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【超入門】社会保険の種類~社会人1年生の基礎知識

最終更新日: 2021年10月19日

病気や失業など万が一の場合でも困らないように生活を支えてくれるのが社会保険です。社会保険にはさまざまな種類があり、会社員と自営業者では加入する社会保険の種類が異なります。

普段から社会保険料を納めていますが、一体どのような保障が受けられるのか?

自分が加入している社会保険の種類や仕組みを正しく理解するようにしましょう。

社会保険とは?

社会保険とは?
社会保険とは?

会社員は給与から天引きされる形で、自営業者は納付書などを使って社会保険料を納付します。しかし自分がなぜ社会保険料を納めているのか、理解しないまま何となく保険料を払っている人が少なくありません。

逆に社会保険の意義を理解すれば普段から納得感をもって保険料を納められます。まずは社会保険の目的や仕組み、種類など、社会保険の全体像について見ていきましょう。

社会保険の目的と仕組み

社会保険とは、病気や怪我、失業など万が一のリスクに対して社会全体で備えるための公的な保険制度です。病気にかかったり失業したりしても、社会保険制度があることで給付を受けられ、生活に困らずに済みます。

逆に社会保険制度がないと、万が一の事態に陥ったとき、医療費の支払いや生活費の確保などで困ることになりかねません。すべて自己責任にしてしまうと困る人が出るため、国民全員で普段から社会保険料を負担してお金を積み立てておき、もしもの場合に必要な給付を受けられる仕組みになっています。

社会保険は国民がお互いに支え合う相互扶助の考え方に基づく制度です。

日本の社会保険制度は5種類

社会保険の種類は国によって異なります。日本の社会保険制度を一覧で示すと次の5種類です。

  • 年金保険
  • 医療保険
  • 介護保険
  • 雇用保険
  • 労災保険

これらの社会保険制度によって、高齢や病気、介護、失業、労働災害などのリスクにさらされた人を社会全体で支える仕組みです。

5種類ある社会保険のうち、年金・医療・介護の3種類の保険は加入年齢に達した人が必ず加入する義務があり、狭義の社会保険と呼ばれます。雇用保険と労災保険は合わせて労働保険と呼ばれ、事業主に雇用される会社員などが加入する制度です。

社会保険と社会保障の違い

社会保険と似た用語に社会保障がありますが、この2つは異なる用語です。社会保障のひとつが社会保険であり、社会保障が指す範囲は社会保険よりも広くなります。社会保険、社会福祉、公的扶助、保健医療・公衆衛生の4種類の制度を総称したものが社会保障です。

社会福祉には障害者や母子家庭などへの支援制度が、公的扶助には生活困窮者に対するサポート(生活保護)が、保健医療・公衆衛生には予防接種や感染症対策、各種検診などがそれぞれ該当します。

社会保障はマイナンバー制度(社会保障・税番号制度)との関連で見聞きすることが多い単語ですが、社会保険とは混同しないように注意しましょう。

20歳から加入する年金保険

20歳から加入する年金保険
20歳から加入する年金保険

5種類ある社会保険のうち高齢というリスクに備えるための保険が年金保険です。職業によって加入する保険制度が異なります。

若いときに年金保険料を支払うと老後に年金をもらえますが、年金を受け取るには一定の要件を満たさなければいけません。必要なときに必要な給付を受けられるように、給付の種類や要件など公的年金制度の仕組みを理解しておくことが大切です。

年金制度の目的

高齢になると若いときのように働き続けることが難しくなり、収入が減って生活費をどのように確保するか困る可能性が高くなります。また障害状態になった場合や一家の稼ぎ手が亡くなり家族が残された場合も、収入が減って生活に困ることが少なくありません。

このような場合でも本人や家族が困らないようにするための制度が公的年金制度です。普段から年金保険料を納めておくことで、万が一の場合でも生活に困らないように年金を受け取れます。

