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【インタビュー写真】人物の魅力を引き出す撮影の構図とライティング

最終更新日: 2022年12月06日

現在インタビュー写真がついたインタビュー記事は、新聞や雑誌だけでなくWEB上でも数多く存在します。

インタビュー記事の構成はインタビューを受けた人が語る文章と写真で構成されていることがほとんどです。

文章では伝えきれないその人の魅力を伝えるのがインタビュー記事の写真です。

ここでは、そんなインタビュー写真の人物の魅力を引き出す方法をお話ししたいと思います。

インタビュー写真の目的を考える

インタビュー写真
インタビューの目的 (画像提供:PIXTA)

インタビュー記事にはすべて「伝える」という目的があります。

伝えたい内容は様々ですが、誰でも知っているような一般論を伝えるのではなく専門的な知識や経験を伝える内容が殆どではないでしょうか。

専門的であればあるほど、専門家や職人、作家などの「個人の目線」を通して物事を見る必要性が出てきます。

ですのでインタビュー記事に説得力を持たせるには、インタビューをしている時のインタビュー写真が必須になってきます。

時にはそのインタビュー写真の雰囲気によって、インタビュー記事全体の印象がコントロールされる場合もあるくらい重要なものです。

インタビュー写真撮影時の機材

インタビュー撮影の機材
インタビュー撮影の機材

カメラ

やはりカメラは一眼レフが良いです。

イメージセンサーがフルサイズのものだとさらに◎

レンズ

50mmや80mmくらいの単焦点レンズは人物撮影では使用頻度が多く、明るさも確保しやすいです。

しかし、やはり機動性に欠けるので私はあまり使いません。24~120mmのズームレンズで焦点距離を80~100mmくらいにして撮ることが多いです。

引きやアップなど、素早く対応する必要があります。

(インタビューの時間とは別に撮影の時間を設けてもらえることもありますが、基本はインタビュー中に終わらせることです!

三脚

基本は手持ちで数を撮ることをおすすめします。しかし、画角を決めて三脚で撮っていくのも◯。三脚で撮影するとブレが少なく、きっちりとした画角で撮れます。

ライティング系機材

・スピードライト
・A2サイズくらいのレフ版
・外部ストロボ
・外部ストロボ用アンブレラ、ボックスライト

クオリティを上げるのはライト関係もあった方が良いとは思いますが、ライティングに関しては後述します。

インタビュー写真撮影時のカメラの設定

インタビュー写真
インタビュー写真のカメラの設定

絞り

絞りは開放にしましょう。

被写界深度の関係で、F値が小さいほど後ろがボケます。後ろがボケれば雰囲気もいいですし、人物に視点がいきます。

ただし、人物までボケないようにしましょう。絞り優先モードで撮影しても◯です。

なるべく離れてズームで撮る

離れてズームで撮れば背景がよりボケます。基本は目にピントを合わせましょう。

ISO(感度)を上げてシャッタースピードを確保する

雨の日の室内などはかなり暗いです。

絞りを開放にしても明るさが確保できず、カメラがシャッタースピードを遅くしてしまうことがあります。(絞り優先モードなどのオートの場合)

インタビュー中の写真を撮ることが多いと思いますので、人物は常に動いています。そうするとブレた写真になりがちです。

そこでISOを上げてすぐにカメラが光を吸収できる設定にします。ISOは800~2000くらいまでは今の一眼レフであれば問題ないはずです。

目安はシャッタースピードが125分の1程度確保できるくらいです。

奇跡の芸術写真を狙うのではなく、確実に抑えていく方法です。

露出補正とホワイトバランス

露出補正は明るめの設定にしましょう。やはり人物は明るめの方が、爽やかで健康的な印象になります。

テスト撮影などをして自分の良いと思う明るさに調整しましょう。ホワイトバランスはオートで十分です。

選択肢としては、電球色を残すオート(職人の工房で、豆電球があり雰囲気がいいところなど、オレンジの色が効いている空間で有効)や、オートでも色の微調整(青よりにしたり赤よりにしたりなど)などがあります。

