車内は日々ゴミやシミ・臭いなどが蓄積されて汚れていきます。車内クリーニングは業者にも依頼できるものの、できれば費用をかけたくないと考える人が多いのではないでしょうか。自分で車内クリーニングをする方法や、車内を清潔に保つ予防策を紹介します。
車内クリーニングに必要な掃除道具は?
車内クリーニングを自分で行う場合には、あらかじめどのような掃除道具を用意しておく必要があるのでしょうか。必須の掃除道具に加え、あると便利な掃除道具についても解説をしていきます。
必須の掃除道具
自分で車内クリーニングをする場合に、最低限用意しておきたい必須の掃除道具は、下記の通りです。
- 霧吹き
- ビニールシート
- バケツ
- タオルまたは雑巾
- 粘着クリーナー
- ブラシ
- 車内用洗剤
- 掃除機
これらの道具は、基本的に100円均一で簡単に入手できます。タオルや雑巾は、水拭き用と乾拭き用に2枚以上用意しましょう。
車内用洗剤がないときは、食器用の中性洗剤でも代用できます。洗剤とぬるま湯を1対10の割合で混ぜ、霧吹きスプレーなどに入れて使うのが一般的です。
掃除機はコンパクトなコードレスタイプを用意できると、楽に掃除できます。自宅に掃除機がないときは、ガソリンスタンドや洗車場で借りることも可能です。
あると便利な掃除道具
上記の他にあると便利な掃除道具としては、下記が挙げられます。
- 歯ブラシ
- 綿棒
- 布団たたき
- マイクロファイバークロス
- ガラスクリーナー
- ゴミ箱
- 消臭スプレー・消臭剤
歯ブラシや綿棒はエアコンやシートの隙間などの細かい汚れ、布団たたきはフロアマットやシートの埃を取るときに使えます。マイクロファイバークロスとガラスクリーナーは、窓ガラスに付いた水垢や皮脂による手垢も落としたい場合におすすめです。
また小さめのゴミ箱を用意しておくと、ゴミが出たときにすぐに捨てられて便利です。
車内の臭いが気になるときは、消臭スプレーを使います。エアコンが原因の臭いにはスチーム消臭剤が有効です。
基本的な車内の掃除方法
床の掃除をしたあとに天井を掃除すると、せっかくきれいにした床にまた汚れがたまってしまいます。効率的に車内クリーニングを終わらせるために、掃除は「上から下へ」の順番で進めていきましょう。
具体的な車内の掃除方法を基本的な手順にもとづいて紹介していきます。
フロアマットの掃除
天井の掃除をはじめる前に、まずはフロアマットを車外に取り出して掃除します。
布団たたきやブラシを使って、付着した埃や砂・泥を落としましょう。ゴミを吸い込まないよう忘れずにマスクを着用します。フェンスなどにフロアマットをかけると、作業が楽です。
汚れがひどい場合には水で濡らしてから車内用洗剤を使ってブラシで擦り、水洗いで洗剤を落とします。洗剤で洗ったあとに柔軟剤で洗うと、除菌・消臭効果が期待できるためおすすめです。
乾かすのに時間がかかるので、フロアマットの掃除は最初に着手しましょう。できるだけ晴れた日を選んでしっかりと乾かすと、生乾きによるカビや臭いの原因を防げます。
天井・窓の掃除
フロアマットを掃除したら、次は天井と窓です。
天井は薄めた車内用洗剤を全体にかけて、2~3分ほど放置します。洗剤が垂れる可能性があるため、あらかじめ車内にビニールシートを被せておきましょう。
放置後は水やぬるま湯を硬く絞ったタオル・雑巾で拭き取って掃除します。このとき強く擦り過ぎると素材が傷んでしまうため、注意が必要です。
フロントやサイド・バックの窓掃除も、天井と同じ手順で行います。ただし、ガラスにはムラが残りやすいため、水をしっかりと絞ってから拭き取りましょう。
仕上げにはマイクロファイバークロスの使用がおすすめです。ガラスクリーナーと併用すると、ガソリンや皮脂による汚れも落とせます。
ドア・インパネの掃除
ドアやインパネの掃除は洗剤を使わず、水拭きするだけでも問題ありません。特にメーター及びメーターカバーは故障の原因となるため、洗剤などの利用は厳禁です。マイクロファイバークロスなどを使って、さっと埃を拭き取りましょう。
ドアは乗り降りをするときに触れる部分が汚れやすいため、重点的に拭くようにします。どうしても落ちない汚れや手垢があるときは、蒸しタオルを使うのが効果的です。
エアコンの吹き出し口も、埃がたまったりカビが繁殖したりしやすい箇所です。タオルや雑巾が届かないときは、綿棒を使って汚れを取りましょう。
シートの掃除
シートはまず、掃除機を使って表面に付いた埃や砂などの汚れを吸い取ります。埃が舞うため、窓を開けてマスクを着用しながら掃除をするのがおすすめです。
