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【図解】会社設立後の手続き紹介!必要な書類を作成しよう【税理士監修】

最終更新日: 2024年06月28日

会社の設立登記が終わっても、それで手続きが終わりではありません。

登記の完了は、法人として認められたということにすぎないのです。必要な手続きを進め、会社の地盤固めを完了させていきましょう。

手続きの内容は主として公的機関への届出であり、忘れると後で思わぬ不利益となることもあるので注意しましょう。

この記事を監修した税理士

EMZ国際投資税理士法人 - 東京都港区六本木

 

会社設立後に必要な手続き

会社設立後に必要な手続き
会社設立後に必要な手続き(画像提供:PIXTA)

会社設立後に必要な手続きは大まかに言って、次の4つになります。

  • 法人口座の開設:金融機関
  • 税務についての届出等:税務署
  • 地方税についての届出:地方自治体
  • 社会保険についての届出:年金事務所

これら届出自体に費用はかかりませんが、届出期限があるものや、資料添付の必要なものなどがありますので忘れずに手続きしましょう。

法人名義の口座を取得

まず、金融機関で法人名義の口座を作成しましょう。

会社の設立登記前はまだ法人としての口座開設はできませんでしたが、会社設立後は会社名義の取引口座が作成できます。法人口座開設に必要なものは、登記簿謄本(履歴事項全部証明書)印鑑証明書印鑑です。

また、取引担当者が代表取締役ではない場合には、「公的な本人確認資料」や委任状等が求められます。

法人の銀行口座の開設は審査があり、各種資料を求められ、開設に時間がかかることもあります。事前に金融機関に連絡し、会社案内や許認可を要する事業における証明書等を予め準備する等の対策も有効です。

必要書類を各機関に提出する

次に、必要書類を各機関に提出します。

主な提出機関と書類名は次のとおりですが、提出にあたっては各機関の窓口などで相談の上、必要書類を揃えましょう。業種によっては他に必要となる書類もありますので注意してください。

これらの提出時には登記簿謄本(履歴事項全部証明書)が必要なものが多いので、登記後は多めに登記簿を取得しておきましょう。

提出先 提出書類 提出期限
税務署 法人設立届出書 会社設立から2か月以内
青色申告の承認申請書 原則として会社設立から3か月以内
給与支払い事務所等の開設届出書 事務所開設(会社設立)から1か月以内
源泉所得税の納付の特例の承認に関する申請書 特例適用時のみ
棚卸資産の評価方法の届出書 最初の確定申告期限まで
減価償却資産の償却方法の届出書 最初の確定申告期限まで
個人事業の開廃業届出書 廃業があった日から1か月以内
都道府県 法人設立届出書
(各都道府県によって呼称が異なる)
都道府県税事務所によって異なる
市区町村 法人設立届出書
(各市区町村によって呼称が異なる)
市区町村役場によって異なる
年金事務所 健康保険・厚生年金保険新規適用届 原則として会社設立から5日以内
健康保険・厚生年金保険被保険者資格所得届 被保険者の資格所得後5日以内
健康保険被扶養者(異動)届 被保険者の扶養が発した日から5日以内
労働基準監督署 労働保険 保険関係成立書 労働雇用日から10日以内
労働保険 概算保険料申告書 労働雇用日から50日以内
ハローワーク 雇用保険 適用事務所設置届 要件を満たした翌日から10日以内
雇用保険 被保険者資格所得届 被保険者となった日の属する月の翌月10日まで

必要なら行政機関の認可を受ける

行政機関の許認可には、許可、登録、免許、届出などがありますが、開業後には「届出」を行います。

許可とは、公共の秩序を考え、一般的に法律で禁止されている行為について、行政機関がその禁止を解除することであり、飲食業や旅館業等に必要です。

登録とはある行為をすることを行政機関に登録することにより認められることで、旅行業などがあります。

また、免許とは一般的に法律で禁止されている行為を一定の資格条件を備えることにより解除することで、宅地建物取引業などがあります。

そして届出とは、行政機関に届出ることにより認められる制度です。

事前( 会社設立時)に許可、登録、免許が必要な業種は特に気をつけましょう。無許可・無認可・無届出で事業を開始した場合は、罰金や営業停止などの厳しい処分を受けることになります。