※ストロボと自然光をミックスさせる場合はプリセットでホワイトバランスをとるのもありです。

18%グレーボードをかざしてホワイトバランスをとるのですが、ここでの詳しい話しは割愛させていただきます。

インタビュー撮影の前にすること

インタビュー前の準備
インタビュー前の準備

どんな写真が必要なのか決めておく

どんな記事にするか決める時に写真のカットもイメージしておきましょう。写真は縦位置か横位置か、もしくはスクエアがいいのか。

文字を写真に載せるのかなどを決めておきましょう。合わせて写真の方向性も決めておきます。

ビジネスシーンで笑顔などの明るい雰囲気がいいのか。作家や職人の、渋い雰囲気がいいのか。また、作業工程の写真はいるのかなど。

インタビュー撮影場所のロケハン

撮影場所は大切です。インタビューに入る前に、どこで撮影するのがいいのか決めておきましょう。背景は白壁などのシンプルなものにした方が人物が映えます。

しかし観葉植物や窓がボケて写っているのも明るい印象になり効果的です。その際は背景とインタビュアーとの距離があった方がボカすことができますし、広がりが出ます。

光を確保するために、窓の近くに座ってもらうのもありです。

なるべくその空間にあるものを活用していくとその場でしか撮れない写真に仕上がっていきます。

インタビュー写真の構図とアングル

インタビュー写真の構図
インタビュー写真の構図

ただ人を撮っただけでは雑然としてしまい、なんとなく落ち着きがない写真になってしまうことがあります。

ここではインタビュー写真らしい構図とアングルについてお話しします。

目線の先をあける

撮影の時はインタビュアーの目線の先をあけるように撮りましょう。

実際目線の先にはインタビュアーがいることが殆どだと思いますが、その目線の先に伝えたい人がいると想定して空間をあけて撮ってみましょう。

伝えたい思いに溢れている真剣な表情や、気持ちのいい笑顔などが載っていれば、この人の話しを聞こうかなという思いになるのではと、私は思っています。

その時、目の中にキャッチアイが入っているとより力強い印象になります。

窓の光を写す

先ほどもチラッとお話ししましたが、背景に窓が入っていると開放感が出て抜けを作れます。

その時の窓はなるべくボカした方がいいでしょう。例えば窓のサッシがクッキリ写っていると人物に集中できないので注意が必要です。

その時は逆光で顔が暗くならないようにしましょう。明るめで撮るか、逆光まではいかない半逆光や斜め後ろぐらいに窓がくるように撮っても◯です。

後ろの方からの光は、人物のアウトラインを際立たせ、より力強く印象的な写真になります。

少し煽り気味に撮る

企業の社長など威厳がある写真にしたい場合は、少し下から煽り気味に撮ってみましょう。

煽ることで心理的に壮大な印象になります。

おそらくインタビュー記事を熱心に見られる読者の方は、

「勉強したい」

「学びたい」

「自分とは違う分野の人の体験や知識を取り入れて自分の仕事に活かしたい」

と考えている方も多いのではないかと思います。

ですので、インタビュー記事における人物写真は「学びたい」とか「勉強したい」という気持ちを駆り立てる威厳のある人物写真もいいですね!