仕上げに粘着クリーナーで髪の毛やペットの体毛・食べこぼしといった、掃除機では吸いきれなかったゴミを取り除きましょう。シートの布目はゴミがたまりやすいため、入念に掃除します。溝にたまっているゴミは、車のシートを後ろに倒すと取りやすくなります。
シートベルトは水を絞ったタオルや雑巾で拭きましょう。手垢などの気になる汚れが落ちないときは、車内用洗剤を使って拭き取るのがおすすめです。
フロア・床の掃除
フロア・床にたまったゴミを取るのにも、掃除機の利用が便利です。シート掃除のときと同じく、窓を開けたままマスクを着用して行います。
大きなゴミがあるときは、ホウキやブラシなどで掃き出してから掃除機をかけます。フロアマットを敷いていた箇所はゴミが少ないはずなので、隅やシートの下を重点的に掃除しましょう。
掃除機をかけたあとに細かいゴミが残っている場合は、粘着クリーナーを利用します。
フロアに気になるシミがあるときは、車内用洗剤を吹きかけてから水拭きをします。車内用洗剤がないときは、食器洗い用の中性洗剤でも代用可能です。ブラシや歯ブラシを使って擦ると、しつこい汚れも落とせます。
ダッシュボード・ハンドル・シフトノブの掃除
最後にダッシュボードやハンドル・シフトノブなどにアルコールをかけて拭き取ったら、車内クリーニングは終了です。手で頻繁に触れる箇所は汚れが付きやすいため、入念に掃除しましょう。
アルコールスプレーを吹きかけたあとは、水をしっかり絞ったタオルや雑巾でまんべんなく拭きます。アルコールがないときや節約をしたい場合、車内用洗剤を薄めて使うのも一案です。
食べ物や飲み物の汚れも、中性洗剤を使えば簡単に落とせます。特にドリンクホルダーは、液体でべた付いている場合が少なくありません。放置せずに、洗剤を付けたタオルや雑巾でしっかりと拭き取るようにしましょう。
落としにくい汚れの掃除方法と注意点
タバコや飲食由来のシミ・布製シートの汚れなどは、ふつうの掃除の仕方ではなかなか落とせません。落ちにくい汚れへの対処法と、掃除をするときの注意点について解説します。
タバコ・飲食由来のシミの掃除方法
タバコや食べ物・飲み物が原因で付いたシミを、車内用洗剤や中性洗剤で落とすのは大変です。そのため洗濯用の酸素系漂白剤を使って掃除をします。
50~60度くらいのぬるま湯に酸素系漂白剤を溶かして、シミのある箇所に霧吹きで吹きかけましょう。それからお湯で濡らしたタオルや雑巾を使って、汚れを落とします。
このときごしごしと強く擦るのではなく、掃除箇所を傷つけないように拭いたり叩いたりするのがポイントです。頑固なシミには歯ブラシを使うのも1つの手です。
浮いた汚れが分解されるまで10分ほど放置したら、濡れた雑巾やタオルで拭き取り、最後に乾拭きをします。
布製シートの汚れの掃除方法
布製シートのしつこい汚れも、洗濯洗剤での掃除が有効です。
シートは編み目にそって優しく、タオルや雑巾・歯ブラシで拭くようにしましょう。強く擦ると毛羽立ったり色素が抜けてしまったりする可能性もあるため、注意が必要です。水拭きしたあとは、しっかりと乾かしましょう。
また重曹スプレーや重曹ペーストを使って掃除をするという方法もあります。
100mLのぬるま湯に対して、小さじ1の重曹を混ぜて重曹スプレーを作ります。霧吹きに入れて汚れのある箇所に吹きかけてから、洗剤の場合と同じようにしっかりと水拭きしましょう。
重曹ペーストは、重曹と水を3対1の割合で配合します。部分的なシミを目立たなくしたい場合に使うのがおすすめです。
シミ取りをする際の注意点
洗濯用の洗剤や重曹を使うときは、目や口に入らないよう十分に注意しましょう。特に天井を掃除するときは、マスクやゴーグルを着用するのがおすすめです。
シートなどを水拭きしたあと水分が残っていると、カビや悪臭の原因になります。可能な限り晴れた日を選び、窓を開けたまま2~3時間ほどしっかりと乾かしましょう。
シートの素材が合成皮革や本革の場合は、劣化の原因になるため洗剤の使用はNGです。歯ブラシなどで汚れをかきだしてから水拭きをし、最後に乾拭きします。
それ以外の素材でも、汚れが落ちないからといって強く擦り過ぎるとダメージを与えてしまうため、無理は禁物です。
自力で落とせない汚れはプロに相談する
自分で車内のクリーニングをするのは、なかなかの重労働です。車内全てを1人できれいにしようと思ったら、1~2時間ほどかかってしまいます。シミなどの頑固な汚れは、自力では落とせない場合もあるでしょう。
より手軽に車内を掃除したいときや落とせない汚れがあるときは、プロの清掃業者に依頼するのがおすすめです。費用はかかるものの、車内クリーニングを全て任せられる上、専用洗剤や機械を使って仕上げてもらえます。
