せっかくの買物や旅行も、自動車のスマートキーが効かなくなると楽しい気持ちも一気に吹き飛んでしまいます。
スマートキーのトラブル原因によっては、その場ですぐにできる対処法もあるので、ぜひ最後まで読んでしっかり準備しましょう。
どうしていいかわからない場合は、迷わずプロの鍵業者に依頼するのも手ですよ。
スマートキーとは?
スマートキーは車の鍵の開け閉めを楽にしてくれるアイテムです。スマートキーの特徴やキーレスキーとの違いをご紹介します。
ドアノブにタッチするだけで解施錠ができる
スマートキーを持ってさえいれば、ドアに近づくだけ・ドアノブに触れるだけ・フットセンサーで足を感知するだけでドアのロックを開けることができます。
例えば子どもがいて荷物が多いときや、雨の日に傘を持ちながらドアを開けたいときでも、手間取らずに開けることが可能です。
ただし便利である反面、何らかの理由でキーが動かなくなったときにドアを開けられないというトラブルに見舞われる可能性もあります。
キーレスキーとの違い
スマートキーと似たような働きをする鍵として「キーレスキー」があります。
キーレスキーとスマートキーの大きな違いは2つあります。以下の表にまとめました。
ドアの開閉 | エンジンをかけるとき | |
スマートキー | ボタン操作の必要なし | キーを操作する必要なし |
キーレスキー | ボタン操作の必要あり | キーシリンダーに鍵を挿す必要あり |
先ほど説明したように、スマートキーはドアの開閉時にボタン操作が必要ありません。
一方キーレスキーの場合はドアの開閉時にボタン操作を行う必要があります。
例えるならば、キーレスキーは「エアコンのリモコン」に近く、基本的にボタン操作を行うことで車を操作するもの、というわけです。
また、スマートキーは従来の鍵のように挿して使う場面がありませんが、キーレスキーは鍵として使用する場面がある点が大きな違いです。
例えばキーレスキーは、ドアを開けるまではスマートキー同様に鍵を使いませんが、エンジンをかけるときは鍵をさし回します。
一方スマートキーは、エンジンをかけるときに鍵をさし込んだりはしません。キーを持って車に乗り込めば、ボタンひとつで動かすことが可能です。
【緊急時】時間がない場合の対処法は?
さっきまで使えてたスマートキーが使えない。でも緊急の用事があり時間がなく、とにかくすぐに解決したい。そんな時の対処方法を紹介します。
焦る気持ちは分かりますが、手順はシンプルなので、とにかく落ち着いて一つ一つ対処することが大切です。
メカニカルキーを使って開錠する
とにかくその場ですぐに鍵を開ける必要がある場合は、メカニカルキーを使用しましょう。
メカニカルキーはスマートキーが効かなくなった際に使用するマスターキーのようなもので、一般的な鍵と同じ形をしています。
スマートキーの使用は3ステップで簡単です。
- スマートキーにあるツマミを確認
- ツマミを押さえながら、出っ張り部分を引き抜く
- ドアの鍵穴にキーを差し込み、左側に回す
時間がなくて焦ってしまいそうですが、落ち着いて使用しましょう。
メカニカルキーは、スマートキーでインロックがかかってしまった場合にも使うことができます。なるべく携帯しておくと、外出時のトラブルにも対処可能です。
警告音に注意しよう
メカニカルキーを使用する際の注意点は、鍵を開けた際に防犯用のイモビライザーの警告音が鳴ることです。
これは鍵を無理やりこじ開けられた場合のための、正常な反応なので仕方ありません。
解除の方法は次の4ステップです。
- 車内に入る
- ブレーキを踏む
- スマートキーのエンブレム部分を、エンジンの始動ボタンと接触させる
- エンジンの始動ボタンを押す
大きな警戒音が鳴っていて落ち着かない気持ちになりますが、冷静に対処しましょう。
スマートキーが反応しない・反応が悪い5つの原因と対処法
スマートキーが反応しない場合、とにかくすぐに解決したいからといって、ロードサービスに連絡すると損する可能性があります。
なぜなら原因によっては、自分で安く簡単に対処できる場合があるからです。
あらかじめスマートキーが反応しない原因と対処法を知っていれば、無駄な出費を抑えることができるます。しっかりインプットしましょう。
【原因①】電池が切れている
スマートキーの電池が切れてしまうと、何をやっても反応しません。電池切れかどうかの確認方法は車種によって異なります。
- ランプがついていない
