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サンタンカとはどんな花?花言葉や人気の種類・育て方を解説!

最終更新日: 2024年04月20日

鮮やかな赤色やオレンジ色の花を咲かせるサンタンカ。ビビッドな花色とその特徴的な姿は、夏の景色にぴったりです。

「サンタンカってどんな花なんだろう」「サンタンカを実際に育ててみたい!」という方のために、この記事では花の特徴や花言葉、人気の品種や育て方などを解説します。

サンタンカの育て方のポイントは?

温度管理をきちんとすることです。サンタンカは寒さに弱いため、5℃を下回らない環境で育ててください。

サンタンカの花言葉は?

サンタンカの花言葉は「熱き思い」「喜び」「張り切る」です。開花時期の長さや花の色に由来しています。

サンタンカの特徴

サンタンカの赤い花

植物名 サンタンカ
学名 Ixora chinensis
科名 / 属名 アカネ科 / サンタンカ属
原産地 中国南部、東南アジア、南アジア
開花期 5月~10月
花の色 赤、オレンジ、ピンク、黄、白
樹高 0.3~1m
特性 常緑性

サンタンカは沖縄地方で主に見られる常緑低木です。沖縄三大名花にも数えられており、沖縄県では「サンダンカ」の名前でも知られています。

赤やオレンジなど様々な色の花を咲かせる品種があり、樹高は高いものでも1mほどです。花屋では切り花としても販売されています。

耐寒性が低いため本州では鉢植えで楽しむのが中心ですが、熱帯地方では庭木としても親しまれている花木です。

花の形と花期

サンタンカは赤やオレンジ、黄色の花を咲かせます。花の形は2〜3cmほどと小ぶりで、かわいらしい印象です。たくさんの小花を房状につける性質があり、こんもりと丸みを帯びた花序を楽しめるでしょう。

花期は5月~10月頃で、春の終わり頃から秋口にかけて長く続きます。花が咲いているのを長い期間楽しめるため、鑑賞用としてもぴったりです。

丸くて赤黒い色の実

サンタンカは、核果(カクカ)という種子が入っている果実ができます。大きさは約1cmと非常に小さく、赤黒い色をしています。

サンタンカの花言葉は「熱き思い」「喜び」「張り切る」

サンタンカの花言葉には「熱き思い」「喜び」「張り切る」などがあります。

「熱き思い」や「張り切る」といった言葉は、サンタンカの開花時期の長さに由来しています。

何かに一生懸命に打ち込んでいる方や、喜ばしい出来事があった方へのプレゼントに、サンタンカを選んでみてはいかがでしょうか。

サンタンカの育て方

サンタンカ

サンタンカの栽培カレンダー

サンタンカの栽培カレンダー

サンタンカの育て方を紹介します。

サンタンカは耐寒性が低いため、鉢植えで楽しむのが一般的です。水やりや施肥のポイントを確認して、サンタンカを健康的に育てましょう。

栽培環境

サンタンカは日当たりのよい場所を好みます。一方で夏の強すぎる日差しに当たり続けると、葉焼けを起こす可能性があります。夏は半日陰になる場所へ移動させるとよいでしょう。

寒さにも弱いため、11月~2月の間は室内で育てるように心がけます。鉢植えでなく地植えで育てる場合は、植替えが必要です。4月~6月に行うのがベストです。

水やり

サンタンカの水やりは、土の表面が乾いたタイミングで実施します。乾燥に弱いため、夏はこまめに土の状態をチェックしましょう。天気のよい日が続く場合は、毎日水を与えてくださいね。

生育期に水不足になると、花が落ちてしまうなど生育に悪影響を与えます。一方で生育がゆっくりになる冬は、水を控えめにして管理するのがポイントです。

肥料

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 サンタンカの肥料は春~秋の成長期に与えます。花が咲く5月~10月のタイミングに合わせて、緩効性肥料を置き肥しましょう。

植え付け・植え替え

サンタンカの植え付け・植え替え時期は4月中旬~6月ごろが適期です。

根詰まりを起こさないよう、植替えの際にはひと回り大きな鉢に植え替えるようにしましょう。根鉢の3分の1程度の土を落とし、新しい鉢に植え替えます。

生育が悪くなるのを防ぐためにも、1~2年に1回ほどの頻度で植え替えてくださいね。

切り戻し剪定

サンタンカの切り戻し剪定の図解

サンタンカの剪定は花後すぐに行います。1~2節を残すように切り戻し剪定を実施しましょう。

また花のつかなかった枝や伸びすぎた枝、枯れている枝も切り取ります。剪定をした場所からさらに枝分かれしていき、きれいな樹形を実現できます。

増やし方

サンタンカは挿し木で増やすことができ、5月~9月ごろが適期です。挿し木は次の手順で実施しましょう。

  1. 枝を先端から2節ほどで切り取って「挿し穂」にする
  2. 枝の下方についた葉を取り除く
  3. 挿し穂を1~2時間水につける
  4. 鹿沼土などの清潔な用土に挿す
  5. たっぷりと水やりをする
  6. 風通しのよい明るい日陰で1ヶ月ほど管理する

