家主の留守を狙って金品を盗む「空き巣被害」は、意外に身近な犯罪です。空き巣に遭うのを防ぐには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?長期間留守にするときだけでなく、毎日の防犯にも役立つ対策を紹介します。
空き巣被害に遭いやすい家の特徴
空き巣に遭いやすい家には、共通点があることをご存じでしょうか?空き巣は犯行前に、どの家が犯行を行いやすいか下見して、侵入する家を決めます。防犯のために、侵入手口や被害に遭いやすい家の特徴を知っておきましょう。
空き巣が侵入する手口は?
空き巣がどのように侵入するのか理解すれば、適切な防犯対策につなげられます。侵入手口には、下記のようなものがあります。
ガラス破り | ドライバー・ハンマーなどの鈍器を用いる「こじ破り」「打ち破り」、ライターでガラスを熱して温度差を利用してヒビを入れる「焼き破り」などの方法で窓ガラスを割る |
ピッキング | 鍵穴に特殊な金属棒を差し込んで鍵を開ける |
サムターン回し | 室内側にあるサムターン(ドアノブに付いている金属のつまみ)を外から回して侵入する
鍵穴の近くにドリルで穴を開けて解錠するなどの手法がある |
ドアのこじ破り | バールなど強度がある工具を使って、玄関・勝手口などのドアをこじ開ける |
ピッキングは数秒、サムターン回しは数分と短時間で解錠可能といわれています。音を立てずに侵入する方法もあるため、近所の人も気が付かないかもしれません。
また玄関や窓の施錠がされておらず、被害にあうケースもあります。基本的な話になりますが、戸締まりをしっかり行うことは最低限の空き巣対策です。近所のスーパー・コンビニへの買い物やゴミ捨てなど、数分家を離れるタイミングを狙われるかもしれません。近場とはいえ、戸締まりの油断は禁物です。
被害に遭いやすい家の特徴
空き巣が侵入しやすい家の特徴を知れば、自宅が被害に遭いやすいかが分かります。被害に遭いやすい家には、下記のような特徴があります。
不在であることが分かりやすい | ポストに新聞・手紙などがたまっている
夜になっても部屋の電気がついていない |
防犯意識が低い | 玄関や窓を開けたままにしている
侵入しやすい足場などがある |
見通しが悪い | 高い壁・木があって中の様子が分からない
窓に目隠しが付いており、室内の様子が見えにくい |
近くに公園・観光地がある | 犯行をした後に紛れやすい人ごみがある
空き巣のための作業をしても周囲の騒音にかき消される |
当てはまる項目がないか、一度確認してみましょう。
空き巣の侵入を防ぐ方法
自宅が空き巣に遭いやすい立地だったとしても、適切な対策をすれば浸入を防ぐことができます。空き巣被害を防ぐ方法には、どのようなものがあるのでしょうか?有効な対策を四つ紹介します。
死角をなくして見通しをよくする
窓や玄関ドアの周辺にブロック塀や背の高い木があると、誰にも見られずに犯行を行えるため、狙われやすくなります。ブロック塀をフェンスに換えて見通しをよくすれば、侵入が難しくなるでしょう。
フェンスにするのが難しい場合は、防犯カメラを設置したり、歩くと音が出る防犯砂利をまいたりするのもおすすめです。防犯意識が高い家だとアピールできるため、空き巣をけん制する効果も期待できます。
玄関に防犯性の高い鍵を取り付ける
空き巣に「侵入に時間がかかりそうだ」と判断されれば、被害を受けにくくなります。以下は、防犯性能が高い鍵の一例です。
ディンプルキー | 表面に複数のくぼみ(ディンプル)が開いている鍵
パターンが数十億~数千億通りあると言われる「ディンプルシリンダーキー」や、防犯性の高い建物部品に付けられる「CPマーク」の鍵だと、特に安心 |
暗証番号錠 | あらかじめ設定した暗証番号を入力して解錠するタイプのキー
暗証番号が解読されにくければ、高い防犯効果が期待できる |
指紋認証錠 | 指紋を専用のセンサーに当てて読み取り、登録情報と合致すれば開く
第三者に勝手に解錠される心配がない |
侵入に10分以上かかると、空き巣のほとんどは犯行を諦めるといわれています。防犯性の高い鍵に交換すれば、侵入しにくい家だと思われるでしょう。
センサーライトを設置する
センサーライトとは、人の存在を認識して自動的に点灯・消灯する照明設備です。建物に不審人物が近づくと明るく照らすため、犯罪を抑止する効果が期待できます。
また防犯意識が高い家であることを空き巣に認識させられるので、狙われにくくなるのです。空き巣に限らず、いたずらなど暗闇で発生する可能性のあるさまざまな不審行為を予防できるでしょう。
窓に補助錠を取り付ける
補助錠とは、窓のサッシ部分やガラスに取り付ける防犯用の鍵です。補助錠をかけておけば、外から窓を開けられなくなります。
窓を割れば補助錠は開けられますが、侵入の手間になることは間違いありません。また元から付いている鍵と補助鍵の両方を開けるには、窓に2カ所の穴を開けなければならないので、2倍の手間がかかります。
侵入に時間がかかることをアピールするためにも、補助錠は効果的でしょう。
もし空き巣被害に遭ってしまったら?
