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生前整理のやり方解説 Ι 進め方・何をするのか・いつから始めるのか

最終更新日: 2019年12月10日

生前整理とは、亡くなった後残された子どもや遺族が、遺品を整理しやすいようにしておくものです。

終活を意識する年代の人だけでなく、20代・30代で行う人も少なくありません。

この記事では、生前整理の意味、生前整理に進め方やコツ、高齢家族の生前整理の方法をまとめました。

自分で生前整理を行いきれない場合は、生前整理業者にお願いする方法もありますので、業者への依頼するメリットや相場もご紹介します。

生前整理とは?

生前整理とは

生前整理とは、元気なうちに身の回りの整理をしておくことです。

人は誰しもいつどうなるかわからず、急に亡くなる可能性がゼロではありません。
生前整理をするのに、年齢は関係なし。早すぎることはないんです。

生前に自分自身で持ち物を整理することは、本来の持ち主の意思が100%反映できるので、体力があるうちに行っておくとよいでしょう。

生前整理の意味

身の回りものを整理することが含まれます生前整理ですが、どちらかというと自分が亡くなった後、残された家族が相続や遺品整理で困らないようにするといった意味合いが強くなります。

残される家族のためでもありますが、生前整理をすることにより、生活を見直すよい機会にもなるんです。

生前整理のメリット

生前整理をするメリットは大きく4つです。

  • 生前整理をすることで部屋が片付き、暮らしやすくなる
  • 財産や不動産などの状況を把握できる
  • 人生を思い返すきっかけになる
  • 家族が遺品整理を行いやすい

身の回りを整理することで、暮らしやすくなり、漠然としていたものをすっきりさせることができます。

生前整理と老前整理の違い

生前整理と老前整理、似ているようですが違いがあります。

生前整理は残される家族のために

自分が亡くなった後、遺族が遺品整理や財産整理などをすることを見据え、先んじて身辺整理しておくのが生前整理です。

自分のためというより、家族のために行うイメージになります。

老前整理とは老後の自分のために

年齢が上がると共に増えていく持ち物を見直し、必要なもの・不要なものを取捨選択するのが老前整理です。

増えすぎたものを整理し、今の暮らしをよりシンプルに暮らしやすくするといった目的があります。

生前整理が家族のためなら、老前整理は自分が暮らしやすくするため、自分のために行うものと言えるでしょう。

20代・30代で始める人もいる

20代や30代の若い世代での生前整理、決して早すぎることはありません。

若くして病気を抱えたり、事故や自然災害に合う可能性は誰にでも起こりうること。

身近に死を感じた場合や災害を肌で感じた人は、生前整理を意識することが多いようです。

生前整理の始め方

生前整理の始め方

生前整理をすると決めても、まずどのように始めたらいいか迷ってしまいますよね。

生前整理を始める年齢やタイミングはあるのか?どこから手をつければいいのか?生前整理の始め方とおすすめの進め方をご紹介します。

生前整理は65歳くらいから始めると良い

厚生労働省の発表で、平成30年の日本人の平均寿命は、男性が81.25歳・女性が87.32歳です。

出典:平成 30 年簡易生命表の概況

しかし平均寿命と健康寿命では開きがあります。

少し古い資料になりますが、平成22年の厚生労働省の資料では、男性の健康寿命は70.24歳・女性の健康寿命は73.62歳。平均寿命との差は10年以上もあるんです。

出典:平均寿命と健康寿命をみる

生前整理は健康で体力があるうちに始めるのが理想。健康寿命は70歳〜73歳と考えると、65歳から始めるとよいでしょう。

生前整理はすぐに終わるものではなく数年かけるものと考え、早めに始めるのがおすすめです。

1,貴重品をまとめる

通帳・印鑑・保険証書など、貴重品は1度まとめてみましょう。安全のために貴重品を別々に保管している人は、生前整理を機に出してみるのがおすすめです。

  • 通帳
  • 印鑑
  • 保険証書
  • 不動産関係の書類
  • 保険証
  • クレジットカード
  • 公共料金の領収書
  • 年金手帳

など

複数カ所で保管していると、記憶が曖昧になったときに「どこにしまったかな?」とわからなくなってしまう可能性が出てきます。

分けて保管するなら2カ所までにしましょう。

2,残す物・捨てる物を分ける

生前整理は、部屋を片付けることとは異なります。

部屋の片付けでは、「とりあえず取っておくもの」や「思い入れがあるから取ってくもの」がありますが、生前整理では使わないものは処分するという考え方です。

1年以上使わなかったものは思い切って処分し、思い入れのあるものもある程度まで減らしましょう。

処分するのが忍びないものは、人に譲ったりリサイクルショップに持ち込むのもあり。

まだ使えるものは、他に必要としている人のところで活躍してもらいましょう。

3,高いところにある物はなるべく下に

常用しないもので、高いところに保管しているものは、なるべく取りやすい場所に移動するのがおすすめです。

高いところからものを取り出すとき、足下がおろそかになります。脚立や台から滑って落ちたり、出そうとした物が降ってきたりする恐れが!

