赤ちゃんが誕生して一番最初に行われるお祝いの儀式、『お七夜』。


お七夜という言葉を知っていても、その内容までは詳しく分からないという方も多いのではないでしょうか。
お七夜とはどのような行事で、いつ行うのがベストなのか。お七夜は生後何日目から計算するのか、お祝いの方法などについても交えてご紹介します。
お七夜は生まれた日から何日目?計算してみよう!

お七夜のお祝いをするにあたり、一番最初に疑問に思われる方が多いのは、お七夜までの日にちの計算方法です。
生後0日からなのか、生後1日目からなのか。たった1日違いとはいえ、せっかくの初めてのお祝いごとですから気になるかもしれません。
まずは、お七夜の準備をするために、日にちの計算と、それにまつわる話をご紹介しましょう。
お七夜は生まれた日から何日目?
赤ちゃんのお七夜までの日数を計算する場合、1日目は、生まれた当日を指します。
例えば、4月1日に産まれた赤ちゃんのお七夜は4月7日です。
助産院や病院の提出書類などでは、生まれた当日を生後0日としていることがあるため、混乱しやすいようですが、お七夜の計算は産まれた日から計算してください。
お七夜の由来
お七夜という習慣は、日本独自の風習です。
産まれてきた赤ちゃんと、赤ちゃんにつけた名前を、その土地をつかさどる『産神(うぶがみ)』様へ報告する日です。
家族や地域の方にも同時に報告することから、報告の儀式は『命名式(または、名づけの祝い)』とも呼ばれています。
一般的に、お七夜と命名式は同時に行うことが多いようです。
なぜ生後7日目にお祝いするのか
昔は、現代のように医療が発展しておらず、産まれてからまだ日の浅い赤ちゃんの生存率は、極めて低いものでした。
抵抗力の低い産まれたての赤ちゃんが、些細なことであっという間に命を落としてしまうことは、決して珍しいことではなかったのです。
7日間無事に生きてくれたことを祝ったことがお七夜の起源とも言われています。
お七夜と初七日どう違う?
お七夜と初七日。とても語感が似ているので混乱しやすいですが、意味を知ると全く意図が異なることが分かりますので、ぜひ覚えておいてください。
お七夜は、赤ちゃんの誕生に際し行う儀式です。一方、初七日は、亡くなった方のために行われる最初の儀式です。
最初の儀式であるという点と、7日目であるという点の2点で勘違いしやすいため、間違えないように注意してください。
お七夜を祝う時期 3パターン!

赤ちゃんとママの体調が優れない、親族の方が遠方にお住まいであるといった理由で、産後7日目にお七夜ができないとなると、一体いつ行うのがベストでしょう。
悩めるママ・パパたちのために、お七夜を行う目安となる時期を3パターンご紹介しましょう。
生後6日目か当日の7日目
やはり一番多い意見は、お七夜当日となる、産まれた日から7日目となる日でした。
伝統として古くから受け継がれてきたものだからこそ、当日に行いたいという気持ちもよく分かります。
ただ、6日目や7日目だと、まだ退院していなかったり、退院していてもまだ体調が回復しきっていなかったりと不安な部分もあるでしょう。
平日だと誰も集まれないなどの問題も出てくるかもしれません。
だからこそ、無理をせず、自分たちだけで簡単なお祝いにしてもいいでしょう。
生後7日目以降の週末や祝日などの休日
赤ちゃんを家族の一員としてお披露目する意味を持つお七夜だからこそ、全員が揃う休日を選択する方も多いようです。
事前にママ・パパ両方のご実家に日程を相談してから決めてみてもいいですね。
そうすれば、遠方の場合でも来ていただくことが可能です。
パパもお仕事の都合で生後6~7日目が厳しい可能性もありますので、おすすめです。
生後2週間以上を経過してから
産後のママと赤ちゃんはとてもデリケートな状態です。
体調が万全になるまでの期間も個人差が大きいため、一概にいつやるのがベストとは決められそうにありません。
お七夜とセットでおこなう命名式だけ先に身内だけでこじんまりと済ませ、体調が落ち着いた時期のお日柄が良いときにでも地元の産神さまにご報告に行くようにしてもいいでしょう。
【ケース1】お七夜を入院中にお祝いする