公的年金は国民年金と厚生年金の2種類

公的年金には国民年金と厚生年金の2種類あり、職業によって加入する保険制度が異なります。

国民年金 厚生年金
加入対象者
  • 自営業者
  • フリーター
  • 無職の人
  • 学生
  • 従業員数5人未満の個人事業(農林水産業、サービス業、法務業、宗教業は5人以上)で社会保険の適用事業所でない事業所に雇われる従業員
  • 会社員
  • 公務員
加入期間 20歳~60歳 会社員や公務員として働いている期間(70歳まで)
保険料額 月額16,610円(令和3年度) 報酬額に応じて決定
保険料負担者 全額自己負担(但し第3号被保険者は納付不要) 労使で半分ずつ負担
年金額 満額支給の場合は月額65,075円(令和3年度) 報酬額に応じて決定
年金支給開始時期 原則65歳 原則65歳

そして国民年金には第1号・第2号・第3号の3種類の被保険者区分があり、それぞれの区分には次の人が該当します。

  • 第1号被保険者:自営業者やフリーター、無職の人、学生
  • 第2号被保険者:厚生年金の加入者
  • 第3号被保険者:第2号被保険者の配偶者で20歳以上60歳未満の人(年収が130万円以上など一定の条件に該当する配偶者は第1号被保険者)

第1号被保険者は納付書や口座振替などの方法で自分で保険料を納めますが、第3号被保険者は保険料を支払う必要はありません。

年金の受け取り方~老齢年金・遺族年金・障害年金

公的年金制度から支給される給付にはさまざまな種類があり、主なものとして老齢年金・遺族年金・障害年金の3種類の年金があります。

高齢になったときに支給されるのが老齢年金、一家の稼ぎ手が亡くなり残された遺族が受け取れるのが遺族年金、障害を負った場合に受給できるのが障害年金です。

いずれの年金も支給対象となる人の条件や金額が決まっていて、たとえば障害年金であれば一定の障害状態に該当することが受給要件のひとつになっています。

必要な保険料の支払い期間

年金の種類によっては、保険料の支払い期間が年金の受給要件のひとつになっていることがあります。その場合には保険料納付期間が決められた期間以上ないと年金がもらえません。

たとえば老齢年金であれば原則として保険料納付済期間と保険料免除期間が10年以上必要です。また遺族年金や障害年金を受け取るには、年金制度の加入期間のうち3分の2以上の期間を保険料納付済期間・保険料免除期間が占めるか、直前1年間に保険料の未納がないことが条件になります。

  • 保険料納付済期間:保険料を納付した期間
  • 保険料免除期間:一定の要件に該当して保険料の納付の免除が認められた期間

社会保険料が給与から天引きされる会社員や公務員の場合は、年金保険料が未納になる心配は基本的にありませんが、自分で保険料を納付する自営業者などは未納にならないように注意が必要です。

未納期間があると、万が一障害状態になった場合や家族が残された場合に障害年金や遺族年金を受給できないことがあります。保険料の納付が難しい場合には未納にせず、保険料の免除申請を行うようにしてください。

保険料の納付が難しい場合の免除制度・納付猶予制度

所得が少ないなど一定の条件に該当する場合、保険料の納付が免除または猶予されます。国民年金保険料の納付を免除または猶予されるためには申請の手続きが必要です。

免除制度

免除の種類は全額免除・4分の3免除・半額免除・4分の1免除の4種類です。前年所得(1~6月に申請する場合は前々年所得)が次の金額以下であることが条件になります。

  • 全額免除:(扶養親族等の数+1)×35万円+32万円
  • 4分の3免除:88万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 半額免除:128万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等
  • 4分の1免除:168万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等

保険料の免除期間は未納期間とは違って、将来受け取る老齢基礎年金の年金額の計算に反映されます。(ただし保険料を満額納付した場合に比べると受給額は低くなります)