- モニターに電池切れの表示がされている
【対処法】
対処法は新しい電池への交換です。電池交換を行うことで感度が上がります。
スマートキーの電池は、100均やコンビニでも簡単に手に入るボタン電池なので、その場で交換できるものもあります。
- メカニカルキーを引き抜く
- ツメの部分を引っかけて、ボタンカバーを開ける
- ボタン電池を新しい物と交換する
- カバーとメカニカルキーを元に戻す
車種によってはドライバーなどの工具が必要なタイプもあるので、事前によく確認しておきましょう。
電池を交換しても、正しくセットできていなければ反応しないしない場合があるので注意しましょう。
電池交換については以下の記事で詳しく説明しているので参考にしてください。
【原因②】ドアが完全に閉まっていない
ドアが完全にしまっていない半ドアの状態では、スマートキーは反応しません。
自動車は半ドアではロックしない仕組みになっており、ひと昔前のモデルであれば半ドアになるとアラームが鳴っていました。しかし、最近のモデルでは鳴らない物がほとんどです。
【対処法】
ドアをしっかり閉め、よく確認しましょう。半ドアの状態は、ドアと車体に隙間ができるので良く確認すればすぐにわかります。
【原因③】電波障害が起きている
スマートキーから発せられる電波に障害が起きて、車に届いてない可能性があります。
スマートキーは車に開閉指示の電波を送り、車が電波を受信することで開閉する仕組みです。
スマートフォンなどの電波を発するデバイスや、電波塔のような強力な電波を発している施設の近くでは、電波障害が起きることがあるので気を付けましょう。
【対処法】
スマートフォンなどの電波を発するデバイスから、スマートキーを離してから使用するとよいでしょう。
また、電波塔のような施設であれば移動することで反応しますが、移動が難しい場合はメカニカルキーの使用で対処できます。
【原因④】バッテリーが上がっている
自動車のバッテリーが上がっていると、車の電気設備が全て使用できないので、当然スマートキーにも反応しません。
【対処法】
自動車のバッテリーをブースターケーブルを使って充電することで対処できます。
この方法はブースターケーブルが手元にあり、バッテリーを接続させてくれる相手がいる時のみ可能な対処法です。
ケーブルもなく相手もいない場合は、メカニカルキーを使用することで開けることができます。
しかし、バッテリーが上がっていると自動車自体が動かないので、専門業者に連絡してバッテリーを充電してもらいましょう。
【原因⑤】スマートキー自体の故障
電池交換を正しく行っても反応しない場合、これまで紹介してきた原因に当てはまらない場合は、スマートキー自体が故障している可能性があります。
スマートキーを高いところから落としてしまったり、水没させてしまったりすると、内部の基盤が破損してスマートキーの故障に繋がるので注意しましょう。
【対処法】
スマートキーが故障した場合は、自力で修理することはできないため、ディーラーに行って修理してもらう必要があります。
また、連絡したらすぐに駆け付けてくれる鍵の専門業者もいるので、その場で対処したい場合は連絡してみると良いでしょう。
自分でキーレス故障診断を行うこともできる
FMラジオを使うことで、スマートキーが故障しているか否か診断することができます。
<トヨタ車のスマートキーの場合>
- FMラジオの周波数を78.6~78.5MHzに合わせ、キーレスボタンを押す
- キーレスから正常に電波が出ていれば、ラジオの音声に雑音が混ざったり、音量が下がったりする
しかしこれらは車種によって周波数が異なったり、FM電波を使っていなかったりする場合もあるので注意しましょう。
スマートキーのトラブルを防ぐには
スマートキーのトラブルは、ある日突然起こる事ではなく、日頃から気を付けておくことで防ぐことができます。
旅行で遠出した時にスマートキーがトラブルを起こすと大変なので、面倒くさがらずしっかり対処してトラブルを防ぎましょう。
予備の電池を準備する
スマートキーの電池の寿命は、一般的に1~2年とされています。
日常の生活圏で使用する場合であれば、万が一出先で電池切れになっても、すぐに代わりの電池が手に入るので問題になりません。
しかし、旅行などで遠出していたり、近くにお店がなかったりするとすぐに対処できません。このため、常に車に予備の電池を準備しておくことをおすすめします。
