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【2024年】介護事業で利用できる助成金・補助金一覧

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最終更新日: 2024年06月28日

高齢化の影響で日本の要介護者が増えていくなか、介護業界は人手不足の解消や労働環境の改善など、さまざまな課題の解決が求められています。しかし事業運営で手一杯だったり、十分な待遇を還元できるような資金が不足したりして、課題は多々あるのが実情です。

そこで利用したいのが国からの助成金や補助金です。うまく利用すれば待遇や職場環境の改善などにかかる費用を抑えられるかもしれません。

この記事では、職場や事業の継続に利用できる助成金や補助金制度について紹介します。

目的 制度名
介護人材の雇用
  • キャリアアップ助成金(正社員コース)
  • トライアル雇用助成金
  • 人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)
  • 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
  • 特定求職者雇用開発助成金
  • 中途採用等支援助成金
  • 65歳超雇用推進助成金
  • 労働移動支援助成金
  • 介護職員処遇改善支援補助金
介護職の人材育成
  • 人材開発支援助成金
  • キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)
  • キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース)
介護事業所の待遇や職場環境の改善
  • 両立支援等助成金
  • 業務改善助成金
  • 働き方改革推進支援助成金
  • 介護職員の処遇改善加算
介護事業所設備の導入
  • 人材確保支援助成金(介護福祉機器助成コース)
  • 介護ロボット導入支援事業補助金制度
  • ICT導入支援事業補助金
  • IT導入補助金
介護事業の開業・運営
  • 事業再構築補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 【東京都】創業助成事業
  • 事業継承・新規開業支援補助金

介護人材の雇用に利用できる助成金・補助金

介護事業 人材雇用に役立つ制度

多くの介護施設で人材不足が叫ばれるなか、少しでも多くの雇用を確保できるようにするため、厚生労働省では下記の助成金や補助金制度を用意しています。

  • キャリアアップ助成金(正社員コース)
  • トライアル雇用助成金
  • 人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)
  • 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)
  • 特定求職者雇用開発助成金
  • 中途採用等支援助成金
  • 65歳超雇用推進助成金
  • 労働移動支援助成金
  • 介護職員処遇改善支援補助金

キャリアアップ助成金(正社員コース)

キャリアアップ助成金
公式HP:キャリアアップ助成金|厚生労働省

従業員の待遇や福利厚生制度を充実させたいと考える経営者を支援する制度です。就業規則や労働協約などに規定した制度に基づいて、有期契約労働者などを正規雇用労働者などに転換・直接雇用した場合に助成金が支給されます。

条件 非正規雇用労働者を正規雇用労働者に転換または直接雇用する
支給額
  • 有期雇用 → 正規雇用へ転換した場合:1人当たり80万円
  • 有期雇用 → 無期雇用へ転換した場合:1人当たり28.5万円
  • 無期雇用→ 正規雇用へ転換した場合:1人当たり40万円
申請期間 実際に賃金が支給された日の翌日から起算して2か月以内

参考:キャリアアップ助成金|厚生労働省

トライアル雇用助成金

トライアル雇用助成金
公式HP:トライアル雇用助成金|厚生労働省

職業経験や技能の不足などの理由で安定的な就職が困難な求職者を、ハローワークや職業紹介事業者などからの紹介を受けて、一定期間試行雇用した場合に助成金を支給する制度です。
支給対象期間は最長3か月間で1人につき基本4万円を支給します。シングルマザーやシングルファザーの場合は1人につき基本5万円です。

【トライアル雇用助成金(一般トライアルコース)の概要】

条件
  • ハローワークや職業紹介事業者等に提出された求人に対し、その紹介により雇い入れること
  • 原則3か月のトライアル雇用をすること 
  • 1週間の所定労働時間が30時間以上であること など
支給額 対象者1人につき月額最大4万円(合計12万円)
申請期間 コースの条件に該当する賃金を支払った日の翌日から2か月以内

参考:トライアル雇用助成金|厚生労働省

人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)

公式HP:人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)|厚生労働省

中小企業団体が従業員の労働環境の向上や人材の確保を行い、雇用管理や雇用創出を推進する助成金です。受給額は「中小企業労働環境向上事業」に要した経費の2/3ですが、団体の区分によって上限額が決められています。

