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【2024年版】新規就農者・農業従事者向け助成金・補助金一覧

ぴったりの融資・資金調達に強い税理士をさがす
最終更新日: 2024年02月19日

農業を行うには多額のコストがかかり、就農者・従事者にとって大きな負担となってしまいます。コスト面の負担を抑えるには、助成金・補助金の活用が効果的です。

助成金・補助金には種類ごとに要件が設定されているため、事前に確認し、自身の条件に合うものを選ぶ必要があります。

本記事では農業に携わる人が活用できる助成金・補助金を目的ごとに紹介します。

この記事を監修した税理士

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川

風間優作(かざまゆうさく) 1985年千葉県銚子市出身。兵庫県立大学大学院卒業。 上場会社経理部にて経理実務を経験した後、Big4監査法人及び税理士法人にて、公認会計士・税理士としての実務を経験し独立開業。現在は会計監査やIPO支援だけではなく、個人・法人の税務から売上アップ・資金繰りコンサルなど幅広く対応している。

新規就農者向け助成金・補助金

就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)

新しく農業を始める人向けに、「就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)」という助成金の制度があります。この制度は2種類あり、農業を行うために必要な準備を整えるうえで有用です。

  • 準備型
  • 経営開始型

準備型

準備型とは、これから農業を始める人の研修を後押しする助成金です

助成金額 年間最大150万円、最長2年間
主な要件
  • 就農予定時の年齢が原則として49歳以下
  • 独立・自営就農または雇用就農を目指す
  • 都道府県などによって認定された研修機関でおおむね1年以上(1年につき1200時間以上)研修する
  • 生活費の支給に関する他の制度と重複受給ではない
  • 原則、前年の世帯収入が600万円以下
  • 常勤の雇用契約を締結していない
  • 研修中の怪我等に備えて傷害保険に加入すること
交付主体 都道府県、市町村、青年農業者等育成センター、全国農業委員会ネットワーク機構

要件の確認をする必要があるため、申請書を作成する前に都道府県など交付主体への相談が必須です。また以下の場合は助成金の返還対象となるのでご注意ください。

  • 適切な研修を行っていない場合
  • 研修終了後1年以内に、独立・自営就農または雇用就農しなかった場合
  • 交付期間の1.5倍(最低2年間)の期間、就農を継続しない場合

就農の方法によって返還対象となる条件が異なるため、事前に確認する必要があります。

経営開始型

経営開始型は、新規就農者が農業を始めてから経営が安定するまでの最長3年間受給できる助成金です。

助成金額 年間150万円、最長3年
主な要件
  • 就農予定時の年齢が原則として49歳以下
  • 独立・自営就農であること
  • 親等の経営の全部又は一部を継承する場合には、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承し、かつ新規参入者と同等の経営リスクを負うと市町村に認められること
  • 就農する市町村の「目標地図」に位置づけられていること
  • 生活費の支給に関する他の制度と重複受給ではない
  • 原則、前年の世帯収入が600万円以下
交付主体 市町村

設備投資・規模拡大のための助成金・補助金

新規就農者向け助成金・補助金一覧

農業に関する設備投資・規模拡大のための助成金・補助金には以下の5つの制度があげられます。

経営発展支援

就農後の経営発展のために、都道府県が機械・施設等の導入を支援する場合、都道府県支援分の2倍を国が支援してくれる制度です。

経営発展支援事業
経営発展支援事業
助成金額 新規就農される方に、機械・施設等導入にかかる経費の上限1,000万円
主な要件
  • 就農予定時の年齢が原則として49歳以下
  • 令和4年度又は令和5年度中に新たに農業経営を開始し、独立・自営就農すること
  • 親等の経営の全部又は一部を継承する場合には、継承する農業経営に従事してから5年以内に継承し、かつ継承する農業経営の現状の所得、売上若しくは付加価値額を10%以上増加させる、又は生産コストを10%以上減少させる計画であると市町村に認められること
  • 就農する市町村の「目標地図」に位置づけられていること
  • 生活費の支給に関する他の制度と重複受給ではない
  • 本人負担分の経費について、融資機関から融資を受けること
交付主体 市町村