電池切れの前には必ず効きが悪くなるので、効きが悪くなったら面倒くさがらずにすぐに交換しておくことも大切です。
強い電波には要注意
スマートキーを強力な電波を発生するデバイス(スマートフォンやテレビのリモコン)の近くに置いておくと、電池の減りが早くなるので要注意です。
また実際に使用する際は、これらのデバイスの電磁波と干渉して誤作動を起こす場合もあります。
スマートキーの置き場所には日頃から気を付けておき、使用する際もスマートフォンから離して使用することが必要です。
最近ではこの手の誤作動は減っているようですが、車種やスマートフォンの種類によって相性もあるので、気を付けておくのが無難でしょう。
予備のキーを準備しておく
予備のキーを準備をしておくことで、メインキーが電池切れや故障で使えなくなった場合も、確実にトラブルを防ぐことができます。
- 購入時に純正キーを複数作製しておく(5万円程度)
- 鍵の専門業者で、スペアキーを複製しておく(1万円~2万円)
予備のスペアキーを準備しておけば、業者に開錠や複製を依頼するよりも時間が掛からないのでおすすめです。
予備のキーがあると精神的にも安心でき、旅行で遠出する時も心配が事が一つ減りますよ。
スマートキーの合鍵作成の費用や時間を詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてみてください。
スマートキーの仕組みとメリット、使い方
近年スマートキーの需要は増加してきており、搭載した車も増えてきています。
しかし、スマートキーがどのような仕組みなのか、また使い方のイメージが湧かない人もいるのではないでしょうか。
スマートキーの仕組みやメリット、使い方をご紹介します。
スマートキーの仕組み
スマートキーは車体側が発している、範囲の狭い電波を受けて反応します。キーと反応し合うことでドアを開けることができ、車も発進させることができます。
また近くにある他の車には反応しませんし、自車の場合でも近くにキーがなければ反応しません。
車にごく近い範囲にしか電波を発しないことで、防犯面にも一役買っているのです。
なおフットセンサーの場合は、電波の送受信とセンサーの連携によってハンドフリーでドアを開閉します。
スマートキーのメリットとおすすめの人
メリット | おすすめの人 |
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車の乗降がとても楽になることが大きなメリットです。
子どもを抱えていたり、両手に荷物を持っていたりしながらドアを開ける場面は多い方にはとてもおすすめです。
カバンの中から鍵を手探りで探し、鍵穴にさし込んで回すという手順を踏むのは、忙しい朝にはストレスとなります。
両手がふさがっているときでも、スマートキーであればスムーズに解鍵することが可能です。
またカバンからキーを都度取り出さないため、鍵を失くすリスクが減るのもメリットでしょう。
スマートキーの使い方
- ドアの開け方
カバンやポケットにスマートキーを入れた状態でドアに近づいたり、またはドアノブに触れたりすると、ドアのロックを解除することができます。
- エンジンのつけ方
パーキングの状態であることを確認してから、ブレーキを踏みつつスタートボタンを押します。カバンの中でもポケットの中でも、車の中にキーがあればOKです。
- エンジンの切り方
パーキングの状態でスタートと同じボタンを押すだけです。
- ドアの閉め方
またドアの鍵を閉めるときは、ドアを閉めてからノブに触れる、もしくは車から離れるだけで鍵をかけることができます。
スマートキーの注意点
とても機能的で使い勝手がよいスマートキーですが、注意すべき点もあります。
便利さゆえにキーの存在を忘れてしまうことで起きるミスや、防犯面で注意しなければいけないことなどもご紹介します。
防犯対策やトラブル対処方法を知っておくことで、万が一の際にも慌てずに対処することができるでしょう。
同乗者がキーを持って降りてしまう
スマートキーは運転者が持っていなくても、車の走行自体には問題ありません。しかしその利便性が、逆にトラブルの原因となることがあります。
例えば送迎の際などに、同乗者がキーを持ったまま車から出てしまったときです。同乗者が運転者にキーを渡し忘れて帰宅してしまった場合、キーがない状況で車が動いていることになります。
キーがなくても一度かかったエンジンは止まりませんが、エンジンを切った後は再始動させることができません。
