シロアリは大切な住宅に大きな打撃を与える可能性があるため、見つけたら早めの対処が必要です。
しかしほかの虫をシロアリと誤解してしまっているケースも、多く見られます。適切な対応をとるためにも、見分け方について知っておきましょう。
日本に生息するシロアリの種類は?
日本のほぼ全土に生息しているのが「ヤマトシロアリ」という種類で、4月下旬~5月にかけて活動が盛んになります。 一方で千葉県以南の暖かい地域に多いのが「イエシロアリ」です。昼間に活動するヤマトシロアリとは異なり、夕方から夜にかけて活動し、街灯や電灯に集まる傾向があります。
シロアリに似た虫にはどんなものがいる?
シロアリと似ている虫は、クロバネキノコバエ、イエヒメアリ、クロアリ、ヒラタチャタテなどです。大きさや色などで見分けることができ、それぞれの特徴については記事の中で紹介しています。
日本に生息するシロアリの種類と特徴
軒下や外壁の周辺などに虫を見つけて「シロアリでは?」と疑いが生じることがあります。しかし昆虫に詳しくない人の中には、正しく判別できていないこともあるようです。
まずは代表的なシロアリの種類について解説します。その特徴を把握しておきましょう。
日本のほぼ全土に生息「ヤマトシロアリ」
国内で最も生息数が多いといわれている種類で、住宅における被害も数多く報告されているシロアリです。生息範囲も広く北海道を除く地域で活動が見られます。
体長はとても小さく、成虫でも4〜7mmという大きさです。春を迎えると冬眠から覚めた女王アリが産卵を始め、4月下旬~5月にかけて活動を活発化させるのです。
営巣は住宅の木材部分を選んで行うことが、多く見受けられます。食い荒らした場所に居つく傾向があるため、よいエサ場を見つけるとそこに巣ごと移動するという点も特徴的です。
コロニー(巣)を拠点とする個体の数は約2~3万匹と、シロアリの中では少ない部類といえます。食い進む速度はゆっくりなので、住宅への被害は徐々に進行します。また働きアリは水を運搬できないため、水回りなど湿度の高い場所に生息するのです。
南の暖かい地域に多い「イエシロアリ」
寒さに弱い種類であるため、千葉県以南の暖かいエリアでよく見かけるシロアリです。黄色味を帯びた色味の個体の体長は7〜8mmと、シロアリの中では大きな部類といえます。
冬眠から覚める時期は比較的遅く、活動を始めるのは6~7月になってからです。昼間に活動するヤマトシロアリに対して、夕方から夜にかけて動き、街灯や電灯に集まる傾向があります。
一つのコロニーには100万もの個体がおり、とても大きな規模を誇る種類です。そのため住宅の木材部分だけでなく、庭の土中にも大きな巣を作ることがあります。
集団の数が多く個体の動きも活発なため、食害のスピードがとても速い点に注意が必要です。加えて自分で水を運び木材に湿気を与えられることから、湿りがちな床下のみならず、乾燥した天井などへも活動範囲を広げるケースもあります。
シロアリに似た虫とは?
「シロアリだ」と思っても実は違う種類だったということは珍しくありません。適切な処置を施すためにも、似た虫についての知識を備えておきましょう。
大量発生の不快害虫「クロバネキノコバエ」
コバエの1種で体長は1mmほどと、とても小さな虫です。個体の色が真っ黒なことから、シロアリの羽アリやクロアリと誤認されることがあります。
厄介な点は室内・室外どちらでも発生し、またその数が多い点が特徴です。住宅の多くの場所で現れるため、うっとうしい不快害虫といえます。
発生場所はほとんどが室内にある植物の土壌です。観葉植物を置いてある部屋で、小さな灯りに羽を付けた黒く小さな虫がいたら、クロキノコバエである可能性は高いといえます。
人を刺す危険もある「イエヒメアリ」
とても狭い場所を好む性質があり、壁や家具の小さな隙間を見つけて寄生します。そのためなかなか巣を見つけ出しにくく、駆除することが難しい種類の虫といえるでしょう。
たいていのアリがそれぞれの巣に1匹の女王しかいないのに対して、複数の女王アリが存在しています。よいエサ場を見つけるとそこに女王アリが移り、次々と新たな巣を作る性質があるのです。
建材や庭の土からエサを得るだけでなく、ときには人を刺したり咬みついたりする点にも注意が求められます。
くびれや羽が特徴的「クロアリ」
「クロアリの羽アリ」と「シロアリの羽アリ」は、とてもよく似ていて区別がつきにくいものです。発生時期も4~5月と同時期になることから、家主に迷いを生じさせることが多くあります。
判別方法の一つが前翅(まえばね)の大きさと形です。シロアリよりもクロアリの羽アリの方が大きく、クロアリは羽を閉じた際に八の字のような形状になります。
触角も違いがある部分です。クロアリは折れ曲がっており、頭部や胸部、腹部にかけてくびれを持っています。黒や茶色、赤褐色の個体が多く見られる種類です。
床に落ちた食材やお菓子などのカスを狙って侵入してくるので、日頃からしっかりと清掃し、食品を密閉容器に保管することが大切。
食害に要注意「ヒラタチャタテ」
体長は1〜1.3mmで淡褐色や褐色をしています。翅はなく体全体がとても柔らかい特徴がある虫です。
住宅内に入り込み食材を中心に狙うため、食害を受ける家庭が多いでしょう。普段冷蔵庫に入れない鰹節や乾燥昆布、ビスケット、キャラメルといった食品を食い荒らします。
本や畳、湿気を帯びた壁紙にも寄生して大量発生を起こし、困惑させる不快害虫です。
シロアリの可能性が高い場合
発見した虫がシロアリだった場合、住宅への被害を広げないために早期の対応が必要です。対処方法について解説しましょう。
殺虫剤は使わず掃除機で吸い取る
「まずは殺虫剤で駆除」と考える人は多いものです。しかしむやみに使用することは得策ではありません。
殺虫剤を噴霧すれば羽アリは駆除できますが、薬剤で死骸が壁や床に貼りついてしまったり、逃げ道を求めて経路が拡散してしまったりします。そうなると根本的な駆除を困難にしてしまうおそれがあるのです。
シロアリに刺激を与えず、逃さずに捕獲する方法として、掃除機で吸い取る方法をおすすめします。ノズルで吸い込みゴミとして処分しましょう。
早めに専門業者に連絡をする
シロアリは目に見えている個体を駆除すればよい、というものではありません。巣が活発な活動を続けている以上、新たに子ども生み、またシロアリが発生するでしょう。
対策として重要なのは巣を壊滅することです。そして女王アリ・王アリを死滅させ、コロニーを壊滅する必要があります。
そうはいっても素人では根本的な解決のための対策をとるのは、なかなか難しいものです。シロアリ被害が生じたら、早めに専門業者に相談することも大切でしょう。
以下の記事では、専門業者に駆除を依頼した時の費用相場や、信頼できる業者の選び方を解説しています。
虫の見分け方を覚えて早めの対策を
シロアリは家の土台にダメージを与え、住まいの安全性や快適性を失わせる害虫です。そのため見つけたら早期の対応が求められます。
しかし家の周りにはさまざまな虫もいて、目にした虫がシロアリかどうか分からないこともあります。虫の見分け方を知って、適切な対処に役立てましょう。
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