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【税理士監修】開業届を出すベストタイミングは?

最終更新日: 2019年12月21日

開業届を出すベストタイミングをご存知ですか?開業届を出すのを後回しにすると、税金面で損をする可能性があります。損をするリスクを避けたいなら、開業届を出す適切なタイミングを知っておかなければなりません。

ここでは、開業届を出すベストタイミングと、提出する際に注意すべき点について解説していきます。

この記事を監修した税理士

越智聖税理士事務所 - 愛媛県松山市天山

 
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「開業届」を出すべきタイミング

開業届を出す画像
開業届を出すタイミング

適切なタイミングで開業届と青色申告承認申請書を提出すれば、青色申告控除を受けられ、節税効果を得られます。ベストタイミングで提出すれば、事業にかかる負担をより小さくすることができます。

まずは、開業届をどのタイミングで提出すべきか見ていきましょう。

開業届は開業日から1カ月以内に出す

開業届の提出は開業日から原則1カ月以内と決まっています。

所得税法第229条では、「届出書を、その事実があった日から1月以内に、税務署長に提出しなければならない」と定めています。「その事実があった日」というのは開業日のことです。つまり、開業日から1ヵ月以内に出してしまえば問題ありません。

開業届を出していなくても、事業を続けることは可能です。正しく確定申告すれば、開業届を出していなくても何の問題もありませんが、事業所得があるのに確定申告をしないままでいると、脱税行為とみなされ、追徴課税などの罰則を受ける可能性があります。

開業届の提出が遅れるとどうなる?

開業届が未提出だったり、提出が遅れたりしても、特に罰則はありません。ただし、開業届の提出が遅れると、以下のようなデメリットが生じます。

  • 青色申告控除が受けられない
  • 屋号(事業の名前)で事業用の銀行口座を開設できない
  • 経費計上ができない
  • 従業員に支払う給与を経費として計上できない
  • 融資を受けるのが難しくなる
  • 赤字を繰り越すことができない

開業届の提出が遅れると、結局自分が損をすることになります。事業をスムーズに発展させるためにも、開業届はなるべく早いうちに提出しましょう。

青色申告承認申請書は開業日から2カ月以内

開業届を出して個人事業主になると、確定申告で「白色申告」と「青色申告」の2種類を選ぶことができます。青色申告には、さまざまな節税効果があります。ただし、青色申告をするには、事前に「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。

参考:国税庁 青色申告承認申請書

開業届を提出するタイミングによって、青色申告承認申請書の提出期限も異なってくるので注意が必要です。

開業届の提出 青色申告承認申請書の提出期限
1月1日~1月15日まで その年の3月15日まで
1月16日以降 開業日から2カ月以内

面倒な手間を省くためにも、青色申告承認申請書はなるべく開業届と一緒に提出してしまいましょう。期限までに青色申告承認申請書を提出すれば、翌年に最大65万の青色申告控除を受けることができます。年末に提出しても、その会計年度に青色申告が使えます。

開業届以外に必要な書類

開業届以外にも重要な書類が3つあります。事業の形態によって、必要になる書類は異なります。それぞれ提出期限が異なるので注意しましょう。

書類名 概要 期限
給与支払い事務所等の開設届出書 従業員を雇い、給与を支払う場合に提出する書類 事務所開設から1月以内
源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書 源泉所得税の納期を変更できる書類

従業員の人数が10人未満の場合にのみ提出可能

適用を受けようとする月の前月末日
消費税課税事業者選択届出書 消費税の課税事業者か免税事業者を選択する際に提出する書類 開業した年の12月31日等

「源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書」を提出すると、本来毎月納めなければならない源泉所得税を、半年ごとに納められるようになります。

参考:国税庁 源泉所得税納期の特例の承認に関する申請書

事業開始から2年目までは、前年の課税期間における特定期間が1,000万円以下であれば免税事業者になるため、「消費税課税事業者選択届出書」を提出して消費税の還付を受けることができます。

参考:国税庁 消費税課税事業者選択届出書

従業員がいない場合は、税務署に開業届を提出するだけでいいので、それほど手間はかかりません。

【所得別】開業届を出すとお得なタイミング

開業届を出すタイミングの画像
【所得別】開業届を出すタイミング

開業届を出すお得なタイミングは、年間所得別に異なります。

パターン別 開業届を出すタイミング
副業として開業する場合 年間所得20万円
専業として開業する場合 年間所得38万円

ベストタイミングに出せば、節税効果などのメリットを得られます。

副業のサラリーマン:所得が20万円を超えたとき

副業をしているサラリーマンの場合、副業の年間所得が20万円を超えたら開業届を必ず出しましょう。20万円を少し超えてしまった程度の場合は、経費などでそれ以下に抑えることも可能です。所得が20万円を超えないように経費で調整すれば、税金が取られることもありません。

20万円未満の所得なら「雑所得」にできるため、所得税や事業税の課税対象にはなりません。来年以降に開業したほうが、税金面ではお得になります。

年間所得が20万円未満なら、開業届は出さず、今まで通り会社に任せておきましょう。仮に開業届を出して確定申告をしないままでいると、市役所から所得申告の通知が来てしまいます。