所轄税務署への届出

所轄税務所への届け出
所轄税務署への届出

会社の登記は法務局ですが、法人設立届出書をはじめとする国税関係の書類提出先は所轄の税務署です。ここでは税務署へ届出の必要な書類について解説します。

どの届出書式も国税庁サイトでダウンロードでき、裏面には記載要領がありますので、よく読んでから記載しましょう。

【必須】法人設立届出書

税務署に新しく会社が設立したことを届出る書類です。

提出期限は会社を設立してから2か月以内であり、登記簿謄本や定款などの書類の添付が必要となります。

法人設立届出書
法人設立届出書

右側上部に法人番号欄がありますが、「法人番号指定通知書」が設立登記完了後1週間程度で、登記上の本店所在地に普通郵便で送付されます。

設立年月日、事業年度、資本金は定款を参照し、正確に記載します。定款に記載した事業の目的が多数ある場合には、主となる事業のみの記載で問題ありません。

消費税については設立届の記載要領(届出裏面)にも詳細に説明されていますが、設立時の資本金又は出資金が1千万円以上は「消費税の新設法人」となります。

また、設立の形態については、あてはまるものに丸をつけます。個人がいきなり会社設立といった場合は、「5 その他」とし、資本金が振り込まれた場合は、( )内に「金銭による出資」と記載するとよいでしょう。

事業開始日は、基本的には設立年月日と同じでよいですが、取引開始がまだ先なら予定日を記載しておきましょう。

参考:国税庁 法人設立届出書
参考:国税庁 法人番号公表サイト 新しく法人の設立登記された方へ
参考:国税庁 税務署の所在地などを知りたい方
参考:国税庁 No.6531 新規開業又は法人の新規設立のとき

【必須】青色申告の承認申請書

法人税について青色申告の承認を得るための届出です。

提出期限は、青色申告書による申告を受けようとする年の3月15日までですが、1月16日以後に新規設立の場合は、事業開始日から2か月以内となっています。

法人税の確定申告を青色で行うことは節税につながりますので、税金対策としては必須の届出です。

青色申告の承認申請書
青色申告の承認申請書

会社設立時は通常、上から2つめにチェックを入れます (画像の1つ目の赤囲い)。

その下の「帳簿の状況記載欄」に関して、帳簿名には少なくとも仕訳帳と総勘定元帳の情報を記載する必要があります。

したがって、それらの帳簿を事前に用意しなければなりませんが、会計ソフトを利用すれば仕訳帳、総勘定元帳、現金出納帳等があらかじめ作成されているはずです。

また、会計ソフトを利用した場合には、「ロ 電子計算機利用」の項目にチェックをつけておきましょう。

なお、「左の帳簿形式」には会計ソフト、「記帳の時期」には毎日、毎月等のサイクルを記載します。また、最初から税理士が顧問として関わっている場合はその関わり方( 記帳から一切の事務など)も記載しておきます。

参考:国税庁 青色申告の承認申請書
参考:国税庁 [手続き名]青色申告書の承認の申請

【必須】給与支払事務所等の開設届出書

会社を設立したら、会社から自分に役員報酬を支払うことになります。その場合、個人と異なり従業員がいなくても「給与支払事務所等の開設届出書」を提出しなければなりません。

提出期限は給与等の支払いをする事務所を開設してから1か月以内となります。

給与支払事務所等の開設移転廃止届出書
給与支払事務所等の開設移転廃止届出書

会社設立当初は従業員も雇わず、社長の給料もなしということもありますので、その場合、この届出は必須ではありません。

しかしながら、給与の支払いはいずれ生じるものでしょうから当初から提出しておくとよいでしょう。その際、支払い開始年月日は、支払い開始の予定日としておきます。

あとは、法人の設立にチェックし、下の欄は左(「開設・異動前」の欄)のみ記載します。

参考:国税庁 給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書
参考:国税庁 [手続名]給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
参考:国税庁 <参考>各種届出書等の記載例

【必須】源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書

この申請書は本来、毎月納付の源泉所得税を半年に1回に省略できるものです。提出期限は決まっておらず、申請の翌々月の納付分からこの特例が適用されます。

事務の手間を大幅に削減することとなりますので、給与支払事務所等の開設届出書と合わせて提出しておきましょう。ただし、この納期の特例を受けることができるのは、従業員等の人数が常時10人未満の場合です。

