空き巣が発生したニュースを見ると、「自分の家は大丈夫かな」と不安になってしまいます。空き巣を防ぐためには、玄関ドアの防犯対策が効果的です。防犯性の高い鍵やおすすめの防犯グッズ、鍵の交換を業者に依頼する場合の注意点を紹介します。
空き巣が使う主な手口
空き巣が玄関ドアを不正に開ける手口は、大きく3種類あります。どの手口も解錠するまでにほとんど時間を要しません。具体的にどのような手法なのか、詳しく見ていきましょう。
ピッキング
ピッキングとは「ピック」と「テンション」と呼ばれる二つの工具を使用して、鍵を開ける技術です。対策がされていない鍵であれば数秒から数分で解錠でき、ピックとテンションは針金やクリップなど、簡単に手に入るもので代用が可能です。
鍵穴は外筒・内筒といくつかのピンでできており、鍵が閉まっている状態では、内筒と外筒の境目でピンが回転の邪魔をしています。鍵を入れるとピンがちょうどよい高さに動き、内筒が回ることで鍵が開きます。
ピッキングはテンションとピックを使ってピンを移動させ、内筒を回転させて鍵を開けるのです。
サムターン回し
サムターンとは、部屋の中にある玄関ドアのつまみを指します。そのサムターンを外側から回してしまう手口がサムターン回しです。内側から開けやすい構造になっている玄関ドアの弱点を突いた手法です。
サムターン回しは玄関の隙間や工具を利用して行われます。代表的な手口は以下の通りです。
- ドアの側面や上部にある隙間に工具を入れて解錠する
- ドアスコープやドアノブを壊し、工具を中に入れて解錠する
- ドアに付いている郵便受けを壊し、中に手や工具を入れて解錠する
- ドリルで穴を開け解錠する
ドアの隙間やドアスコープを使用した手口では、音があまり出ません。ドリルで穴を開ける場合も数十秒しかかからないため、周囲の人が気付くのは困難といえるでしょう。
カム送り
カム送りは「バイパス解錠」とも呼ばれる手口です。「シリンダーカラー」と呼ばれる鍵穴が付いた出っ張りとドアの間に工具を差し込み、鍵の内部から解錠します。ただし、この技術は全ての鍵に対して適応できるわけではありません。
国内鍵メーカーである「美和ロック」「堀商店」「ゴール」「ショウワ」の計15種類の鍵が、カム送りで解錠できると警視庁から発表されています。自宅の鍵が対象になっているか確認しておきましょう。
防犯性の高い鍵の種類は?
対策していない鍵はピッキングやサムターン回しですぐに解錠されてしまうため、鍵の交換を検討したい人もいるでしょう。どのような種類の鍵を選べば、防犯性が高まるのでしょうか?
ディンプルキー
ディンプルキーは一般の鍵よりも「理論鍵違い数」が非常に多く、防犯性が高くなっています。理論鍵違い数は鍵のパターン数を表しており、理論鍵違い数が100万の場合、100万通りの鍵があります。
通常の鍵の理論鍵違い数は約100万~1億前後ですが、ディンプルキーは約100億~1,000兆です。理論鍵違い数が多いほど、鍵内部のピンの位置をそろえる組み合わせが多くなるため、ピッキングが難しくなります。
また通常の鍵はピンが一方向しか付いていませんが、ディンプルキーは上下左右に付いているため、ピッキングの防止効果が非常に高いといえるでしょう。
指紋認証錠・暗証番号錠
指紋認証錠や暗証番号錠も防犯性の高い鍵です。指紋認証錠は、専用のセンサーに指紋を当て、登録済みの指紋と一致すれば鍵が開きます。鍵穴がないため、ピッキングは不可能です。
また鍵が不要なので紛失する心配がなく、合鍵を作られたり暗証番号が漏れたりする心配もありません。指紋が薄い人や指をケガしたときに読み取りが難しいデメリットもありますが、非常にセキュリティが高い鍵といえるでしょう。
暗証番号錠は、設定した暗証番号を入力すれば解錠できます。鍵を持ち歩く必要がないため、紛失の心配がありません。オートロック機能が付いているものもあり、閉め忘れても安心です。
