「会社設立を考えています。会社設立を代行業者に依頼することで大幅な時間や労力の節約になるのでしょうか?メリットはなに?」
会社設立の手続きは、起業のスタートダッシュを決める大切な局面です。会社設立を代行業者に依頼する場合は何が変わるのでしょうか?もし依頼するならどの代行業者を選べばいいのでしょう?
会社設立を代行サービスに頼むメリット・デメリットから、数ある代行サービスをどう選べばいいのかまで解説します。
菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区
会社設立を代行に依頼するメリット
はじめに、「会社設立を代行業者に依頼するとどんな良いことが起きるのか?」というメリットの面を見ていきます。代行業者はかかるコストの方が大きいようなイメージもありますが、実際はそうではないようです。
会社設立の煩雑な手続きを任せられ、時間を節約できる
まず、会社設立は大まかに次のような流れで進みます。
1.会社の基本ルールである「定款」の作成
2.法務局へ提出するための書類を作って提出・登記
最後の登記を完了することで、はじめて公的に会社として認められます。これらの書類作成は効率的に進めても2~3週間はかかる大変な作業になります。しかも法的な専門知識が必要になり、法律に詳しくないと書類に不備が生まれてしまうこともあります。
不備があると登記申請は許可されず、会社として認められることが先延ばしになります。それによって銀行の法人口座の開設など「その後の予定も」ずれこんでいってしまいます。
会社設立を代行業者に依頼するメリットは、これらの手続きを全て任せてしまえることです。創業時の大切なリソースである時間を、事業を起動に乗せることだけに注ぎ込めるようになるのです。
会社設立時に必要な法的書類の作成
会社設立のためには複雑な法的書類・専門的書類を作成しなければなりません。これを代行してもらえるだけで、自分で手続きする場合の精神的な負担がぐっと軽くなります。
確かに、自分で作成することにも法律知識に詳しくなれるという利点もあります。ただし、「法律に詳しくなったけれど、起業は失敗してしまった…」という状態になってしまっては本末転倒です。
専門家ならリスク回避策として当たり前に記載するようなポイントを書きもらしてしまい、その結果莫大な不利益が生まれてしまうことは現実的な問題です。
最優先で考えるべきことに集中できるという点で、会社設立を代行業者に書類を作成してもらえるメリットはとても大きいのです。
会社設立時の費用的なメリット
「メリットが大きいとはいっても、費用が増えてしまうのがちょっと・・・」
コストをできるだけ少なく抑えたいというのは、起業家として当然の感情です。しかし実は、会社設立を代行業者に依頼しても費用がかからない、むしろ自分で手続きするより安く済ませられる場合があります。
会社設立を自分でする費用
ここでは、会社設立の手続きを自分でする場合の手費用について見ていきます。
新しい会社の設立手続きを代行に頼らず自分でする場合、株式会社の設立で代行なしなら最低24万2000円、合同会社の設立なら代行なしで10万2000円の費用が必要です。この内には紙定款の収入印紙代(4万円)が含まれていますが、電子定款で申請すれば収入印紙代が必要なくなります。
とはいえ電子定款を用意するにはICカードリーダーやPDF作成のためのソフトなどを揃える費用と労力が必要なので、何度も定款認証しなければむしろマイナスになってしまいます。
最適な代行業者選びのポイント
会社設立を代行する業者を選ぶときには、どういった点に注目すればいいのでしょうか。4つのポイントをみていきましょう。
1.電子定款に対応している
上でも見たように、紙定款で申請すると印紙代が4万円かかる一方で、電子定款で申請すれば印紙代はかからず、0円で済みます。
すでにほとんどの代行業者は電子定款に対応していますが、中にはアナログな代行業者もあります。費用を抑えるため、必ず電子定款を利用してくれる業者を選びましょう。
2.代行できる資格を持っているか
会社設立手続きは、いくつもの専門分野にまたがっています。そのため、どの専門家や代行業者も、部分的な範囲でしか代行することはできません。代行業者を選ぶ際には、適切な士業資格を持つ代行業者を選ぶことがポイントです。
3.会社設立後の手続きまで対応しているか
会社は設立も重要ですが、それより重要なのは将来的に継続して利益を上げていけるようになることです。
何より、設立の手続きと設立直後の手続きは延長線上にあるので、同じ業者が担当したほうが連携がとりやすく、スムーズに事が運びます。そのため、会社設立時だけの代行というよりも、設立後まで継続的にサポートしてくれる業者を選びましょう。
4.会社設立の代行費用が適切か
代行業者に依頼しようとすると、費用を割高にして提示してくる場合があるので注意が必要です。仮に代行手数料が0円の税理士を利用した場合、設立後の顧問契約料が割高になっていないか注意しましょう。
必ず相場と顧問契約料を調べて、何件か見積もりをもらってから決めることがポイントです。
もちろん費用が高い理由が、サービスのクオリティの高さにあることもあります。大切なのは、その時に会社にとって必要なサービスであるかどうかになります。
会社設立時・設立直後はあまり多くの取引がなく、複雑な税務問題に直面することも少ない状況にあるかもしれません。設立時は「相場の範囲内で自分と相性のいい業者を探す」ことの方が重要です。
