防犯性の高い鍵に交換したいのであれば、指紋認証式の鍵を検討するのもよいでしょう。
電子錠であるカードキーや暗証番号式の鍵と同様に、利便性の高いアイテムです。
指紋認証式の鍵を取り付けるメリットとデメリットや、どのような商品タイプがあるのかを紹介します。
指紋認証式の鍵とは
世の中にはシリンダー錠やカードキーなど、さまざまな特徴を持つ鍵があります。中でも指紋認証式の鍵はセキュリティ性の高い鍵です。
ここでは指紋認証式の鍵の種類や、認証の仕組みを紹介します。
指紋を読み取り解錠するので防犯性が高い
指紋認証式の鍵は登録された指紋でなければ解錠しない、生体認証を必要とする鍵のことです。
指紋読み取りセンサーが付いており、これに指をかざすだけでドアが開きます。
指紋は個人ごとに異なり、同じ指紋を持つ人はこの世にはいないといわれています。指紋認証式の鍵は指紋全てを記憶しているのではなく、その人の特徴を数十個登録して照合しているのです。
そのため複数の人と特徴が全て一致する可能性がないわけではありません。しかし確率は限りなくゼロに近いため、セキュリティとして有効な手段になっています。
電気式と電池式の2タイプがある
電気式 | 電池式 | |
特徴 |
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指紋認証式の鍵は電気で動いており、給電方法には電気式と電池式の2種類があります。
電気式は鍵に電気を供給する線が配線され、配線工事が必要です。
建物や鍵を設置する場所によっては複雑な配線が必要だったり、長い電線を敷設したりするなど手間と費用が多くかかってしまう場合があるため注意しましょう。
停電にならない限り安定した電気を供給できる点はメリットです。
一方電池式は鍵に電池を埋め込めるため、配線する必要がなく、手軽に設置できる点がメリットです。
しかし、電池の寿命は数カ月から1年と短いので、電池交換のメンテナンスが必要になります。
指紋認証の鍵のメリット
指紋認証式の鍵には、セキュリティ面や使い勝手などに関するメリットがあります。
ここではそれぞれのメリットを詳しく解説していきます。
鍵を持ち歩く必要がない
鍵が不要なのでバッグやポケットがかさばらず、小さな子供やお年寄りでも簡単に指紋の登録が可能です。よく物忘れをしがちな人でも、鍵をなくす心配はありません。
従来の錠前は鍵をなくすと家に入れなくなったり、何らかの方法で鍵を手に入れた第三者に侵入されたりするリスクがありました。しかし指紋を鍵にすることで、これらの心配は回避できます。
鍵をなくすことで錠前を取り替える費用もかかりません。鍵を差し込む必要がなければ多くの荷物を抱えている状態でも解錠しやすくなるでしょう。
防犯性が高まる
シリンダー錠は物理的にピッキングされる心配があり、暗証番号式の鍵はナンバー情報が漏れたら突破されてしまいます。
しかし指紋認証式の鍵は特定の人の指でしか解錠できないので、セキュリティ性の高い鍵といえるでしょう。
そのため金庫や商用施設といった防犯が求められる場所でよく利用されています。
大切なパソコンのデータを保存できるUSBメモリにも、指紋認証技術が採用されているのです。
賃貸物件では契約者が退去した後は基本的に鍵を取り替える必要がありますが、指紋認証式の鍵は登録を消去するだけと簡単です。
錠を交換する費用がかからないだけでなく、迅速にセキュリティ面を高められます。
合鍵を作る手間や費用がかからない
指紋登録はほとんどの場合センサーに数回指をかざすだけで完了します。
ひとつの指紋認証式の鍵に複数指紋を登録できるので、合鍵を作る手間や費用は必要ありません。
登録した指がケガをするなどの心配はありますが、10~100本の指紋が登録できる場合もあるため、複数登録しておけば問題ないでしょう。
また追加で指紋を登録するには、管理者の指紋や暗証番号の入力が必要なので、ほとんどの製品が簡単に合鍵を作れない仕組みになっています。
指紋認証の鍵のデメリット
