庭を整地したいと考える人は少なくありません。
しかし庭の整地を業者に依頼した場合の相場など、分からないことは多いのではないでしょうか。整地の基礎知識や業者を選ぶポイント、家庭でできるDIYの方法を紹介します。
「整地」と「更地」はどう違う?
「整地」と「更地」にはどのような違いがあるか、ご存知でしょうか?まずはそれぞれの特徴について見ていきましょう。
整地の特徴
整地とは重機で土地を踏み固める「転圧作業」を行い、土地を平らにしてきれいに整えた状態の土地のことです。例えば建築を行う際に、土地をならし地固めした土地や、作物を植える際に雑草などを取ってきれいに整えた土地が当てはまります。
つまり土地の上にある不要なものを手や重機を使って取り除き、きれいにした土地が「整地」です。用途に合わせた整地を行ってくれる業者もあり、整地の内容は業者によって異なります。
更地の特徴
更地とは家などの建築物がない、まっさらな状態の宅地のことです。「耕作されていない農地」や「樹木のない山林」は宅地ではないため、更地と呼びません。
つまり地面の表面がまっさらな状態で建築物がないだけではなく、宅地かどうかが重要なのです。
更地は整地のように、きれいに整えていなくても問題ありません。例えば転圧作業を行っていない場合や、雑草が生い茂っている場合も、建築物がない宅地であれば更地となります。
庭の整地方法の種類
庭の整地方法には「粗仕上げ」「砕石舗装」「真砂土舗装」の三つがあります。それぞれの特徴を理解しましょう。
粗仕上げ(組整地)の特徴
粗仕上げ(組整地)は、土地の活用方法が決まっていないときに行われることが多い整地方法です。建築物を壊した際に出たコンクリート破片やガラス破片などを取り除き、土を整えるだけなので、もっとも簡単で費用を抑えられます。
ただしどの程度きれいに整えるかは、業者によって異なります。トンボやほうきを使用して土地をきれいにしてくれる業者もいる一方で、石などを撤去して終わりにする業者もいるでしょう。
そのため事前に、どの程度の整地を行ってもらえるか確認しておくと安心です。
砕石舗装の特徴
砕石舗装は粗仕上げの後に、砕石を敷き詰める整地方法です。お墓の周りにも敷き詰められている、天然の岩石を使用します。
砕石舗装を行うと土地がきれいに整って見えるだけではなく、土地が安定するため土地の売却や新しく建設するときにおすすめの整地方法です。しかし粗仕上げより時間やコストがかかります。
また砕石舗装に似た整地方法の一つが砂利整地です。砂利整地に使用される石には、さまざまな石や砂が混ざっています。そのため砕石舗装よりコストを抑えながら整地したい人におすすめです。
砂利を敷くことで、人が歩くと音が鳴るため防犯対策になったり、雑草が生えにくい状態にできたりなどのメリットがあります。
真砂土舗装の特徴
真砂土(まさど)舗装とは土地を平らにした後、真砂土を敷く整地方法です。真砂土とは目の細かい砂状の土のことで、水はけがよい性質を持っています。
シンプルで見た目にもきれいな土地を作れたり、さまざまな用途で土地を活用できたりします。特に真砂土の水を通しやすい性質を活かせられる、ガーデニングにもおすすめの整地方法です。
また真砂土は粒が細かいため、雑草が生えにくくなる効果も期待できます。ただしコンクリートで舗装するよりも耐久性が劣るため、整地した後の使い道に合わせて選択しましょう。
土間コンクリート、アスファルト舗装の特徴
土地の高さを均一にしながら、雨水を流すための水勾配(みずこうばい)を測定します。砕石舗装を行った後に、コンクリート舗装やアスファルト舗装作業を行う整地方法です。
コンクリート舗装はアスファルト舗装より費用が高く、工事の期間も長くなります。しかし耐久性があり、補修の必要がない場合が多い舗装方法です。
一方アスファルト舗装はコストを抑えらる反面、コンクリート舗装より耐久性が劣り、補修が必要になる場合が少なくありません。またアスファルト舗装は夏の暑い季節に路面温度が高くなり、路面がゆがみやすいことも特徴です。
庭の整地にかかる費用相場
庭の整地を業者に依頼した場合、費用の相場はいくらなのでしょうか。費用の相場について紹介します。
整地の費用相場
平地である場合、整地の相場は1平方mあたり300~600円が一般的です。しかし撤去作業の有無によって、費用に違いが出ます。
例えば土に埋もれているものの掘り出し、庭木の根っこの掘り出し、雑草の除去が必要な場合は別途2,000円程度が必要です。加えて地盤の改良が必要な場合は5,000円程度、別途費用がかかります。
また傾斜が強い土地は整地を行うことが難しくなるため、相場より費用が高いこともあります。見積もりをもらってから依頼するとよいでしょう。
費用は整地の目的で変わる