強い農業・担い手づくり総合支援交付金(終了)

強い農業・担い手づくり総合支援交付金
強い農業・担い手づくり総合支援交付金

強い農業・担い手づくり総合支援交付金は、地域における農業の強化や、担い手となる人を支援するための制度で大きく2種類に分けられます。

種類 内容
融資主体型補助事業 地域の担い手と認定された者が受けた、農業用機械・施設の購入に要した融資残を支援する制度
条件不利地域型補助事業 経営規模の小さい地域において農業を営む経営体を育成するための制度

申請手続きについては、事前に市町村へ相談する必要があります。また申請期限は市町村によって異なるので、早めに確認・市町村へご相談ください。

融資主体型補助事業の詳しい内容

融資主体型補助事業は対象者によって以下のように2つに分けられます。

融資主体型補助事業-地域担い手育成支援タイプ 融資主体型補助事業-先進的農業経営確立支援タイプ
助成金額 上限300万円 個人:最大1,000万円
法人:最大1,500万円
主な要件 地域における農業の担い手として、経営発展を目的とした取り組みを行う 高い目標を持ち農業の担い手として取り組む、地域との相乗的な発展を目指す取り組みを行う
交付主体 市町村

条件不利地域型補助事業の詳しい内容

助成金額 事業費の2分の1以内
主な要件 経営規模の小さな地域で農業を行う
交付主体 市町村

農地耕作条件改善事業

農地耕作条件改善事業の概要
農地耕作条件改善事業の概要

農地耕作条件改善事業には、農業環境の整備を支援する制度で以下の4種類があります。

  • 地域内農地集積型
  • 高収益作物転換型
  • スマート農業導入推進型
  • 病害虫対策型
  • 水田貯留機能向上型
  • 土地利用調整型

種類や事業内容によって細かな申請手続きが異なります。規定の問い合わせ先へ相談し、概要の入念な確認を行いましょう。

地域内農地集積型・高収益作物転換型の詳しい内容

地域内農地集積型 高収益作物転換型
助成金額 事業・メニューごとに異なる
主な要件
  • 農地中間管理機構の重点実施区域(指定される見込みのある区域を含む)、もしくは人・農地プランが実質化された地域内の農地
  • 事業実施期間は最大5年(ハードは最大3年)
  • ハード事業費が200万円以上
  • 事業の受益者が農業に携わる2者以上
  • 農地中間管理機構の重点実施区域(指定される見込みのある区域を含む)、もしくは人・農地プランが実質化された地域内の農地
  • 事業実施期間は最大5年(ハードは最大3年)
  • ハード事業費が200万円以上
  • 事業の受益者が農業に携わる2者以上
  • 受益農地の4分の1以上を、新たに高収益作物に転換する
交付主体 市町村

助成金額は事業、メニューにより細かく規定されています。詳しくは農林水産省の作成した以下の資料をご覧ください。

スマート農業導入推進型の詳しい内容・病害虫対策型

スマート農業導入推進型 病害虫対策型
助成金額 事業・メニューごとに異なる
主な要件
  • 農地中間管理機構の重点実施区域(指定される見込みのある区域を含む)、もしくは人・農地プランが実質化された地域内の農地
  • スマート農業に適した基盤が整備された、もしくは整備される見込みの農地
  • ハード事業費が200万円以上
  • 事業の受益者が農業に携わる2者以上
  • 農地中間管理機構の重点実施区域(指定される見込みのある区域を含む)、もしくは人・農地プランが実質化された地域内の農地
  • スマート農業に適した基盤が整備された、もしくは整備される見込みの農地
  • ハード事業費が200万円以上
  • 事業の受益者が農業に携わる2者以上
  • 植物防疫法に基づく発生予察情報において、警報・注意報・特殊報の発表された区域
交付主体 市町村

