ミツモアメディア

シャラの木の剪定は11~3月に!剪定のし過ぎには注意が必要

最終更新日: 2024年12月23日

シャラの木(ナツツバキ)は、ツバキ科ナツツバキ属の落葉広葉樹です。 夏には椿に似た白い花を咲かせ、秋には美しい紅葉を楽しませてくれます。

シャラの木は自然に樹形が整うので、若いうちはほとんど枝を剪定する必要はありません。木が大きくなり、枝葉が混み合ってきたら、剪定を行う必要があります。

この記事では、剪定の時期や手順について紹介します。

シャラの木の剪定時期は11~3月

シャラの木

シャラの木の剪定は、落葉期である11~3月に行いましょう。

この時期は木が休眠している状態なので、剪定をしてもダメージを抑えることができます。

これ以外の時期に剪定をすると、木が弱って枯れてしまう可能性があるので、注意してください。

シャラの木の剪定に必要な道具

剪定道具

シャラの木の剪定に必要な道具を紹介します。

ホームセンターや園芸ショップで手に入るので、自身にあった道具を見つけましょう。

剪定用手袋

剪定用の手袋を準備しましょう。

普通の軍手ですと剪定中に枝や葉が刺さってケガをする場合があります。

手のひら側が樹脂コーティングになっているものがおすすめです。

POTATOガーデニング手袋 | Amazon
POTATOガーデニング手袋 | Amazon

剪定バサミ

木の枝を切断するための専用ハサミで、片刃が鋭利な刃物、もう片方の刃は平らな受け刃になっています。

植物の枝を傷つけることなく、きれいに切断することができ、高炭素鋼やステンレス鋼などで作られているので長期間、切れ味を保つことができます。

サイズは色々あるので手の大きさ、左手用など自分にあったものを選びましょう。

FORESIA 剪定ばさみ | Amazon
FORESIA 剪定ばさみ | Amazon

植木バサミ

普通のハサミと同じような形をしています。

刃先が細く、小回りが利くため、込み入ったところにも入りやすいです。

細かい枝や最後の仕上げに使用します。

藤光 刃長大久保鋏 200mm|Amazon
藤光 刃長大久保鋏 200mm|Amazon

剪定ノコギリ

剪定バサミでは切れないような直径2cm以上の太さの枝を切るのに使います。

通常の木工用ノコギリとは異なり、刃が引く方向にのみ鋭利に切れる一方向切断刃が特徴です。

高儀(Takagi) シャークソー | Amazon
高儀(Takagi) シャークソー

脚立

脚立は背の高い樹木を剪定するときに使用します。

剪定では幹や枝の隙間に足をねじ込んで脚立を立てることが多いので、三脚を使いましょう。

脚立を使う際には、以下の注意点を守って使用してください。

  • 登る前に調節器具がロックされていることを確認する
  • 一番上の段に載って作業しない
  • 上を向いて作業しない
  • 悪天候下では使わない
アルインコ(ALINCO) 三脚脚立 | Amazon
アルインコ(ALINCO) 三脚脚立 | Amazon

癒合剤

シャラの木の枝の剪定後の切り口に塗ることで病気や菌から守ることができます。

保護剤を塗ることを忘れると病気や菌が侵入し、多大なダメージを受ける可能性があるので、清潔なハケ等で塗りましょう。

カルスメイト 1Kg|Amazon
カルスメイト 1Kg|Amazon

シャラの木の剪定方法

シャラの木

シャラの木の剪定手順は下記の通りです。

1.花芽を避けながら不要な枝を切る

まず、花芽がついている枝を切らないように、確認しながら不要な枝を切っていきましょう。

細かい枝をちょこちょこ切ると、7~8年で木全体が枯れてしまう場合があります。

不要枝は付け根から切り落とすことを意識してください。

不要な枝を剪定するときの見分け方

枯れ枝や病害虫の被害を受けた枝を優先的に除去し、切り口は必ず斜めにしておきましょう。

2.真横に伸びた枝を切る

シャラの木は枝が横向きに生える性質があるため、放置すると、樹形が横に広がります。

広がりすぎないように、横に張り出した枝を木の内側に近い枝の分かれ目で切り、枝が上に向かって伸びるよう調整しましょう。

太い枝の場合は一度に強剪定せず、徐々に切り戻してください。

3.幹の下部に生えた枝を切る

シャラの木の見た目を保つために、幹の下部(地面から60cm程度までの高さ)に生えてきている小枝をすべて切り落としましょう。

4.樹高を抑えたい場合は芯止めを行う(必要な場合)