各月の支給金額については、会社設立時には実績がありませんので、空欄のままで問題ありません。

参考:国税庁 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
参考:国税庁 [手続名]源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請

棚卸資産の評価方法の届出書

棚卸資産の評価方法の届出書 減価償却の償却方法の届出書
棚卸資産の評価方法の届出書 減価償却資産の償却方法の届出書

必要があれば提出する届出として、棚卸資産の評価方法の届出書があります。

もともと法人税においては、法定評価方法が定められており、この届出書がなければ法定評価方法に基づき申告することとなります。また、棚卸資産についての法定評価方法は、「最終仕入原価法(原価法)」です。

商品や製品などの在庫をもつ業種において、法定評価方法が実務に合わない場合等は提出します。

参考:国税庁 棚卸資産の評価方法の届出書
参考:国税庁 [手続名]棚卸資産の評価方法の届出

減価償却資産の償却方法の届出書

棚卸資産の評価方法と同様に減価償却資産の償却方法の届出書があります。

これも棚卸資産の場合と同様に、法人税における法定償却方法というのが資産種類について決まっているため、実際の固定資産の減価償却が法定償却方法と合わない場合にこの届出をおこないます。

なお、評価方法・償却方法に関する両届出書の提出期限は、「設立第1期の確定申告書の提出期限」と同じです。

参考:国税庁 減価償却
参考:国税庁 減価償却資産の償却方法の届出書
参考:国税庁 [手続名]減価償却資産の償却方法の届出

【必須】廃業届

個人事業の開業、廃業等届出書
個人事業の開業、廃業等届出書

個人事業主が会社を設立して個人事業を廃止した場合は、「個人事業の廃業届」を提出します。

提出期限は、個人事業を廃業した日から1か月以内です。この書式は、個人事業を開始したときの開始届と同じです。

廃業の事由には、「個人事業を廃業し法人成りしたため」などでよいでしょう。廃業日は実際に廃業した日となります。

また、法人成りした場合には、設立した会社名や新たな納税地、登記年月日を記載します。

参考:国税庁 個人事業の開業・廃業等届出書
参考:国税庁 [手続等]個人事業の開業届出・廃業届出等手続

都道府県・市町村への届出

都道府県・市区町村への届出

税務署に提出する書類と似た書類を都道府県、市区町村に届出る必要があります。

税務署に提出する書類は国税に関するものであるのに対し、都道府県や市区町村には住民税や事業税などの地方税に関する届出をすることとなります。

代表的な例として、法人設立届出書を紹介します。

【必須】法人設立届出書

法人設立、設置届出書
法人設立、設置届出書

都道府県に提出するもので、税事務所で手続きをします。提出期限については、各都道府県税事務所に確認してください。

この法人設立届出書は東京都のもので、都道府県によって書式や記載内容が異なります。また、記載内容は、税務署に提出した法人設立届出書の内容と大きく異なるものではありません。

東京23区の場合は、各区役所に別途「法人設立届出書」を提出する必要がありませんが、都道府県税事務所に提出する際、市区町村役場への提出可否について尋ねるのがよいでしょう。

また、どこの県税事務所に問い合わせればよいかは、各都道府県のWebサイト等で確認してください。

参考:東京都主税局 都税事務所等一覧

都道府県・市町村ごとに書式が異なる

地方税に関する届出はその都道府県の条例などで決められているため、税務署のように書式が一律ではありません。

気をつけたいのは、地方税はあくまでも事業所の所在地に納めることです。例えばA県に住んでいるが、会社所在地がB県の場合は、B県の税事務所に届出を出すことになります。

地方税については、書式だけでなく添付資料も個々に異なりますので、国税よりも注意が必要といえます。

社会保険への加入

社会保険への加入手続き
社会保険への加入

会社設立後の手続きの社会保険への加入も忘れずに行いましょう。

社会保険関係の届出は、年金事務所、労働基準監督署、ハローワークなどに対して行います。届出必須のものもありますので、期限をよく確認して速やかに提出しましょう。

厚生年金と健康保険

厚生年金と健康保険について、年金事務所に届出するものとしては、新規適用届被保険者資格取得届健康保険被扶養者(異動)届があり、提出先は所轄の年金事務所です。

新規適用届は健康保険や厚生年金に加入するための届出で、提出期限は会社設立から5日以内です。

法人の場合は、健康保険と厚生年金保険は強制適用となっていますので、新規適用届は必須となります。

被保険者資格取得届と健康保険被扶養者( 異動)届は従業員を雇用したときや、その従業員に扶養関係が生じたときに提出します.