助成金額は事業、メニューの細かい規定は以下の資料に記載されています。

地域内農地集積型・高収益作物転換型の詳しい内容

  水田貯留機能向上型 土地利用調整型
助成金額 事業・メニューごとに異なる
主な要件
  • 農地中間管理機構の重点実施区域(指定される見込みのある区域を含む)、もしくは人・農地プランが実質化された地域内の農地
  • 事業実施期間は最大5年(ハードは最大3年)
  • ハード事業費が200万円以上
  • 事業の受益者が農業に携わる2者以上
  • 流域治水プロジェクト、治水協定等が策定され、流域治水対策を実施する地域
  • 地区内の5割以上の面積での「田んぼダム」の実施
  • 農地中間管理機構の重点実施区域(指定される見込みのある区域を含む)、もしくは人・農地プランが実質化された地域内の農地
  • 事業実施期間は最大5年(ハードは最大3年)
  • ハード事業費が200万円以上
  • 事業の受益者が農業に携わる2者以上
  • 農地中間管理事業を重点的に実施する区域等及びその周辺農地
交付主体 市町村

助成金額は事業、メニューにより細かく規定されています。詳しくは農林水産省の作成した資料をご覧ください。

産地生産基盤パワーアップ事業

産地生産基盤パワーアップ事業
産地生産基盤パワーアップ事業

産地生産基盤パワーアップ事業は、高性能な機械・施設の導入や栽培体系の転換等に対して総合的に支援する事業で、以下の3種類に分けられます。

  • 収益性向上対策
  • 生産基盤強化対策
  • 新市場獲得対策

申請書は地域の協議会から都道府県に対して渡されます。交付を受ける対象者は、協議会に相談しながら申請手続きを進めていきます。

また補助率は事業内容によって変わるため、詳しい内容は担当窓口への確認が必要です。窓口は都道府県ごとに設置されています。

収益性向上対策・生産基盤強化対策の詳しい内容

収益性向上対策 生産基盤強化対策
補助率 原則2分の1以内
  • 整備事業:2分の1
  • 基金事業:定額補助
主な要件
  • 成果目標を定める(一定の基準有)
  • 面積要件を満たす
  • 成果目標を定める(一定の基準有)
  • 要件を満たす計画を立てている
交付主体 国(都道府県を通じて受給される)

収益性向上対策・生産基盤強化対策のより詳しい内容については農林水産省が作成している以下の資料に記載されています。

新市場獲得対策の詳しい内容

補助率
  • 推進事業:定額または2分の1以内(上限5,000万円)
  • 整備事業:2分の1以内(上限20億円)
主な要件
  • 協働事業計画に位置付けられた拠点事業者または連携者が事業実施主体
  • 成果目標を定める(一定の基準有)
  • 費用対効果分析を実施しており、1.0以上である
交付主体 国(都道府県を通じて受給される)

新市場獲得対策のより詳しい内容については、農林水産省が作成している以下の資料に記載されています。気になる方は参考にしてみてください。

荒廃農地等利活用促進交付金

荒廃農地等利活用促進交付金
荒廃農地等利活用促進交付金

荒廃農地等利活用促進交付金は、荒廃農地で農業を行う者や、荒廃農地の再生事業を行う機構を支援する制度です。

助成金額 事業によって異なる(面積ごと、定額、2分の1以内、55%など)
主な要件
  • 人・農地プランの中心経営体などに位置付けられた農業者や組織
  • 遊休農地に該当する
  • 総事業費が1件あたり200万円未満
  • 再生された農地において5年間以上耕作されること
交付主体

この制度には、新規就農者のための優先枠(チャレンジ支援枠)が設けられています。

支援対象は総事業費が1件200万円未満、3年間(チャレンジ支援枠では4年間)の事業で、再生された農地で5年間以上耕作することが交付の条件になります。補助率は1/2(重機を用いて行う再生作業や施設の整備では55%)です。