条件
  • 雇用管理の改善についての改善計画を策定して自治体からの認定を受ける
  • 「中小企業労働環境向上事業」の実施計画を策定して労働局からの認定を受ける
  • 上記の労働局から認定された事業を実際に行う
支給額
  • 大規模認定組合等(構成中小企業者数が500人以上):上限1,000万円
  • 中規模認定組合等(同100人以上500人未満):上限800万円
  • 小規模認定組合等(同100人未満):上限600万円
申請期間 事業実施期間の末日の翌日から起算して2か月以内

参考:人材確保等支援助成金(中小企業団体助成コース)|厚生労働省

人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)

公式HP:人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)|厚生労働省

人材不足を解消するには、外国人労働者を受け入れるのも選択肢として考える必要があります。外国人労働者の職場定着に取り組んだ事業主に対して、通訳費や社内標識類の設置費用など、経費の一部を助成します。

条件
  • 外国人労働者を雇用している事業主であること
  • 認定を受けた就労環境整備計画に基づき、外国人労働者に対する就労環境整備措置(雇用労務責任者を選任することなど)を導入し、実施すること
  • 就労環境整備計画期間が終了し、一定期間を経過した後、外国人労働者の離職率が10%以下であること
支給額
  • 賃金要件を満たしていない場合:上限57万円
  • 賃金要件を満たす場合:上限72万円
申請期間 評価時離職率算定期間の末日の翌日から2か月以内

参考:人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)|厚生労働省

特定求職者雇用開発助成金

特定求職者雇用開発助成金
公式HP:特定求職者雇用開発助成金|厚生労働省

高年齢者や障害者などの就職困難者をハローワークなどから紹介を受け、継続して雇用する労働者(雇用保険の一般被保険者)として雇い入れる事業主を支援する助成金です
支給額はコースや短時間労働者かどうかによって異なりますが、支給対象期に対象労働者に支払った賃金額が支給の上限になります。

【特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)の概要】

条件
  • 雇用保険の適用事業主であること
  • 対象労働者をハローワークまたは民間の有料・無料職業紹介事業者等の紹介により雇い入れること など
支給額
  • 母子家庭の母、高齢者(60歳以上)など:60万円(50万円)※短時間労働者は40万円(30万円)
  • 重度障害者などを除く身体・知的障害者:120万円(50万円)※短時間労働者は80万円(30万円)
  • 重度障害者など:240万円(100万円)※短時間労働者は80万円(30万円)
申請期間 各支給対象期の末日の翌日から2か月以内

参考:特定求職者雇用開発助成金|厚生労働省

中途採用等支援助成金

公式HP:中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)|厚生労働省

中途採用による雇用の活性化を図るため、中途採用を促進する雇用管理制度の整備を行っていると認められた事業者が受給できる助成金です。

【中途採用等支援助成金(中途採用拡大コース)の概要】

条件
  • 雇用に関する規定の条件に該当する支給対象者を雇う
  • 中途採用の雇用管理に関する採用計画を労働局に届出
  • 実際に中途採用の拡大事業を行う
支給額
  • 中途採用率を拡大:50万円
  • 45歳以上の中途採用率を拡大:100万円
申請期間 「中途採用計画」を作成し、計画開始日の6か月前に該当する日から計画開始日の前日まで

また、上記の中途採用拡大助成を受けた事業主が実際に生産性の向上を認められた場合に追加で受給できる「生産性向上助成」も用意しています。

【生産性向上助成】

条件 中途採用計画を行った年度と3年度後の生産性を比較して、一定の成果が認められること
追加受給額
  • 中途採用率を拡大した場合:25万円
  • 45歳以上の人材を初採用した場合:30万円

参考:中途採用支援助成金(中途採用拡大コース)|厚生労働省

UIJターンコース

公式HP:中途採用等支援助成金(UIJターンコース)|厚生労働省

また中途採用等支援助成金には、優秀な人材を地方へ就職させるため「UIJターンコース」があります。東京から移住した人材の採用を行った事業主に対して、採用活動に要した経費の一部を支給する制度です。

条件
  • 採用活動に関する計画書を労働局に提出して、認定を受ける
  • 計画期間の間に一定の採用活動を行う
  • 東京から移住してきた人材、雇用保険の被保険者等を雇う
支給額
  • 中小企業の場合:助成対象経費の1/2
  • 中小企業以外の場合:助成対象経費の1/3
    ※いずれの場合も上限額は100万円
申請期間 「採用計画書」を作成し、計画期間終了後2か月以内に支給申請書を提出

参考:中途採用等支援助成金(UIJターンコース)|厚生労働省

65歳超雇用推進助成金

公式HP:65歳超雇用推進助成金|厚生労働省

65歳以上への定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換を行う場合に支給されます。この助成金には3つのコースがありますが、中でも「65歳超継続雇用促進コース」の支給条件や支給額、申請期間は下記のとおりです。