骨折などの怪我をすると、年齢が上がるにつれ回復が遅くなるので大変です。

高いところにあるものは不要なら処分し、必要なら手の届く下へ移動しましょう。

4,エンディングノートをつける

エンディングノートとは、自分が亡くなったときのために、備えとして書くものです。

  • 残された家族がいろいろな手続きなどを進めやすくなる
  • 自分が亡くなった後の希望を家族に託す
  • 家族へのメッセージ

亡くなった後のことだけではなく、これからの人生プランを書くことにも使われます。

遺言書と違って公的な効力がないので、エンディングノートに書いたことが実行されるとは限りません。正式な遺言書は別に作ることになります。

遺言書を書くのはハードルが高いな、と思う人にはエンディングノートがおすすめです。

5,着物や宝石は早めに処分を決めておく

生前整理において財産整理はとても重要です。

財産はお金や不動産だけでなく、貴金属や宝石類・美術品類や着物など価値の高いものも含まれます。

家の中にある価値の高そうなものをまとめて、相場を調べましょう。物によっては相続税がかかる場合があるので、残すのか・処分してお金に替えるのかなど、家族が整理しやすいようにしておくと負担が減ります。

6,パソコンや携帯のデータも徐々に処理しておく

パソコンや携帯電話は、個人情報がつまっています。

自分の情報だけではなく、友人知人・仕事関係の情報が入ってる場合もありますよね。

今はもう使っていない携帯やパソコンがあるなら、確実に処分しておくと安心です。今使っているスマホやパソコンの処分方法も、同時に決めておいてもいいかもしれません。

大事な写真などは、別媒体に保存しておくのもおすすめです。

生前整理のコツ

生前整理のコツ

生前整理では、自分が亡くなった後のことをイメージするのがコツです。

家族が遺品整理で大変な思いをしないよう、自分の持ちものの整理は自分でしておくこと。ものを減らし、身辺整理をしておくことで、残された家族の負担やトラブルを減らすことができます。