参考:日本年金機構 全国の相談・手続き窓口
参考:電子政府の総合窓口 申請・届出

労災保険

従業員を雇用すると労働保険への加入が必要です。労働保険には、労災保険と雇用保険があります。このうち、労災保険の手続きについては、所轄の労働基準監督署に届出します。

労働保険関係成立届は、従業員を初めて雇用した時に労災保険に加入するための届出であり、提出期限は労働者を雇用した日から10日以内です。

また、労働保険概算保険料申告書は、労働保険料を申告・納付するための届出であり、提出期限は労働者を雇用した日から50日以内になります。

参考:厚生労働省 全国労働基準監督署の所在案内
参考:厚生労働書 労働保険関係各種様式

雇用保険

労働保険のうち、雇用保険の手続きはハローワークの窓口で行いますが、届出先は労働基準監督署となっています。また、雇用保険の手続きでは、労働保険保険関係成立届の控えが必要となりますので、届出の順序にも要注意です。

雇用保険適用事業所設置届は、雇用保険に加入するための届出です。31日以上引き続き雇用見込で、かつ、週当たり20時間以上の労働時間となる従業員を雇用した場合、雇用日から10日以内に届出ます。

また、雇用保険被保険者資格取得届は、雇用保険に加入するための届出です。被保険者となった日の属する月の翌月10日までに届出ます。取得届には、提出の際に雇用契約書の写しが必要となります。

参考:電子政府の総合案内 雇用保険の事業所設置の届出
参考:ハローワークインターネットサービス 帳簿一覧

届出漏れがないようにしよう

届出の提出漏れがないようにしよう
届出の提出漏れがないようにしよう

以上から、会社設立後の手続きは意外と煩雑だと感じられたでしょう。

特に各自治体固有の書式となる地方税の書類については、事前に税事務所に連絡の上、書類を揃え、できれば税務署に行ったその足で、地方税までは済ませてしまいたいものです。

提出期限を過ぎてしまったら

しかし、提出期限を過ぎてしまったらどうなるのでしょうか?

例えば、税務署に青色申告の承認申請をし忘れると、青色申告の種々の特典が受けられず、法人税・住民税が増えることもあります。

また、会社が労働保険の届出を忘れていても、ケガをした従業員に非はないため、一旦、労災は適用されます。しかし、就業中のケガは会社の責任であり、強制加入の労災保険料を遡って支払わなければなりません。

そして、故意又は過失による未加入と判断されてしまうと、保険料や給付金を追加徴収される場合があります。

特に従業員に影響があることは、良い人材確保にも直結しますので、届出漏れにはくれぐれも気をつけてください。

税理士に代行を任せよう

これら一連の手続きを業務の中でこなしていくのは、ハードワークと言えます。特に開業直後は本業に集中すべき大切な時期であるため、自分たちだけで手続きを進めるのはなかなか厳しいでしょう。

そこで、必要な手続きについて、「期限内にもれなく」届出が完結するために、税理士に必要な部分をフォローしてもらうという形をお勧めします。

監修税理士からのコメント

EMZ国際投資税理士法人 - 東京都港区六本木

会社設立後に気を付けたいことは、青色申告の届出、銀行口座の開設です。青色申告の届出の提出期限(青色申告書による申告を受けようとする年の3月15日まで、1月16日以後に新規設立の場合は、事業開始日から2か月以内)をすっかり忘れて出しないケースが非常に多いです。また、新設法人の銀行口座の開設が、こんなにも大変だったのか、と思われるほど、実際は、メガバンクでは難しくなっています。

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この記事を監修した税理士

EMZ国際投資税理士法人 - 東京都港区六本木

東京港区で、11年目を迎えた会計事務所です。公認会計士2名・税理士2名が所属しています。個人、法人問わず、税務顧問を始め、確定申告、 経理アウトソーシング、会社設立、相続、など会計事務所を主軸に会計・税務のみに留まらないサービスをお客様にお届けしております。海外財産、海外不動産、仮想通貨など、複雑な申告もお任せください。