ただ「偉そう」みたいに見えるのは✖️です。

笑顔にするなど、柔らかい印象を少しプラスするのがコツです。

少し上から撮る

少し上斜めから撮影すると思慮深い絵になります。

考えている最中や、真剣に言葉を振り絞っているような絵になるので効果的です。

ポージング

よく「ろくろを回しているような手」と表現されることもありますが、インタビュアーに声がけして手の動きをつけてもらうと写真に熱が帯びます。

他にも書類を指差しているとか、ロゴマークに手をかざしていたりするだけで写真自体の表情がいきいきとしていきます。

対談形式の場合

インタビュー写真の対談形式
インタビュー写真の対談形式

対談形式の場合は撮りたい人物を対談相手の肩越しなどで撮ると対面している感じになります。

対談相手の肩は前ボケで写り、話し合っている雰囲気になります。それと二人が一緒に画面に入っているカットも撮りましょう。

※対談形式の場合は、イマジナリーラインを超えないようにするのがコツです。

イマジナリーラインとは簡単に説明しますと、人物Aと人物Bを結んだときの線のことです。

これを超えなければ、例えば人物Aが右を向いていたら、人物Bは左を向いていることになります。

イマジナリーラインを超えると人物Aが右を向いていて人物Bもまた右を向いてしまうことになり対談形式がわかりづらくなります。

対談で話し合っている場合は対談の二人を結ぶ線を超えないように注意しましょう。

ただ、対談ではなく個人個人を撮影する場合は同じ向きでも構いません。

インタビュー写真のライティング

インタビュー写真のライティング
インタビュー写真のライティング

写真にとって光は重要ですが、インタビュー写真も例外ではありません。光のあてかたによって、人物の印象も変わっていきます。

その印象によってインタビュー記事の方向性が変化していくのです。ここではそんなインタビュー写真のライティングをお話しします。

室内で自然光

先ほどもお話ししましたが、窓の光を拾うのは大切なことです。インタビュアーの方に少し窓に近づいて座ってもらうだけでも全然違います。

その時、顔に影が落ちすぎてると思ったらレフ版をあてましょう。光源とは反対の位置にレフ版を置き(もしくは誰かにもってもらい)、光をレフ版の面で反射させるイメージで顔にあてると影が和らぎます。

女性を撮る場合は下からの意識であてると、顔が綺麗に写ります。いわゆるゲレンデマジックの光の効果と同じです。

もちろんレフ版がカメラに写らない位置に設置しましょう。個人的にはその場にある光(蛍光灯、間接照明、太陽光など)で撮影できた方が、そこでしか撮れない写真になるので良いと思っています。

室内で自然光&クリップオンストロボ

窓が遠くにあったり、自然光だけでは光が足らない時はクリップオンストロボを使いましょう。窓の光を拾いつつ、顔をはっきりみせるためクリップオンストロボを前からあてます。

このようなスローシンクロや日中シンクロなどの自然光とストロボを合わせて撮影するのは少し上級者向けです。光の強さに関しての知識と経験が必要になります。自前にテスト撮影をして臨むと、本番がスムーズに進みます。

シンクロ撮影の時はオートではなく、マニュアルにしましょう。

なぜならストロボは一瞬の光だからです。カメラがオートで露出を決定する能力は、今現在の光を検出しているため、一瞬のストロボの光まで計算にいれることは難しいです。ストロボの光もマニュアルで調整しましょう。

窓がやたら暗くなってしまったり、窓は明るいけれど人物が白飛びするくらいストロボがあたってしまうこともあります。

シンクロさせる場合は、背景や全体の雰囲気の露出にしてから、顔だけに軽くあてる意識で使いましょう。その際には、天井か壁にバウンズさせて光を柔らかくして撮りましょう。クリップオンストロボにトレーシングペーパーを貼るのも○です。

外部のストロボのみ(モノブロックなど)

外部ストロボを斜め前の上からあてて背景を暗く落とすと硬派なイメージを作ることができます。職人や作家などの、明るいイメージにとらわれない人物の写真の時は使える方法です。

この時、後ろの壁の背景にもう1灯あてれば、明るいイメージに変わります。女性の場合は、上からも下からもライトをあてると顔が綺麗に写りますよ!

コツは不自然ではない程度に、ボックスライトなどのデュフューザーをつけて柔らかい光をあてるのがコツです。

このようにストロボを複数使ってイメージをコントロールしていき、確実に撮影していくのも○です。やはりストロボは人物が動いていても止まるので便利です。

店舗を撮る時のコツ

店舗写真のコツ
店舗写真のコツ

インタビューの時は人物だけでなくお店などの建築写真も撮ることがあります。ですのでここで建築写真の簡単なコツをお話ししたいと思います。

・水平垂直

基本的に建築写真は水平垂直がきっちりとれていないといけません。店内の柱などを目安に意識してまっすぐにしていきましょう。

この時、カメラでグリッドを表示させて撮影すると撮りやすいですよ!

