近年のドライブレコーダーの人気上昇に伴って、費用を抑えるために自分でドライブレコーダーを取り付ける人も増えてきています。
しかしドライブレコーダーの配線は複雑な作業が必要なこともあります。どのような手順で作業すればいいのか分からなかったり、プロのように上手に配線を隠せなかったりして悩む人も多いのではないのでしょうか。
そこでこの記事では、配線の手順・配線をきれいに隠すためのコツなどを解説していきます。配線方法は3種類あるので、最もやりやすいと思う方法を選んでみてください。
ドライブレコーダー配線前の準備
まずは下準備をしっかり行いましょう。必要な工具やツールがないと、取り付け作業がストップしてしまうことがあります。
部品がそろっているか確認
ドライブレコーダーには製品により種類は異なりますが、同梱物が付属しています。最初に全てそろっているか確認しましょう。
- シガープラグコード
- カメラケーブル
- 脱脂クリーナー
- フロントカメラ取付ステー固定用両面テープ(前後2カメラタイプの場合)
- リヤカメラ取付ステー固定用両面テープ(前後2カメラタイプの場合)
- microSDカード
必要な工具
- プラスドライバー
- クリップ外し
- ニッパー
- サーキットテスター
- メジャー
- 電源を取るためのツール(エレクトロタップ、もしくは配線付きヒューズ)
- 配線をまとめるツール(結束バンドやケーブルクリップ)
- ガラスクリーナー
取り付けが簡単なドライブレコーダーや、あらかじめツールがセットになっているタイプを選んだ場合、使わなくていい工具もあります。
ドライブレコーダーの取り付け・配線にかかる時間
ドライブレコーダーの取り付けにかかる時間は、慣れている人ならこのくらいが目安です。
- 前方のみの1カメラタイプ:40分程度
- 前後2カメラタイプ:2時間程度
取り付けに慣れていない人が手順を調べながら作業すると、さらに長い時間がかかるでしょう。
ちなみに取り付けは2カメラタイプのドライブレコーダーより、1カメラタイプの方が簡単です。2カメラタイプは配線の手間や難易度が上がるので、手軽に取り付けたい場合は1カメラタイプを選ぶのも良いでしょう。
ドライブレコーダーのカメラを設置する手順
取り付けは両面テープや吸盤でガラスに貼るだけなので、難しい作業ではありません。しかし正しい位置に取り付けないと、後でやり直しが必要になってしまうことも。
次のポイントを確認しておきましょう。
【カメラを貼る位置】
- 法令で禁止されている場所には貼らない
- カメラと配線が目立たないようにする
- 撮影する映像に障害物が映らないようにする
フロントガラスはカメラを貼ってもいい位置が法令で決まっています。運転中の視界の妨げにならないように、ガラスの上の方に貼らなければいけません。また「縦方向の長さの20%以内」と決まっているので、メジャーでフロントガラスの長さを測って、上から20%に入る位置を確認しましょう。例えばフロントガラスの縦の長さが70cmだった場合、上から14cm以内のところに取り付けるということですね。
リアガラスには特に法令の決まりはないので、配線やカメラが目立たず、ワイパーのふき取りで見えるようになる範囲に設置しましょう。
カメラを貼る時の注意点
カメラを貼る前にガラスの清掃を念入りに行いましょう。ガラスに油分などの汚れが付いていると、両面テープの粘着力が弱まってしまい、運転中に突然カメラが落ちてくることがあります。
冬の気温が低い時も粘着力が弱まりやすいので、ドライヤーで温めてから貼ると剥がれにくくなりますよ。
ドライブレコーダーの3つの配線方法とメリット・デメリット
ドライブレコーダーには3つの配線方法があります。
|
最も簡単でおすすめなのは、シガーソケットから電源を取る方法です。
メリット | 付属のコードを挿し込むだけでOK |
デメリット | 地デジやETCの電波に影響を与え、ノイズが入ることがある |
メリット | 配線をまとめられるので見た目がいい |
デメリット | エレクトロタップが必要 |
メリット | コードが見えないように取り付けられる |
デメリット | 対応するヒューズを見つけるのが難しい |
ドライブレコーダーの配線手順:シガーソケットから電源を取る場合
前述の通り、一番簡単なのはドライブレコーダーに付属しているプラグを、シガーソケットという場所に挿すだけです。
もし既にスマートフォンの充電ケーブルなどでシガーソケットが埋まっている場合は、二股プラグなどで挿し込み口を増やしましょう。ドライブレコーダーを使いながら、音楽を流したり、他の機器の充電をしたりといったように、これまで通りに便利に使い続けることができます。
ドライブレコーダーの配線手順:オーディオから電源を取る場合