自力での掃除だけにこだわるのではなく、ぜひ選択肢の1つとしてプロ業者への依頼も検討してみましょう。
車内を清潔に保つための予防策
車内クリーニングの手間や時間をできるだけ減らすためには、日頃から車内を清潔に保っておくのも大事なポイントです。車内を汚さないための具体的な予防策を3つ紹介します。
乗り降りのタイミングで簡易清掃をする
乗り降りのタイミングで簡単な掃除をするだけでも、車内をきれいな状態に保ちやすくなります。手軽に掃除できる道具を車内に置いて、ささっと汚れを掃除するようにしましょう。
おすすめの道具は、埃や砂を取る粘着クリーナー、汚れを落とす歯ブラシ、飲料を拭き取るタオルなどです。粘着クリーナーの代わりに、ガムテープを使っても構いません。
またインパネの周辺やシートの隙間のゴミを取るために、ミニモップを用意しておくと便利です。
最初は面倒に感じるかもしれませんが、習慣化すればさほど苦に感じなくなります。定期的に大がかりな車内クリーニングを行う場合と比べれば、費用や作業時間の負担も少なくて済むでしょう。
汚れやシミの原因をシャットアウトする
汚れやシミの原因をあらかじめシャットアウトしておくのも、重要な予防策の1つです。
例えば車内では飲食や喫煙をしないようにするだけでも、シミや臭いが付くのを防げます。
乗車前に靴に付いた砂や泥を落としたり、洗濯可能なシートカバーで汚れやシミ・臭いが付くのを防いだりするのもおすすめです。カバーは、車のシートの形状やサイズに合ったものを選びましょう。
また車内の塗装部分やプラスチックなどを劣化させてしまう、紫外線にも注意が必要です。対策としては、紫外線をカットする専用のフィルムを窓ガラスに貼るといった方法が挙げられます。
除菌スプレーや消臭スプレーを使用する
除菌スプレーや消臭スプレーなどの使用も、手軽にできる車内清掃の方法です。
除菌スプレーは手で触れる機会が特に多いダッシュボードや、ハンドル・シフトノブ・ドアの内側などを中心に吹きかけます。スプレーをしたあとは、タオルや雑巾などで乾拭きをします。
車を降りるタイミングなどで小まめな掃除を心掛けると、菌やカビの繁殖を予防して車内を清潔に保てるでしょう。
消臭スプレーは飲食物やタバコ・汗の臭いなどが染み付きやすい、シートを中心に使用します。同時に車内用の空気洗浄機なども設置しておくと、快適な車内環境の維持につながります。
車内クリーニングをプロに依頼する
車内クリーニングの手間を削減したいときやよりきれいに仕上げたいときは、プロの業者に依頼するのがおすすめです。車内クリーニングを依頼する場合の費用相場と、安くて信頼できる業者を探すポイントを解説します。
車内クリーニングを依頼する費用相場
車内清掃の料金は、車の大きさや掃除箇所・汚れの程度・依頼する業者などによって幅があります。
車内全体の掃除を依頼する場合には、軽自動車なら約4万円、ミニバンなどの大きい車であれば6万円ほどが相場になるでしょう。
シートのクリーニングのみを依頼する場合の費用相場は、6,000円~3万円程度です。費用は清掃を依頼するシートの数に応じて決まります。
費用を節約するために、簡単に落とせる汚れだけは自分で掃除しておくという方法もあります。汚れや清掃箇所が少なければ、それだけ費用も安くなる可能性が高いでしょう。
安くて信頼できる業者を探すなら相見積もりを
業者を探すときは、複数業者から見積もりを取って比較する「相見積もり」がおすすめです。相場感がなくても、どの業者が安いのかを簡単に把握できます。
ただし価格だけで決めてしまうと、技術が低い業者や、悪徳業者を選んでしまう可能性もゼロではありません。安くて信頼できる業者を見つけるためには、サービス内容や実績・口コミなども総合的にチェックしましょう。
車内清掃の手間を削減するなら業者に相談しよう
効率的に車内クリーニングを行うときは、水洗いしたあとの乾燥時間を考慮してフロアマットから着手します。そのあとは「上から下へ」掃除を進めていくのが基本です。
掃除道具はほとんど100円均一で入手可能で、車内用洗剤がなければ、中性洗剤でも代替できます。
落ちにくいタバコや飲食由来のシミ・シートの汚れには、水で薄めた洗濯用洗剤や重曹を使います。ただし目や口に入らないように十分な注意が必要です。汚れの度合いや清掃箇所の素材などによっては、自力で落とすのが難しい場合もあります。
クリーニングの手間を減らしたり、落ちにくいシミまで掃除したりしたいときには、プロの業者への依頼を検討しましょう。