納付猶予制度

年金保険料の納付猶予制度は、本人・配偶者の前年所得が一定額以下の場合に利用できます。20歳から50歳未満の人が対象です。

保険料の納付猶予期間は、免除期間と同じく、老齢基礎年金の受給に必要な期間が10年以上あるかどうかを判定する際の期間の計算に含まれます。ただし免除期間と違って、将来受け取る老齢基礎年金の年金額には反映されません。

納付猶予制度を利用できるのは、前年所得(1~6月に申請する場合は前々年所得)が次の金額以下である場合です。

  • (扶養親族等の数+1)×35万円+32万円

学生納付特例制度

学生納付特例制度は、所得が一定額以下の学生について、申請により在学中の保険料の納付が猶予される制度です。家族の所得の多寡は問われません。基準となる所得額は次の式で求めた金額です。

  • 128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等

学生納付特例の適用を受けた期間は、老齢基礎年金の受給に必要な期間が10年以上あるかどうかを判定する際の期間の計算に含まれます。ただし将来受け取る老齢基礎年金の年金額には反映されません。

産前産後の保険料免除制度

産前産後の保険料免除制度とは、自営業者やフリーランス、学生などの国民年金第1号被保険者を対象とした制度です。

出産予定日の前月(多胎妊娠の場合は3月前)から出産予定月の翌々月までの期間、保険料の納付を免除されます。当制度を利用するには届出が必要で、手続きができるのは出産予定日の6ヶ月前からです。

当制度によって保険料の納付を免除された期間は、老齢基礎年金の受給額の計算では保険料を納付した期間として扱われます。

厚生年金保険の産前産後休業・育児休業期間の免除

産前産後休業期間(産前42日(多胎妊娠の場合は98日)、産後56日のうち、妊娠・出産により労務に従事しなかった期間)についての厚生年金保険の保険料は、事業主が年金事務所に申し出ることにより、被保険者・事業主の両方の負担が免除されます。

満3歳未満の子を養育するための育児休業期間についても、事業主が年金事務所に申し出ることにより、事業主・被保険者の両方の負担が免除されます。

怪我・病気に備える医療保険

怪我・病気に備える医療保険
怪我・病気に備える医療保険

5種類ある社会保険のうち怪我や病気に備えるための保険が医療保険です。医療保険があるおかげで、病院で診察や治療を受けた際の自己負担が1割~3割で済むようになっています。

職業や年齢によって加入する医療保険の種類や自己負担額が変わるので、自分が一体どの医療保険に加入していて自己負担額はいくらなのか、医療保険の仕組みについて確認しておきましょう。

医療保険の目的

怪我をしたり病気にかかったりして診察や治療を受けると医療費がかかります。医療費の額はケースによって異なりますが、高額になるケースも少なくありません。

そしてすべてを自己負担としてしまうと、収入が少ない人や怪我や病気で働けなくなり収入が途絶えている人が医療費を払えず、必要な治療を受けられない可能性があります。このような事態を回避するための制度が医療保険制度です。

国民全員で普段から保険料を拠出しあって資金を確保しておくことで、万が一治療が必要になった人が出た場合に医療費の支払いに充当でき、本人の自己負担が軽く済むようになっています。

医療保険の種類

医療保険には次の種類があり、職業や年齢などによって加入する医療保険が異なります。

  • 健康保険組合:主に大企業の従業員やその家族が加入
  • 全国健康保険協会(協会けんぽ):主に中小企業の従業員やその家族が加入
  • 共済組合:公務員・教職員やその家族が加入
  • 国民健康保険:自営業者やフリーター、無職の人などとその家族、従業員5人未満の個人事業(農業水産業、サービス業、法務業、宗教業は5人以上)で社会保険の適用事業所でない事業所に雇われる従業員等が加入
  • 後期高齢者医療制度:原則75歳以上の人が加入