【65歳超雇用推進助成金(65歳超継続雇用促進コース)の概要】

条件
  • 65歳以上の定年引き上げなど、労働協約または就業規則で制度を実施し、労働基準監督署に届け出たこと
  • 制度を労働協約や就業規則を規定した際、コンサルタントや専門家に相談し、経費を支出した
  • 職業能力の開発や健康管理など、高年齢者雇用推進者の選任および雇用管理に関する措置を実施していること
支給額 最大160万円
申請期間 制度を実施する月の翌月から4か月以内で、各月の初めから5開庁日まで

参考:65歳超雇用推進助成金|厚生労働省

労働移動支援助成金

公式HP:労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)|厚生労働省

事業規模の縮小などで離職せざるを得ない労働者に対して、支援策を講じた事業者に助成金を支給する制度です。職業紹介事業者に再就職支援を委託したり、求職活動を支援するための休暇を付与したり、職業訓練を実施した場合などが助成金支給の対象となります。コースは「早期雇入れ支援」と「再就職支援」の2つです。

【労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)の概要】

条件
  • 支給対象者を離職日の翌日から3か月以内に無期雇用労働者として雇い入れること
  • 支給対象者を一般被保険者又は高年齢被保険者として雇い入れること など
支給額 支給対象者1人につき30万円(早期雇入れ支援で通常助成の場合)
申請期間
  • 早期雇入れ支援:支給基準日の翌日から起算して2か月以内
  • 人材育成支援:支給基準日の翌日から2か月以内(支給基準日以降は訓練終了日の翌日から2か月以内)

参考:労働移動支援助成金(早期雇入れ支援コース)|厚生労働省

介護事業の「人材育成」に利用できる助成金

介護事業 人材育成に活用できる助成金

優秀な人材を育成するための助成金も充実しています。職員のスキルを高めることで業務の効率化につながるほか、仕事のモチベーションが高まる効果も期待できるでしょう。人材育成に役立つ助成金制度は、下記のとおりです。

  • 人材開発支援助成金
  • キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)
  • キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース)

人材開発支援助成金

公式HP:人材開発支援助成金|厚生労働省

職業訓練などの人材開発にかかった費用の一部を支給して、人材開発を推進するための助成金です。「人への投資促進コース」や「事業展開等リスキリング支援コース」など、計8つのコースがあります。細かい条件や受給額はコースごとで異なるため、詳細な条件は各コースごとに確認してください。

条件
  • 雇用保険適用事業所の事業主である
  • 人材育成制度を新たに導入し、その制度を被保険者に適用した事業主である
  • 事業内職業能力開発計画を作成し、労働者への周知が行われている など
支給額 人材育成支援コースや教育訓練休暇等付与コースなど、コースによって給付する金額が異なる。
申請期間 申請したいコースによって異なる。

参考:人材開発支援助成金|厚生労働省

キャリアアップ助成金(賃金規定等共通化コース)

キャリアアップ助成金
公式HP:キャリアアップ助成金|厚生労働省

有期雇用労働者等に対して新たに正規雇用労働者と共通の賃金規定等を作成し、適用した事業主に対して、助成金を支給します。

条件 就業規則または労働協約で雇用する有期雇用労働者などについて、正規雇用労働者と同様の賃金規定などを新たに作成して適用すること など
支給額 1事業所あたり60万円
申請期間 対象労働者の賃金規定等共通化後6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内

キャリアアップ助成金(賞与・退職金制度導入コース)

キャリアアップ助成金
公式HP:キャリアアップ助成金|厚生労働省

有期雇用労働者などの処遇を改善するため、賞与または退職金制度、その両方を新たに設けて適用した事業主に対して支給する助成金です。

条件 有期雇用労働者などについて、就業規則または労働協約で新たに賞与・退職金制度を定め、支給または積立てを実施すること など
支給額 1事業所あたり40万円
申請期間 初回の賞与または退職金の積立て後6か月分の賃金を支給した日の翌日から起算して2か月以内

参考:キャリアアップ助成金|厚生労働省

介護事業所の待遇や職場環境の改善に利用できる助成金・補助金・制度

介護事業 職場環境の整備に利用できる制度

介護職員が安心して働ける環境を整えたり、改善を行なったりするのに役立つ助成金や補助金、制度は下記のとおりです。

  • 両立支援等助成金
  • 業務改善助成金
  • 働き方改革推進支援助成金
  • 介護職員の処遇改善加算

両立支援等助成金

公式HP:両立支援等助成金|厚生労働省

仕事と家庭との両立をできるように推進するための助成金です。仕事と介護の両立を支援する「介護離職防止支援コース」や「育児休業等支援コース」といったコースを用意しています。