要件や手続き方法を確認するため、事前に市町村などの窓口へ相談する必要があります。事業によって助成金額が異なるためご注意ください。

農産物等輸出拡大施設整備事業

農産物等輸出拡大施設整備事業
農産物等輸出拡大施設整備事業

農産物等輸出拡大施設整備事業は、国産農産物の輸出拡大に向けた施設・環境整備を支援する制度です。

助成金額 都道府県への交付率は定額

事業実施主体へは事業費の2分の1以内

主な要件
  • 農業に常時従事する人が5名以上
  • 基準を満たした成果目標の設定
  • 面積要件・総事業費要件を満たしている
  • 費用対効果分析を実施済み
  • 輸出事業計画を策定済み、または策定予定
  • GFP会員
交付主体 都道府県・市町村・農業者が組織する団体など

申請手続きを行う際は、事前に各農政局へ問い合わせ・相談をしましょう。

交付金を規定の用途以外に使ってしまうと、交付取り消しとなってしまうため注意が必要です。

税理士コメント:新規就農者が交付金を利用するメリットや注意点

アテンド会計事務所 - 神奈川県横浜市西区

農業では特に初期投資が必要になるため、交付金は重要な資金源です。 交付金を受けるには総事業費などを示す事業計画が必要で、その妥当性がポイントになりますが、今後の自分自身の農業に対する資金繰りをつかむためにも綿密な計画の作成をいたしましょう。

人材確保・人材育成のための助成金・補助金

雇用就農資金

人材確保・人材育成のための助成金として「雇用就農資金」という制度があります。新規就農者である雇用者に実施する研修を支援する制度です。対象者や目的によって、以下の3種類に分かれます。

雇用就農者育成・独立支援タイプ

雇用就農者育成・独立支援タイプは、独立希望者を含む就農希望者を雇用し、農業技術や経営ノウハウに関して実施する研修を支援する制度です。

助成金額 年間最大60万円

※研修者が生活困窮者など一定の条件に該当する場合、年間15万円が加算

主な要件
  • おおむね年間を通じて農業を営む事業体であること
  • 十分な指導を行うことのできる指導者を確保すること
  • 新規雇用就農者との間で正社員として雇用契約すること
  • 過去5年間に本事業、農の雇用事業等の対象となった新規雇用就農者が2名以上いる場合、当該就農者の農業への定着率が2分の1以上であること
交付主体

交付主体は国ですが、申請は全国農業会議所を通じて行います。細かな要件があるため、事前に相談・確認が必要です。

なお雇用就農者は、農業法人等の代表者の3親等以内では対象外のためご注意ください。

新法人設立支援タイプ

新法人設立支援タイプは、新たな農業法人の設立に向けて実施する研修を支援する制度です。

助成金額 年間最大120万円、3年目以降は年間最大60万円

※研修者が生活困窮者など一定の条件に該当する場合、1〜2年目は年間15万円が加算

主な要件
  • おおむね年間を通じて農業を営む事業体であること
  • 十分な指導を行うことのできる指導者を確保すること
  • 新規雇用就農者との間で正社員として雇用契約すること
  • 過去5年間に本事業、農の雇用事業等の対象となった新規雇用就農者が2名以上いる場合、当該就農者の農業への定着率が2分の1以上であること
交付主体

申請にあたって事業計画の作成および承認が必要なうえ、要件が非常に細かいため、申請前に相談が求められます。

経営承継を希望する個人経営者の場合、要件が追加されるので注意が必要です。

次世代経営者育成タイプ

次世代経営者育成タイプは、従業員・職員などを次世代の経営者として育成するために実施する研修を支援する制度です。

助成金額 月最大10万円
主な要件
  • 研修終了後1年以内に研修生を役員または部門責任者などの役職で登用することを確約する
  • 経営力の習得を目的とした実践的な研修を行う
  • 派遣元農業法人等の役員若しくは正社員(代表者を除く)又は家族経営の後継者で既に就農し経営に参画していること
  • 研修を受けるものが原則55歳未満
交付主体