シャラの木が高くなりすぎてしまった場合、幹が太くなる前に芯止めを行いましょう。

高くなりすぎた幹は地際から切り、新しく伸びた幹に切り替えて樹高を抑えるのがポイントです。

芯止め後は、必ず癒合剤を塗布しましょう。

シャラの木を剪定するときの注意点

シャラの木

シャラの木を剪定するときの注意点について紹介します。

これらの注意点を守らないと、健康状態に影響を与えるだけでなく、花付きにも悪影響を及ぼす可能性があります。

切り口は丁寧に手入れする

剪定するときの切り口は丁寧に処理してください。

シャラの木は、治癒力が比較的弱く、大きな傷の回復に時間がかかるため、傷口からの腐朽が進みやすい性質があります。

また、雑な切り口になっていると病害虫の侵入口となってしまいます。

正しい切り口の作り方

  • 枝の付け根から切る
  • かさ上がりにならないよう、幹に平行に切る
  • 切断面は平滑にして、裂けるのを防ぐ
  • 大きな枝を切る場合は、途中で裂けないよう段階的に切る

切り口の適切な処理方法

  • 切断直後は、癒合剤を塗布する
  • カビや腐敗の兆候が見られたら早めに対処する

枝数が少ないので剪定しすぎに注意する

シャラの木は枝数が少なく、一度切った枝の再生に時間がかかるため、一度にたくさん剪定すると枯れてしまう原因になります。

過度な剪定は樹勢の衰えを招くため、注意が必要です。

剪定量の目安

  • 一度の剪定で全体の20%以上は切らない
  • 主要となる枝は極力残す
  • 数年かけて徐々に理想の樹形に近づける
  • 生育状況を見ながら剪定量を調整する

剪定の優先順位

  • 枯れ枝や病害虫被害枝を優先的に除去する
  • 込み合った部分は少しずつ間引く
  • 樹形を大きく乱す枝を処理する
  • 細かな整枝は最後に行う

シャラの木のお手入れ方法

シャラの木

シャラの木は適切なお手入れをすることで、その美しさを十分に引き出すことができます。

水やり

シャラの木は季節によって水やりの頻度が変わります。

植え付け初期は、土が乾かないよう1日1回水やりを行い、定着後は季節にもよりますが週2〜3回程度を目安に水やりを行いましょう。

春期(3月〜5月)

  • 新芽の成長期なので、土が乾燥しないよう注意して水やりを行う
  • 朝か夕方の涼しい時間帯に水やりを行う
  • 花芽形成期は特に水切れに注意する

夏期(6月〜8月)

  • 早朝か夕方に葉水も含めて十分な水やりを行う
  • 真夏は土の乾燥が早いため、1日1回は水やりを行う

秋期(9月〜11月)

  • 紅葉期は夏期に比べて水やりを控えめにする
  • 過湿は根腐れの原因となるため注意する
  • 落葉後は水やりを減らす

冬期(12月〜2月)

  • 凍結を避けるため、水やりは午前中に行う
  • 1週間に1回の水やりを基本として行う

肥料

シャラの木は基本的に肥料を与えなくても問題ないです。

もし与える場合は、2月頃に寒肥として油かすと腐葉土・堆肥などをまきましょう。

木が弱っている場合は、8~9月頃に緩効性肥料を与えるのもおすすめです。

植え付け

植え付けは時期と場所が大事です。

植え付け時期

  • 最適期:3月下旬〜4月上旬(春植え)
  • 次善期:10月下旬〜11月中旬(秋植え)
  • 真夏と真冬は避ける

植え付け場所

  • 日当たり:明るい日陰〜半日陰
  • 土質:水はけが良く、肥沃な土壌
  • スペース:成長を考慮して周囲に余裕を持たせる
  • 風通し:強風を避けられる場所

