「会社を辞めて独立起業したい」「学生の時間に余裕があるうちに起業したい」という人は多いと思います。
もしあなたが「起業を通じて人生を豊かにしたい」という欲があったり、未来に実現したいアイデアがあったりするならば、起業に挑戦してみてはいかがでしょうか!
この記事では、事業案作りから会社設立にいたるまでを解説していきます。
この記事を監修した税理士
高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷
失敗しない起業のアイデアはどう作るのか
起業をする上で、「失敗しない」とは「成功するまで信じてやり続けられる」と同じ意味を持ちます。信じてやり続けるためには後述する「自分が社会のためにしたいこと」を見つけ、そのアイデアを収益化できるように昇華していく必要があるのです。
自分の中に問いを向けて、自分の経験や体験・強みやスキルから生み出したアイデアこそが失敗しない起業のアイデアと言えるでしょう。
自分がしたいことはなにか
自分の「好きなこと」と「強み」が交わるポイントが「あなたがやりたいこと」になります。一度、アルバイトや勤めている会社から離れて自分の中の「好きなこと」や「強み」を徹底的に紙に書き出してみましょう。あなたの起業のアイデアはそこにあるかもしれません。
「強み」について思い浮かばない人は、子供の頃から上手にできたこと(才能)と後天的に身についた技能(スキル)について注目してみてください。その2つを組み合わせたものが「強み」となります。
例:(計画する)×(学習指導できる)=学習の指導計画をたて学習習慣をつけられる+「教えるのが好き」=学習コンサル!
自分が社会のためにできることはないか
自分の「強み」や「好きなこと」を紙に書けたら、それが交わるポイントに社会に対するインパクトがないか考えてみましょう。上記の例を参考にすると、不登校児などでも学習の機会を広げられるような【不登校児専門の難関学校を目指す学習コンサル】というのはインパクトがありそうですね。
このように自分の「強み」が活用でき、かつ社会のためになることはないかを考えてみることで自分に合った事業案が浮かんできます。
既存事業の模倣
もちろん、思い当たった先が既存事業と同じ場合もあります。それでも、既存のビジネスを洗い直し徹底的に分析することで、既存事業に足りない要素を加えた新事業を思いつくことができるかもしれません。
実際多くのサービスが既存事業を模倣や参考にし、され、を繰り返し、その中でもより使いやすいと判断されたサービスが生き残っています。
ビジネスモデルの検証
起業のアイデアを選定した後には、大まかなビジネスモデルを策定します。そして、後述する事項を検討しビジネスモデルの検証を行いましょう。
このビジネスモデルは成功するか・競争力・優位性が維持可能かどうか、などを検証することで、ビジネスモデルの修正を行うことや、見切り発車でビジネスを始めてしまうことを防ぐとともにビジネスに必要な許認可や法律について学ぶことができます。
自分の事業に需要はあるのか
自分の考えたビジネスに需要があるか、というのは起業を成功させる上で重要な問いになります。顧客になり得そうな候補者の10人程度にビジネスモデルと提供できるサービス・商品の話を聞いてもらい、そのうち何人が「自分のお金で買う」「買ってくれる人を紹介できる」と言ってくれるか確かめてください。
この場合にはただ需要があるかを確認するのではなく、サービス・商品としてどこに魅力を感じたかも合わせて聞いてみましょう。
許認可・法規制チェック
計画した事業内容によっては、ビジネスを始めるにあたり、国や地方団体の認可(許認可)や資格が必要なものがあります。
まずは、自分のビジネスモデルはどんな業種に相当し、許認可や免許が必要なのか、次に許認可・資格を取得するための期間・費用を確認してください。
この段階では、もしかしたら事業に必要な許認可・資格の取得に時間がかかるために事業内容の変更を検討したほうがいい人も出てくるでしょう。
許認可は起業までのスケジュールや今後の資本政策にも影響を及ぼすので、何も知識がない場合は行政書士等の専門家に相談・確認しておくと良いです。
顧客ターゲットの選定
顧客ターゲットの選定にあたり、「STP分析」を行っていきましょう。「STP分析」とは、セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの頭文字をとった、競争環境の中で自分のビジネスがどこにおいて優位に立てるか、を決めるための分析のことを言います。
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S(セグメンテーション)
サービスや商品を「利用してもらいたいユーザー像」を明確にするために、地理的、人口統計分布、心理的、行動的パラメータを用いて市場を細分化します。
例えば、上記例における学習コンサル業務のターゲット顧客層を「中高生の親」と設定するのであれば、「年齢」の基準でセグメンテーションを行なったことになります。さらに「不登校」は心理的変数のセグメンテーションと言えるでしょう。
