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実践!写真の構図|【図解】見違えるように上達する15の基本構図

最終更新日: 2020年10月29日

~写真は2次元である~

写真はカメラを通して目の前の世界を焼き写すもの。世界は3次元ですが、写真にすると2次元になる。2次元は平面であり、平面だからこそ配置が非常に重要になる。

その配置が構図です。

なので「構図を制するものは写真を制す!?」

と言ったら少し大げさですが、とても重要な要素ですので、今回は構図のテクニックについてお話していきたいと思います。

構図とは

構図とは? Photo by  Mphoto
写真の構図とは?? Photo by Mphoto

写真とは2次元であると先ほどお話ししましたが、2次元だからこそ配置や線が重要であり、その使い方によっては奥行や空間も生みだします。

そしてその構図のパターンによって見ている人の印象をコントロールできるのです。それが「構図」です。

アングルと構図

同じ場所・同じ被写体を撮ったものであっても、カメラの角度によって印象が変わります。

例えば、ローアングルとハイアングル

アングルと構図 Photo by Mphoto
左:ローアングルでの撮影 右:ハイアングルでの撮影 Photo by  Mphoto

また切り取る範囲だけでなく、被写体の大きさや位置を変えてみることも大切です。

はじめはつい真ん中に、大きめに被写体を置いてしまいがちですが、あえて写真の隅に置いてみたり、小さめに置いてみたりすることで、全く違った印象を演出することができます。

被写体の配置や、フレーム内に占める大きさを考えることを、「構図」を考えるといいます。実は構図にはいくつかの基本パターンがあるため、それを覚えるだけでもだいぶ写真をマスターすることができます。

写真の構図 Photo by  Mphoto
構図を考える上で大事なことは何か? Photo by  Mphoto

黄金比率

黄金比とは、ある線をXとYの2つに分割した時にXとYの長さの比が分割する前の全体の比と等しくなるような比率のことです。この比率はビジュアル的に最も美しい比率であるとされています。

構図−黄金比 図提供  Mphoto
構図−黄金比とは? 図提供  Mphoto

写真や美術の構図においては、この黄金比を使って画面を分けるように使うのです。

先ほどの話にも出ましたが、メインの被写体を画面の真ん中に配置するのではなく、この比率で配置してみるということです。

人間が美しいと感じる比率が固定されてるなんて、なんだか不思議ですよね。そういえば人間のDNAの螺旋の形にも似ている、、、?

光の計算

写真の構図  光 Photo by  Mphoto
写真撮影に置いて「光」は重要な役割をもつ Photo by  Mphoto

写真において光を知ることはとても大事なことです。EV値という言葉をお聞きになったことがあるかもしれません。EV(Exposure Value)とは露出値のことです。わかりやすく言えば明るさを表す指標になります。

ですが今回の構図においては、詳しい話は割愛させていただきます。昨今はフィルムではなくデジタルというのもありますし…。

構図に関しては、光源の白く飛んでいる面は抜けになりやすく(例えば窓など)、その抜けを意識して撮ると構図に奥行きが生まれます。

またあえてアンダー(暗く)に撮ると、物体はシルエット(線)になっていきます。物体の表面は暗いのですがアウトラインが浮き彫りになりやすく、構図に大切な線が浮かび上がり、構図が決めやすくなります。

スタジオのストロボで撮る時などは露出計を使って光の強さを数字化していきます。参考までに。

露出計 Photo by  Mphoto
露出計 Photo by  Mphoto

写真の構図・基本編5つ

写真の構図 Photo by  Mphoto
写真の構図・基本編5つ Photo by  Mphoto

さていよいよ実際の構図を見ていきましょう。一眼レフ初心者の方でも簡単に実践できるものばかりですので、すぐに覚えてどんどん撮っていきましょう!!