・店舗の撮影時の構図

店内では放射線構図や三分割構図で人を交えて撮りましょう。


※放射線構図・店舗を水平に広がりをもって表現できる構図。


※三分割構図・この赤い点の部分に人物を配置し、空間を撮影できる構図。

店の外観などは三角構図など安定感のある構図がおすすめです。


※三角構図・建物を安定感をもって撮影できる構図。

店の前で人物に立ってもらい、人物を点景で撮るのもありです。

広角で撮る

広角レンズで撮影すると店内が遠近法で伸びて、広く写ります。狭く見えた方がいい!という話しは聞いたことがないので広く広く撮ってあげましょう。

広角レンズ(18mm以下くらいでしょうか)で撮った時には、より柱などが曲がりやすいので注意しながら撮りましょう。

このときは三脚を使って感度を低く設定してスローシャッターで明るめにきっちりと撮りましょう。

感度が低いほど豊かで繊細な色やグラデーションを表現できます。何もない白壁など一見寂しいかなと思いがちですが、以外と空間が表現されて気にならないことが多いです。

象徴的なものを撮る

店内や企業であればロゴマーク撮影は一応抑えておいた方が無難です。ロゴマークの前で人物に立ってもらっても◯です。

作家や職人の場合は、作品や商品撮影もしておきましょう。室内の雰囲気を残しつつ撮影しておくと記事に変化がでます。

インタビュー撮影時に気をつけること

インタビュー記事の注意点
インタビュー記事の注意点

撮影時の注意点

撮影しているときは、カメラマンはあまり難しい顔をしたり、首をひねったりするのはやめた方が無難です。

インタビュアーが不安になり表情が硬くなり撮影がうまくいかなくなる場合もあります。

にこやかに、最初はうまくいってなくても涼しい顔で撮り続けることが大切です。

数を撮る

数を撮ることは大切なことです。横顔や正面、斜め上から、煽り気味、さらにはアップや引きなど、あらゆる画角を撮りましょう。

人の顔はシンメトリーではありません。よりすっきり見える顎のラインが左右のどちらかにあるものです。そちらの横顔から撮った方が写真は決まりやすいです。

あんまり顔を見るのもアレなんですが・・・

それとインタビュイーと同色系の背景は避けましょう。

困ったときは

もしそれでも「いいカットが撮れてない!どうしよう!」となった場合は、場所を決め込み三脚を据えて待ちます。

何を待つかというと、インタビュイーがリラックスする瞬間です。

意外とファインダーを覗いてばかりいるとカメラマンの視野が狭くなっていることがあります。

そんなときは、三脚を据えて画角を決め込みオートフォーカスをやめてマニュアルフォーカスに変えます。

オートフォーカスが入っているとピントが合っていないときはシャッターが切れないからです。

マニュアルフォーカスに変えて、ファインダーを見るのをやめて、いい表情をしたときにシャッターを切ると、硬かったインタビュイーでもいい表情で撮れるかもしれません。

ずっと撮り続けてシャッター音が鳴り止まない状況よりも、落ち着く場合があります。

趣味や、休日の過ごし方などの話題をふってもいいかもしれません。いい表情が出ないときは、相手にリラックスしてもらいましょう。

まとめ)インタビュー写真はカメラマンに依頼しよう!

カメラマンに依頼しよう!
カメラマンに依頼しよう!

今回はインタビュー写真のあれこれについてお話ししました。

インタビュー写真は記事にとって大切なものですし、一回きりしかチャンスがない場合もあります。

そんな大切な写真は、プロに頼んでみるのはいかがでしょうか。

構図やライティングの知識、また経験によってスムーズに撮影が行えるはずです。

そして記事自体のクオリティが上がり、より「伝わる」記事になるのが一番大切なことではないでしょうか。

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