初めて一眼レフカメラを手にした時、あなたは何を撮りましたか。
ポートレート写真とは、被写体であるモデルと対話をしながら撮影するものです。時にカメラマンからポーズを指示したり、モデルとの距離を変えながら表情を狙ったりと、まさにカメラマンとモデルの共同作業。
この記事ではそんなポートレート撮影のコツをお伝えします。
そもそもポートレート写真とは
ポートレート写真とスナップ写真は別物
ポートレート写真といわゆるスナップ写真とは違う撮影となることをご存知でしょうか。
ポートレート写真とは、前述したとおりカメラマンとモデルの共同作業。一方でスナップ写真は一瞬のその瞬間を捉えるもので、共同作業の要素はありません。
つまりポートレート写真とは、撮影前にモデルとカメラマンとで打ち合わせを行い、その撮影の目的や作品の方向性を確認した上で撮影するものです。
スナップ写真は、そのような準備を行わず、日常の一瞬を切り取るもの。これからポートレート写真を行うとすれば、これまで撮影してきたスナップ写真とは別のものだということを強く意識することが大切です。
被写体が同じでも撮影の目的が変われば撮り方も変わるもの。コツを抑えることでグッと作品力が向上するものです。
ポートレート写真は様々な場所で撮影する
一言でポートレート写真といってもシチュエーションの選択肢は様々。スタジオ、屋外ロケなど場所によっても作品の方向性は大きく変わるものです。
ポートレート写真のメインは当然人物ですが、その背景に映り込む場所の要素は全体の印象に大きく影響します。
屋外であれば、公園の緑、花の色、太陽の光の指す方向。屋内では窓辺の光、ストロボ、壁、扉・・・様々な要素がポートレート写真には映り込み、影響を与えます。
ポートレート撮影は構図、ライティング、ポーズが重要!
①撮影する時の構図
どのような場所で撮影にするにせよ、構図は大切です。
バストアップ、アップショット、フルショット、ローアングルショット、ハイアングルショットといった被写体モデルをカメラでどう捉えるかだけではなく、画面全体でモデルをどう配置させるかが構図です。
王道としては、全身写真ではつま先から頭のてっぺんまで全てを入れるのが鉄則です。三分割法を忘れず顔を配置します。
例えばアップショットでは顔全体が入りきらないほどよりの場合には、首切りにするのではなく、オデコ切ることで構図の安定感が改善します。また撮影時間に余裕があるときは、上向き、下向き、右向き、左向きなどの複数の方向からの撮影もしておきたいところです。
②モデルと光のバランス「ライティング」
ポートレート写真に限りませんが、写真は光を操るもの。
環境光を利用して撮影する場合もあれば、ストロボを用意して光を制御しての撮影もあります。
屋内の窓際であれば、レースのカーテンで柔らかな光を作れます。はっきりとした光は後頭部に当てることで、髪が光に透過して輝きつつ美しい描画になります。レフ板を上手に配置し、顔に当てれば肌を美しく見せることができ、撮影後のレタッチ作業の負担を軽減することにつながります。
屋外では順光、逆光、半逆光と光源といったモデルと光源との位置関係が重要になってきます。
より詳しくライティングについて知りたい方はこちら
③モデルの魅力を引き出す「ポーズ」
人物の魅力の引き出し方、モデルのポーズについてのお話です。
ポーズのパターンとしては、全身を捉えるのが基本といえます。
このとき、ありがちな失敗例として正面棒立ちの回避のためには、脚のポーズが重要です。簡単にできるのは「クロス」で、正面に立ったら脚を前後に交差してもらうことで、失敗を回避することができます。
カラダは「下半身」「上半身」「顔」のパーツでねじることで、ポーズに躍動感が生まれ、単調になりにくくなります。
そのほか、目線で語る 指先で語ると言われるように、モデルの目線や指先一つにまで意識を向け、丁寧な作品作りをしていきたいものです。
【プロ直伝】すぐに実践できるポートレート撮影のコツ5つ
コツ①時間帯がライティングを決定づける
何と言っても写真は光の芸術です。屋外での撮影での光源は太陽です。太陽は当然時間帯によって高さが変化し、モデルに当たる光の方向は時事刻々変わっていきます。
太陽が真上にあるときは、モデルの顔に影がつきやすく、暗い表情になりがち。そんなときは、モデルに光の方向に向いてもらうことで明るい表情を作ることができます。
とりわけ、夕方の斜光の時間では雰囲気ある作品になります。
屋内での撮影においても、陽の光が入る窓はソフトボックスとなり、カーテンがあれば柔らかい光となります。屋外屋内に関係なく、撮影時間によって、撮影の出来が決まると言っても過言ではありません。
コツ②ピントは手前の目に置く
ポートレートの出来を左右するポイントは、やはり顔。といっても、モデルの顔の良し悪しではありません。それは顔のピントの話です。
目、鼻、口といったように顔のパーツはいくつかの奥行きで構成されているため、絞りを解放値に近づけて撮影するポートレートでは、その全てのパーツにピントが合うことはありません。では顔のどのパーツにピントを置けば良いのでしょうか?