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T(ターゲティング)
市場の中から狙うべきターゲット層を絞る作業で、セグメンテーションとセットで使用されます。S(セグメンテーション)が市場を「分ける」ことにフォーカスしているのと比べて、T(ターゲティング)は「絞る」という点にフォーカスしています。
セグメントされた市場間の違いを無視する「無差別型ターゲティング」、複数のセグメントされた市場にそれぞれのニーズに適応した商材を提供する「差別型マーケティング」、ごく限られた市場に集中する「集中型マーケティング」といった様々なパターンが存在します。
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P(ポジショニング)
分けられたセグメント内の競合の商品やサービスを見て自社の立ち位置を決定する作業で、競合は存在するのか・その競合はどのような規模なのか・競合の売りは何かなどを調査し、自分のビジネスで勝負できる位置を探すことを目的にしています。
市場調査
市場調査の方法は大まかに「定量調査」「定性調査」に分けることができます。こちらでは2つの調査に加え、マーケティングの手法を考えるフレームワーク「4P」について説明していきます。
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定量調査
調査の答えが数字(金額・割合・件数など)で算出されるもので、インターネット調査や電話調査が一般的です。どのような調査を選択しても、質問しなかった答えは得られず、用意のない選択肢は選択されないので、質問内容を精査したり、調査票をしっかり作り込んだりすることが必要となってきます。
定量調査は、市場を調査する際に、具体的な数字で結果が出るのでマーケティングのアクションを取りやすい、という特徴があります。
定性調査
定量調査とは異なり、数字で表しづらい要素を調査するものです。一般的に、調査結果は文章などで表されます。
典型的なものは、インタビュー・覆面調査員・テイストテストなどです。商品やサービスをユーザーに使用してもらい、フィードバックを得るような方法です。
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4P
4Pとは、Product(製品・商品)・Price(価格)・Promotion(プロモーション)・Place(流通)の頭文字をとった言葉で、自分のビシネスに最適なマーケティング手法をこれをもとに検討していくことになります。
「どのような商品をどのような価格でどのようなプロモーションをし、どのように流通させていくか」というマーケティング手法を考えていくことがマーケティングの基本です。
会社を設立するか個人事業主になるか
法人の設立をするか、個人事業主でビジネスを始めるか、は今後のビジネスの展開にもよりますが、利点欠点を考えてあらかじめ決めておいた方が良いでしょう。
個人事業主は登記不要ですが、給与(課税所得金額)は経費にならず、資金調達の面では法人に劣るので、ビジネスを拡大したい際には不利な点も多いです。
法人は設立の段階で、定款作成と登記が必要なものの、会社から給与を受け取り経費扱いにすることが可能であり、資金調達面でも有利です。しかし、社会保険への加入が義務付けられることで、従業員を雇った場合のコストは膨らみます。
事業計画書の作成
事業を興すと、出資や創業資金の融資のために事業計画書を作成する必要があります。事業計画書が資金調達の成否を決めると言っても過言ではありません。融資や調達をすぐには行わなくても、自分のビジネスを客観的に見つめ直すことができるので事業計画書の作成は必須です。
実は事業計画書を作成する上で「どのように書くのか」といった書式や、事業計画書ならではの特別なルールといったものはありません。
0から作成するのが面倒な人は後述のテンプレートを利用してみてください。
事業計画書に記入すべき項目14個とそれぞれの書き方
1. 会社概要 | 商号、所在地、役員、株主構成、電話番号、ホームページアドレス、メールアドレス、 主要取引先、主力商品、代表者経歴 |
2. 事業コンセプト | 自社のミッション、自社のコアエッセンス、自社のコアコンピタンス、 顧客メリット |
3. 5年後の展望 | 5年後にどの市場で、どんなサービス・商品を売って、 いくら設けるのか(具体的数字) |
4. 事業活動を行う領域 | 誰に、何を、どうやって、自社のポジショニングマップ(STP分析したもの) |
5. 事業成功の要因 | 社会的背景:経済環境、社会情勢、技術革新の状況など(PEST分析) |
6. 市場規模 | この事業が成功するために充分なマーケットと成長性がある、 という趣旨を書く |
7. 競合他社の動向 | 最低3社は競合を見つけ、分析し自社の強み・独自性を書く(4P) |
