車にインロックがかかると焦ってしまいがちですが、正しい対処法を知っていれば落ち着いて行動することができます。この記事では、状況別の対処法と効果的な予防策について紹介していきます。
【状況別】インロックで困った時の4つの正しい対処法
インロックがかかってしまったら、まずはスペアキーで開けるか業者に頼むかの2つの方法を考えましょう。これらに頼ることで確実かつ適切に対処することができます。
対応スピード | 料金 | |
---|---|---|
スペアキー | 持っている場合は即開錠できる | 無料 |
119番に通報 | 到着まで:距離による
開錠:30分以内(窓ガラスを割る) 鍵作成:対応なし |
30,000〜50,000円 |
鍵屋 | 到着まで:距離による
開錠:30分~1時間 鍵作成:1時間~即日 |
8,000〜15,000円 |
ロードサービス | 到着まで:距離と依頼状況による
開錠:30分〜2時間 鍵作成:対応なし |
会員:無料
非会員:13,000〜15,000円 |
スペアキーを用いる方法が最も簡単ですが、業者に頼む場合はその時の緊急度や状況を考慮して選択すると良いでしょう。
スペアキーがあれば解決は簡単!
最も簡単かつ費用がかからない方法です。新車の購入時にはスペアキーがついています。
普段からスペアキーを持ち歩いていれば、その場ですぐ開錠できます。家に保管していてすぐに用意できない場合は、タクシーなどでその場所に取りに戻るか、家族や知人に頼んで持ってきてもらいましょう。
しかし「そのような時間はない!」という緊急度が高い場合は、鍵屋やロードサービスに対応してもらいましょう。
【子どもやペットが閉じ込められたとき】緊急のときは119番通報で窓ガラスを割る
もし子どもやペットが閉じ込められている場合は、すぐに119番通報しましょう。
特に夏場にインロックがかかると大変です。気温35度以上の炎天下でエアコンをつけていない車内に閉じ込められてしまうと、たったの15分で脱水症状や熱中症を招くほどの危険なレベルになると言われています。
救急隊を呼ぶと、ピッキング開錠はせず直接窓ガラスやドアを破壊して救助することになるため、時間がかかる心配はありません。
窓ガラスの修理代は安くても30,000〜50,000円ほどかかってしまいますが、命の危険性が及んでいる場合は迷わず119番にかけましょう。
【時間をかけずに鍵を開けたい】すぐに対処したい場合は鍵屋に依頼
早く確実に対処したい場合は、鍵屋に依頼するのが一番です。開錠だけでなく、新しい鍵の作成まで依頼することができます。
24時間営業の鍵屋もあるので、時間帯を気にすることなく依頼可能。また鍵屋は全国対応可能な場合が多く、対応エリア内であれば電話1本ですぐに駆けつけてくれます。
支払い方法にも柔軟に対応してくれる場合が多く、その場で開錠・鍵交換費用が用意できなくても安心です。
鍵開けの料金はインロックの性能の差や、国産車か外国車かによって異なります。国産車であれば8,000円程度が相場になりますが、外国産車だと15,000円程度が目安となるでしょう。
鍵作成を依頼する場合は、鍵屋によっては作成できる鍵と作成できない鍵があります。鍵屋が作成可能な鍵であるかどうかを判断するための情報として「鍵の種類」「キーの形状」「イモビライザーの有無」の3つが必要になってきます。
【時間がかかってもコストを抑えたい】ロードサービスに頼ろう
JAFのロードサービスは自動車トラブルの解決を専門に行うプロなので、こちらも安心して確実に対処を任せられます。
JAFの会員であれば無料で鍵を解錠してくれます。非会員の人でも13,000〜15,000円ほどで依頼可能です。契約している自動車保険の内容によっては、解錠や鍵の作成などのロードサービスが含まれていることがあるので、一度確認してみましょう。
どの時間帯でも対応してくれるため、夜遅くにインロックに遭っても呼び出すことができます。ただし鍵屋と比べて対応が遅くなってしまう可能性があるので、注意しましょう。