1.日の丸構図

日の丸構図 図提供  Mphoto
1.日の丸構図 図提供  Mphoto

まず、ど真ん中構図、日の丸構図です。素人構図と思われがちですが、実は立派な構図の1つです。

明確に撮りたいものがあったり訴えかけるような写真を撮りたい場合には、この「日の丸構図」を使います。

2.シンメトリー構図(二分割法)

シンメトリー構図(二分割法) 図提供  Mphoto
2.シンメトリー構図(二分割法) 図提供  Mphoto


上下、左右がほぼ対称の構図は、とても整った印象を与えます。例えば、湖の映り込みや富士山など、自然物を撮ると静寂感のある雰囲気になります。

3.三分割法

三分割法 図提供  Mphoto
3.三分割法 図提供  Mphoto

これは写真を撮るうえで重要な構図。黄金分割ともいわれており、よく使われています。カメラにも撮影モニターに分割線(グリッド)を表示する機能があったりします。


画面を縦横の線で均等に3つに分けると、そこに4つの交点が出来ます。その交点を意識して被写体を配置するといった方法です。

4.四分割法

四分割法 図提供  Mphoto
4.四分割法 図提供  Mphoto

画面を縦横それぞれ四分割し、画面を16分割して考える構図です。三分割法よりも外側に被写体を配置するので、その分スペースが生まれやすく、写真の表現の幅が広がります

5.三角形構図

三角形構図 図提供 Mphoto
5.三角形構図 図提供  Mphoto


画面のどこかに三角形を作ると安定感が出てきます。なんとなく絶妙なバランスでセンスがいいなと思う写真には、どこかに三角形が潜んでいることが多かったりします。

写真の構図・応用編7つ

写真の構図  Photo by  Mphoto
写真の構図・応用編7つ Photo by  Mphoto

構図の考え方がわかってきたのではないでしょうか。

さて次は写真の構図、応用編です。料理写真でも、鉄道写真でもポートレートでも子供の写真でも、プロっぽい写真をどんどん撮っていきましょう。一眼ライフの始まりです!!

6.S字、C字

写真の構図 S字 図提供  Mphoto
6.S字 図提供  Mphoto

S字構図は、曲線を2個合わせたような構図のこと。斜めに曲線を配置することで、動きを出すテクニックです。

写真の構図 C字 図提供  Mphoto
6.C字 図提供  Mphoto

シンプルなのはC字構図。アルファベットのCの字のように、円の一部を切り取る構図のことです。
なんとなく見栄えがしてお洒落な印象です。インスタグラムに料理の写真を載せる時など、C字構図で試してみるといいかもしれません。

7.放射線構図

写真の構図 放射線構図 図提供  Mphoto
7.放射線構図 図提供  Mphoto

画面内の1点から、複数の線が放射状に伸びていくような構図。奥行きを感じることから、動きやスピード感、迫力を表現できます。

8.対角線構図

写真に構図 対角線構図 図提供  Mphoto
8.対角線構図 図提供  Mphoto

または

写真の構図 対角線構図 図提供  Mphoto
8.対角線構図 図提供  Mphoto

斜めに分割した線の上に被写体を置いて、躍動感を出すことができます。
鉄道や線路などの写真によく使われていますが、他にも橋や歩道橋など街のスナップ撮りにも最適です。

9.視線誘導

写真の構図 視線誘導 図提供  Mphoto
9.視線誘導 図提供  Mphoto

少し難しいのが視線誘導。視線というのは視が連続しているもので、線をイメージしてみてください。途切れることなく続いてるのが視線です。

これを線上で考えてみると、大きいものから小さいものへ移動します。さらに太いものから細いものへと移動するようにできています。それを利用して撮影するのが視線誘導です。

放射線と似ていますが、放射線は飛び出してくるイメージで、視線誘導は奥に行くイメージです。

10.トンネル構図

写真の構図 トンネル構図 図提供  Mphoto
10.トンネル構図 図提供  Mphoto

暗いところからその先にある明るい物や場所を撮ること。こうすることでドラマチックに見えたり、より印象づけることができます。

11.額縁構図

写真の構図 額縁構図 図提供  Mphoto
11.額縁構図 図提供  Mphoto

額縁のようなもので囲うと絵がしまり、視線がメインのものに集中しやすい、という効果が得られます。

12.手前に被写体を置く

写真の構図 手前に被写体を置く 図提供  Mphoto
12.手前に被写体を置く 図提供  Mphoto

目立たせたい被写体を手前に持ってきて、ボカしてもいいものを奥に置きます。

そうすることで画面に流れができ、被写体を強く見せることができます。

同じような形を複数撮る時などに有効です。

写真の構図・上級編3つ

さあいよいよ上級編です。今までお話ししたことを頭に入れつつ、構図を巧みに操っていく番です。

ここまでくれば人物撮影・ポートレート撮影の時にポーズに指示を出したり、なんでもない風景でも構図によって演出できるようになっていくはず!!失敗しても気にせずに撮りまくる事が大切です!

