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グレビレアはユニークな花が魅力的な常緑低木!人気の品種や育て方を徹底解説

最終更新日: 2024年06月28日

オーストラリアを原産とするグレビレアは、ユニークな花が特徴的な常緑低木です。日本でも園芸品種として人気が高く、鮮やかな色の花と美しいグリーンの葉のコントラストが庭を華やかに演出します。

この記事ではグレビレアの特徴や人気の品種、育て方から手入れの方法まで徹底解説。気になるグレビレアの魅力に迫ります。

グレビレアはユニークな花が魅力的な常緑低木

赤いグレビレア

グレビレアはユニークな形状の花が魅力的な、オーストラリア原産の常緑低木です。鮮やかな色合いの花と葉の緑のコントラストが美しく、日本でも園芸品種として知られています。

グレビレアの特徴

植物名 グレビレア
学名 Grevillea sp.
科名 / 属名 ヤマモガシ科 / グレビレア属
原産地 オーストラリア、パプアニューギニア
開花期 通年、2月~6月  (品種によって異なる)
花の色 赤、黄色、オレンジ、白、ピンク
樹高 0.2~8m
特性 常緑性、耐乾性、半耐寒性

グレビレアは、オーストラリアやパプアニューギニアを原産とする樹木です。品種により大きさは異なりますが、鉢植えで育てられる数十cmのものから8m程度の高木まであります。

グレビレアの名前は、イギリスの政治家でもあり植物学にも貢献した「チャールズ・フランシス・グレヴィル」が由来とされています。名称がグレビレアとなったのは、植物の属名を女性名とするルールがあるためです。

またグレビレアの品種「グレビレア・バンクシー(Grevillea banksii)」の「バンクシー」はグレヴィルの友人でもある「ジョセフ・バンクス」が由来です。人名由来の学術名の末尾は原則「ii」または「ae」となっており、由来が推察できます。

ユニークな形状の花をつける

グレビレアの花は、めしべが主体です。種になる部分から複数のめしべが飛び出し、くるりと巻いています。日本の品種では彼岸花に似ており、色も赤・黄色・オレンジなど鮮やかな色が主流です。

花が成長するとめしべがぴんと伸びて、蜘蛛を連想させます。「スパイダーフラワー」の別名もあり、形が特徴的な花です。

開花時期は冬~春で、それ以外の季節には緑の葉を茂らせる常緑樹でもあります。色合いと形がゴージャスで、鉢植えで育てる人や切り花を飾る人も多いでしょう。

小ぶりな葉をたくさんつける

グレビレアは小ぶりの葉をたくさんつけるのが特徴です。細い葉が密につく様子は、スタイリッシュな印象を与えてくれるでしょう。

またグレビレアは品種によって葉の形状も大きく異なります。中には葉のオモテとウラで異なる葉色をつけるものも。好みの葉をつける品種を選んで、育ててみてはいかがでしょうか。

花言葉は「情熱」「あなたを待っています」

グレビレアの花言葉は「情熱」「あなたを待っています」です。

小さく丸まった雄しべが、成長に伴って花の外側へと飛び出していく様子から、その姿をなぞらえて「情熱」の花言葉がつけられたと考えられています。

またグレビレアは鳥や昆虫を集める甘い蜜を花からたくさん出します。動物たちが訪れるのを待っている様子や、その魅惑的な花の姿から「あなたを待っています」という花言葉がつけられました。

グレビレアの品種

青空に伸びるグレベリア

グレビレアは交配を重ねたハイブリッド種が多く、細かい品種数は250種以上にものぼります。またそれぞれで花や葉の特徴が異なります。数ある種類の中から、お気に入りのグレビレアを見つけてみてはいかがでしょうか。

グレビレア・ロビンゴードン

グレビレア・ロビンゴードン

グレビレア・ロビンゴードンは数あるグレビレアの品種の中でも代表的な品種で、花つきがよく、丈夫で育てやすいのが特徴です。

また開花期が非常に長く、ほとんど1年を通じて花を咲かせることも。長く花を楽しみたい方にはうってつけのグレビレアです。赤いめしべを大胆に展開する花の姿と、深い切れ込みの入った鮮やかなグリーンの葉が、南国のようなリゾート感を演出します。