挿し木の手順を説明している図解

挿し木を実施した後は、半日陰で管理するようにしましょう。土の表面が乾いてきたら、適宜水やりをすることも大切です。

1ヶ月ほど経過すると新しい根が出て、新芽が生長します。新しい鉢に移し替えて、サンタンカの新しい株の栽培を楽しみましょう。

サンタンカを育てるときの注意点

サンタンカ

サンタンカを育てるときの注意点を紹介します。

サンタンカは熱帯植物で耐寒性がないため、冬越しに注意する必要があります。枯らしてしまうことのないよう、しっかりと対策を行っておくのが大切です。

冬越しを意識する

サンタンカは耐寒性が弱いため、冬越し対策が必要です。耐寒温度は5℃以上、特に寒さへの耐性が低いコッキネアなら10度以上の環境で育てましょう。

具体的な対策としては、室内へ鉢植えを移動させ、暖房で部屋をしっかり暖めておくことです。鉢植えを置く場所も窓から離れたところではなく、しっかりと日の当たる窓際に置くようにしましょう。

害虫にも注意

サンタンカの害虫として代表的な虫が、アブラムシとカイガラムシです。

葉の裏に群生するアブラムシ

アブラムシは植物の生育を阻害するため、発見したら早めに対処するのが大切です。殺虫剤を使用して駆除しましょう。

関連記事:アブラムシの発生原因と駆除方法、予防方法を解説【無農薬でも対策できる】|ミツモア

カイガラムシ

カイガラムシは薬剤への耐性が強いです。直接手で取ったり、使わなくなった歯ブラシなどでこすり落としたりして対処してください

サンタンカのよくあるトラブル

頭を抱える女性

サンタンカを育てる上で、よくあるトラブルについて紹介します。

花が枯れた

冬越えができないと、サンタンカの花は枯れてしまいます。5℃を下回らない環境で育ててください。

枯れた花は根元からカットし、枯れていない他の花に栄養を行きわたらせましょう。サンタンカは耐暑性があるので、夏に花が枯れる可能性は低いです。

葉が茶色になる/落ちる

サンタンカは、強い日差しを受けると「葉焼け」します。葉焼けすると、葉の色が茶色に変わったり、葉が元気を失って地面に落ちてしまったりします。

サンタンカは半日陰の場所で育ててください。鉢植えの方は、日中は日が当たる外にサンタンカを置き、夕方以降は室内に入れるとよいでしょう。

サンタンカは切り花でも楽しめる

サンタンカの切り花

サンタンカは鉢植えや地植えだけではなく、切り花としての人気も高い品種です。園芸店では鉢物での流通よりも切り花としての販売のほうが多いです。

花瓶にサンタンカを飾って、玄関や居室を鮮やかに彩ってみてはいかがでしょうか。

水揚げで切り花を長く楽しもう

サンタンカは水の吸い上げがよくないため、そのまま花瓶に挿しているとすぐに枯れてしまいます。

水揚げを行うことで、サンタンカの切り花を長く楽しむことができます。水を吸い上げやすくすることを水揚げといいます。

「水切り」と呼ばれる方法でしっかりと水揚げを実施しましょう。

水切りの手順

  1. サンタンカの切り花を新聞紙などの紙に包む
  2. 深めの容器に水を入れ、茎の下部を漬ける
  3. 水中で切り口の先端から2~3センチの場所を斜めに切る
水切りの方法を説明している図解
水中の中で切る