もしこのようなケースに陥った場合は、車が急に道端で止まってしまうことはありませんので、慌てずに安全な場所まで走り続けるようにしましょう。
またキーは常に運転者が持っておくよう心掛けておくと安心です。
電波が傍受されるリスクがある
スマートキー対応車は、ピッキングによる車上荒らしを受けることは少なくなりました。
しかし近年では、電波を利用する新しい車上荒らし「リレーアタック」が横行しています。
本来なら車の近くにいなければドアが開かないものを、送受信の電波を増幅することで、離れていても開けられるようにしてしまう手口のことです。
このリレーアタックには「電波遮断ポーチ」が有効です。このポーチにキーを入れておくだけで外部の電波を遮断でき、車上荒らしを回避できます。
また出先だけでなく、自宅でも注意が必要です。自宅駐車場と家の中のキーの距離が近ければ、傍受されて車を開けられてしまうことがあります。
そのため、自宅でも遮断ポーチに入れるようにしましょう。
電波遮断ポーチは100均でも購入可能です。ここでは、おすすめの電波遮断ポーチを紹介するのでぜひ参考にしてみてください。
電池切れで動かなくなる
キー本体の電池切れはよくあるトラブルです。
急に動作しなくなるので慌てるかもしれませんが、コンビニなどで電池を買い、交換するだけでいつも通りに動作するようになります。
また電池切れかどうか分からない場合は、キーのボタンを押してみましょう。押したときに、ライトが光るかどうかで確認することができます。
ライトが点灯しない場合は、電池切れである可能性が高いです。
電池切れを起こさないよう、1〜2年に1度は電池交換するよう心掛けましょう。
スマートキーの電池交換の詳しい方法を知りたい方は、以下の記事を参考にしてみてください。
試してみてできなかった場合はプロに任せよう!
夜間や祝日、周りに助けを頼める人がいない状況でトラブルが起きると、どうして良いかわからずパニックになるものです。
そんな急な状況でも、現場に駆けつけてくれる便利で安心できるサービスがあるので、遠出する予定がある時は事前に良く確認しておきましょう。
鍵業者
プロの鍵業者に依頼するメリットは、開錠から鍵穴や鍵の作製まで一貫して依頼できる点です。
自分で無事に開錠できたとしても、リモートキー自体に問題があった場合はそれだけでは根本解決になず、再びトラブルが発生します。
もう一つのメリットとして、トラブル解決のスピードが速いことが挙げられます。プロの鍵業者は豊富な経験があるので、トラブルの原因を正確に把握した上で、間違いのない対処法で解決することが可能です。
自分で対処する場合は、情報を調べながらになるためどうしてもスピードがでません。鍵業者の費用は次の通りです。
- 開錠:1万~2万円
- 鍵の作製:1万5000円~2万円
業者によっては別途出張費用が掛かる場合もあるので、事前によく確認することが大切です。24時間対応してくれる鍵業者には「鍵猿」や「鍵110番」があります。
ロードサービス
自分で対処できず、バッテリー充電を頼める人が周りにいない場合は、「JAF」のロードサービスに連絡しましょう。ロードサービスは24時間365日対応可能で、現地に駆け付け対応してくれます。
会員でなくても依頼は可能ですが、同じ時間にトラブルが多発した場合は、会員の対応を優先するため時間が掛かる可能性があることも覚えておきましょう。
ディーラー
急ぎでトラブル対応する必要がない場合は、カーディーラーに依頼する方法もあります。リモートキーのトラブル原因で費用と期間も変わってきます。
- 電池交換:500円(5分)
- リモートキーの修理:1万円~1万5000円(7日程度)
落下や水没が原因でなく、普通に使用していてリモートキーが故障した場合は、保証期間であれば無料で修理してくれる場合があります。
ミツモアでプロの鍵業者に見積りを依頼しよう!
自動車のスマートキーが効かなくなると、どう対処して良いかわからずパニックになってしまい、せっかくの楽しい買い物や旅行が台無しなってしまいます。
自分で対処できるトラブルであれば良いですが、そうでなかったり自信がなかったりした時は、迷わずにプロの鍵業者に連絡しましょう。
開錠だけでなく、スマートキー自体に問題があれば作製も実施してくれますよ。
ミツモアで簡単な質問に答えて見積依頼
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