植え付け手順

1.植穴は根鉢の1.5倍程度の大きさに掘る

2.底部に軽く堆肥と元肥を混ぜ込む

3.根鉢を崩さないよう丁寧に据え付ける

4.支柱を立て、樹木を固定する

5.たっぷりと水を与える

植え付け後の管理

  • 2週間程度は毎日水やりを行う
  • 根付くまで施肥は控えめにする
  • 風で揺れすぎない程度に支柱を調整しておく
  • 土が沈んだ場合は適宜補充する

シャラの木の病気・害虫対策

シャラの木

シャラの木がかかりやすい病気や害虫について紹介します。

病気:灰色かび病

症状

  • 花や新芽が灰色のカビで覆われる
  • 感染部が褐色に変色して腐る
  • 湿度が高い時期に発生しやすい

予防&対策

  • 適切な剪定で通風を確保する
  • 過密植栽を避ける
  • 早朝の水やりを控える
  • 感染部位は速やかに取り除く
  • 殺菌剤を散布する
  • 樹勢回復のために肥料を与える

病気:葉枯病

症状

  • 葉に褐色の斑点が発生する
  • 斑点が徐々に拡大していく
  • 重症の場合、葉が枯れて落葉する

予防&対策

  • 落ち葉を放置しない
  • 排水性を改善する
  • 定期的に殺菌剤を散布する
  • 感染部位は速やかに取り除く
  • 肥料と水やりで樹勢を維持する

害虫:チャドクガ

特徴

  • 白い毒針毛を持つ毛虫
  • 集団で発生する傾向がある
  • 人体にも刺激性(痒み)がある

発生時期

  • 春期(4〜5月)
  • 秋期(9〜10月)

対策

  • 早期発見が重要
  • 防除の際は必ず手袋を着用する
  • 専用の殺虫剤を使用する

害虫:アオドウガネ

特徴

  • 金属光沢のある緑色の成虫
  • 葉を食害する
  • 夜間に活動が活発になる

発生時期

  • 6月〜8月が最盛期

対策

  • フェロモントラップを設置する
  • 夕方以降に薬剤を散布する
  • 幼虫期(土中)の防除を行う

害虫:カミキリムシ

特徴

  • 幹や枝に穴を開ける
  • 木屑が排出される
  • 樹勢の低下を招く

発生時期

  • 成虫は5〜8月に活動
  • 幼虫は年間を通じて材内に生息する

対策

  • 定期的に樹幹を観察する
  • 予防的な殺虫剤の塗布を行う

シャラの木を病害虫から守るためには、定期的な観察と剪定が大事になります。

剪定を行うタイミングで、枝葉や地際の確認をしっかり行いましょう。

業者にシャラの木の剪定を依頼する場合の費用相場

剪定業者

シャラの木の剪定を業者に依頼する場合、費用の算出方法は主に2つのパターンがあります。

樹木の状態や規模、地域によって大きく異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

樹木のサイズによる料金

樹木の大きさを基準に費用が決定します。

一般的には樹高や枝の広がり、幹の太さなどが考慮されます。

剪定金額の目安は、以下の通りです。

剪定金額の目安料金

高さ 料金
3m未満 3,000~5,000円
3m~5m未満 5,000~15,000円
5m以上 16,000円~

作業時間別の目安料金

剪定に要する時間を基準に費用が決定されます。

時間 料金
30分未満 5,000円〜8,000円
1時間程度 8,000円〜15,000円
半日(4時間) 15,000円〜30,000円

剪定料金の詳細はこちらの記事を参考にしてください。

シャラの木の剪定に困ったらプロに依頼を

ミツモアロゴ

「シャラの木を仕立てたいけど、一人だとできる気がしない。」「時期ごとの剪定方法がいまいち不安」「脚立を使うのが怖いから、プロに頼みたい。」といった場合はプロに任せて剪定してもらうのがオススメです。

ミツモアなら簡単な質問に答えるだけで、近くにいる優良な業者の見積もりが最大で5件届きます。

見積もりを出した業者の口コミも見ることができるので安心して依頼を任せられますよ。

シャラの木の剪定をプロに依頼する