萬圓也」のように、「金」と「也」で挟むようにして旧字体で書きます。悪いイメージが連想される「四」と「九」の数字は用いないのが適切です。裏面には喪主の氏名と住所を書きましょう。

渡すタイミングと正しい渡し方

お布施は葬儀の前に挨拶をするタイミング、あるいは読経が終了してお礼を伝えるタイミングで渡します。お勤めに対する感謝の気持ちを伝えた上で、渡すといいでしょう。

お布施を手渡しするのはマナー違反です。切手盆に乗せて間接的に渡すか、奉書紙を包んでいた袱紗の上に、置くようにして渡します。袱紗は弔事の場に合わせて、紺色や深緑色など暗い色を選ぶのが適切です。さらに渡すときは「お布施」の文字が僧侶の方に向くように、気を付けましょう。

相場に適した戒名料を渡そう

仏前で読経する僧侶

戒名は迷うことなく極楽浄土に往生できるように授けられる名前で、仏式葬儀においては必須です。戒名の授与にかかる費用は位号のランクと宗派によって異なりますが、一般的には300,000~500,000円に落ち着きます

戒名を付けてもらうのに高額な費用をかけたくない場合は、自分で付けたりオンラインサービスを利用したりすれば、無料あるいは費用を抑えて戒名を授かることが可能です。

しかし葬儀と納骨を行う菩提寺以外で付けられた戒名は、受け入れられないケースが多く、費用を抑える工夫をすると、むしろ余計な費用がかかる恐れがあります。戒名に関するトラブルを避けるために、あらかじめ菩提寺に相談しておきましょう。

戒名料の金額だけではなく、戒名料を渡すときのマナーにも目を向けることが大切です。相場に適した戒名料を用意した上で、お勤めに対する感謝の気持ちとともに渡しましょう。

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