リフォームや駐車場など、整地を行う目的が違うと整地の仕上げが異なります。整地方法が異なると費用も変動するので、あらかじめ確認しておきましょう。
例えば住居を壊してリフォームを行う際は、土の中に埋まった住居の基礎部分や解体したときに出るゴミの撤去費用がかかります。費用は地域や土地の面積によっても異なるため、業者に相談することがおすすめです。
また駐車場にする場合は、コンクリート舗装やアスファルト舗装を行うことが一般的です。整地の費用だけではなく、舗装のために必要な材料・道具・工程が増え、費用が高くなりやすいでしょう。
他にも庭やガーデニングを行うための整地の相場は、数万〜100万円程度と幅広くなっています。コンクリートでの整地や整備、砂利や芝生の使用など、整地の内容によって異なるためです。
広い面積を整地する場合や、荒れ放題の庭の整地する場合は、高額になることもあるので注意しましょう。
信頼できる整地業者の選び方
自宅の庭をお任せする業者は失敗なく、信頼できる業者に依頼したいと考えるでしょう。信頼できる整地業者を選ぶポイントを紹介します。
明確な見積もりを出す業者を選ぶ
料金の内訳を詳しく記載してくれる整地業者は、信頼できることが多いでしょう。素人が見ても「どこに何が必要のため、この金額が費用としてかかる」と分かるように、細かく内訳を記載してくれる業者であれば特に安心です。
また多くの場合、見積もりを依頼することで料金を明確にはできます。しかし「何が必要で、どこに費用がかかるのか」など、内容を具体的に把握できないと不安が残るでしょう。
このように見積もりを確認しても不安が残る場合は、他社の見積もりと比較するのがおすすめです。
企業情報と実績を確認する
業者の規模に関わらず、実績の有無は重要です。工事の実績は業者の技術力につながるためです。業者に依頼する前に過去にどのような実績があるのか、よく確認しましょう。
また小規模の業者の場合は、さまざまな工程を1人の職人が行うことが多いため、職人の技術力が高い傾向にあります。過去の実績を見て、自分の理想の仕上がりになりそうか確認しましょう。
庭の整地を自分でする方法
庭の整地は業者に依頼する方法以外にも、自分で行う方法があります。自分で庭を整地する方法を確認しましょう。
石や雑草を取り除いて土を耕す
まず目で見てわかる石や雑草を取り除きます。雑草を駆除しないと、芝生や砂利を敷き詰めた後に下から生えてくるため、見栄えが悪くなったり芝生の成長にも悪影響を与えたりすることがあります。
再び雑草が生えてこないように、根元まできっちり取り除きましょう。
次に想定している庭の深さまで掘り起こし、出てきた石や木の根を取り除きます。このとき丁寧に石や雑草を取り除かないと、土地を平らにできません。また土を掘り起こすことで土が軟らかくなり、整地しやすくなります。
土を平らにする
石や雑草を取り除いたら、土がでこぼこしている状態なので、土を平らにしていきましょう。
まず庭にあるタイルなどの高さに合わせて、土の量を調整します。砂利や芝生を敷く際は、2cmほど高さを低くすることがポイントです。庭のタイルなどと高さが合わないと歩きにくくなるほか、砂利や芝生がはみ出る原因になります。
高さを調整したら、土の表面を平らにしましょう。雨水などを排水しやすいように、全体的に緩やかな傾斜にしておくことがおすすめです。
トンボを使って土が盛り上がっている部分から、くぼんでいる部分に土を広げていきます。土の表面がでこぼこだと水たまりができたり、砂利や芝生が長持ちしない原因になったりするので、丁寧に行うことが大切です。
土を固める
土の量を調節し表面を平らにできたら、土を固めていきます。土を固めることで砂利や芝生が浮いたり、沈んだりすることを予防でき、土台をしっかり整えられます。
土を固めるには、ハンドダンパーという工具を使用する方法もありますが、足で踏み固めることも可能です。足で土を踏み固める際は、ムラができないように注意しながら行いましょう。
もし固めた後に土の高さが低くなってしまった場合は、土を少しずつ戻しながら固めていきます。
庭を整地して活用しよう
整地には粗仕上げや砕石舗装など、いくつか種類があります。整地をした後、どのように土地を活用するかを考慮して整地方法を選びましょう。
また整地の費用は1平方mあたり300~600円が一般的です。撤去作業や傾斜によって費用は異なるため、事前に見積もりを行うと安心して依頼できます。
業者を選ぶ際は費用の内訳を細かく提示してくれて、実績の豊富な業者に依頼しましょう。
さらに整地は自分で行うこともできるため、自分の好みに整地することもおすすめです。整地することで家庭菜園などを楽しむことができるでしょう。
解体工事のプロを探すならミツモアがおすすめ
ミツモアでは豊富な経験と知識を持った解体工事のプロに見積もりの依頼ができます。まずはプロに相談をしてみてはいかがでしょうか?