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ユスラウメの剪定は11~3月に!間引き剪定を行おう

最終更新日: 2024年12月19日

ユスラウメは、春になると白や薄ピンクの梅に似た花を咲かせて、梅雨の時期に真っ赤な小さい果実をつける小果樹です。

漢字では「山桜桃梅」「梅桃」「桜桃」「梅桜」など様々な表記があります。

美しい花を楽しむためにも美味しい実を育てるためにも剪定作業は欠かせません。

この記事では、剪定の時期や方法について紹介します。

ユスラウメの剪定時期は11~3月の落葉期に

ユスラウメ

ユスラウメの剪定は、冬季の落葉期である11月から3月にかけて行いましょう。

この時期は樹木の生育が停止している時期なので、樹液の流れが最小限抑えられ、ユスラウメに対して最小限のストレスで剪定を行うことができます。

ユスラウメは果樹や観賞用としても価値の高い樹木であるため、適切な剪定が重要となります。

ユスラウメの剪定に必要な道具

剪定道具

ユスラウメの剪定に必要な道具を紹介します。

剪定用手袋

剪定用の手袋を準備しましょう。

普通の軍手ですと剪定中に枝や葉が刺さってケガをする場合があります。

手のひら側が樹脂コーティングになっているものがおすすめです。

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剪定バサミ

ユスラウメの枝を切断するための専用ハサミで、片刃が鋭利な刃物、もう片方の刃は平らな受け刃になっています。

植物の枝を傷つけることなく、きれいに切断することができ、高炭素鋼やステンレス鋼などで作られているので長期間、切れ味を保つことができます。

サイズは色々あるので手の大きさ、左手用など自分にあったものを選びましょう。

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ゴミ袋

切り落とした枝をまとめるのに使用します。

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ユスラウメの剪定方法

ユスラウメ

ユスラウメの剪定は2種類あります。

基本は間引き剪定を行う

基本の剪定は不要な枝を取り除く間引き剪定です。

間引き剪定の主な目的は、ユスラウメ内部の通気性と日光の通りを改善し、健康と生育を促進するために行います。

不要な枝を剪定するときの見分け方

枝の種類 枝の状態 その他
枯れ枝 変色し、周囲の枝と比べてツヤがない 残しておくと病害虫の発生原因
徒長枝 勢い良く伸びた枝 他枝の生長を妨害、樹形を乱す原因
車枝 幹の一ヵ所から数本の枝が放射線状に伸びている状態 樹形を乱すので1~2本だけ残す
平行枝 長さや太さ同じの枝が上下、左右に平行して伸びている枝 樹形を乱すので1~2本だけ残す
下り枝 主枝からわかれて、下に向かっている伸びる枝 樹形を乱す原因
逆さ枝 主枝の向きに逆らって、幹に向かって生えている枝 樹形を乱す原因
絡み枝 枝同士が交差しながら生長しあっている枝 通気性の悪化、樹形を乱す原因
かんぬき枝 幹の左右前後に対象に伸びる枝 片方の枝を剪定する必要
胴吹き枝 幹から直接生えている枝 栄養分を過剰吸収し、樹形を乱す原因
ふところ枝 幹付近から伸びた枝 樹形を乱す原因
ひこばえ 樹木の根元から出ている細い枝 樹木を衰弱させたり、樹形を乱す原因

間引き剪定のポイントは、不要な枝は付け根から丁寧に切り落とすことと、成長させたい枝の向く方向性をしっかり考えてから行うことです。

樹形を整える剪定も時には必要

ユスラウメは剪定にそこまで強くないので、基本的には間引き剪定のみで大丈夫です。

ただし、樹形を乱す枝が増えてきた場合は、樹形を整える剪定が必要になる場合もあります。

樹形を整える剪定はダメージを受けやすいので、冬季の落葉期(11〜3月)以外には行わないよう注意してください。

この期間以外に行うと、剪定のダメージ回復しきれない可能性があります。

ユスラウメを剪定するときの注意点

ユスラウメ

ユスラウメを剪定するときの注意点の紹介をします。

夏場に剪定をしない

ユスラウメの剪定で必ず避けてほしいのは、夏場に剪定を行うことです。

夏の高温多湿な時期に剪定を行うと、ユスラウメに大きなストレスをかけてしまい、樹勢を弱らせる可能性があります。

この時期は成長が活発で、剪定で傷つけてしまうと病気や害虫の侵入リスクが高まるため、剪定は控えましょう。

剪定後の5~6月ごろに実の間引きを行う

剪定後の5月頃には、実の間引きを行いましょう。

たくさんの実をつけすぎると、個々の実が小さくなったり、栄養不足になったりする可能性があります。間引きによって負担を軽減し、良質な実を育てられます。

間引きの際は、以下のポイントに注意しましょう。

  • 密集している実は間隔を空ける
  • 傷んでいる、形の悪い実は優先的に取り除く

ユスラウメのお手入れ方法

ユスラウメ

ユスラウメの基本的なお手入れ方法について詳しくご紹介します。

水やり

ユスラウメの水やりは、やりすぎに注意する必要があります。

若木や定植後間もない木は十分な水分供給も必要ですが、乾燥している時期以外は自然の雨のみで十分です。

ポイント

  • 土が表面から5〜10センチほどの深さまで乾いたら、たっぷりと水を与える
  • 朝や夕方の涼しい時間帯に水やりを行う

肥料

ユスラウメの成長と美味しい実をつけるためには、適切な施肥が欠かせません。

年に2〜3回、異なる時期に肥料を与えてください。

ポイント

  • 早春(芽吹き前)は、緩効性の有機質肥料(窒素、リン酸、カリウム)を与える
  • 初夏は追肥を行い、果実の成長を促進させる
  • 秋は木の越冬準備のためにカリウムを多く含む肥料を与える