ロードサービスは鍵開け専門ではないので、車の故障・事故など色々なトラブルに対応しているため、依頼が殺到していると到着が遅れることがあるのです。
業者に頼らず自力で開錠するのはリスク大
業者に頼れば確実に対処することができますが、多くの場合多額のお金がかかってしまいます。スペアキーがすぐに用意できず、コストを低く抑えたいという人は自力で解決してみるというのもひとつの手です。
その場合、全ての車種に対応しているわけではありませんが、身近なものを使用して解除する方法があります。ただ、自分で無理やりこじ開けようとすると、車が破損してしまう可能性があるので注意も必要です。
自分で開ける際にはリスクがつきもの
専門知識がない状態のままインロックを解錠しようとすると、かえってトラブルの悪化に繋がってしまうことも。安易に自力で対処しようとする前に、考えられる3つのリスクを確認しておきましょう。
①鍵を傷つけるリスク
鍵はデリケートな精密部品です。鍵を傷つけたり破壊したりするリスクを最小限にしたいのであれば、技術を備えたプロに依頼することがベストでしょう。
②車体を傷つけるリスク
慣れていない状態での自力作業は、鍵以外にもドアや車体を傷つける可能性を高めてしまいます。道具を鍵以外の場所にぶつけたり、擦ったりしてトラブルを拡大してしまいかねません。
③コストが高くなるリスク
もし鍵穴の中が傷つくと、正確な形の鍵でも開錠しにくくなってしまいます。そのため「自分で開けられずに後から鍵屋に依頼した」という場合には、解錠作業の難易度が上がるため費用も高くなるのです。
やってはいけないNG行動
焦っている時はついつい自力での対処に走ってしまいがちです。さらなるトラブルを引き起こさないために、ここでは絶対に避けるべきインロック時のNG行動を確認していきましょう。
①強引にいじる
突然のトラブルに遭遇すると、つい力任せで部品を扱ってしまい破壊のリスクが高まります。鍵・ドア部品は繊細に作られているのでやさしく扱うことを心がけましょう。
②ピッキングで開ける
ピッキングとは、針金などを使って無理やり鍵穴のロックを解こうとする対処法です。ピッキングは本来、プロが専用の道具を使って解錠する方法です。 素人が行うと車を傷つけてしまう可能性があるので絶対に避けましょう。
テレビや動画などであたかもピッキングは簡単であるかのように紹介されていますが、実際にはそんなに簡単ではないため、安易な真似やピッキング用具の購入も避けるべきです。
③窓ガラスを割る
自分自身にふりかかる危険と他人にかける迷惑のことを考えると、うかつに窓ガラスを割ることは避けるべき行動です。車の窓ガラスはかなり高い強度を持っています。
また窓ガラスの修理費も30,000〜50,000円と高くつくので、緊急時以外はむやみに破壊してしまわないようにしましょう。
自力での対処法3選(ハンガー、テニスボール、ひも)
身近なものを使って自力で解錠できる方法もいくつかあります。費用は安く抑えることができますが、以下の3つの方法は車が破損する危険性もあるということを念頭に置いておくべきです。
①ハンガーで開ける
車のドアやガラスを傷つけるだけでなく、窃盗と間違えられる可能性が高いのでおすすめできませんが、ハンガーで鍵を開けることができます。この対処法は、新車や不正解錠対策がされている車には対応できません。
- 最初にハンガーを伸ばして先端をフックのように加工する
- 次にドアストッパーになるものを車のドアに入れて隙間を作る
- 隙間からハンガーを入れて先端を鍵に引っ掛けて解錠する
実際には一筋縄で解錠できる方法ではなく、施錠しているドアの隙間を作るにはかなりの力が必要です。さらにドアの隙間を作る時には片手しか使えないため、対処にはかなりの労力と時間がかかります。
②テニスボールで開ける
古い車限定にはなりますが、テニスボールの空気圧を使って鍵を開ける方法もあります。なおピンポイントで空気を送り込む道具さえあれば、テニスボール以外でも解錠できる可能性はあります。