グレビレア・ロブスタ

グレビレア・ロブスタ

グレビレア・ロブスタはその名の通り、ロブスターのような形をした黄橙色の花をつける常緑低木です。

また高さ20mほどの大きさまで育つこともある高木で、5mの高さを超えないと花が咲きません。花を楽しみたい場合は、地植えにして高く育てていく必要があるでしょう。

深い切れ込みの入った葉が特徴的で、樹形もきれいなことからシンボルツリーとしても人気があります。

グレビレア・ココナッツアイス

グレビレアの品種のひとつ「バンクシー」をベースに生まれた、グレビレア・ココナッツアイス。

3月~6月ごろになると、ピンクやオレンジ色、赤色を中心としたグラデーションの美しい花を咲かせるのが特徴で、エキゾチックな姿が印象的です。

葉は細長く、やや白味がかったグリーンをしています。シャープな葉と大胆な花のコントラストが魅力的な品種です。

グレビレア・エンドリチェリアナ

グレビレア・エンドリチェリアナはシルバーグリーンの細長い葉が特徴の品種です。多くの細い葉を密につける様子は見応えがあります。

また春になると、淡いピンク色の花をたくさん咲かせるのも大きなポイント。ナチュラルな風合いのグレビレアを楽しみたい方におすすめの品種です。

グレビレア・ジョンエバンス

ピンクがかった赤色の花が印象的なグレビレア・ジョンエバンス。11月~3月ごろにかけて、ぷっくりとした花をつけるため、他の花木が咲いていない時期にも抜群の存在感を放つでしょう。

葉は細く、先端に向けてスラリと尖った形をしています。花をつけない夏には涼しげな雰囲気を醸し出してくれるのも魅力のひとつです。

グレビレア・ピーチアンドクリーム

グレビレア・ピーチアンドクリームは、花のクリーム色とピンクのグラデーションがかわいらしい品種です。花は時間とともに色が移ろい、最終的にはコーラルピンクの美しい姿へと変化していきます。

他の品種とは違った可憐な姿で、庭や室内空間を華やかに彩ってくれるでしょう。

グレビレア・エレガンス

飴細工のような透き通ったピンク色の花が特徴的なグレビレア・エレガンス。光沢のある色合いの花は、一線を画した上品さを兼ね備えています。年間を通じて複数回開花するのもうれしいポイントですね。

また葉は針のように細長い形状で深く裂けており、その姿はまるで松のようです。花が咲かない時期も葉の美しさを感じられるため、年間を通じて楽しませてくれる品種です。

グレビレア・バイレヤナ

ドライフラワーなどの花材として有名な「グレビレア・ゴールド」をベースにした品種のグレビレア・バイレヤナ。葉の表が緑で、裏が金色のバイカラーが特徴です。さまざまな表情を見せてくれるだけでなく、きらびやかな印象を与えてくれるでしょう。

またグレビレア・バイレヤナは希少性が高く、なかなか手に入らない人気品種です。販売しているのを見つけた際には是非ゲットしてみてくださいね。

グレビレアを上手に育てるための3つのポイント

グレビレアの花

グレビレアはオーストラリアの植物でありながら、日本の気温や生育環境でもよく育ちます。日当たりや土の状態など、育てる上で知っておきたいポイントを紹介しましょう。

1.日当たりのよい場所に置く

グレビレアは、温暖な気候のオーストラリアで生まれた日光を好む植物です。花を咲かせるには、たっぷり日光浴をさせましょう。

日光が足りないと花が咲かない原因になるだけでなく、葉の色も鮮やかな緑になりません。鉢植えで育てる場合は、昼間の日差しが届く時間に外に出すなどの工夫が大切です。

また寒い地域や季節のときは、室内に入れると寒さから身を守れます。ある程度の寒さには耐える品種ですが、真冬や雪の日など状況によっては室内の明るい場所で育てるのもひとつの方法です。