写真の構図・上級編3つ Photo by  Mphoto
写真の構図・上級編3つ Photo by  Mphoto

13.二つの構図を合わせる

写真の構図 .二つの構図を合わせる Photo by  Mphoto
13.二つの構図を合わせる Photo by  Mphoto

上の写真は東京にある斜張橋です。放射線構図と三角構図を合わせて撮りました。

橋に広角レンズで近づき遠近感を出し、橋が放射線に伸びてくるイメージを作ります。

(広角で近くと大きい被写体を大きく表現できます。逆に望遠で離れたところからズームして撮っても、大きい被写体がなんだか小さく見えます。)

それと縦に伸びる塔とそこから吊るために伸びたケーブルが複数あります。それを三角構図で捉え、一つを手前に、もう一つを奧に置き、安定感と迫力を同時に出します。

このように放射線構図と三角構図を合わせることで、複雑かつ安定した構図になります。

二つの構図を組み合わせて被写体を目まぐるしく演出して行きましょう!!

14.何か越しに撮影する(前ボケ)

写真の構図 何か越しに撮影する(前ボケ) Photo by  Mphoto
14.何か越しに撮影する(前ボケ) Photo by  Mphoto

画面の前をボカし奧に見せたい被写体を置くと、幻想的に演出ができます。

通り過ぎようとした時に一瞬だけ見えた景色のような浮遊感や幻想感が出せます。

15.ストーリーのある構図

写真の構図 ストーリーのある構図 Photo by Mphoto
15.ストーリーのある構図 Photo by Mphoto

15個目の最後の構図はストーリーのある構図です。

ストーリーに大事なのは背景や空間などの余白と、被写体と被写体の摩擦です。

上の写真は先ほどと同じ斜張橋で撮った写真です。

走っているランナーの目線と、鳥達が別の方向に向かって飛んでいる目線が交差しています。このような視線の摩擦がストーリを生みます。

さらにはこの空間の余白です。被写体の周りを表現することで、この世界の一部に被写体は存在している感じを演出できます。この背景や空間も、ストーリーを生み出します。

子供の写真やポートレート、風景写真を劇的に見せる演出法です。

写真の構図をマスターするカメラの設定と裏技

写真の構図 裏技 Photo by Mphoto
写真の構図をマスターするカメラの設定と裏技 Photo by Mphoto

ここまで身についた上でさらに裏技の設定を知りたいと思っている方には、筆者の経験に基づいた裏技を教えます!!

グリッドを利用する

先ほどもちらっとお話ししましたが、カメラの液晶にはグリッドを表示する機能があります。

初めはそのグリッドを表示させ水平をとったり、三分割構図で撮ったりして、構図を自身の感覚に染み込ませていきましょう。きっと近道になるはずです。今は構図のアプリとかもありますが、一眼で撮るからには、グリッドがなくてもビシッと撮れるくらいになりましょう!!

バイアス

あまり聞きなれない言葉かもしれませんが、バイアスです。

筆者が調べてもあまり出てこなくて少し不安はありますが、自分がいたプロの現場ではたまに使われていた言葉です。

よくバイアスをかけるなんて言ってましたが、それはカメラ自体を斜めにすると言うことです。

今まで散々水平とか言っていたのに今度はカメラを斜めに傾けるなんて矛盾してますよね。

しかし、構図や水平が染み付いてきたらあえてカメラを傾けるのも手です。カメラを傾けた斜めの絵は不安定です。だからこそ、動きが出てきて面白いということがあります。バイアスをかけて、違和感や動きを出し、印象的な写真に仕上げましょう。

