ユニットバスはマンションやアパート、戸建住宅など、さまざまな建物に採用されています。しかし排水口の構造が複雑であるため、正しいお手入れが必要です。ユニットバスの構造や水が流れにくくなる原因、排水口のお手入れ方法などを解説します。
ユニットバスとは?
ユニットバスとは、浴室の「壁・床・天井・浴槽といったパーツが一体化しているもの」のことです。
パーツにつなぎ目がないため、壁や床の角に汚れがたまりにくいメリットがあります。またお風呂のお湯の保温や暖かい空間の維持に役立つ、気密性の高さも魅力です。
ユニットバスは3種類あり、浴槽のみの「1点ユニットバス」、浴槽と洗面台で構成される「2点ユニットバス」、浴槽・洗面台・トイレの「3点ユニットバス」があります。
3点ユニットバスはホテルやアパートなどで見かけるタイプで、浴槽からトイレまでまとめて掃除をすることが可能です。
ユニットバスの排水口の構造
ユニットバスの排水口の構造は「排水トラップ」と呼ばれています。下水から逆流してくる悪臭を防ぐため、常に水がたまっている複雑な構造です。
一般的には浴槽と洗い場の2カ所に排水口が備わっており、床下で1本の排水管につながっています。そのため排水トラップに髪の毛やゴミなどが詰まると、浴槽のお湯を抜いた際に、洗い場の排水口からあふれ出てしまうことがあるのです。
詰まりが起きる可能性がある箇所は、浴槽と洗い場の排水口、排水トラップ、排水管内部の合計4カ所になります。奥に行くほど詰まりの解消に手間がかかりますが、手前であれば比較的作業が簡単です。
トイレの排水は基本的に独立している
3点ユニットバスの排水口は、浴槽・洗い場・洗面台・トイレの4カ所です。浴槽と洗い場の排水は1本の排水管につながっていますが、洗面台の排水が合流するのは浴槽または洗い場になります。
トイレの排水については、他の排水とは完全に別れているのが特徴です。これは排水管が詰まった際に、浴槽や洗い場にトイレの水が逆流するのを防ぐため、独立した構造になっています。
ただし古いタイプのユニットバスだと、すべての排水管がつながっている場合もあります。自宅のユニットバスの排水構造を知りたい場合は、浴室のドア上部に記載されている品番を確認し、メーカーに問い合わせてみましょう。
ユニットバスの水が流れにくくなる原因
ユニットバスの水が流れにくくなる原因はさまざまです。お湯があふれたり、1カ所にたまったまま流れなかったりする場合は、排水口の周辺をチェックしてみましょう。
定期的な掃除をしていない
浴室の排水口には、髪の毛やゴミなどが排水口に流れないように、ヘアキャッチャーが設置されています。定期的に掃除をしなければ水が流れにくくなり、汚水があふれてしまうでしょう。
掃除すべきタイミングは家族構成によっても変わりますが、一人暮らしの場合でも髪の毛やゴミはたまりやすいものです。可能であれば3日に1回程度、最低でも1週間に1回程度は、ヘアキャッチャーにたまった髪の毛やゴミを取り除き、排水口の詰まりを防止しましょう。
最近のヘアキャッチャーは髪の毛などが簡単に捨てられるよう、形状に工夫が施されているものもあります。大掛かりな掃除が必要になる前に、早めに掃除をすることが大切です。
洗い場の排水管が詰まっている
洗い場の水が流れにくくなっている場合は、排水口だけでなく排水管が詰まっている可能性も考えられます。排水口をしっかり掃除しているのにも関わらず、水の流れが改善しないのであれば、排水管の洗浄を検討しましょう。
詰まりの原因として考えられるのは、ヘアキャッチャーや排水トラップをすり抜けた髪の毛や石けんカス、皮脂や水アカなどの汚れです。
これらは時間がたつとヘドロ状に固まる性質があるため、専用洗剤を使った洗浄が必要になります。そのうち流れがよくなるだろうと放置していると、徐々にヘドロの塊が大きくなり、排水管をふさいでしまうでしょう。
ユニットバスの排水口のお手入れ方法