会社設立における代行業務を士業別に比較
ここからは会社設立の代行業務についてより細かく、各士業ごとのメリットやデメリット、費用相場を比較しながら見ていきます。会社設立は手続きが多くの分野にまたがっているので、できるだけ広く代行してもらえることが業者を選ぶポイントの一つです。
ただし一つの士業で全ての代行をカバーすることはできないので、「いかに他の士業と強いコネクションを持っているか」に注目します。
税理士に依頼する
まずは、会社設立の代行業務を税理士に依頼した場合について見ていきます。
費用相場 | サポート可 | サポート不可 | 顧問契約 |
0円〜 | 税務や決算 | 登記業務・許認可申請 | 可 |
税理士は、税務や決算についての専門家です。そのため、税理士に依頼すれば税務書類手続きや資金調達に力を入れることができ、会社法や税法などの法律について具体的なアドバイスをもらうことができます。
しかし、登記関連業務や事業の許認可については専門家ではないため、この範囲を代行する資格はありません。
司法書士に依頼する
次に、会社設立の代行業務を司法書士に依頼した場合を見ていきます。
費用相場 | サポート可 | サポート不可 | 顧問契約 |
5〜10万 | 登記業務 | 税務や決算・許認可申請 | 可 |
司法書士は登記の専門家です。登記手続きを代行する資格を持っているのはほぼ司法書士だけなので、他の士業に依頼した場合でも間接的に司法書士が代理しています。まさに登記関係のプロフェッショナルといえ、登記作成に不安がある場合は非常に心強いパートナーになってくれる士業です。
ただし税務知識などはありませんので、税務の処理や会計についての相談はできないのがデメリットです。
費用相場が5万~10万と高めなのは、登記が司法書士のメイン業務だからです。
行政書士に依頼する
では、行政書士に会社設立の代行を依頼した場合はどうでしょうか。
費用相場 | サポート可 | サポート不可 | 顧問契約 |
10万〜 | 行政書類作成・許認可申請 | 登記業務・税務や決算 | 可 |
行政書士には主に行政関係の書類作成の代行を依頼することができます。会社設立に関連する登記手続きの代行はできませんが、許認可手続きの書類作成は依頼できます。これらの分野への不安が大きい場合は、行政書士に代行業務を依頼するとスムーズに進むようになるはずです。
ただし税務知識や登記関連の知識はありません。そのため、別の士業と連携している事務所を選ぶか、自分でさらに士業を探す必要があります。
会社設立代行業者に依頼する
実は士業以外にも、保険代理店やクラウドサービスなど会社設立を代行してくれる業者があります。
費用相場 | サポート可 | サポート不可 | 顧問契約 |
5000円〜 | 特定〜全般 | 特定〜なし | 場合による |
基本的にこのような業者は自社で代行することはなく、税理士などの士業に委託をしています。そのため、大手であれば一つの専門分野に留まらない幅広いサポートをしてくれます。
ただし間接的なサポートの割合が多くなったり、継続的なサービスが受けにくい場合があるので気を付けましょう。
会社設立の代行を税理士に依頼するメリット
会社設立の代行はどの士業・業者に頼むこともできますが、設立直後の特に忙しい時期に税務関係の余計な心配をしなくて済むよう、会社設立の代行の時点から税理士に依頼しておきましょう。
会社設立後の税務書類手続きができる
会社の経理や法人税の手続きは専門知識がなく一人で行うと現実的でない程の労力がかかってしまいます。何とか完了させても、後々問題が発生して専門家に相談することになれば、せっかくの努力も水の泡になることも。
それならば、会社設立時から税理士に依頼し、余裕ができたお金と時間で売上げアップを図ったほうが、会社の将来にとってはるかにプラスになるはずです。
会社設立後の資金調達が有利に
会社設立後に経営者を悩ませる問題として大きいのが、資金調達です。しかしこの悩みも、設立の代行をきっかけに税理士と顧問契約を結べば大幅に解決が簡単になります。
そこで、会社設立の代行を依頼する税理士を探すときは、資金調達に強い税理士を探すようにしましょう。金融機関に勤めていた経歴を持つ税理士や、資金調達の経験が豊富な税理士がおすすめです。
顧問契約することで設立費用を抑えられる
上でも触れたように、数ある会社設立代行業者の中で、顧問契約をすることで会社設立時の代行手数料がかからないのが税理士のみです。これは、手数料を払わずに通常必要な費用から4万円の割引をしてもらったうえ、大変な法務省への訪問や法的書類の作成を一切しなくてよくなるということを意味します。
他の士業やどのサービスと比べても、費用・労力の面で最もコストパフォーマンスが良いのは税理士の代行サービスなのです。
資金面から会社を支える強い信頼関係が築ける
各士業ごとに専門分野があることは見てきましたが、税理士の専門分野は税務関係です。
法人税は特に節税の効果が顕著に表れるので、税理士に依頼するメリットの大きなところです。資金面にしっかりと専門家のサポートを受ければ、事業にも安定感が出てくるでしょう。
監修税理士のコメント
菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区
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