- 最初にカッターでテニスボールに鍵穴くらいの大きさの穴を開ける
- 次に鍵穴にテニスボールを当てて思いっきり潰す
- 鍵穴に空気が送り込まれたことによる空気圧で鍵を開ける
やり方は比較的簡単に見えますが成功率はそれほど高くないので、他に頼る手段がないという場合の予備知識として覚えておきましょう。
③ひもで開ける
ひもを使って鍵を開ける方法は、古い車種かつロックピンがある車でしか通用しない方法なので注意が必要です。また、四角いツマミではなく、細長い形のツマミのほうが成功する確率は上がります。
- 最初に長めの紐を用意して真ん中で結び目を作る
- ドアストッパーなどをドアに入れて隙間を作る
- 車内に紐を入れて結び目をロックピンに通し、結び目を締めて鍵を持ち上げて解錠する
手動で開閉するドアロックのツマミは、滑り止め用のくぼみやギザギザがついています。コツとしては、その部分にひもの輪が引っ掛かるように締めると、ツマミがひもから抜けにくくなります。
インロックが起こるそもそもの原因
インロックの原因はさまざまですが、いちばん多いのはスマートキーの不調です。なぜインロックが起きたのか分からないという人の疑問を解決するため、インロックが発生するいくつかの原因を見ていきましょう。
鍵が車内に置きっぱなし
車内にスマートキーがあれば電波が受信できると思い、安心して鍵を車内に置きっぱなしにしてしまうケースがあります。
電波を受信できる範囲は限られているので、車内の端に鍵があるとスマートキーが反応しません。また電波の範囲内にスマートキーがあると、オートロックがかかる車種もあるので注意が必要です。
鍵を差し込んで施錠するタイプの車だと、そもそも鍵を出すのが面倒になってしまいあらかじめロックをかける人もいますが、その状態でドアを閉めるとインロックがかかってしまいます。
また施錠した状態でもトランクだけを開けられるスマートキーだと、トランクの中に鍵を置いたまま誤って閉じてしまうケースも。
スマートキーの電池切れ・電波障害
スマートキーは車体側と鍵側とで、電波を使って信号を送受信しています。
しかしキーが電池切れしたり、ノイズによって電波が遮断されたりすると、車が「スマートキーが離れた」と誤って判断してインロックが起きてしまいます。
テレビ塔や発電所、スマートフォンの近くなどは強い電波が発生しているので注意が必要です。また渋滞時など、多くの車が混み合っているときにも電波が干渉してしまうことがあります。
また金属製のものとスマートキーを一緒に持っていると、電波の遮断が起きてしまうこともあるので注意が必要です。
アンテナの誤認
自動車には車内用と車外用の2種類のアンテナがあり、それぞれ車内に鍵があること、車外に鍵があることを認識します。
しかしそのアンテナが誤作動してしまうと、「本当は車内に鍵があるのに、鍵が外にあると誤認」してインロックになることも。
特にドアポケットやインストルメントパネルの上などにある鍵は、車の中か外のどちらにあるのかという判断が曖昧になりやすい場所です。
カーテシスイッチの不良
一部の車種に搭載されている「カーテシスイッチ」は、ドアが開いたかどうかを認識する機能を持っています。
スマートキーで開錠したあとにドアを開けなかった場合、鍵の閉め忘れを防ぐために数秒後に自動で再度ロックする機能があるのです。
閉め忘れ防止機能は便利ですが、カーテシスイッチに不具合が起きていると、ドアが開いたにもかかわらず自動でロックをかけてしまうことがあります。
子どもやペットの誤り
インロックの仕組みを理解していない子どもが誤って鍵を閉めてしまったり、ペットが鍵を閉めてインロックになってしまうことがあります。
車内に子供やペットを残して出るときには、キーまたはスペアキーを持って車から降りる、または子供やペットの手に届かないところにキーを保管するようにしましょう。
インロックを二度と起こさないために
いったん予想外のインロックが起きると解錠するのは大変です。対処するのに余計なお金と時間がかかることが多く、場合によっては窓ガラスを割らざるを得ない状況になるかもしれません。