オーディオから電源を取る場合は、裏にある配線にエレクトロタップでつなぎます。この時、オーディオ周りのパネルを外す必要があるので注意が必要です。
多くはツメではまり合っているだけなので、引っ張れば外れます。パネルを外すと4本のネジがあるので、ドライバーで外しましょう。なお、オーディオパネルを外す前に、周りのメーターパネルやエアコン操作パネルを外さなければならない車種もあるので気を付けてください。
手順①室内パネルの外し方
電源を取り配線するために、まずは室内パネルを外しておきましょう。
- 各柱(ピラー)のパネルを外す
- 助手席足元の収納(グローブボックス)を外す
①-1:各柱(ピラー)のパネルを外す
配線を通す部分のパネルを外していきます。最初に助手席側の、フロントガラス横の柱(フロントピラー)のパネルを外します。まずふちにはまっている防水ゴム(ウェザーストリップ)を外していきましょう。
ウェザーストリップは手で引っ張れば簡単に外れますが、ゴムの端を指でつまんで引っ張るとちぎれる可能性があります。ゴム全体をしっかり握って外してください。ウェザーストリップは完全に取り外す必要はなく、フロントピラーにはまっている部分だけ浮かせればOKです。
ウェザーストリップを浮かせたら、フロントピラーを引っ張って外しましょう。車両中央にある柱(センターピラー)、後ろ側の柱(リアピラー)のパネルも同様の手順で外しておきます。
ちなみに室内パネルを外さずに、ケーブルクリップを使ってパネル表面に配線を這わせることもできます。しかしこの方法だと見た目が悪いだけでなく、配線に引っかかって転んだり断線させてしまったりする恐れがあるため、あまりおすすめはできません。
①-2:助手席足元の収納(グローブボックス)を外す
次に助手席の足元にある収納(グローブボックス)を外します。グローブボックスの裏からフロントピラーやオーディオ裏・車の後ろ側に配線を通す必要があるので必須の作業です。グローブボックスの奥にヒューズボックスが設置されている車種もありますよ。
グローブボックスは両端を両手でしっかり握って、ねじりながら手前に引いてくると外せます。
また車種によってはバックドア内側のパネルを外す必要があります。バックドアのパネルもクリップで固定されている場合が多いので、手で引っ張って外しておきましょう。
②-1:電源の位置を調べる
オーディオから電源を取る方法でも、ヒューズから電源を取る方法でも共通して必要なのが、次の2つの電源位置を調べることです。
- 常時電源(常に電源電圧12Vがかかっている)
- アクセサリー電源(車両の電源を入れた時に電圧が0V→12Vに変化する)
この2電源の配線を、サーキットテスターなどの電圧を測れるツールを使って調べます。
②-2:プラス側をつなぐ
2つの電源の位置が分かったら、ドライブレコーダーの配線と接続します。
オーディオの裏側の配線とドライブレコーダーの配線を、エレクトロタップで挟めばつなぐことができます。
ドライブレコーダーの配線手順:ヒューズから電源を取る場合
ヒューズから電源を取る場合も、同じように各柱(ピラー)のパネルを外し、助手席足元の収納(グローブボックス)を外してください。
そして、配線付きヒューズを用意しましょう。ヒューズは、平型ヒューズとミニ平型ヒューズの2種類があります。それぞれに合うパーツを用意してください。
ヒューズの形を確かめたら、ヒューズボックスを開けます。ヒューズボックスはダッシュボードとエンジンルームの間にあります。ヒューズから電源を取る場合は、車両配線に直接接続することになるので、ヒューズボックスと車体が触れあう場所にあるビスかナットを探してください。そこに電源を挿し込めば取り付けられます。
そもそもヒューズとは電気回路の故障などで大きすぎる電流が流れた場合に、電気回路を保護する部品です。車のヒューズを1カ所にまとめた箱をヒューズボックスといいます。
このヒューズボックスに刺さっているヒューズを、自分で用意した配線付きヒューズに交換すれば電源を取れるんですね。
ヒューズを外すと穴が2つあり、プラスとマイナスに分かれています。12Vの電圧がかかっているプラスの穴と、自分が用意した「配線付きヒューズ」の配線が出ている方を合わせるようにしましょう。
②-3:マイナス側をつなぐ
次にマイナス側(アース)をつなぎます。
車はボディーアースといって、ボディーの金属部分が電気回路のマイナスになっています。ですから「ボディーの金属部分につながっているボルト」にアースの配線を挟めばOKです。
電源やアースがしっかり取れていないと、ドライブレコーダーが起動しません。接続後は作動確認をしましょう。
車種によっては不要ですが、ハッチバックなどバックドアに窓ガラスがある車には必要な作業です。
少し難易度は高いものの、この作業をすればリアカメラの配線をきれいに隠すことができます。