帝王切開の場合や、赤ちゃんやママの体調や健康状態により、入院が1週間以上に長引くことも珍しくありません。
そのような場合にお七夜をしたいとなると、入院中に行うことになります。
入院中の病院でお七夜を行う場合どのようにして行うのか、注意点やポイントをご紹介します。
病院でお七夜をお祝いするときは昼の短時間で!
入院中にお七夜を行うのであれば、なるべく昼間の時間帯を選ぶようにしましょう。
相部屋の場合は特に、一緒に入院中のママや赤ちゃんにご迷惑が掛からないように配慮しましょう。
個室でも、夜遅い時間帯となると迷惑になる可能性があります。
一方、日中であれば、お見舞いに来られる方がほかにもいらっしゃってにぎやかになり、気を使う部分が少し減るのでおすすめです。
命名式のみ行う
土地の産神様に報告するための衣装を用意し、皆さんで命名式を行ったのち、祝い膳で会食を行うのが一般的なお七夜の流れです。
しかし入院中ともなれば、準備をするだけでも一苦労です。
周りへの影響も考えて、命名式だけおこなってもいいでしょう。
夫婦のみでお祝いすることも多い
入院中の助産院や病院でのお七夜となると、親族が勢ぞろいするようなことはあまりないようです。
周りの方に迷惑となる可能性も高いので、ご夫婦だけでこじんまりと行うのも良いですね。
【ケース2】お七夜を退院後〜14日目までにお祝いする
退院後、ママやパパの都合によりすぐにお七夜ができないケースも珍しくありません。
そこで、退院後にお七夜を行う場合の2つ目の区切りとして、生後14日までというパターンを紹介しましょう。
出生届は生後14日以内!
なぜ、生後14日までを区切りとするのか。
それは、生後14日目まで行わないといけない大切なお仕事、出生届の提出があるからです。
赤ちゃんの出生届は、生後14日目までにお住まいの市区町村へ提出しなければなりません。
そのため、お七夜と命名式を一緒に行いたい場合は、最終期限が生後14日までとなることを覚えておいてください。
母子の体調が優先!
生後14日近くもなると、赤ちゃんやママの体調も安定し始める方も増えてきます。
しかし、お産は一人ひとりみんな違うものです。
行事やしきたりを大切にすることも大切ですが、大切なママの体と赤ちゃんの体こそが最優先されるべきではないでしょうか。
日取りを決めていても、当日に調子が悪いと思ったら諦める勇気を持ってくださいね。
週末なら家族・親族で集まれる
出生届だけは期限がありますが、お七夜の日にちにこだわりすぎる必要はありません。
大切なのは、家族・親族の全員が、新しく加わった家族の一員である赤ちゃんをお祝いすること。そう考えると、日にちにこだわりすぎるのではなく、みんなが集まれる日や曜日を選ぶこともステキではないでしょうか。
週末や祝日もお仕事の場合は、家族水入らずでもいいと思います。
それぞれにあった一番良い日をみつけてみてください。
【ケース3】お七夜を生後1カ月以内にお祝いする

形式にとらわれない自分たちの思う形で理想のお七夜をやるとすると、出産後や退院後ではなくあえて生後1カ月頃に行うのもありでしょう。
しかしその場合、お七夜ではなく次のお祝いごとがやってきてしまいます。この際に気をつけたいことについてご紹介しましょう。
お宮参りの前にお七夜を祝おう!
お七夜の次に行う赤ちゃんのお祝いごとといえば、お宮参りです。お宮参りは、生後1カ月を超えた頃に行う儀式です。
いろいろな事情でなかなかお七夜ができない場合、無理せずに諦めることも得策ですが、どうしてもということであれば、お宮参りの前日までがリミットとなることを忘れないでください。
お宮参りを行う日にちは、お住まいの地域やご実家のしきたりなどで、生後30~33日と前後します。事前に確認をしておき、それまでにお七夜を終えるようにしてください。
【番外編】お宮参りと一緒にお七夜を祝う
しきたりにこだわりたくない。それでも、お祝いごとは全て行いたい。そのような思いを抱いている方も少なくないと思います。
お宮参りも、赤ちゃんが誕生したことと、1カ月健やかに育ったこととを、産神様にお参りして報告するお祝いごとです。
お七夜と意味合いが近いので、思い切って一度に済ませてしまうご家庭も珍しくはないようです。
お七夜をしなくても何も問題はありません。
お七夜をせず、いろいろなことが落ち着いた生後1カ月のお宮参りのために、早くから動いてみることもオススメです。
1カ月先のことであれば、親族の皆さんも予定を立てやすいでしょうし、喜ばれるかもしれませんね。