正確な申請のため、全国農業会議所へ事前の相談が求められます。

研修生を1年以内に役員などへ登用しなかった場合、交付金の返還対象となるため注意が必要です。

被災農業者向け雇用就農促進支援

「令和6年能登半島地震により被災した農業者」を新たに雇用する農業法人に対して、資金を助成する制度です。

助成金額 被災法人等雇用就農者1人当たり1ヶ月につき10万円(年間120万円)、最長2年間
主な要件
  • 概ね年間を通じて農業を営む事業体であること
  • 被災農業者等と3ヶ月以上の雇用契約を締結すること
  • 被災農業者等を農畜産物の生産や加工販売等の業務に従事させ、営農再開後の経営発展に必要な技術、経営力等を習得させるための実践的な研修を行えること
  • 労働保険または社会保険に加入すること
  • 本事業と重複する国による助成を受けていないこと
交付主体
被災者要件
  • 能登半島地震の発生以降に農業法人等に採用された者であること
  • 人・農地プランまたは地域計画に位置づけられた者、もしくは位置づけられることが見込まれる者、又は農地中間管理機構から農地を借り受けている者、及びこれらに属する者であること
  • 研修終了後に営農する意思を有する者であること

募集期間は2025年1月31日(金)までです。助成開始時期に関しては、農業会議等に問い合わせましょう。

雇用就農資金(被災農業者向け雇用就農促進支援)

農業インターンシップ事業

農業についての知見を深め、体験先の従業員等とともに農作業を経験することで自らの農業適性を確認し、農業法人等への就業後、農業知識や経験の不足等による早期離職等のミスマッチを防ぐ事業

助成金額 受け入れ期間に応じた助成金が支給される。最大28,000/人
主な要件
  • 新たに正規従業員を雇用する意向があること
  • 新規就農者の育成・指導に情熱を持って積極的に取り組む経営であること
  • 経営管理、生産技術、販売戦略等の総合的な経営能力が優れていること
  • 農業経営を通じて地域振興に積極的に寄与していること
  • 「農業インターンシップ事業 体験受入に際しての留意点」、「農業インター ンシップ 体験受入ルールブック」に則って受入を行うこと
交付主体

本事業による体験の期間は連続した2日以上6週間までです。体験時間は、原則1日8時間とし、1週間のうち40時間を超えないよう休日等を設ける必要があります。

農業でも活用できるその他の助成金・補助金

農業でも活用できる助成金・補助金
(画像提供:PIXTA)

特定の業種に限らず、幅広い事業主が利用できる助成金・補助金も存在します。農業でも活用できる制度として、以下の4つが例にあげられます。

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金

ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金は、以下の3種類です。

一般型 グローバル展開型 ビジネスモデル構築型
補助金額 従業員規模・枠によって上限が異なる

補助率3分の2以内

1,000〜3,000万円 100万〜1億円

補助率:大企業2分の1、それ以外3分の2

主な要件
  • 要件を満たす事業計画を策定
  • その他申請枠ごとに要件有り
  • 要件を満たす事業計画を策定
  • 4種類のうちいずれかの類型における条件を満たす投資
革新性・拡張性・持続性を有するビジネスモデルの構築を目指す中小企業
交付主体 中小企業庁

こちらの制度は補助金のため、助成金に比べると要件が厳しくありません。農業を含む幅広い業種において申請できます。

ただし申請しても必ず補助金が支給されるとは限らず、審査に通過した事業者のみが交付を受けられます。また申請は電子申請システムでの受付のみなうえ、必要書類が多いため注意が必要です。

申請前の相談は必須ではありませんが、採択率を上げるには専門家のサポートを受けることをおすすめします。

IT導入補助金

IT導入補助金
IT導入補助金

IT導入補助金は業務効率化や売上アップの支援を目的に、中小企業におけるITツールの導入を補助する制度です。「通常枠」と「低感染リスクビジネス枠」の2種類があり、さらに細かな累計が分けられています。