面倒なことに陥らないためにも、未然にインロックを防止する方法を知っておく必要があります。
スペアキーを用意する
スペアキーがあれば、万が一インロックになってしまってもスムーズに対処できます。財布の中やキーケースなど、普段から持ち歩くものの中に保管しておきましょう。
スペアキーを持ち歩くのはかさばるから嫌だという人は、小さいサイズのメカニカルキーを持ち歩くことをおすすめします。
そもそも持ち歩くのが不安だという人はバンパーの裏側など車外にスペアキーを取り付けるという手もありです。運転中にスペアキーが外れないように磁気テープなどでしっかり固定することもお忘れなく。その際、家族以外にはスペアキーの位置を教えないようにしましょう。
定期的なスマートキーの電池交換
スマートキーの電池が切れると途端に使えなくなるので、電池の交換はこまめにしておきましょう。
大半のスマートキーは、車内で電池残量を確認できる仕組みになっています。その表示を定期的にチェックしておくのがおすすめです。
電池残量が少なくなってくると電波が弱まり、不意にインロックを招いてしまいます。スマートキー用の電池を常に車に積み込んでおき、不足してきたらすぐに交換できるように備えておきましょう。
またスマートキーの中には、スマホと連動できるものがあります。スマホ用のアプリでも施錠・開錠ができるので、対応している場合はインストールしてみてはいかがでしょうか。
常にスマートキーは持ち歩く
たとえ短時間であっても、車を使わない時以外はキーは肌身離さず持ち歩くようにしましょう。「ちょっとだけだから」と油断してキーを持たずに車から離れると、ふとした拍子にインロックがかかってしまいます。
とくにエンジンスイッチにキーをさしたまま車から離れてしまう人は注意が必要です。
またスマホで施錠・開錠をしている場合は、スマホの充電にも注意しましょう。充電が切れた時のためにも、スマホだけに頼らず、スマートキーとあわせて所持しておくことが必要です。
スマートキーの保管場所に注意する
スマートキーを鞄の中に入れていても、何かとぶつかった拍子にスイッチが勝手に押されたり、スマホの電磁波の影響を受けてスマートキーに不具合が起きやすくなったりします。
そのためスマートキーを保管するときは、内ポケットを使い分けたり、専用のカバーケースを使ったりするのがオススメです。
どこにスマートキーを置いたか忘れてしまい、荷物を上に置いた衝撃でインロックをかけてしまう可能性もあります。スマートキーを身につける箇所をあらかじめ決めておき、外出する際は常に持ち歩くなど対策が必要です。
カーテシスイッチをチェックする
カーテシスイッチの不具合が起きていると、勝手にインロックされる可能性があります。
カーテシスイッチの不良を防ぐために、車のドアを開けた時にカーテシスイッチが正常に作動しているか定期的にチェックしましょう。
半ドアインジケーターとルームランプが点灯していれば、正常に作動している証拠です。
子どもやペットと行動を共にする
少しの間であっても、子どもやペットを車内に残しておくのは危険です。誤ってインロックになってしまうだけならまだしも、真夏の暑い時期に車内に閉じ込められると命に危険が迫ります。
子どもやペットを連れている運転手は必ず行動を共にし、インロックの被害を防ぎましょう。
どうしても子どもが「キーを持ちたい」と言ってきたらリモコン部分だけを渡すようにするといいでしょう。リモコンによる操作でインロックがかかってしまっても、メカニカルキーで開錠できるので安心です。
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この記事では、インロックが起こった時の対処法や予防法についてご説明しました。インロックが起こっても様々な対処法があるので、落ち着いてひと通り試してみると良いでしょう。
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