8. 顧客メリット | Customer Value(顧客にとっての価値)、Cost of the Customer(顧客負担)、 Convenience(利便性)、Communication(コミュニケーション)の視点で分析する(4C) |
9. 自社の強み | 技術、資格、企業風土等の自社の強みを簡潔に書く |
10. サービス・商品の説明 | 価値、価格、サービス・商品詳細 |
11. 販売戦略 | サービスの利用・商品の購入をしてもらうまでの仕組み |
12. ビジネスモデル | 収益性をフローチャートで説明する |
13. 社内体制 | 意思決定のフローと役割分担による社内組織図 |
14. 財務計画 | 起業から5年後までの売上計画、売上原価計画、人員計画、設備計画、利益計画、 資金計画を盛り込んだ、将来どれだけ利益を上げることができるかについて、の具体的な数字を書く |
事業計画書のサンプルと書式ダウンロード
こちらは政府が運用している日本政策金融公庫の書式ダウンロードページです。様々なサンプルもありますので確認してみてください。
資金調達方法の決定【おすすめ資金調達方法8選】
事業計画が固まったら、次はビジネスを存続させる要となる資金調達の話です。様々な調達方法がありますが、一番ハードルが低いのは自己資金・家族友人からの出資です。
そのほかの選択肢の難易度は経営状況によりまちまちですが、先にエンジェルから出資を募ったり、日本政策金融公庫の公庫融資・創業助成金・制度融資を利用したりする方が良いでしょう。
もちろん出資については株式の交付等を行うわけですが、出資と融資では根本的に異なるために、事業の将来的なことも考えて専門家と資本政策について話し合っておくのがベターです。
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自己資金や親戚・友人からの出資
自己資金でビジネスを始めるのは何も問題はありません。必要な開業資金総額の3〜5割は自己資金で準備できるようにしてください。
しかし、家族や親戚から融資を受ける場合は、贈与とみなされる場合がある点において注意が必要です。親戚・友人から出資してもらう分には問題ないのですが、返済義務のある資金は家族からのものであっても、金融公庫の自己資金には該当しません。
融資や出資を受ける場合には、きちんとリーガルレビューされた契約書を交わし、お金は振り込みなどで通帳に確実に記録が残るようにしてください。
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エンジェル投資家
起業したばかりの経営者に出資してくれるエンジェル投資家を利用するのも資金調達の1つの方法です。後述するベンチャーキャピタル(VC)と比較すると、少額の投資を行っているのがエンジェルですが、起業後間もない数百万円単位の調達であれば、エンジェル投資家に出資をお願いした方が良いでしょう。
エンジェルと出会うには交流会やイベントに参加したり、マッチングサイトやピッチコンテストに参加したりすると良いでしょう。最近では、 J-KISSというエンジェル投資家と起業して間もない起業家のための簡単な出資の仕組みもありますのでチェックして下さい。
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ベンチャーキャピタル(VC)
VCの特徴は、ハイリターンを狙った投資手法と投資先企業に対しての経営コンサルティングです。投資先企業の価値向上を図り、出資した時よりも何倍も大きくしてキャピタルゲインを出し、利益を上げるという収益モデルを採用しています。
原則、
- 証券取引所に株式上場するような企業に投資
- 資金の使途は限定的
- ファンド投資
という特徴を持っています。VCから出資を受けるということは、将来的に上場する可能性のある価値のある会社としてのイメージがつくので、将来有望な会社としての地位を確立できます。
一方、資本政策をしっかり立てていない場合においては、VCが様々な経営判断に影響を及ぼすようになる可能性があることが留意すべき点です。
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制度融資
制度融資は中小企業の資金調達等の支援のために各地方自治体が信用保証協会、金融機関と連携している制度です。金融機関が貸し倒れるリスクを減らし、融資が受けやすい仕組みになっています。
融資を受ける審査のハードルも低く、審査基準が比較的低く設定されていることに加え、低い金利と長い措置期間での融資が可能です。
ただデメリットとして、融資実行までに時間と手間がかかる点、自己資金要件が厳しい(自己資金が少額だと融資に通りづらい)という点があります。
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日本政策金融公庫の創業融資
政府が運営している金融機関である日本政策金融公庫は中小企業のための金融機関です。
信用情報がブラックでない限りは、しっかりと要件を満たしていれば融資を受けることができます。創業時には新創業融資制度が利用できます。