要件は厳しくありませんが、審査に通過しなければ補助金の交付を受けられない点にご注意ください。採択率を高めるには、申請前に専門家へ相談することをおすすめします。

通常枠

助成金額 1プロセス以上5~150万円、4プロセス以上150~450万円
主な要件
  • 1種類以上の業務プロセスを保有する ソフトウェアを申請すること
  • 中小企業・小規模事業者等であること
交付主体

インボイス枠(インボイス対応類型・電子取引類型)

インボイス制度に対応した企業間取引をデジタル化を推進するために会計ソフト等の経費の一部を補助してもらえます。

インボイス対応類型 電子取引類型
助成金額 会計・受発注・決済ソフトは最大350万円、PC・ハードウェア等は最大20万円 350万円以下
主な要件
  • インボイス制度に対応したITツールを導入すること
  • 中小企業・小規模事業者等であること
  • 取引関係における発注者が、インボイス制度対応のITツール(受発注ソフト)を導入し、当該取引関係における受注者である中小企業・小規模事業者等に対して無償でアカウントを供与して利用させる場合
交付主体

詳しい補助金の額はインボイス対応類型(ソフトウェア・ハードウェア)における補助額試算シミュレーターを利用しましょう。

セキュリティ対策推進枠・複数社連携IT導入枠

セキュリティ対策推進枠 複数社連携IT導入枠
助成金額 5~100万円以下 グループ構成員等に依存
主な要件
  • 「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に掲載されているサービスのうち、IT導入支援事業者が提供し、かつ事務局に事前登録されたサービスを導入する
  • 商工団体等であること
  • 当該地域のまちづくり、商業活性化、観光振興等の担い手として事業に取り組むことができる中小企業者又は団体
  • 複数の中小企業・小規模事業者等により形成されるコンソーシアム
交付主体

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は小規模事業者が働き方改革やインボイス導入などの制度変更に対応し、生産性向上・持続的発展ができるよう支援することを目的とした制度です。

補助金額 上限50万円、補助率3分の2

※特定創業支援等の場合+50万円

主な要件
  • 資本金または出資金が5億円を超える企業の支配を受けていない
  • 申告済み直近過去3年分の課税所得の平均が15億円以下
  • 事業を営む場所が商工会議所の管轄地域内
交付主体 日本商工会議所

補助金は審査への通過が必要なため、申請しても必ず交付を受けられるとは限りません。採択率を高めるには、申請前に専門家へ相談し、提出書類についてアドバイスをもらうのがおすすめです。

地域雇用開発助成金

地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)
地域雇用開発助成金(地域雇用開発コース)

地域雇用開発助成金は、雇用の機会が少ない地域の雇い入れ促進や、体制整備などの支援を目的とした助成金です。雇用増加の取り組み結果に応じて受けられます。

助成金額 設備費用・増加人数による

48万〜1600万円

主な要件
  • 雇用情勢の厳しい地域である
  • 事前に計画書を提出する
  • 対象労働者を3人(創業の場合は2人)以上雇い入れる
交付主体 都道府県

基本事項はリーフレットに記載がありますが、一部掲載されていない細かな要件があるため、ハローワークや労働局へ相談してからの申請が安心です。対象となる費用にも細かな条件があるためご注意ください。

 多⾯的機能⽀払交付⾦

地域共同で⾏う、多⾯的機能を⽀える活動や、地域資源(農地、⽔路、農道等)の質的向上を図る活動を⽀援する制度です。

助成金額 広域活動組織の⾯積規模等に応じた交付額
主な要件
  • 多⾯的機能の増進を図る活動の取組数を新たに1つ以上増加させる
  • 上記の⽀援を受けた上で、構成員のうち⾮農業者等が4割以上を占め、かつ実践 活動に構成員の8割以上 が毎年度参加する
  • 資源向上⽀払(共同)の交付を受ける⽥⾯積の1/2以上で取り組む
交付主体