まずは車両配線が車両本体からバックドアに通っているところを探しましょう。バックドアのヒンジ(ドア開閉の軸部分)の近くに黒いゴムの蛇腹があり、その中に車両配線が入っています。蛇腹の両端が樹脂のツメで固定されているので、そのツメを外すと蛇腹の中にドライブレコーダーの配線を通すことができます。
手順④:配線のまとめ方
カメラの貼り付けができて、電源も取れたら配線をきれいに隠してまとめます。
フロントカメラの配線は、車のルーフライニングの中に指で押し込んで隠します。
フロントピラー(助手席側のフロントガラス横の柱)まで通したら、もともと付いている車両配線とドライブレコーダーの配線を結束バンドでまとめましょう。ダッシュボードの横を通すと、グローブボックスの裏に配線が出てきます。
リアカメラの配線は、まずはバックドアの蛇腹の中を通してリアピラーの内側まで持ってきます。車両の下側に車両配線があるので、リアカメラの配線も一緒にまとめながら、車両の前側に通していきましょう。
フロントカメラの配線・リアカメラの配線・電源配線がグローブボックスの裏に通ったら、余った線を束ねます。そして空いているスペースに固定しておくと、きれいにまとまりますよ。
ちなみに車によっては、ピラーの内部などにエアバッグが内蔵されている場合があります。そのエアバッグにドライブレコーダーの配線を巻き付けたり、結束バンドで縛ったりするのはNG。いざという時にエアバッグが正常に作動しない恐れがあるので注意してください。
配線不要のドライブレコーダーもある
配線をしなくても済む電池式のドライブレコーダーもあります。
電池式ならカメラ本体を貼り付けて、電池を充電するだけで使うことができます。また車のバッテリーが上がってしまった場合でも、電源が独立しているので機能しますよ。
しかし使うたびに充電しなければいけないというデメリットもあります。機種の性能によって多少変わりますが録画時間が50分程しかなく、充電にも3時間程かかります。ですから長時間の運転や駐車監視には不向きです。
難しい場合は取り付けのみでも対応可能な業者に依頼を
ドライブレコーダーの配線方法を読んでみて、自分でやるのは無理そうだと感じた人も多いかもしれませんね。分からないまま無理に作業すると、車やドライブレコーダーを壊してしまうリスクもあります。
そういう場合はプロの業者にお任せしましょう。ここでは業者ごとの費用相場をご紹介します。
出張取り付けに対応している整備士
出張サービスで取り付けてもらう場合、相場は1.6万~2.1万円ほど(出張料金含む)です。
出張サービスは自宅まで取り付けに来てくれるうえ、持ち込みにも対応している業者がほとんどです。
すぐに業者が見つからないというデメリットがありますが、ドライブレコーダーを取り付けたい車を自分で運転できない方や、近くに業者がないけれど依頼したいという方にはおすすめです。
持ち込み可能な整備工場
製品を持ち込める整備工場で取り付けてもらう場合、相場は1.3万~1.8万円ほどです。比較的安く、技術力が高い業者が多いところが大きなメリットでしょう。
ただし、外国車に対応していない場合があったり、工場によって対応してくれる範囲が異なっていたりするので、事前にどれくらいのサービスを受けられるのかを確かめる必要があります。
本体購入前なら取り付けてくれる場所で買うのもおすすめ
まだ本体を購入していないなら、取り付けサービスがある場所で買うと手間が省けます。
カー用品店
カー用品店で取り付けてもらう場合、相場は0.5万~4.4万円と開きがあります。
店頭で本体を購入する場合は相談ができますし、持ち込みであれば工賃を安くできるというメリットがあるので、ぜひ検討してみてください。
カーディーラー
カーディーラーで取り付けてもらう場合、相場は3万円からです。そこに本体費用が加わります。
カーディーラーは純正品を紹介してくれるので、知識がないけれど高品質のものを使いたいという方におすすめです。
ドライブレコーダー専門業者選びは相見積もりで比較を
質問に答えるだけで最大5社から見積もりが届く
スマホやパソコンからかんたんな質問に答えると、自動で条件にぴったりのおすすめ事業者から最大5件の見積もりが届きます。
手作業で条件や日程が合う事業者を1件ずつ探す必要はありません。
料金・口コミ評判を比較して選べる
見積もりの料金を比べられるのはもちろん、過去にミツモアでお仕事を依頼した利用者からの口コミ評価も確認できます。
口コミからはサービスの質や人柄などがうかがえることが多く、金額以外の判断材料も得られるので安心です。
チャットで事前に仕事内容の相談ができるので安心
契約前にサイト内のチャットで事業者と直接メッセージのやり取りをすることも可能。事前に見積もり内容に関する質問や相談ができるので、不安を解消した上でお仕事を依頼できます。