親族が孤独死をした場合、遺品整理を行う必要があります。孤独死した方の遺品整理は通常よりも大変な場合が多いです。孤独死した方の遺品整理を行う方法や注意点、遺品整理の業者を選ぶ基準や費用について解説します。
孤独死した方の遺品整理は誰が行う?
孤独死した方の遺品整理は誰でも行えるわけではありません。勝手に遺品整理に着手するのではなく、まずは誰が遺品整理を行うのかきちんと把握しておくことが重要です。
法的には相続人が行う
「遺品整理は故人の当然、配偶者や子どもが行うものである」と認識している人も多いと思います。ただ法的には、遺産整理は相続人が行うことになっているので、必ずしも配偶者や子供が行うわけではありません。
故人に遺言書があり、相続人として親族以外の人が指定されているときには、当該の相続人が故人の財産を引き継ぎ、遺品整理を行うことになります。その場合には、たとえ故人の配偶者や子どもであっても、勝手に遺品整理をすることは許されません。
なお遺言書がない場合には、法定相続人に遺品整理の義務が発生します。
相続を放棄した場合は?
遺産の相続権を放棄したいと考えるケースもあるでしょう。相続放棄は相続が始まってから3カ月以内に申請する必要があります
遺品整理に着手したり業者に依頼して料金を支払ったりすると、相続を放棄できなくなる可能性が高いため、注意が必要です。
遺産を放棄し、誰も相続人がいない場合には、相続財産管理人を立てることが求められます。相続財産管理人の選定は家庭裁判所が行います。
家庭裁判所に申し立てを行い、200,000〜1,000,000円の予納金を納めることが必須です。選定には1年近くかかる場合もあります。
相続を放棄しても相続財産管理人が決まるまでの間は、相続人に故人の財産の管理義務があります。孤独死では遺体の発見までに時間がかかる場合が多く、相続財産管理人が決まる前に、特殊清掃と遺品整理を行わなければならないケースが多いでしょう。
賃貸では連帯保証人が費用を負担する
連帯保証人には契約者本人とほとんど同等の義務が課せられます。賃貸契約の連帯保証人となっている場合に契約者本人が孤独死すると、遺品整理にかかる費用は連帯保証人が負担することになるのです。
賃貸住宅で契約者が孤独死した場合、費用負担の責任は第一に連帯保証人にあります。次に相続人、そして貸主に義務が移るのです。連帯保証人になっている場合は、相続権を放棄しても遺品整理の費用を負担する義務は消えません。
孤独死した方の遺品整理をする方法
親類が死去した場合、室内の状態がさらに悪化する前に、なるべく早く遺品整理をする必要があります。しかし遺品整理を行う機会は人生の中で多くないため、何から手をつけたらいいか分からないものです。
親類が孤独死した際に行う遺品整理の適切な方法と、処分時の注意点について解説します。
ほとんどは処分することになる
孤独死では発覚までに時間がかかる場合も多いため、室内に腐敗臭や腐敗液が染み付いてしまうことが多くあります。腐敗臭や腐敗液にさらされた遺品には悪臭が染み込み、細菌などが発生しています。
遺品に染み付いた悪臭や細菌によって健康被害を受ける恐れがあるため、孤独死の場合、遺品整理の際にほとんどの遺品をそのまま処分することになります。
実際には相続人が現場に立ち会うことなく、遺品整理を丸ごと業者に任せるのが一般的です。大切な形見の品でも手元に残せない可能性があります。
処分品は適切に分別する
遺品を処分する際は一般的なごみ捨てのルールにのっとり、適切な処分を心がけることが大切です。通常の可燃ごみや不燃ごみ、粗大ごみは自治体のルールに従って捨てます。自治体によっては集積所まで持ち込んで処分してもらえるケースもあります。
処分前に手続きが必要なものや、リサイクルが義務付けられている処分品もあるでしょう。例えばテレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機の家電4品目は、家電リサイクル法でリサイクルが義務付けられているため、購入店などに回収してもらう必要があります。
状態のいいものならリサイクルショップに買い取ってもらうことも可能です。分別の手間を省きたいなら、不用品回収業者に回収を依頼する選択肢もあります。不用品回収業者を探す際はミツモアを利用して、複数業者から相見積もりを取るといいでしょう。
孤独死した方の遺品整理を行う際の注意点
孤独死した方の遺体があった部屋の状態は非常に悪いため、遺品整理を行う際はいくつかのポイントをきちんと守ることが欠かせません。孤独死した故人の遺品整理をするときに気をつけるべき点について解説します。
特殊清掃を行う前に入らない
孤独死した故人の遺体があった部屋には、悪臭が充満しているケースが多いです。遺体が残っていなくても人体に害を与えるウイルスや細菌が多く発生しているほか、体液が残っている可能性もあります。
故人の思いに配慮して、まずは親族で室内の状態を確かめたいと思う場合もあるでしょう。しかし特殊清掃を行う前に部屋には入らないようにしてください。
故人の痕跡を目撃して、大きな衝撃を受けてしまうことも考えられます。衛生の観点からみても、悪臭で体調を崩したり、ウイルスや細菌の影響で健康を害したりするリスクがあり危険です。
勝手に窓を開けない
孤独死の場合は、遺体から強い臭気が出ているケースが多いです。そのため遺品整理のために故人の部屋に入ったときには窓を開けたいと思うかもしれません。しかし個人の判断で勝手に窓を開けてはいけません。
窓を開けると室外にでた悪臭が近隣住民の洗濯物に染み付いたり、健康被害を及ぼしたりする恐れがあります。近隣住民に悪影響を与えると、損害賠償を請求される可能性もあります。
トラブルを避けるためにも、勝手な判断で室内の換気を行うために窓を開けるのは避けましょう。窓を開ける際は事前に特殊清掃業者の許可を得ることが欠かせません。
遺品に素手で触れない
遺品整理を行う際は、手袋をはめた上で作業に入ります。室内にある遺品に素手で触れることはできません。遺品には悪臭が染み付いているほか、ウイルスや細菌が発生しています。
素手で触れると健康被害を受ける可能性があることに加えて、室外にウイルスや細菌を持ち出してしまう恐れもあります。悪臭やウイルス・細菌が広がると、清掃のためにさらに手間と費用がかかる事態になるため注意が必要です。
遺体に発生していたウイルスや細菌は、遺品に染み付いているだけではなく、ごみやほこりに混じって空気中に舞い上がっていることもあります。口から取り込んでしまわないよう、マスクをすることも忘れないようにしましょう。
孤独死の場合、自力で遺品整理できる?