生前整理は元気なうちにやるのがおすすめですが、ものが多すぎて1人では難しい場合、整理アドバイザーや法律の専門家に相談するのも選択肢の1つです。

なるべくコンパクトな生活を目指す

ものを減らすことでシンプルになり、生活がしやすくなります。年齢と共に、コンパクトな暮らしへシフトしていきましょう。

最近増えているミニマリストは、最小限のもので丁寧な暮らしをする人のことを指します。

ものが少ないので、今あるものを大切に使い、無駄使いも減るといったメリットにもつながります。

自分が判断力・体力がなくなる前提で考える

年齢が上がれば、体は衰えていきます。判断力・体力が低下していくので、生前整理は元気なうちに行うことがおすすめです。

健康なときは意識しませんが、ずっと今のまま元気でいられる保証はありません。病気や体調の変化は突然訪れ、病気が治っても元通りの生活に戻れない可能性があります。

生前整理は早く行うのに越したことはありません。

遺族の揉め事の種は残さない

故人の財産や遺品整理で遺族がトラブルを起こす、実は珍しいことではないんです。

遺族のトラブルを回避するためにも、生前整理はとても重要。

現金・預貯金・不動産などの財産は、まとめて目録にしておくと財産を整理する際わかりやすくなります。

目録とは別に遺言書を書いておくことも、遺族の揉め事を減らす手助けになるので、自分の意思を書いておくとよいでしょう。

迷ったときは専門家に相談

生前整理を行う中で、迷ったり悩んだりする場面があるかもしれません。そんなときは抱え込まず、専門家に相談することを視野に入れてみてください。

生前整理のことなら、生前整理業者や整理収納アドバイザーに。財産整理のことなら法律の専門家に。

困り事をそのままにしておくと、ずっとモヤモヤが残るだけでなく、亡くなった後残された遺族が困るかもしれません。

プロに相談することであっさり悩みが解決することもあるので、迷ったら専門家に相談するのがおすすめです。

親が生前整理をしてくれないときには

親が生前整理してくれないときには

実家にものが多すぎて片付けたい!実家を出た子ども世代の悩みで多く聞かれます。

親はいつまで元気でいてくれるかわからない、動けるうちに生前整理して欲しいのになかなか動いてくれないと、モヤモヤとイライラが募ってしまいますよね。

無理に進めても解決にはなりません。角度を変えて、親に生前整理してもらうための方法をご紹介します。

説得は命令でなく提案を意識する

親に生前整理や部屋の片付けをしてもらうには、上から目線の命令ではなく、相手が受け入れやすい「提案」のスタイルで言い出します。

  • 例えば「玄関」など、1カ所だけの掃除を提案する
  • 親だけにやってもらうのではなく、一緒に始める
  • 着ていない服があるなら、まとめてリサイクルショップに出せばお金になると伝える
  • 開けていない贈答品は、親の代わりにフリマアプリなどで出店させてもらう

まずは、始めやすくすぐ終わることからスタートします。すぐ終わることで生前整理のハードルを下げ、第2回・第3回と回数を分けて進めていくと、親の抵抗感も減らしていけます。

自分の持ち物があればそれから処分

実家に残したままのものがあるなら、まずは自分のものから処分しましょう。

親が亡くなった後、家を処分する流れになったら、いずれは残したままの私物を片付けなければならなくなります。実家の私物を処分することも、親の生前整理の1つです。

親に生前整理をして欲しいなら、自分の態度で示してみましょう。

思い出の品は同意を得ながら処分する

日常的には使わないけど思い入れのあるもの、思い出があり残しておきたいもの、これらは例え不要でも、なかなか捨てることができません。

親の大切なものを子どもが勝手に処分すると、揉め事の火種になります。

とはいえ大切なものばかりでまったく片付かないのは困りますから、ある程度は親にも妥協してもらわなくてはなりません。

残しておくものの数を決め、それ以上は処分してもらう。箱などを用意して、入りきるものだけ残してもらうなど、折り合いのつく妥協策を講じます。

処分するものは「捨てる」のではなく、使えるものは「リサイクル」、必要な人のところへ行ってもらうという考え方を提案してみましょう。

生前整理は時間がかかるもの

生前整理は、持ち物を片付けることだけではなく、人生を見つめ直す機会でもあります。

退職、子どもの成人、子どもの結婚など、ライフスタイルが変化するタイミングで生前整理を勧めるのが自然な流れと言えるでしょう。

短時間で終わるものではないので、場合によっては数年要するなど時間がかかります。親が生前整理を始めたら長い目で見守り、協力を求められたときのために体制を整えておくとよいかもしれません。

大掃除の時期である年末や、衣替えの時期に合わせて提案すると、取り掛かりやすいのでおすすめです。

生前整理を業者に依頼したいときは

生前整理を業者に依頼したいときは

生前整理をしたいけど、個人でやるのは大変。そんなときは専門業者に依頼しましょう。

費用はかかりますが、1人で行うのには大きすぎる負担が軽減されます。

この章では、専門業者に依頼するメリット・よい業者の見分け方・費用相場、専門業者に依頼するとき気になることを1つ1つ解説します。

生前整理・遺品整理の専門業者に依頼するメリット

生前整理・遺品整理の専門家に依頼することをおすすめするのは、メリットがあるからです。

  • 短時間で終わることができる
  • 適切なゴミの分別をしてくれるので、お任せできる
  • 不良品を回収・買取してくれる業者もある
  • 体力が必要な生前整理の負担が軽減する
  • 生前整理での転倒や怪我などを回避できる

プロにお願いすることで、生前整理を効率よく進めることが可能です。

よい業者の見分け方とは

生前整理をお願いするなら、よい業者にお願いしたいと思うのは当然です。よい生前整理業者はどう見分け方流のでしょうか。

生前整理の資格を持ったスタッフがいるかも大切ですが、1番は見積もりや料金明細が明確で、内訳が細かく書かれていることです。

大まかな明細よりも、何に・いくらかかるかを、細かく記載している業者がおすすめ。

業者によっては、作業が大変だったことを理由に最初に提示した金額より多くを請求して、トラブルに発展するケースがあります。

見積もり段階で内訳が細かければ、作業の追加・削除がお願いしやすくなるので、業者の選び方で見積もりの明確さが重要です。

また複数の業者から見積もりを取り、比べてから決めるのもよいでしょう。

生前整理業者の費用相場

生前整理業者の費用相場を表にしました。

1K 20,000~60,000
1LDK 50,000~100,000
2LDK 80,000~150,000
3LDK 130,000~200,000
4LDK 230,000~

料金の高い・安いだけではなく、その料金でどこまでやってくれるのか。追加の依頼はオプションなのかなど、見積もり内容をよく確認しましょう。

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