会社員や公務員は健康保険組合・協会けんぽ・共済組合のいずれかに加入し、この3つを合わせて被用者保険と呼びます。

医療保険料の支払額と支払い方法

医療保険料は、所得額をもとに決まる標準報酬月額に保険料率を掛け合わせて計算します。会社員や公務員のは場合は事業主と従業員で半分ずつ負担し、自営業者などの場合は全額自己負担です。

保険料率は加入する健康保険制度により異なります。たとえば会社員で協会けんぽ加入者・東京都・介護保険第2号被保険者の場合、令和3年度の保険料率は11.64%、従業員の負担分は半分の5.82%です。

会社員や公務員、年金受給者は給与や年金が支給される際に保険料が天引きされ、自営業者は納付書などで保険料を納付します。

定年退職して会社の健康保険組合から自治体が運営する国民健康保険に移る場合や、75歳になり後期高齢者医療制度に移る場合は、保険料額が変わることがあるため注意が必要です。

医療保険の自己負担額

医療費の支払いが必要になった場合でも、普段から国民全員で拠出している保険料などが支払いの一部に充てられます。本人は医療費のうち一定割合のみ支払えば済む仕組みで、自己負担額は年齢に応じて以下のとおりです。

  • 小学校入学前:2割
  • 小学校入学後~69歳まで:3割
  • 70歳~74歳まで:2割
  • 75歳以上:1割

ただし70歳以上の人で現役並みの所得がある人は、1割や2割ではなく3割負担になる場合があります。

高額療養費制度

高額療養費制度とは、医療機関や薬局の窓口で支払う1ヶ月の医療費が上限額を超えた場合にその超えた額が支給される制度です。医療費が高額になった場合でも家計負担が重くならないように高額療養費制度が設けられています。

高額療養費の支給の基準になる上限額は年齢や所得によって異なり、たとえば69歳以下の健康保険加入者で標準報酬月額が26万円以下の人の上限額は57,600円です。1ヶ月の医療費がこの額を超えると高額療養費の支給を受けられます。

40歳から加入する介護保険

40歳から加入する介護保険
40歳から加入する介護保険

5種類ある社会保険のうち介護が必要になった場合に備える保険が介護保険です。40歳になると介護保険に加入して介護保険料を納付し、万が一介護が必要になった場合に給付やサポートを受けられます。

社会人になったばかりの人は、自分が介護保険に加入するのはまだ先の話ですが、たとえば親や祖父母の介護が必要になったときに受けられる行政サービスが何か理解しておくと役立つので、介護保険について理解を深めておくことが大切です。

介護保険の目的

高齢や怪我、病気などの理由で介護が必要になった場合、介護をしてくれる家族がいる人もいますが、逆にいない場合には介護を受けられず困ることになります。

また介護をする家族がいる場合でもすべてを家族が担うと負担が大きく、本人だけでなく家族も含めて生活に支障が出ることが少なくありません。

訪問介護や福祉器具の貸出など、介護サービスを受けられる体制を社会全体で整えておけば、介護が必要になったときにサポートを受けられて困らずに済みます。そこで導入されているのが介護保険制度です。

普段から介護保険料を拠出して介護サービスの提供にかかる費用を国全体で確保しておくことで、万が一介護が必要になった人が出ても介護を受けられて本人の費用負担を軽減できます。

介護保険の第1号、第2号被保険者とは?

介護保険に加入するのは40歳以上の人で、40歳~64歳の人が第1号被保険者、65歳以上の人が第2号被保険者です。介護サービスを受けられる要件などが第1号被保険者と第2号被保険者では異なります。

第1号被保険者 第2号被保険者
対象者 65歳以上の人 40歳~64歳の人
介護サービスを受けられる要件
  • 要介護状態(寝たきり、認知症等で介護が必要な状態)
  • 要支援状態(日常生活に支援が必要な状態)
要介護、要支援状態が、末期がん・関節リウマチ等の加齢に起因する疾病(特定疾病)による場合
介護サービスを受けるときの自己負担 原則1割 原則1割