遺品整理にかかる費用は、できるだけ抑えたいと考える人がほとんどでしょう。孤独死した故人の遺品整理をする場合、費用を払って業者に依頼することなく、自力で行うことは可能なのでしょうか。
自力での遺品整理は現実的でない
孤独死した故人の遺品整理を行う前には、特殊清掃が必要なケースが一般的です。特殊清掃を自力で行うのは現実的ではないほか、遺品整理にはかなりの精神力を要します。
自分で遺品整理を行うと、慣れない作業が多く近隣住民に迷惑をかけてしまう可能性も考えられます。また、自力で清掃するためにかえって多額の費用がかかるリスクもあるでしょう。
そのため遺品整理は、特殊清掃とともに専門の業者に依頼する必要があるでしょう。
特殊清掃と遺品整理にかかる費用は?
特殊清掃と遺品整理にかかる費用の相場に加えて、お得に依頼するためのポイントを解説します。
費用の相場
遺品整理にかかる費用は、間取りに加えて遺品の量や作業内容、買取品の有無などの条件から料金が算出されます。遺品整理にかかる、間取り別の費用相場は以下の通りです。
間取り | 費用相場 | 所要時間 |
1R、1K | 30,000〜50,000円 | 1〜3時間 |
1DK | 50,000〜120,000円 | 2〜4時間 |
1LDK | 70,000〜200,000円 | 2〜6時間 |
2DK | 90,000〜250,000円 | 3〜6時間 |
2LDK | 120,000〜300,000円 | 3〜8時間 |
3DK | 150,000〜400,000円 | 4〜10時間 |
3LDK | 170,000〜500,000円 | 5〜12時間 |
4DK | 200,000〜550,000円 | 6〜15時間 |
4LDK以上 | 220,000円〜 | 6時間〜 |
特殊清掃にも部屋の広さ別に費用の相場はありますが、清掃内容によって料金が大きく異なるケースもあります。例えば体液の清掃が必要な場合は、50,000〜100,000円料金が高くなります。
間取り別にまとめた、特殊清掃の費用相場は以下の通りです。
間取り | 費用相場 |
1K、1R | 80,000〜280,000円 |
1DK〜3LDK | 140,000〜480,000円 |
4DK以上 | 250,000〜700,000円 |
費用を抑えるには?
遺品整理の前に特殊清掃をしてもらいますが、遺品の取り扱いについて打ち合わせをしていないと、スムーズに特殊清掃を行えません。
なので特殊清掃と遺品整理の両方を手掛けている業者に依頼することが、遺品整理にかかる費用を抑えるコツです。安心して作業を任せるには、特殊清掃の専門家に依頼することが欠かせません。
業者を選ぶポイント
特殊清掃と遺品整理を依頼する業者を選ぶ際に、注目すべきポイントについて解説します。優良な業者の探し方も確認しましょう。
資格を持っているか確認する
特殊清掃と遺品整理を業者に依頼するときは、資格を持っているか確認することが大切です。
特殊清掃に関する資格としては、特殊清掃士があります。特殊清掃士は腐敗した体液の適切な処理方法を心得ているほか、安全に作業するために必要な感染症に関する知識を持っています。
遺品整理に関する資格としては、遺品整理士が挙げられます。遺品整理士は、正しい遺品整理の知識を持っていることを示す資格です。
複数の業者の見積もりを比較する
遺品の取り扱いに対する心構えや、対応可能な作業は業者によって異なります。かかる費用もさまざまです。優良な業者を選ぶためには、複数業者から相見積もりをとるのがよいでしょう。
ミツモアを利用すれば簡単な質問にいくつか答えるだけで、最大5社の相見積もりが可能です。気になる業者には事前にチャットで相談できるため、不明点を解消した上で作業を依頼できます。
孤独死した方の遺品整理はプロに任せよう
孤独死した故人の遺品整理は、基本的に相続人が行います。ただ孤独死の場合は、遺品整理の前に特殊清掃が必要になるため、相続人本人が自力でおこなうことは大変困難です。
孤独死した故人の遺品整理は、信頼できる専門の業者に任せるのが賢い選択です。
ミツモアで遺品整理の見積もりを依頼しよう
ミツモアでは豊富な経験と知識を持ったプロに遺品整理の見積もり依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?
- ミツモアで簡単な質問に答えて見積もり依頼
ミツモアならサイト上で予算、スケジュールなどの簡単な質問に答えるだけで見積もりを依頼できます。複数の業者に電話を掛ける手間がなくなります。
- 最大5件の見積もりが届く
無料で最大5件の見積もりを比較することが可能です。レビューや実績も確認して、自分に合った業者を選ぶことができますよ。
- チャットで見積もり内容の相談ができる
気になった業者とはチャットで相談することができます。チャットなら時間や場所を気にせずに相談ができるので忙しい人にもぴったりです。