2.用土は水はけのよいものを

グレビレアは高い湿度を嫌う植物です。湿度の高い栽培環境にならないよう、土は水はけのよいものを選びましょう。

赤玉土や鹿沼土など軽石タイプの土を使うと、水が流れやすくなります。大粒・小粒など複数の種類が販売されているので、好みに合わせてブレンドしてください。

中には赤玉土のみで用土を作る人もいます。弱酸性の土壌を好む植物でもあり、弱酸性の赤玉土や鹿沼土はブレンドの基礎にぴったりです。

また庭に植える場合はグレビレアに合わせた土壌を作るため、いったん「苦土石灰」を混ぜて土の酸性度を中和し、弱酸性の腐葉土や堆肥で弱酸性に整えます。

3.越冬対策は万全に

グレビレアは温暖な気候を好む植物のため、真冬には越冬対策が必要です。葉やつぼみに霜がつくと傷みの原因になるので注意しましょう。

ひどい場合は枯れる原因にもなるため、寒い時期は室内に移動できる鉢植えで育てるのがおすすめです。

また外で育てる場合は、周辺の土を覆って霜よけをしてください。霜がつかなければ、冬を越して新しい花をつけてくれるでしょう。

グレビレアは基本的には寒さに強く、関東でも越冬できます。ロビンゴードンなど秋冬にも花をつける種類もあり、1年中楽しめるでしょう。

グレビレアの育て方

グレビレア

グレビレアを育てるときは、水やりや肥料の頻度が大切です。水のやりすぎや肥料の与えすぎにならないよう、適切な量を知っておきましょう。季節や状態に合わせて手入れするのが基本です。

植え付けのタイミングは年に2回

グレビレアの植え付けのタイミングは年に2回、4月~5月9月~10月ごろが適期です。

地植えのやり方

  1. 根鉢より2~3倍大きい穴を掘る
  2. 正面にしたい向きを決める
  3. 苗を穴の中へ置く
  4. 根鉢が隠れるまで土を被せていく
  5. たっぷりと水やりをする

地植えの場合、まずは根鉢より2~3倍大きい穴を掘ります。正面にしたい向きを決めてから、苗を穴の中へ置いて植え込みます。

注意点として、根に布を巻いている場合は、根を守るため取らずにそのまま植え付けましょう。また支えが必要な場合は、支柱を利用して苗が傾かないよう結束するのも効果的です。

鉢植えのやり方

  1. 鉢の底に鉢底ネットを敷く
  2. その上から軽石を敷いていく
  3. 培養土を入れる
  4. 苗を置いて土を追加する
  5. たっぷりと水やりをする

鉢植えにする場合は鉢の底に鉢底ネットを敷いてから、その上に軽石を置いて準備をします。

また培養土は、苗を入れた際の高さを意識しながら入れていくのがポイントです。苗の表面の土の高さが鉢のふちの部分から1~2cmほど下がった位置になるように培養土を入れましょう。

水やりをした際に水が貯まるウォータースペースを確保できるため、水やりの際に土がこぼれなくなり効率がよくなります。

水やりは土の状態を見ながら行う

グレビレアは乾燥した地域で育つ植物です。水のやりすぎは根が腐る原因になります。適度な間隔を空け、乾燥しすぎない程度に水をあげるようにしましょう。

夏は暑く乾燥しやすくなるため、水やりの頻度も少し早めを心掛けます。反対に秋冬など湿気がたまりやすい時期は、少し間隔を空けるようにしてくださいね。

水やりの目安は土の表面が乾き、以前与えた水がなくなったころです。鉢植えの場合、水は受け皿に流れ出る程度までたっぷり与えます。受け皿の水は水やり後に捨てるようにして、根腐れを防ぎましょう。