防犯性が高く使い勝手のよい指紋認証式の鍵ですが、システムで管理しているがゆえに不便な時もあります。
ここで指紋認証式の鍵を使うデメリットを確認していきましょう。
センサー部分が汚れていると反応しない
指紋認証式の鍵はセンサー部分が汚れていると、読み取りづらくなってしまいます。
正しい指紋をかざしても反応せず何度も試みないといけない場合があり、時に不便なこともあるでしょう。
また汚れだけでなく水分が付着していても反応が悪くなります。
雨天時に雨水の影響を受けやすい玄関ドアでは、一度拭き取らないと読み取れない可能性もあります。
解錠時はなるべく手を清潔に保ち、ぬれた状態で触らないようにしましょう。
静電気にも弱いので静電気除去グッズなどを利用すれば故障する確率を低減できます。
指が登録時の状態と違う場合認証されない
指紋は常に変わらないわけではありません。体重の増減や指先の乾燥などで指表面の状態が少しずつ変化します。
風呂上りで指がふやけた場合や外的要因によっても指紋は変わるのです。
指の状態変化を防ぐためにハンドクリームを常に利用するのも効果的でしょう。
認識率がかなり悪くなれば指紋を登録し直すのも有効な手段です。
また擬似指紋が付いた手袋を購入してその指紋を登録しておけばストレスを感じなくて済むという方法もあります。
数万パターンもある指紋を備えた手袋なので、市販されているものとはいえ、他の人が同じ手袋を所持する確率はかなり低めです。
緊急時に他人が中に入れない
登録された指紋のみしか認証されないため、緊急時に他人が入ることができません。急いで入りたい場合に、セキュリティの高さがあだとなることがあります。
また指紋認証式の鍵を玄関ドアに設けた場合、住宅内で突然倒れて救急車や助けを呼んでも外部の人がすぐに入ってこられない可能性もあります。
対策としては、緊急時に備え、家族や親せきの人の指紋を登録しておくとよいでしょう。
また、防犯性は落ちますが暗証番号でも解錠できるタイプを購入するのもひとつの手段です。
取り付け時によくある疑問
指紋認証式の鍵はシリンダー錠などに比べ、費用が高めな傾向です。
ここでは、指紋認証式の鍵の費用や設置できる場所、自力で取り付ける方法を紹介します。
費用はどのくらいかかる?
気軽に使えるタイプ | 20,000~100,000円 |
セキュリティの高いタイプ | 150,000~300,000円 |
指紋認証式の鍵は精密機械なので、値段が大きくかかる場合があります。
比較的気軽に使えるタイプの商品だと、相場は20,000~100,000円程度です。
あまりにも安いと、指紋の反応が悪いなど粗悪品を選択してしまうかもしれない点に注意しましょう。
セキュリティの高い商品は150,000~300,000万円ほどする場合もあります。
給電の配線が必要なタイプは、業者に作業を依頼するので別途費用が必要になります。
自力で取り付けてもよいのですが、正しく設置できないと余計にコストがかかってしまうので注意しましょう。
引き戸に付けられる?
ドアをスライドさせて開く引き戸にも、指紋認証式の鍵は取り付け可能です。
そのため玄関や部屋の扉が引き戸であってもセキュリティを高められるでしょう。
商品によっては指紋認証機能だけでなく、オートロック機能やワンタイム暗証番号の認証機能もあります。
同じ家でも同居人にどうしても入って欲しくない部屋があれば、これらの機能を使うのも効果的です。
自分で取り付けることは可能?
指紋認証式の鍵は自力での取り付けが可能です。
<準備物>
- 電動ドリルドライバー
- ホールソー
- ペン
<手順>
- 取り付け位置を確定する(型紙がセットになっている商品を選べば、取り付け位置を正確に計測しやすくなります)
- 取り付け場所をペンでなぞり、印をつける
- 印をつけた位置に電動ドリルで穴をあけ、コードを通す
- 最後にドアの両側を挟み込むように設置し、ストライクと呼ばれる受け座をドアに取り付ける
自力で交換する方法を説明しましたが、難しいと感じた方は業者に依頼することをおすすめします。
指紋認証の鍵を後付けすることは可能?