条件
  • 労働者との面談を通じてその後の働き方に関するプランを作成
  • 策定したプランに基づいて実際に労働者が休業や制度の利用を行う

※そのほか、コースによって条件が異なる。

支給額
  • 出生時両立支援コース:最大60万円
  • 介護離職防止支援コース:最大30万円

※そのほか、コースによって支給額が異なる。

申請期間
  • 出生時両立支援コース:子育てをした労働者の育児休業が終了した日の翌日から2か月以内
  • 介護離職防止支援コース:支給要件を満たした翌日から起算して2か月以内

※そのほか、コースによって申請期間が異なる

参考:両立支援等助成金|厚生労働省

業務改善助成金

公式HP:業務改善助成金|厚生労働省

中小企業や小規模事業者の生産性を向上させるため、設備の導入や賃金を一定額引き上げた場合、助成金を支給します。

条件
  • 中小企業または小規模事業者
  • 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内
  • 解雇、賃金引き下げなどの不交付事由がないこと など

※助成金の支給を決定する前に助成対象となる設備投資(機器の導入や人材育成など)を行った場合は、助成の対象外

支給額 最大600万円
申請期間 事業が完了した日から起算して1月を経過する日または2024年4月10日のいずれか早い日まで

参考:業務改善助成金|厚生労働省

働き方改革推進支援助成金

公式HP:働き方改革推進支援助成金|厚生労働省

中小企業を対象に時間外労働の短縮や年次有給休暇、特別休暇の促進など働き方改革を推進している場合に助成金を支給する制度です。

条件 下記のいずれかに該当する中小企業

  • 労働者災害補償保険の適用事業主であること
  • 交付申請時点で時間外労働や年次有給休暇など、制度に定められた「成果目標」の設定に向けた条件を満たしていること
  • 交付申請時点で、年5日の年次有給休暇の取得に向けて就業規則等を整備していること
支給額 最大200万円
申請期間 事業が完了した日から起算して1月を経過する日または2024年4月10日のいずれか早い日まで

参考:働き方改革推進支援助成金|厚生労働省

介護職員処遇改善支援補助金

介護職員を対象に政府の経済対策の一環として、2024年2月から5月まで2%程度(月平均6,000円程度)引き上げるための補助金を支給します。

条件
  • 介護職員ベースアップなど、支援加算を取得している事業所
  • 2024年2月・3月分から実際に賃上げを行なう事業所 など
補助金額 介護事業所の介護職員1人当たり月額平均6,000円の賃金引上げに相当する額

※対象サービスごとに介護職員数に応じて必要な交付率を設定し、各事業所の総報酬にその交付率を乗じた額

申請方法 各事業所で都道府県に介護職員・その他職員の賃金改善額について記載した計画書を提出

参考:令和6年2月からの介護職員処遇改善支援補助金について(厚生労働省)

介護職員の処遇改善加算

公式HP:福祉・介護職員の処遇改善|厚生労働省

キャリアに応じた賃金体系の整備、労働環境の改善などを行っている事業所に対して支援する制度です。処遇改善加算の条件は定められた「キャリアパス要件」と「職場環境等要件」を満たしていれば、職員1人当たり月額1万5,000円から3万7,000円相当を支給します。

条件 <キャリアアップ要件>

  • 職位や職責、職務内容に応じた任用要件と賃金体系の整備をすること
  • 資質向上のための計画を策定して、研修の実施または研修の機会を設けること
  • 経験もしくは資格等に応じて昇給する仕組み、または一定の基準に基づき定期に昇給を判定する仕組みを設けること

<職場環境等要件>

賃金改善以外の処遇改善(職場環境の改善など)の取組を実施すること

補助金額 職員1人あたり月額1万5,000円から3万7,000円相当
申請方法 「介護職員処遇改善計画書」を作成して自治体へ届け出。その後「介護職員処遇改善実績報告書」を自治体に提出

また、満たしている要件が多いほど加算される額が増加します。要件については厚生労働省のホームページを参照ください。

参考:福祉・介護職員の処遇改善|厚生労働省

介護事業所設備の導入に利用できる助成金・補助金

介護機器導入 助成金

ITやICT、介護ロボットなどの設備を導入した介護施設に対して支給する助成金や補助金があります。導入するとスタッフの負担を軽減でき、離職を防げるかもしれません。具体的には下記のような制度です。