介護サービスを受けるときの自己負担額は原則1割で、一定以上の所得がある人の自己負担額は2割または3割です。

第1号被保険者は原則として年金支給時に介護保険料が天引きされます。第2号被保険者のうち会社員や公務員は給与から天引きされ、自営業者などは納付書を使って他の種類の社会保険料と一緒に納付します。

介護保険で受けられるサービス

介護保険制度を利用するには自治体に申請して要介護認定を受ける必要があり、要介護1~5・要支援1~2のいずれの区分で認定されるかによって利用可能なサービスが変わります。ここでは受けられるサービスをいくつかご紹介します。

  • 居宅介護サービス(訪問介護やデイサービス、福祉用具貸与など)
  • 施設サービス(介護老人福祉施設、介護老人保健施設など)
  • 地域密着型介護サービス(定期巡回など)
  • 居宅介護支援
  • 介護予防サービス(介護予防訪問看護など)
  • 地域密着型介護予防サービス
  • 介護予防支援

労働者が加入する雇用保険

労働者が加入する雇用保険
労働者が加入する雇用保険

5種類ある社会保険のうち主に失業に備えるための保険が雇用保険です。万が一失業して収入が途絶えた場合でも、生活に困らないように雇用保険から失業給付を受けられます。

雇用保険は働いているときには意識する機会が少ないものの、転職や企業の倒産などで会社を辞めるときに重要になる保険です。失業してから慌てないように雇用保険について理解しておくようにしましょう。

雇用保険の目的

失業すると収入が途絶えてしまい、再就職をしたくても自分だけではできることが限られ、困る可能性があります。勤務先の倒産など突然、失業して困るケースもあり、労働者自身で失業というリスクに備えるのは簡単ではありません。

そこで、失業した場合に給付が受けられ、再就職に向けた支援を行う制度を社会全体で整えておけば、失業しても最低限の生活費を確保でき、再就職できる可能性が上がります。失業など収入が減少するリスクを軽減する役割を果たしているのが雇用保険です。

働いているときに雇用保険料を拠出することで失業したときなどに必要な給付を受けられる仕組みで、主な給付の種類としては次のものが挙げられます。

  • 求職者給付(失業給付など)
  • 就職促進給付(再就職手当、就業促進定着手当など)
  • 教育訓練給付(教育訓練給付金や教育訓練支援給付金)
  • 雇用継続給付(育児休業給付金や介護休業給付金など)

雇用保険の加入条件

企業に勤務するすべての人が雇用保険の加入対象になるわけではありません。雇用保険に加入するのは一定の条件を満たす人で、主な加入条件は次の2つです。

  • 31日以上引き続き雇用される見込みであること
  • 1週間の所定労働時間が20時間以上であること

一般的に企業に勤務する会社員であれば雇用保険の加入対象になりますが、パートやアルバイトなど所定労働時間が短い人は雇用保険の対象外になります。

雇用保険料の支払額と支払い方法

雇用保険料は賃金総額に保険料率を掛け合わせて計算します。令和3年度の雇用保険料率は以下の表のとおりです。事業主と労働者では負担割合に差があり、労働者負担分の雇用保険料が給与から天引きされます。

令和3年度 雇用保険料率
令和3年度 雇用保険料率 出典:厚生労働省HP

業種によって料率に差がある理由は、他の業種に比べて失業する可能性が高いと考えられる業種では、失業給付を受け取る可能性が高い分、保険料を多く徴収すべきだからです。

失業給付

失業給付(基本手当)は雇用保険に一定期間以上加入していた人が失業したときに受けられる給付です。給付額はそれまでの賃金額によって変わります。

給付日数は雇用保険に加入していた期間の長さや年齢などによって異なり、たとえば自己都合退職した場合は、被保険者期間が10年未満であれば90日、10年以上20年未満であれば120日が上限です。

また失業給付を受けるには、原則として離職日以前2年間に被保険者期間が通算1年以上必要です。企業の倒産等による離職の場合は離職日以前1年間に被保険者期間が通算6ヶ月以上あれば給付を受けられます。