ただし同じ暗証番号を使用し続けると他人に漏れたり、暗証番号に該当するボタンだけ擦れて解読されたりする危険性もあるため、定期的に暗証番号を変更する必要があります。
脱着式サムターン
脱着式サムターンを玄関の鍵に採用すれば、サムターン回しを防止できます。脱着式サムターンとは、名前の通りサムターンを取り外せる鍵です。鍵を閉めた後にサムターンを外すことで、内側から鍵を回せなくなります。
空き巣の防止だけでなく、認知症の人のうろつきや子どもが家を飛び出すのを防ぐことも可能です。急いでいるときや急な外出のときなど、取り外しを忘れてしまうことがあるので、注意する必要があります。
おすすめの玄関用防犯グッズ
玄関のドアに簡単に付けられる鍵や、防犯効果のあるライトなど、おすすめの玄関用防犯グッズを紹介します。工事不要で取り付けられるものだけを紹介するので、防犯対策をしたい人は検討してみてはいかがでしょうか。
取り付け金具をドアに付け、その先端に補助鍵本体をセットするだけと取り付けも簡単で、ドアが傷つくこともありません。簡単かつ高い防犯効果を求める人におすすめです。
空き巣がセンサーライトの近くを通ると、ピカッと光り威嚇します。周囲に見られたのではないかとおびえさせ、犯行を途中でやめさせる効果が期待できるでしょう。
省エネに優れたLEDを採用しており、好みに合わせて点灯時間を5秒~10分の間で調整できる機能もあります。夜間は自宅周りが暗く、不安を感じている人におすすめです。
夜間であっても鮮明な映像が撮れるため、仮に犯行が行われたとしても、犯人の手がかりを得られる可能性が高まるでしょう。SDカードに記録されるので、パソコンで映像を確認できます。
左右に付いたライトは自由自在に動き、駐車場や玄関などに付けても目的の場所をしっかり照らせるでしょう。ライトで犯行を未然に防ぎつつ、犯行が行なわれても証拠を残す、非常に防犯性の高いアイテムです。
鍵の交換は専門業者に依頼しよう
玄関ドアの鍵を工事などで本格的に交換する場合は、専門の鍵業者に依頼する必要があります。その際に気になるのが「交換にかかる費用」でしょう。鍵の交換にかかる費用相場や、業者選びをする際に行いたいことを紹介します。
鍵の交換にかかる費用相場
鍵の交換費用は業者によってさまざまですが、交換する鍵の種類や、鍵を交換する際にどんな作業が必要かによっても変わります。費用の目安は以下の通りです。
- ディンプルキー:15,000~35,000円
- サムターン:10,000~40,000円
- 暗証番号錠:20,000~100,000円
- 指紋認証錠:20,000~300,000円
暗証番号錠や指紋認証錠の料金は高めですが、設置後はメンテナンス不要で、セキュリティが大幅に向上することを考えると、悪くない投資といえます。
また同じ鍵でもいくつか種類があり、それぞれ料金が異なるため、まずは見積もりを取るのがおすすめです。
業者選びは一括見積もりで
業者を選ぶ際は、複数の業者から見積もりを取るのがおすすめです。複数の業者の料金を比較することで大体の相場が分かり、高すぎる業者は選択肢から除くことができます。
ホームページを確認するだけでは、「作業代・部品代は別」と記載している業者もあり、正確な料金を把握できない場合があります。必ず複数の業者から見積もりを取るようにしましょう。
複数の業者から一度に見積もりを取りたい場合は、見積もりのプラットフォーム「ミツモア」がおすすめです。いくつかの簡単な質問に答えるだけで最大5社から見積もりが届くため、業者選びに迷ったらぜひ利用してみてください。
玄関ドアの防犯対策をしよう
玄関ドアはさまざまな手口によって、不正に解錠されてしまう危険があります。空き巣の犯行を未然に防ぐためにも、自分で取り付けられる防犯グッズを使ったり、防犯性の高い鍵に変更したりするとよいでしょう。
鍵の交換を業者に依頼する際は「ミツモア」を利用した一括見積もりがおすすめです。あなたにぴったりの業者が見つかるでしょう。