気を付けていても防ぎきれず、空き巣に遭ってしまうこともあるかもしれません。万が一被害に遭ってしまったら、どのような手順を取ればよいのでしょうか?パニックにならないように、流れを知っておきましょう。
警察に連絡して被害届を出す
空き巣によりドアが壊されたり、窓が割られたりした場合は、警察に連絡をして被害届を出しましょう。盗まれたものがあった場合は、盗難届も出すことになります。
被害届や盗難届は、保険の手続きをするときにも必要です。出したら必ず受理番号を控えておきましょう。
カード会社・保険会社に連絡する
もしも部屋に置いていたキャッシュカードやクレジットカードが盗まれてしまったら、すぐにカード会社に連絡し、使用を停止する手続きを取りましょう。不正な引き出しや利用を防ぐとともに、犯人の使用履歴を追うこともできます。
また被害届・盗難届が受理されたら、保険会社に連絡しましょう。加入している火災保険などに盗難補償が付いていれば、被害にあったときに損害が補償されます。家財保険に入っている場合は、盗まれたものが補償対象に当てはまる可能性があるため、保険会社に確認しましょう。
賃貸住宅に住んでいる場合は、管理会社や大家さんに空き巣被害に遭ったことを報告します。空き巣が侵入するときに破壊した箇所の修繕をお願いしましょう。
鍵の交換や取り付けにかかる費用
空き巣に入られてしまうと、被害届や保険会社への連絡など多くの手続きがいるだけでなく、精神的なダメージも追います。防犯性を高めるためにも、鍵の交換や補助錠の取り付けを検討してみてはいかがでしょうか。
鍵の交換や取り付け費用の相場
鍵を交換する場合の相場は、下記の通りです。
鍵の種類 | 費用相場 |
ディンプルキー | 15,000~25,000円 |
電子錠 | 25,000~100,000円(鍵の種類によって変わる) |
補助錠(取り付け) | 9,000~18,000円 |
電子錠には生体認証錠などの鍵を持ち歩かないキーレスタイプや、カードタイプがあります。キーレスタイプの鍵は他のタイプに比べて初期費用がかかりますが、防犯性が高まるため、空き巣被害を防ぎやすくなります。
補助錠とは防犯性を高めるために本来の鍵とは別に取り付ける鍵のことです。ドアチェーンや電子錠など種類によって価格が変わるため、予算も考慮して検討しましょう。
「一括見積もり」で費用を抑えよう
鍵交換の価格をよく知らずに申し込むと、相場より高い費用を払ってしまい、後から悔しい思いをするかもしれません。複数業者から見積もりを取る「相見積もり」をすると、価格が明確になり相場を理解できます。
相見積もりを取るなら、複数の業者に一括で依頼できるサービスを利用すると便利です。ミツモアなら選択肢をクリックして必要事項を選ぶだけなので、たった2分で見積もり依頼ができます。
最大5人のプロから見積もりが取れるので、チャットをして依頼する業者を決められます。いろいろな業者に電話する手間がかからず、費用を比較しながらスピーディーに鍵交換ができるでしょう。
空き巣被害に遭わないために対策を
空き巣に狙われないためには、被害に遭いやすい家の特徴や、侵入手口を知ることが大切です。自宅にあわせた対策を取れば、セキュリティを高められるでしょう。
すぐ行える対策としては、「鍵を防犯性の高いものに交換する」「補助鍵を取り付ける」などがあります。複数業者に見積もりを依頼して、納得のいく値段でプロに依頼してみてはいかがでしょうか。