ユニットバスの排水口が詰まると、快適なバスタイムを過ごせなくなり、汚水があふれれば衛生的にもよくありません。簡単に行えるお手入れ方法を、ぜひ覚えておきましょう。
まずは排水口の部品を取り外そう
排水口をお手入れする場合は、内部の部品を取り外して徹底的にキレイにしましょう。まずは排水カバーやヘアキャッチャー、封水筒などを取り外していきます。
排水口のタイプによって部品数や取り外し方が異なるため、メーカーのホームページなどを確認しながら作業を進めましょう。
各部品に付いている汚れは、お風呂用洗剤・スポンジ・使い古した歯ブラシなどを使って取り除きます。ヘアキャッチャーに髪の毛がたまっている場合は、割り箸やティッシュなどを使って拾いましょう。
また取り除いた汚れや髪の毛は、排水口に直接流さないように注意しましょう。排水管の奥で詰まってしまう可能性があります。
クリーナーを使って排水管をキレイにする
排水口の部品をひととおり取り外したら、液体式パイプクリーナーを使って排水管内にこびりついた汚れを剥がしていきます。
使用方法はメーカーや製品によって異なりますが、基本的には排水口から規定の量を流し入れ、15~30分程度待つだけです。
汚れの程度によっては洗剤では取り切れなかったり、固形物が詰まっていたりする場合もあります。液体式パイプクリーナーを使っても水の流れが悪い場合は、ラバーカップや真空式パイプクリーナーなどのアイテムを使うことも検討しましょう。
ネットを取り付けて掃除を簡単に
排水口やヘアキャッチャーは、汚れがたまりやすい部分です。排水口の部品と排水管内のお手入れが終わったら、市販の排水口用ネットを取り付けましょう。
排水口に汚れが付着するのを防止するだけでなく、次回以降のお手入れが「ネットを交換するだけ」で済みます。また排水管の詰まりを防ぐこともできるため、付けておいて損はないアイテムだといえるでしょう。
排水口のトラブルが続くときは専門業者へ
お手入れをしても排水口が詰まってしまったり、流れが悪かったりするようであれば、専門業者に相談するのがおすすめです。排水口の詰まり解消にかかる費用相場と業者選びのコツを紹介します。業者への依頼を検討している人は、ぜひ参考にしましょう。
ユニットバスの詰まり解消にかかる費用相場
ユニットバスの詰まり解消(排水口・排水管洗浄)にかかる費用相場は、5,000~20,000円程度です。詰まりの程度や状況によっては、専用機材や洗剤を使わなければならなくなるため、さらに費用がかかる場合があります。
また業者によっては、出張費がプラスされることもあるので注意が必要です。ホームページなどの情報だけを見て決めると、想定した料金よりも高くなる可能性があるでしょう。
業者を選ぶときはしっかりと下調べをしてから依頼するか、相見積もりで比較検討することをおすすめします。
専門業者から見積もりを取ってみよう
作業後に想定外の料金を請求されたくないと考えている人は、見積もりを取ってみましょう。依頼を検討している業者が複数あるという場合にも、相見積もりを取るのがおすすめです。
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ユニットバスの排水口は定期的に掃除しよう
ユニットバスの排水口は、通常の浴室とは違い排水管が床下で1本にまとめられているという特殊な設計になっています。
お手入れは浴槽・洗い場・トイレなど、併設されているすべての設備において定期的に行うのがおすすめです。
排水口や排水管を1カ月以上お手入れしていないのであれば、部品を取り外して掃除したり、クリーナーを使って洗浄したりして汚れを取り除きましょう。
お手入れをしても水が流れにくい場合は、専門の業者に依頼して徹底的に洗浄してもらうと詰まりを解消できます。
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