切り口の乾燥や空気の侵入を防ぐためにも、水中で切ってください。切れ味のよいハサミを使って一気に切り落とすのがポイントですよ。

水揚げを適切に実施して、サンタンカの切り花を長く楽しみましょう。

サンタンカの種類

サンタンカの花房

サンタンカと一口にいってもその種類はさまざまです。それぞれで花の色や形状が異なるため、好みのサンタンカを見つけてみてくださいね。

丸くてかわいい花が咲く「キネンシス」

キネンシスの花

植物名 キネンシス
学名 Ixora chinensis
科名 / 属名 アカネ科 / サンタンカ属
原産地 中国南部、マレー半島

キネンシスは中国やマレー半島が原産で、丸い花びらが特徴的な品種です。

花はオレンジに近い色味をしており、夏にぴったりの明るい印象を与えます。葉っぱの根元部分が細いというのも、キネンシスを見分ける際のポイントです。

キネンシスはサンタンカの中でもメジャーな種類のため、園芸店でも比較的見つけやすいでしょう。

尖った花が特徴の「コッキネア」

コッキネアの花

植物名 コッキネア
学名 Ixora coccinea
科名 / 属名 アカネ科 / サンタンカ属
原産地 インド

コッキネアはインドを原産地としたサンタンカの品種です。った形状で濃い赤色の花をつけるのが特徴で、思わず目を奪われる美しさがあります。

コッキネアは他のサンタンカに比べると、寒さには強くありません。10度を下回ると枯れてしまう可能性があるため、温度管理が重要です。

鉢植えで育てているなら、冬場は屋内で管理することをおすすめします。

最も美しいサンタンカ「スーパーキング」

スーパーキング

植物名 スーパーキング
学名 Ixora’Super King’
科名 / 属名 アカネ科 / サンタンカ属
原産地 カロリナ諸島

スーパーキングは「ダッフィー種」をもとに品種改良で作られた、サンタンカの園芸品種です。名前にもインパクトがありますね。

スーパーキングの花は、コッキネアよりもさらに鮮やかな赤色をしています。その色の美麗さゆえか、サンタンカの中で最も美しいと称されることも。サンタンカの中でも花つきがよい品種です。

また他のサンタンカと比べて、サイズが大きめであることも特徴でしょう。樹高は大きいものだと約1.5mにまで生長します。

黄色の花が咲くキバナサンタンカ

キバナサンタンカ

植物名 キバナサンタンカ
学名 Ixora coccinea var. lutea
科名 / 属名 アカネ科 / サンタンカ属
原産地 インド

キバナサンタンカは名前の通り黄色の花を咲かせる、インド原産の「イクソラ・コッキネア」から作られたといわれる園芸品種です。

樹高が1.5m程度と、サイズが大きいという特徴があります。

鮮やかな色合いの花が、室内や庭の空間にコントラストを生み出してくれるでしょう。

キバナサンタンカは珍しい種類のため、他のサンタンカと比べて目にする機会が少ないです。もし園芸店などで見つけたら、ぜひ購入を検討してはいかがでしょうか。

サンタンカに似た花

サンタンカ

サンタンカには、よく似た花が存在します。「この花ってサンタンカなのかな・・・?」と疑問に思った際の参考にしてくださいね。

ペンタス

ペンタス

植物名 ペンタス
学名 Pentas lanceolata
科名 / 属名 アカネ科 / クササンタンカ属
原産地 アフリカ東部~アラビア半島

サンタンカの品種「コッキネア」によく似た花を咲かせるのが、アカネ科の「ペンタス」です。

サンタンカに似ていることから「クササンタンカ」の別名を持ち、星型の5枚の花びらを持つ赤い花を咲かせるのが特徴です。

ひとつの花の大きさが1cmほどと小さいため、サンタンカと見分ける際には、花のサイズと花びらの数をチェックするとよいでしょう。

草丈は30~50cmほどと低く、サンタンカと同様に春~秋にかけて長期間花を咲かせるのも特徴のひとつです。

イボタノキ

イボタノキ

植物名 イボタノキ
学名 Ligustrum obtusifolium
科名 / 属名 モクセイ科 / イボタノキ属
原産地 日本、台湾

イボタノキは日本全国の野山や田畑に自生しているモクセイ科の落葉樹です。

6月~7月頃にサンタンカに似た小さな白い花を咲かせるのが特徴ですが、庭木としてはあまり用いられません。

樹高が2~4mと比較的高いため、サンタンカと見分ける際には樹木の高さをチェックしてみてくださいね。

カルミア

カルミア

植物名 カルミア
学名 Kalmia
科名 / 属名 ツツジ科 / カルミア属
原産地 北アメリカ

カルミアはツツジ科の常緑低木です。5月~6月ごろになると、サンタンカに似た形状の小花を枝先にたくさん咲かせます。

金平糖のような形のつぼみと傘のような形状の花びらをつけるため、サンタンカと見分ける際には花の形状をチェックするとよいでしょう。

美しい花をつけるその姿から、庭木としての人気も高い花木です。

夏にぴったりのサンタンカを育てよう

サンタンカ

サンタンカは鮮やかな花色をしており、夏らしい雰囲気を味わうのにもってこいの花です。種類も豊富なので、好みの花色や形状のものを選べる楽しみもありますね。

耐寒性が低いため、育てる際には冬越しに十分注意して管理するのが大切です。サンタンカを育てて、爽やかな夏を過ごしてみてはいかがでしょうか。

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