年間所得が20万円を大幅に超えても、開業届を出して青色申告すれば、最大65万円の控除を受けて課税額を0円に抑えることもできます。副業のサラリーマンは、所得が20万円を超える場合とそうでない場合で柔軟に対応しましょう。

専業の個人事業主:所得が38万円を超えたとき

専業の個人事業主やフリーランスは、年間所得が38万円を超えたら開業届を提出しなければなりません。38万円を少し超えるような場合には、年末に経費で調節して、翌年に開業届を提出した方がお得になります。

年間所得が38万円を大幅に超えるようであれば、すぐに開業届を出しましょう。青色申告をすれば最大65万円の控除を受けることができるため、事業所得の課税額を0円にすることができます。

ただし、所得が赤字の場合は急いで開業届を出す必要はありません。急いで出したからといって特にメリットがあるわけでもないので、それぞれの好きなタイミングで提出するといいでしょう。

事業が赤字で収入なしの場合

事業が赤字で収入なしの場合は、開業届を出した方がお得です。

副業の場合は給与から赤字分を差し引くことができるため、確定申告をすれば源泉徴収されていた所得税の還付を受けることができます。節税につながるため、すぐにでも開業届を提出しましょう。一方で、専業の個人事業主の場合も、開業届を出したほうがお得になる場合があります。

個人事業主の場合は、青色申告の赤字繰越3年分を利用することができます。今後、黒字を見込めるようであれば、開業届を出したほうが良いでしょう。

開業届を提出するときの注意点

開業届を出すときの注意点の画像
開業届を出すときの注意点

開業届を提出するタイミングを間違えると、失業保険が受けられなくなったり、会社に副業がバレたりするリスクが発生します。開業届をいつ提出するかは、慎重に判断しなければなりません。

失業保険が受けられなくなる

失業保険とは、会社が倒産したり自身がリストラされたりした場合に、手続きすることで受け取ることができる雇用保険の基本手当のことです。失業保険を受け取る前に開業届を提出してしまうと、本来もらえるはずの失業保険がもらえなくなることがあります。

失業保険を受け取る条件はいくつかありますが、ハローワークでは主に以下の条件に当てはまるかどうかをチェックします。

  • 本人に再就職する意思があり、仕事をする能力がある
  • 積極的に求職活動を行っている

すでに開業届を提出している人は「再就職する意思がない」と判断されるケースが多く、基本的に失業保険を受け取るのが難しくなります。開業届を提出していたにも関わらず申告しなかった場合は、不正受給にもなりかねません。

失業手当を受給している間に開業届を出すのもよくありません。仮に失業手当を受給している間に開業届を出してしまうと、失業手当が打ち切られてしまいます。売上見込みがまだ先の場合は、失業保険をもらい切ったタイミングで開業届を提出するようにしましょう。

会社に副業がばれる可能性が高い

副業で得た収入を「事業所得」として申告してしまうと、「特別徴収税額通知書」により、会社に副業で所得を得ていることがばれる可能性があります。

特別徴収税額通知書には、その従業員の前年所得に応じた住民税額が記載されています。自治体によって記載されている形式は異なりますが、事業所得と雑所得のどちらで申告したかわかるように記載されている場合があるのです。

事業所得で申告した場合は、事業所得の欄にチェックが入るため、一目で副業していることがバレてしまいます。副業で収入を得ていることを会社に隠しておきたい場合は、事前に特別徴収税額通知書を確認してから、事業所得で申告するようにしましょう。

会社にバレたくないなら、住民税の納付方法を特別徴収(給与天引き)から普通徴収(自分で納付)に切り替えるなどの対策が必要です。心配な人は、事前に住民税を管轄している市区町村に相談しておきましょう。

監修税理士のコメント

越智聖税理士事務所 - 愛媛県松山市天山

所得(収入から必要経費を差し引いた残り)が38万円(サラリーマンが副業される場合は20万円)を超えそうな場合又は赤字になりそうな場合は開業届を提出しましょう。これに加え青色申告承認申請書をセットで提出(副業の場合は不可)しておけば所得がある場合は税金が最大35万程(諸要件あり、最大税率の場合)安くなり、赤字の場合は翌年以降3年間所得と相殺でき、大変お得です。又、サラリーマンの副業の場合、会社にばれるリスクがありますが確定申告書上で副業に対する住民税を“普通徴収”に切り替える手続き及び念のためその旨をお住いの役所に確認しておくとより確実です。開業届を出すタイミングをしっかりやってばっちり節税しましょう!!
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この記事の監修税理士

越智聖税理士事務所 - 愛媛県松山市天山

越智聖(おちさとる)1980年愛媛県今治市生まれ。香川大学経済学部卒。大学卒業後愛媛県西条市の税理士事務所で12年間の勤務の間に税理士試験に合格し平成27年4月に愛媛県松山市にて独立開業。スタッフ5人。法人の顧問先102件、確定申告約130件(平成30年実績)相続税申告年間約5件。“人の為に動く”を経営理念とし、愛媛県で一番話しやすい税理士と言われている。
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