金融機関の融資の中では一番ハードルが低いのではないでしょうか。しかしこちらも融資の前には時間と手間がかかりますので、必要な書類や要件を早く揃えてしまいましょう。個人事業主と法人では必要書類は異なりますので注意して下さい。
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創業補助金
創業補助金は創業時に必要な経費の一部を国や地方団体が補助してくれる制度のことです。
一番のメリットは返済不要であることですが、補助金を受給してから一定期間内に一定収益が発生すると返済義務が生じる場合があります。
その他にも、補助金受給のタイミングが申請後すぐではないこと、申請期間が設けられていることがデメリットです。さらに創業補助金として認められる経費は決まっているので注意して下さい。
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【学生向け】学生対象のビジネスコンテスト
学生対象のビジネスコンテストでの獲得賞金は返済の必要がなく、受賞の可能性も高いので、学生のうちに起業を検討している人は活用しましょう。
学生向け以外のビジネスコンテストと比較すると賞金は少額ではありますが、ビジネスコンテストで賞金を勝ち取ったという事実は今後の資金調達において有利に働きます。
例えば、中央大学で開催している「野島記念ビジネスコンテスト」のように、大学ごとの在校生向けに開かれるビジネスコンテストもありますので、チェックしてみましょう。競争相手も限られるので賞金獲得確率が上がります。
会社設立前に必要な8つの準備事項
起業してビジネスを開始する際に会社を設立するのであれば、設立事項を決定する必要があります。どれも大切な内容ですので、漏れがないようにしましょう。この準備は会社設立にとって必須ですので、わからないことがあればよく調べて下さい。
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会社名(商号)を決める
会社名を決める際には
- 会社の種別を記載(株式会社・合同会社など)すること
- 誤認を招くような会社名ではないこと(銀行業ではないのに社名に「銀行」とつくのはダメです)
- 有名企業と同様の会社名でないこと
に留意してください。
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定款に必要な事業目的を決める
定款の事業目的に記載ない事業は行えませんので、将来行う可能性のある事業もあらかじめ決めておきましょう。もちろん、将来、定款変更手続きにおいて定款の変更はできますが手間になります。
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本店所在地を決める
「本社の住所」が本店所在地です。
自宅や賃貸オフィス、バーチャルオフィスやコワーキングスペースも本店所在地として認められていますが、SOHO物件などは、契約内容では「法人不可」と定められている場合がほとんどなので、忘れずに賃貸契約を確認して下さい。
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会社設立に必要な費用の準備
資本金は1円以上から会社は設立できますが、融資の観点から設立初年度から消費税の課税対象とならない1,000万円未満の資本金を設定して下さい。出資者等が集まった後は、会社設立の手続き費用として20万円ほどを用意して下さい。
内訳は、定款に4万円分の収入印紙・登録免許税が株式会社の場合15万円・定款の謄本手数料が1ページあたり250円かかります。
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機関設計
機関とは会社を設立する上での監査役や取締役会のことを指します。その組み合わせを会社法の定めに従って設計して下さい。
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会社印鑑の作成
定款承認時や登記書類作成に使用します。①代表者印(法人実印)②銀行員③社印(角印)④ゴム印(横書き)の4つは必ず違う種類を用意して下さい。
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発起人各人の印鑑証明書の作成
定款の承認・登記書類作成に必要なので、2通用意して下さい。
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事業年度を決める
期首・期末を決めます。一般的な日本の会社の多くが4月を期首、翌年3月末を期末としています。こちらは自由に決めて下さい。
起業時に必要な書類(会社設立・個人事業)
起業時に必要な書類は、会社を設立するか、個人事業主になるかによって異なります。どれも重要書類になりますので、しっかりと確認し、準備して下さい。
なお、会社設立は
- 設立事項を決める