アンダー

光の計算の時にもお話ししましたが、露出補正をアンダーで撮ることで被写体が暗くなり面の表情をなくし、アウトラインが浮き彫りになります。

すると線の表現となり影絵のような魔法がかかります。そうすると普通の景色がなんだか絵本の中のようになり、線が構図を生みだします。

下の写真は住宅街の中での鳩たち。

写真の構図をマスターするカメラの設定と裏技 Photo by Mphoto
アンダーで撮った写真 Photo by Mphoto

なんだか不思議な写真になりました。

ちなみにこのように左右を挟み込む構図をサンドイッチ構図と言います。

ただこの場合はジグザグに挟んでいるので少し違うかもしれませんが、、、。

セルフタイマー2秒

最後の裏技はセルフタイマー2秒です。

構図を決めてさあ撮るぞとなった時、ドキドキ興奮しすぎてシャッターを押す手でカメラをブラしてしまうことがあります。

慌ててなくてもスローシャッターの時は非常にブレやすいので、セルフタイマー2秒の設定にして撮ってみましょう。

自身でシャッターを押してからすぐに手を離し、2秒後に自動でシャッターが切れます。すると三脚やカメラの微動さえもなくなり、完全に静止した絵が撮れるでしょう。

いわゆるガチピン(ガッチリとピントがあった状態)で撮れるので、ビシッと決まります。

本気の写真はプロのカメラマンに撮影を依頼しよう!

本気の写真はプロのカメラマンに撮影を依頼しよう! Photo by Mphoto
本気の写真はプロのカメラマンに撮影を依頼しよう! Photo by Mphoto

今はスマホでも撮れるし、デジカメで撮ったらすぐに確認できるし、プロに頼むメリットってどれくらいあるんだろう?と思っている方!まさにそのメリットをお話しします。

ここぞという大切な写真はプロのカメラマンに依頼しよう!!

失敗できない写真ってありますよね。
例えばウェディングフォト、お店の料理メニュー写真、会社の集合写真、自社のイチオシ製品写真、などなど。

そんな時は先ほどからお伝えしている構図をいくら頭に入れていても、対応できない場合があります。なぜならそんな大事な撮影の時こそ、迷っている時間などほぼないからです。現場で頭を抱えながらこの記事を開く(筆者としては嬉しいことですが)のは難しく、即座に決定し更には突き詰めていかなければなりません。

それには構図やアングル、被写界深度と光と陰、カメラの設定などなどが身体に染み付いていなければなりません。それが染み付いていて、なおかつ日々の鍛錬を怠らないのがプロのカメラマンです。

染み付いているからこそスムーズに撮影が進み、スムーズだからこそ良好なコミュニケーションの空間が生まれます。そういう撮影は撮る方も撮られる方も気持ちがいいものです。

ですのでここぞという時はプロのカメラマンにお願いするのも大事な選択肢と覚えておいてください!

プロカメラマンの見積もり価格相場

プロカメラマンに頼もうとした時、まず気になるのが料金ではないでしょうか。

人物や物撮りなど撮影の種類にもよりますがカメラマンの拘束時間やカット数、データで受け渡すのかプリントして受け渡すのかによっても変わってきます。

例えば拘束時間は1時間2~3万ほどが相場です。1日拘束の場合は、5~10万くらいにはなります。
物撮りの場合は、約2〜8万となっています。商品の点数や撮影内容などでは分けておらず、大まかな予算の目安としてお考えください。

物撮りの撮影は

  • 完全にお任せにする
  • その場で自分も確認したい
  • 出張してきてほしい
  •  スタジオに自分が行きたい

など、様々な要望があると思います。

それぞれの場合で撮影料金が変わってきます。イメージに近いスタジオを探して借りるとなるとスタジオのレンタル代もプラスでかかってきます。

また、プリント納品の場合のプリント費用、交通費や出張費、必要機材費などプラスアルファで料金に上乗せの場合もあります。

ですので、まずは見積もり依頼をして細かく明確にプランを立てるのもいいのではないでしょうか。

ミツモアでカメラマンの撮影を依頼しよう!

ミツモアでカメラマンの撮影を依頼しよう! Photo by Mphoto
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