植え付け

ユスラウメの植え付けは、適切な場所選びと植え方が大事です。

ポイント

  • 日当たりの良い場所を選ぶ
  • 排水性と通気性の良い土壌を準備する
  • 根元に水が溜まらないよう、排水性の良い場所に植える
  • 植え穴は根の広がりよりもやや大きめに掘る
  • 植え付け後はたっぷりと水を与え、土壌にしっかりと馴染ませる

ユスラウメの実を収穫する方法

ユスラウメ ジャム

ユスラウメの実を美味しく、そして効果的に収穫する方法をご紹介します。

収穫時期

ユスラウメの収穫時期は、6月中旬から7月上旬にかけてです。

栽培環境によって多少の違いはありますが、実の色づきと硬さが収穫の目安となります。

収穫タイミング

  • 実の色が黄緑色から黄色に変わり始めたら、収穫時期が近づいている
  • 軽く押してみて、やや柔らかくなっていたら収穫する
  • 完全に熟して落果する直前に収穫するのが最適

注意点

  • 朝の涼しい時間帯に収穫するのがベスト
  • 実を傷つけないよう、優しく手で摘み取るか、ハサミを使用する
  • バランス良く収穫して樹の負担を軽減する

実の活用方法

ユスラウメの実は、独特の風味と栄養価から多様な活用方法があります。

活用方法

梅干し作り

  • 塩漬けにして梅干しを作る
  • 基本の塩分濃度は15〜20%で、約2週間から1ヶ月ほど漬け込む
  • 赤紫蘇と一緒に漬けると、色鮮やかで風味豊かな梅干しになる

梅酒・梅シロップ

  • アルコールや砂糖と漬け込む
  • 梅酒は焼酎やホワイトリカーと漬け込み、通常2〜3ヶ月寝かせる
  • 梅シロップは砂糖と一緒に漬け、ノンアルコール飲料として楽しむ

料理・お菓子

  • ジャムやコンポート、ドレッシングにする
  • サラダやデザートのトッピングとしても活用できる

健康食品

  • クエン酸が豊富で、疲労回復や美容に良い
  • ドライフルーツやサプリメントの原料としても使用される

保存・活用のポイント

  • 収穫後はすぐに水洗いし、傷んだ実は取り除く
  • 冷蔵保存する場合は、清潔な容器に入れ、5日程度を目安に使い切る
  • 長期保存する場合は、塩漬けや酒漬け、シロップ漬けなどの保存方法を選ぶ

ユスラウメの病気・害虫対策

ユスラウメ

ユスラウメによく見られる代表的な病気と害虫について、その特徴と対処法を詳しくご紹介します。

病気:ふくろみ病

ふくろみ病は、ユスラウメにとって最も厄介な病気の一つです。

この病気は春先の湿度が高く、気温が低い時期に発生しやすい真菌による感染症です。

特徴

  • 葉や果実に白い粉状のカビが発生する
  • 感染が進むと、葉が変形し、果実の成長が滞る
  • 更に感染が進むと、樹勢を弱める

予防&対策

  • 通気性を良くし、過度の湿度を下げる
  • 栽培環境を整えておく
  • 症状が出た葉や果実は、早めに取り除く
  • 銅剤や硫黄剤などの殺菌剤を使用する

害虫:カイガラムシ

カイガラムシは、ユスラウメの樹皮や枝に寄生する厄介な害虫です。

微小で、木に密着して生活するため、発見が難しいです。

特徴

  • 樹皮や枝に固着し、樹液を吸収する
  • 大量発生すると、樹木の栄養吸収を妨げ、樹勢を弱める
  • 放置すると、黒い煤状のカビ(すす病)の原因になる

予防&対策

  • 樹勢を強く保ち、抵抗力を高める
  • 園芸用油剤を使用して、成虫と卵を駆除する

害虫:ハマキムシ

ハマキムシは、葉を巻いて内部で生活する小型の蛾の幼虫です。

葉を食べ、樹木の光合成を妨げる厄介な害虫です。

特徴

  • 糸で葉を巻いて生活し、葉を食べる
  • 幼虫は緑色で、葉の表面を這い回る
  • 大量発生すると、樹木の葉に損傷を与える

予防&対策

  • 樹勢を強く保ち、ストレスを減らして抵抗力を高める
  • 巻かれた葉は、手で取り除き、駆除する
  • 生物農薬を活用する

害虫:モンクロチャチホコ

モンクロチャチホコは、大型の蛾の幼虫で、葉を大量に食べる非常に厄介な害虫です。

特徴

  • 大型の幼虫で、葉を丸ごと食べ尽くす
  • 集団で行動し、急速に被害を拡大する

対策

  • 幼虫を手で取り除く
  • BT剤などの生物農薬を使用する

業者にユスラウメの剪定を依頼する場合の費用相場

剪定業者

ユスラウメの剪定を業者に依頼する場合、費用の算出方法は主に2つのパターンがあります。

樹木の状態や規模、地域によって大きく異なるため、事前に複数の業者から見積もりを取ることをおすすめします。

樹木のサイズによる料金

樹木の大きさを基準に費用が決定します。

一般的には樹高や枝の広がり、幹の太さなどが考慮されます。

剪定金額の目安は、以下の通りです。

剪定金額の目安料金

高さ 料金
3m未満 3,000~5,000円
3m~5m未満 5,000~15,000円
5m以上 16,000円~

作業時間別の目安料金

剪定に要する時間を基準に費用が決定されます。

時間 料金
30分未満 5,000円〜8,000円
1時間程度 8,000円〜15,000円
半日(4時間) 15,000円〜30,000円

剪定料金の詳細はこちらの記事を参考にしてください。

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