正解は、手前の目にピントを合わせることです。仕上がりの写真を見た時、多くの人は顔の目、それもより近い手前の目に意識が向きます。その目にピントを置くことで、写真としての出来栄えが判断されます。
コツ③ポートレートは絞りとの戦い
見栄えの良いポートレートは背景がボケています。例えばiPhoneのポートレートモードでは背景をボカすためだけにカメラがひとつ多く備わっているほど、背景のボケは重要な要素です。
このボケを生むのはレンズの絞り値。すなわち絞り値が小さく解放になるほど、背景はボケます。標準レンズでは絞り値をF1.2からF2.8程度間で設定します。いわゆる明るいレンズと呼ばれるレンズは、この絞り値が小さく設定できボケ味も大きくなります。
ただ明るいレンズは描写力は素晴らしい反面、ピントの合う範囲が狭くなり、ちょっとでもピント合わせがずれて狙ったポイントにピントが合わないと失敗作になってしまいます。
コツ④レンズの選択肢
広角、標準、望遠と焦点距離によってレンズは大きく3つに分類されます。
ポートレートに適しているレンズといえば、標準や望遠と答えるカメラマンが多いです。定番レンズといえば85mmの単焦点レンズあたりです。それはいったいなぜでしょう?
焦点距離が短いほど広角レンズと呼ばれます。そして広角レンズの特徴は「広く撮れる」です。すなわち、人間の視野角以上に広く撮れる広角レンズでは、その副作用として、「形が歪む」という特性があります。
そのため、ポートレートにおいて広角レンズを使うと顔が歪んで写ってしまいます。
コツ⑤レンズ選びはモデルとの距離にも左右する
標準か望遠か。レンズ選びはモデルとの距離という点でも選びたいところ。なぜなら、標準レンズはモデルとの距離を近づけられる反面、望遠レンズでは焦点距離によっては10m以上もモデルと距離をとる必要があります。
モデルとのコミュニケーション、対話によって表情を引き出すのがポートレート撮影。モデルとの物理的な距離が近ければ、その分会話もしやすくなります。
ボケ味を表現する望遠レンズを選ぶか、標準レンズで絞りを開いて背景をボカすか。カメラマンの個性が現れる場面と言えるでしょう。
レンズについて知りたい方はこちらもどうぞ!
小道具や衣装でオリジナルのポートレートを撮る
屋外ロケであると便利な携帯レフ板
ちょっとした工夫一つで、被写体の魅力がぐっと引き立つもの。続いては撮影に使える小物を紹介します。
まずはレフ板。レフ板といっても小さく折りたためるものが多数販売されています。レフ板がひとつあれば、暗い部分をカバーしたり、顔にあてて健康的な表情を作ることもできます。
実は太陽の反射光はフラッシュよりも明るくて、なにより面光源になるので自然な光になります。光を味方につけるためにもレフ板は必須の小道具ですね。
小道具というよりむしろ本命、大事な衣装選び
衣装はモデルよりも重要かもしれません。
着痩せ効果と言われるように、衣装の色、衣装の形次第でモデルの部分を隠したり雰囲気をアップしたりすることが簡単にできてしまいます。
一例としては、細身体系でメリハリがないモデルは大振りのアクセサリーでカバー。逆にぽっちゃり体系のモデルでは、魔法の構図と言われるAラインを強調したロング丈スカートが魅力を引き出してくれます。
衣装はモデルの魅力を最大限に引き出してくれる大事な道具、衣装次第ではより良いポーズも引き出してくれます。
モデルの私物をすっぽり入れるバッグ
ロケでモデルの私物、荷物を入れるための折りたたみバッグを持っていると便利です。
移動しながらの撮影の場合、モデルの私物が意外と困ります。撮影するたびにモデルの手荷物をもったり置いたりするのは効率が良くありません。
そんな時に使える大きめの折りたたみバッグをひとつ忍ばせておきましょう。モデルからのポイントもアップします。
魅力が最大限引き出されたポートレートを撮るために
一度自分がモデルになりプロの撮影を体感してみる
プロカメラマンの良さを撮られる側の立場で体感してみましょう。逆の立場で体感することで、被写体の魅力がぐっと引き立つ撮り方のコツを目の当たりにできますね。
自分がカメラマンとして写真を撮る前に、まずは、プロの撮影を体感してはいかがでしょうか?
撮影を通じてあれこれと質問をぶつけてみるのも良いでしょう。スマートフォンが普及した今だからこそ、プロとして活躍しているカメラマンには確かな技術が備わっています。そのコツを垣間見るチャンスですね。
プロのカメラマンに撮影してもらうことのメリット
撮影の場数をこなしたプロのカメラマン。しかし最初は誰もが初心者です。プロカメラマンになるためには、先輩カメラマンの助手から始めるキャリアが一般的です。それは、助手の立場から先輩カメラマンの技術を自然と身に付けることができるからです。
あなたが職業としてのカメラマンになることはないなら一度、お客さんとしてプロのカメラマンに撮影してもらってはいかがでしょうか?
きっと撮られる立場からプロカメラマンのコツをたくさん目の当たりにすることができるはずです。
プロのカメラマンに撮影してもらう場合の費用相場
プロに撮影依頼した場合、下図が概ねの費用相場となっています。
依頼の際はどんな写真が何枚くらい必要かを確認して問い合わせてみるといいでしょう
プロフィール写真撮影の相場
15,000円
標準相場
11,000円
リーズナブル
20,700円
プレミアム
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チャットで相談ができる
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