また庭で直接植える場合は、なるべく土に湿気がたまりにくい場所を選ぶのが大切です。水はけがよく乾きやすい場所が最適でしょう。

肥料はほどほどに

グレビレアは強い植物で、肥料がなくても育ちます。肥料を与えると生育が良くなるものの、控えめにするのがおすすめです。

肥料を与える場合は、春と秋に「緩効性化成肥料」を与えましょう。肥料には即効性・緩効性・遅効性があり、緩効性は与えたときから一定期間持続して効果があるタイプです。

なお、グレビレアの根は「リン酸」を吸収しやすい傾向があるため、肥料として与えると根が傷みます。リン酸は花や果実をつけやすくする成分として肥料に含まれていますが、配合されていないものを選びましょう。

グレビレアの手入れ方法

剪定道具

グレビレアはそれほど手入れが必要ない植物ですが、適度な剪定や植え替えは欠かせません。枝や花にトラブルがあったときの対処方法や、剪定・植え替えの注意点などを知っておきましょう。

剪定の仕方

観賞用として販売されているグレビレアの多くは、1~2m程度の低木です。鉢植えで育てている場合は、状況によってさらに低くなるでしょう。

育てすぎないための剪定は必要ありませんが、手入れとしての剪定は大切です。枯れた枝や多すぎる枝など、必要ない部分はカットしていきましょう。

グレビレアは枝を切っても枯れにくく、剪定方法はそれほど難しくありません。必要ない部分をばっさり剪定しても、新しく芽が出てきます。開花時期が終わった後、枝の形を整えてみましょう。

植え替えの仕方

グレビレアの植え替えの時期は春が最適です。冬の時期は温暖な気候を好むグレビレアに負担がかかります。暖かくなり、ひと息ついた後の4~5月が適しているでしょう。

鉢から取り出したグレビレアは、適度に土を落として大きめの鉢に入れ替えます。土は新しいものを使いますが、根にダメージを与えないためにも、グレビレアについている土は無理に落とす必要はありません。

グレビレアに限らず、観葉植物は定期的に植え替えが必要です。給水力が弱くなったときや、育ちすぎて鉢底から根が出てきてしまったときがひとつのタイミングとなるでしょう。

また数年経つと土が古くなり、トラブルも起きやすくなります。なるべく2~3年に一度は植え替えを検討してくださいね。

病害虫の心配は少ない

グレビレアは害虫に強く、病気もしにくい植物です。蜜を出すため鳥や虫などは集まってきますが、大きな心配はないでしょう。根腐れや合わない土壌に植えるなどの問題がなければ手入れもそれほど必要なく、すくすく育ちます。

グレビレアに起こる病気としては「すす病」があります。葉が黒くなり枯れてしまう病気で、黒カビが原因です。

すす病の原因となるカビ菌は空気中に存在しますが、虫の排泄物や蜜をエサとして繁殖します。そのため枝や葉に蜜が付着したときは、早めに拭き取るようにしましょう。黒くなった部分をやわらかい歯ブラシなどでこすり取るのも効果的です。

グレビレアの増やし方

白いグレビレアの花

グレビレアは挿し木などで増やせる植物です。枝を切って増やし、庭への植え付けも楽しめます。栽培に慣れてきたら、グレビレアを増やすのにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

挿し木の仕方

1本の株からグレビレアを増やしたいときは、挿し木が効果的です。挿し木は5~10cm程度の枝を切り、水に浸けて根を出す方法です。枝を切っても弱りにくいグレビレアは、挿し木も気軽にできます。

若い枝を選び、先端部分の数枚を残して下部分の葉を取ります。できるだけ水分を吸収しやすいよう、切り口は斜めにしておきましょう。

その後は2時間程度水に浸けておきますが、根が出やすくなるよう「発根剤」を切り口につけるのも効果的です。

そして水に浸けた枝は、小さな鉢などに土を入れて挿しておきます。固定のために水やりをして、土を固めておきましょう。根付いた後は植え替えて苗として育てます。

グレビレアを育てて華やかな庭にしよう

赤いグレビレアの花

グレビレアは個性的な形の花と育てやすさで、日本でも注目を集めている植物です。育て方や特徴を知り、自分好みの品種を手に入れましょう。

また地植え、鉢植えどちらも可能で、挿し木で増やせるのも魅力です。秋冬に花が咲くタイプもあり、いつも鮮やかな緑の葉も人の目を楽しませてくれます。