就職促進給付

就職促進給付とは文字通り就職を促進するための給付で、主な給付の種類としては次のものが挙げられます。

  • 再就職手当
  • 就業促進定着手当
  • 就業手当
  • 常用就職支度手当
  • 移転費
  • 求職活動支援費

たとえば基本手当の支給日数を3分の1以上残して早期に安定した職業に就いた場合には再就職手当が支給され、再就職手当の支給を受けた人が引き続きその再就職先に6ヶ月以上雇用されて、賃金が前の会社よりも低い場合には就業促進定着手当が支給されます。

労働者を守る労災保険

労働者を守る労災保険
労働者を守る労災保険

5種類ある社会保険のうち業務中や通勤途中の事故に備えるための保険が労災保険です。労働者が負傷した場合や亡くなって家族が残された場合に給付を受けられます。

業務災害や通勤災害が起きるリスクの大きさは職業や通勤方法などによって異なりますが、万が一業務災害や通勤災害に巻き込まれた場合は労災申請が必要になるので、労災保険の仕組みや給付の種類を理解しておくようにしましょう。

労災保険の目的

業務中や通勤中に怪我をした場合や病気になった場合、仕事を休むことになり収入が途絶えたり障害が残って収入が減ったりすることがあります。また万が一労働者が死亡した場合は、一家の稼ぎ手を失って遺族が生活に困ることになりかねません。

しかしこのような業務災害や通勤災害に伴うリスクに対して社会全体で備える仕組みがあれば困らずに済みます。そのための制度が労災保険です。

普段から労災保険料を徴収して給付に必要な資金を確保しておき、万が一業務災害や通勤災害に巻き込まれた人が出た場合でも必要な給付を行えるようになっています。

労災保険の適用者

労災保険の対象になる労働者とは「職業の種類を問わず事業に使用される者で賃金を支払われる者」を指します。 アルバイトやパートタイマーなど雇用形態に関係なくすべての労働者が労災保険の対象です。

労災保険料は事業主が負担し、1人でも労働者を使用する事業は業種の規模の如何を問わず原則労災保険の適用対象になります。

労災保険の給付の種類

労災保険から支給される主な給付の種類としては次のものが挙げられます。

  • 療養(補償)給付
  • 休業(補償)給付
  • 傷病(補償)年金
  • 障害(補償)給付
  • 介護(補償)給付
  • 遺族(補償)給付
  • 葬祭料(葬祭給付)

労働者が業務や通勤に起因して負傷したり疾病にかかったりした場合には労災指定病院等で治療を受けられます。治療費は療養(補償)給付として労災保険から支給されるため本人負担はなく無料です。

傷病で労働者が休業する場合は休業(補償)給付が、傷病が治って障害が残った場合には障害(補償)給付が支給され、労働者が死亡して家族が残された場合には遺族(補償)給付を受け取れます。

まとめ)社会保険についての相談は社労士に依頼しよう!

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社会保険には年金保険・医療保険・介護保険・雇用保険・労災保険の5種類あり、いずれもリスクに備えるための大切な制度です。万が一の場合でも社会保険から必要な給付やサービスを受けられるようになっています。

実際に社会保険制度を利用して給付を受ける際には受給要件の確認や給付金の申請手続きが必要です。社会保険の手続きでは専門的な知識が必要になるので、社会保険のことは専門家である社労士に相談しましょう。

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この記事を監修した社労士

ドラフト労務管理事務所 - 大阪府大阪市東成区中道

鈴木圭史社会保険労務士 1974年生。大阪府出身。ドラフト労務管理事務所代表社会保険労務士/働き方改革推進支援センター相談員。人材派遣会社の本社勤務後、大阪玉造に事務所を設立して12年目を迎える。同一労働同一賃金や労務問題の改善に尽力。派遣法(派遣先均等均衡・労使協定方式)が専門で派遣元責任者講習の講師を担当。
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