先端設備等導入制度による支援

先端設備等導入計画の認定を受けた中小企業者のうち、一定の要件を満たすと固定資産税の特例を受けることができます。

助成金額 固定資産税の課税標準を1/2に軽減(3年間)
主な要件
  • 資本金1億円以下の法人、従業員数1,000人以下の個人事業主等のうち、先端設備等導入計画の認定を受けた者
  • 生産、販売活動等の用に直接供されるものであること
  • 中古資産でないこと
交付主体

多面的機能支払交付金

農業で活用できる融資

農業で活用できる融資

新規就農や農業経営の改善などに利用できる、主な公的融資を紹介します。新規就農のための資金を長期間、低利や無利子で融資する制度が設けられているので、助成金や補助金と併せて、制度の内容をチェックすることをおすすめします。

青年等就農資金

青年等就農資金
青年等就農資金

新規就農者が農業経営を始めるために必要な資金を長期、無利子で貸し付ける支援制度です。

市町村から青年等就農計画の認定を受けた認定新規就農者が対象で、無利子で借入限度額は3,700万円(特認限度額1億円)。償還期限は17年以内(据置期間5年以内)で、実質無担保・無保証人となっています。

農業経営基盤強化資金

農業経営基盤強化資金
農業経営基盤強化資金

農業経営改善計画の達成に必要な長期資金を融資する制度。

認定農業者が対象で、金利は0.20%~0.30%(平成30年4月18日現在)、借入限度額は個人3億円(複数部門経営などは6億円)・法人10億円(民間金融機関との協調融資の状況に応じて30億円)、償還期限は25年以内(据置期間10年以内)です。

農業近代化資金

農業近代化資金
農業近代化資金

農業者が経営改善を図るために必要な資金を、長期かつ低利で融資する制度です。

認定農業者や認定新規就農者、主業農業者、集落営農組織、農業を営む任意団体、農協、農協連合会などが対象で、金利は1.00%で認定農業者は0.55%~0.85%(令和5年3月20日現在)、借入限度額は個人が1,800万円、法人・団体が2億円、償還期限は資金使途に応じて7~20年(据置期間2~7年)となっています。

※各資金の最新の金利は、取扱金融機関にお問い合わせ下さい。

農水省の助成金・補助金を探すときは逆引き辞典が便利

農林水産省/逆引き事典
農林水産省/逆引き事典

農林水産省の逆引き事典では、補助金や融資、出資などから制度を探したい分野を一つ選択して希望条件を選ぶと、該当する制度の一覧が表示されます。国の制度に加えて、都道府県が実施している補助金なども同時に検索可能です。

また一覧の中から比較検討したい補助金・助成金を複数選び、概要や公募時期、補助率、対象者などを一つの画面に表示することもできます。制度名をクリックすると、その制度の詳細ページが表示されます。

助成金・補助金選びは税理士への相談がおすすめ

まとめ

新規就農の際に利用できる数多くの助成金や補助金の情報を確認し、申請する助成金を探し出す作業には相応の手間と時間が必要です。

ニーズに合った助成金・補助金選びや申請書類の準備に戸惑ったり迷ったりした場合は、豊富な知識と経験を持つ税理士への相談をおすすめします。

税理士からのアドバイスや情報提供を受けて、助成金制度の選択や申請を効率良く進めてください。

監修税理士からのコメント

風間公認会計士事務所 - 東京都品川区南品川

新規就農に限らず、農業の継続には、多額の資金と多くの時間が必要となりますが、そのための資金として、助成金や補助金、融資制度が用意されていることは、記事を通じてご理解いただけたのではないでしょうか。 助成金や補助金の種類は豊富といえますが、返還を求められるタイプもあるため、申請の際には慎重に判断いただければと思います。

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チャットで相談ができる

依頼内容に合う税理士がみつかったら、依頼の詳細や見積もり内容などチャットで相談ができます。チャットだからやり取りも簡単で、自分の要望もより伝えやすいでしょう。

税理士に依頼するならミツモアで見積もり依頼をしてみてはいかがでしょうか?

ミツモアで見積もってみる