指紋認証の鍵を後付けすることは可能で、後付け専用の鍵があります。
粘着シートや両面テープで取り付けるタイプのものもあるので、比較的簡単に取り付けることが可能です。
以下の記事では、おすすめの商品を紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
他の電子錠も紹介!指紋認証式の鍵と比較してみよう
電子錠には指紋認証式の鍵以外にも暗証番号式やスマートフォン認証もあります。
ここでは、それぞれの概要や特徴を説明します。指紋認証式の鍵と比較し、自分に合う鍵を見つけましょう。
暗証番号式
メリット | デメリット |
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メリットとしては、指紋認証式と比べて値段が安く、番号を忘れない限り、鍵が開かないというトラブルを起こすことがない点があげられます。
また、番号を共有すれば合鍵を作る必要もありません。電池式であれば自力でも手軽に取り付けられることも可能です。
デメリットとしては、第三者に番号が知られると簡単に侵入されてしまう点、電池式の場合定期的な交換が必要な点があげられます。
「鍵をもたなくていい」という理由で指紋認証錠を検討している場合は、暗証番号式の鍵と一度比較してみることをおすすめします。
リモコン、カード式
メリット | デメリット |
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リモコン式は遠くからボタンを押せば解錠できる鍵です。鍵穴に差し込む必要がないのでスマートにドアを開けられるでしょう。
リモコンを紛失したとしても、電子錠本体の交換不要で、リモコンを無効にするだけなので便利です。
またリモコン式の種類によっては、身に着けて近づくだけで開けられるものもあります。
デメリットには、リモコンを紛失してしまう恐れがあることがあげられます。
カードキーはカードをかざすだけで解錠できます。
定期入れなどに入れるなど持ち運びしやすいメリットもあります。紛失してもそのカードを登録から削除するだけです。
デメリットには紛失しやすい、カードを出さなければ使えない、カードの磁気不良で操作できなくなる場合があることがあげられます。
スマートフォン認証
メリット | デメリット |
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スマートフォン認証の鍵はスマートフォン専用のアプリを利用し、鍵の開け閉めを行います。
外出時にスマートフォンを必ず持ち歩く方にはとても相性のよい鍵なのではないでしょうか。
デメリットには、スマートフォン自体の充電が切れてしまった場合は使えないことがあげられます。
以下の記事では、おすすめの鍵を紹介しているのでぜひ参考にしてみてください。
自転車や南京錠の指紋認証式の鍵もある
指紋認証式の鍵は玄関に使われている印象が強いのではないでしょうか。
しかし玄関だけでなく、自転車の鍵や南京錠にも取り入れられているんです。
ここでは自転車の鍵のおすすめ商品と指紋認証式の南京錠の注意点を紹介します。
自転車の鍵「U・Be・Lock」
自転車の鍵を指紋認証で解錠できるのが「U・Be・Lock 」です。
指でタッチすると1秒で解錠でき、鍵を探す手間も省けます。地球ロックにも使え、付属の鍵での解錠も可能なのでいざという時にも安心です。
指紋認証式の南京錠はおすすめしない
鍵を失くすことを避けるため、南京錠も指紋認証式にしたいと考えている方も多いのではないでしょうか。
しかし、指紋認証式の南京錠はあまりおすすめできません。なぜなら、ねじ一本で簡単に分解されてしまうものが多く、防犯性が低いからです。
一般的な南京錠は、一個の丈夫な金属でできており、表からねじが見えない設計になっているので比較的防犯性は高いです。
一方指紋認証式の南京錠は、指紋認証がメインで、このような設計に注意が向けられていないものが多い現状があります。
余計にお金を払って普通の南京錠に劣る安全性を買ってしまう可能性もあるので注意しましょう。
もし鍵にトラブルがあったら?
どうしても指紋が認識されないなどのトラブルにあったら、迷わず専門業者に依頼するとよいでしょう。
専門業者に依頼するメリットや失敗しない業者の選び方を紹介します。
鍵の専門業者に依頼する
鍵のトラブルは専門業者に依頼すれば早期解決に近づきますが、賃貸住宅の鍵であれば管理会社や大家に連絡するのがまず先です。
物件によっては鍵トラブルに対応する業者と契約している場合があるので、自己判断で業者を直接呼ばないようにしましょう。
一般的には現地で見積もりを作成してもらってからの依頼になります。しかし駆けつけてすぐに処置が可能な案件である場合には、問い合わせ時点で申し込みが完了する場合もあるので注意しましょう。
大切なことは問い合わせの時点で、なるべく正確にオーダーを伝えることです。どのような問題があって困っているのか、しっかり伝えればそれだけスムーズに解決しやすくなります。
信頼できる業者の選び方
鍵専門業者に依頼する際は、複数の業者を比較して検討するのが基本です。まずは料金を比較します。
数社から見積もりをもらえれば相場が分かるので、法外な値段を請求する業者は候補から外しましょう。
また故障の原因は何が考えられるのか、どのように対応する予定か質問してみましょう。
確かなスキルを持った業者であれば簡単に答えられるはずです。
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