  • 人材確保支援助成金(介護福祉機器助成コース)
  • 介護ロボット導入支援事業補助金制度
  • ICT導入支援事業補助金
  • IT導入補助金

人材確保支援助成金(介護福祉機器助成コース)

公式HP:人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)|厚生労働省

介護福祉機器の導入によって、職場における介護労働者の負担の軽減に努める事業者を支援するための助成金です。

条件
  • 介護事業者で過去3年以内に人材確保等支援助成金や職場定着支援助成金の支給がないこと
  • 離職率の目標を達成できること 
  • 導入・運用計画を策定し、労働局の認定を受ける
  • 上記の計画に基づいて、実際に機器の導入などを行う
  • 上記の結果、定められた期間内の離職率を一定割合低下させる など
対象機器
  • 移動・昇降用リフト
  • 装着型移乗介助機器
  • 体位変換支援機器
  • 特殊浴槽
支給額 介護福祉機器の導入費用、保守契約費、機器の使用に関する研修の合計額の20%にあたる額(上限150万円、生産性要件を満たす場合は35%に増額)
申請期間 算定期間終了後2か月以内

参考:人材確保等支援助成金(介護福祉機器助成コース)|厚生労働省

【各自治体】介護ロボット導入支援事業補助金制度

公式HP:介護ロボット導入補助金|神奈川県

介護職員の負担軽減を図るため、介護ロボットの導入にかかった費用の一部を各都道府県が補助する制度です。ここでは神奈川県を例に紹介します。

【介護ロボット導入補助金(神奈川県)の概要】

条件
  • 神奈川県内にある介護サービス事業所・施設
  • 介護保険法による指定または許可を受けている
  • 介護ロボット導入計画を作成し、導入後の結果を報告すること など
補助対象 移乗介護や移動支援、見守り・コミュニケーションなどの場面において、介護ロボットおよび見守り機器の導入に伴う通信環境整備に要する経費
支給額
  • 介護ロボット:1機器について上限30万円(移乗支援および入浴支援は100万円)
  • 見守り機器の導入に伴う通信環境整備:1事業者につき上限750万円

※リース・レンタルも含む

介護ロボットの導入に関しては、ほかにも北海道愛知県大阪府などで補助金制度が設けられています。

【各自治体】ICT導入支援事業補助金

公式HP:ICT導入支援事業補助金|大阪府

タブレット端末やソフトウェア、ネットワーク機器などを介護事業者が購入する際、その費用の一部を補助する制度です。介護ソフトや情報端末といったICT機器を活用することで業務効率化や雇用環境の改善、人手不足の解消などが期待されています。

【ICT導入支援事業補助金(大阪府)の概要】

条件 大阪府内にある介護サービス事業所・施設
補助対象 下記ICT機器の購入や設置、保守サポート、導入設定、セキュリティ対策などにかかった経費

  • タブレット端末
  • スマートフォン
  • ソフトウェア
  • ネットワーク機器
  • クラウドサービス など
支給額 最高260万円

ICT機器導入に関しては、ほかにも東京都千葉県福岡県などで補助金制度が設けられています。

IT導入補助金

公式HP:IT導入補助金(独立行政法人中小企業基盤整備機構)

中小企業および小規模事業者が業務改善のためにITツールを導入する際、その経費の一部を補助します。「通常枠-A類型・B類型」や「インボイス枠」、「セキュリティ対策推進枠」など、枠によって補助金額が高くなる一方で受けられるハードルが上がっているので注意が必要です。

【IT導入補助金(通常枠‐A類型・B類型)の概要】

条件 業務効率化や売上アップなど、自社の課題・ニーズに合ったITツールを導入している
補助対象
  • ソフトウェア購入費
  • クラウド利用費(クラウド利用料最大2年分)
  • 導入関連費
支給額 A類型:5万円~150万円未満、B類型:150万円~450万円以下

介護事業の開業・運営に利用できる助成金・補助金

高齢化の影響で要介護者の数が増加傾向になるなか、介護事業を開業したい事業者や安定した運営を続けたい事業者に向けて、国や地方自治体から下記の助成金や補助金制度を用意しています。