- 定款を作成する
- 定款の認証を受ける
- 資本金の払い込みを受ける
- 設立登記をする
の手順で行います。
会社の基本的なルールを定めた定款には絶対的記載事項(必ず記載しなければならない事項)、相対的記載事項(記載しておかなければ有効にならない事項)、任意的記載事項(記載してもしなくてもいい事項)があり、慎重に作成する必要があります。
「5. 設立登記」で必要な書類は以下の通りです。登記申請書に添付資料と合わせて法務局の窓口に提出します。
会社設立登記時に必要な提出書類
1. 登記申請書 | 定められた書式で作成して下さい。 商業・法人登記に関する申請書は会社の種類により申請書が異なりますので注意して下さい。 書式は法務局のHPから確認することができます。会社を設立するための申込書のようなものです。 |
2. 登録免許税納付用用紙 | 登記申請の際の登録免許税を収入印紙で納めるので、その台紙を作成し、登記申請書に添付します。 会社登録料貼り付け用紙といったところです。 |
3. OCR用申請用紙または磁気ディスク( CD-R) | 文字を読み取るOCR専用の登記申請用紙を法務局の窓口で入手し、これに登記すべき事項を記載して登記申請書に添付します。 CD-R等の磁気ディスクに記載して提出してもかまいません。 |
4. 定款 | 公証人認証済みの定款を添付します。 紙の場合には定款の謄本(コピー)、電子定款の場合には磁気ディスクを提出します。 定款は法人の目的・組織・活動・構成員についての基本規約のことです。 |
5. 払込証明書 | 事業に必要な資本金の払込があったことを証明する書面です。 資本金の払込がなされた発起人代表者の通帳のコピーと一緒に作成します。 |
6. 発起人の決定書 | 発起人全員の押印が必要な書類です。 定款で本店所在地につき最小行政区画までの記載にとどまっている場合においては、本店の具体的な所在地を発起人の過半数一致で決定したこの書面を添付します。 |
7. 就任承諾書 | 設立時の取締役、代表取締役、監査役の就任承諾書を添付します。 取締役が1人しかいない場合は、その人が代表取締役なので、代表取締役の就任承諾書は不要です。 |
8. 発行後3ヶ月以内の取締役の印鑑証明書 | 取締役会設置会社の場合は、代表取締役の印鑑証明のみ非設置会社の場合は各取締役の就任承諾書に実印を押印した上、印鑑証明を添付する必要があります。 |
9. 調査報告書・財産引受書・資本金の額の計上に関する証明書 | 現物出資(お金でなくモノや土地)を受けた場合に必要になります。 |
10.印鑑届出書 | 会社の実印(代表者印)は法務局に登記する必要がありますので、法務局で用意されているこちらの書類を添付して下さい。 印鑑届出書には、代表取締役個人の実印も押印し、代表取締役個人の印鑑証明書(発行後3ヶ月以内のもの)を添付します。 |
個人事業開始時に必要な提出書類
個人事業主が開業するのに必要な書類は「個人事業の開業・廃業等届出書」だけとなります。
必要事項を記入後税務署に持っていくか、郵送をするだけで完了です。
また青色申告ができる「所得税の青色申告承認申込書」の提出をすると最大で65万円の控除が受けられるので、事業開始から2ヶ月以内に提出しましょう。提出方法は「個人事業の開業・廃業等届出書」と同様です。
個人事業主として事業をスタートする際にこの2つの書類をセットで提出するようにしましょう。
ついに起業!
起業のアイデアから、実際に法人を設立し、個人事業主になるまでには多くの検討事項や事務作業がありました。企業までの道程は長いですが、事業計画を立てている頃にはワクワクできていると思います。
煩雑な事務作業や資金調達での交渉があるかと思いますが、どんなに優秀な起業家でも一度は通る道ですので頑張りましょう!
【おまけ】起業したい人が読むべき本3選
企業の仕方について説明してきましたが、複雑な内容が多かったのではないでしょうか。
上記の内容をより詳しく学びたいのであれば、起業にまつわる本を読むことをお勧めします。この記事の内容の理解の助けになると共に、新しい事業をスタートするためのバイブルになってくれる本を3つ紹介します。
視覚的でわかりやすく、これから会社を設立したい人に向けての導入書としてはこちらがおすすめ。心構えから、具体的な会社設立方法、集客ノウハウにいたるまで、176ページでコンパクトにまとまっています。
起業したい人が、どのような心構えでビジネスを考えるのか、様々な起業パターンがインタビュー形式でわかりやすく読める本。起業の具体的なイメージがわかない、アイデアが欲しい、という方におすすめです。
自分のビジネスが成功するために検証すべきことに集中し、スタートアップとはどうあるべきか、どのような組織づくりが良いのかについて書かれている本。スピード感のある意思決定を可能にする手法「リーン・スタートアップ」について、詳しく解説しています。
高崎文秀税理士事務所 - 東京都文京区本郷
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