  • 事業再構築補助金
  • 小規模事業者持続化補助金
  • 【東京都】創業助成事業
  • 事業継承・新規開業支援補助金

事業再構築補助金

公式HP:事業再構築補助金|中小企業庁

新型コロナウイルスや国際情勢などの影響で需要や売上の回復が期待できず、介護業界への転換で事業再構築を目指す中小企業に対して、支援する補助金です。1回の公募につき、1度しか申請できないので、交付を受けるかどうか慎重に判断しましょう。

【事業再構築補助金(成長枠)の概要】

条件
  • 認定の経営革新等支援機関や金融機関から事業計画の確認を受けること
  • 取り組む事業が、過去から今後のいずれか10年間で、市場規模が10%以上拡大する業種・業態に属していること など
支給額 最大7,000万円

小規模事業者持続化補助金

公式HP:小規模事業者持続化補助金❘日本商工会議所

働き方改革や賃上げ、インボイス導入など、今後小規模事業者が制度変更に必要な販路開拓などの取り組みにかかった経費の一部を補助します。

条件 下記の要件を満たす小規模事業者

  • 資本金または出資金が5億円以上の法人に直接または間接に100%株式保有されていないこと(法人のみ)
  • 直近過去3年分の各年または各事業年度の課税所得の年平均額が15億円を超えていないこと
  • 持続化補助金で採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第14「小規模事業者持続化補助金にかかる事業効果および賃金引上げ等状況報告書」を、原則本補助金の申請までに受領されたものであること
  • 「卒業枠」で採択され事業を実施した事業者ではないこと
支給額 最大200万円

【東京都】創業助成事業

公式HP:創業助成事業(東京都)

東京都内で創業したい事業者が対象になりますが、賃料や人件費など、介護施設の開業に必要な経費の一部を東京都と東京都中小企業振興公社が助成します。

条件 都内での創業を具体的に計画している個人または創業後5年未満の中小企業者等のうち、一定の要件を満たす方
支給額 最大400万円

【各自治体】事業継承・新規開業支援補助金

公式HP:事業承継・新規開業支援補助金(北海道・上川町)

中小企業や小規模事業者を対象に事業承継を進めたり、新規開業することで地域活性化や雇用機会の拡大に貢献したい事業者に対して、経費の一部を補助する制度です。ここでは北海道・上川町を例に制度の概要について紹介します。

【事業承継・新規開業支援補助金(北海道・上川町)の概要】

条件
  • 中小企業・小規模事業者または個人事業主であること
  • 18歳以上60歳以下で事業承継や新規開業にチャレンジしたい事業者
  • 補助金の交付を受けようとする事業者が直接、事業または営業に携わること など
支給額 最大300万円

利用できる助成金・補助金の探し方【インターネット活用】

事業の立ち上げを支援する助成金は数多くあります。そのような支援制度を探すためにおすすめな方法が次の3つです。自身の事業プランに合った制度を選び、その助成制度の内容を要項で細かくチェックしましょう。

  • 各省庁のホームページで検索
  • 各自治体のホームページで検索
  • J-Net21で検索

各省庁のホームページで検索

政府が実施している助成金や補助金の詳しい情報は、管轄する各省庁のホームページ上ですべて公開されています。

また、厚生労働省や経済産業省、中小企業庁のホームページには助成金・補助金を検索するページもあるので、申請を検討している助成金・補助金がある場合、これら省庁のホームページで制度の詳細を確認しましょう。

【各省庁の助成金・補助金情報ページ一覧】

各自治体のホームページで検索

都道府県などの地方自治体や関連団体のホームページには、自治体が独自に実施している補助金や助成金の最新情報が掲載されています。国の助成金とあわせて、事業所のある自治体の補助金・助成金情報も定期的にチェックしましょう。

【地方自治体の助成金・補助金情報ページ一覧(一部地域を抜粋)】

J-Net21で検索

公式HP:J-Net21❘中小企業基盤整備機構

J-Net21は中小企業基盤整備機構が運営する中小企業向けの情報提供サイトです。中小企業の経営に役立つ情報が豊富に掲載されています。サイト内に助成金・補助金の検索ページが用意されており、地域・利用目的・支援制度の3つから絞り込んで検索できるので、活用しましょう。

助成金や補助金を使って介護事業の継続を

雇用の確保や人材育成、設備の導入など、介護事業の運営を支えるために国や地方自治体からの助成金や補助金、制度が充実しています。しかし助成を受けるには就業規則の改定や採用計画の作成など、条件を満たす必要があり、事前に準備を進めることが大切です。場合によっては申請が認められないこともあります。もし何かわからないことがあれば、国や地方自治体の担当部署、または助成金や補助金に詳しい税理士や社会保険労務士に相談しましょう。

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