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土地の贈与税がかからないようにするには|算出方法と減額制度

最終更新日: 2024年06月28日

土地を贈与したいとき、多くの方が「贈与税をなるべく抑えたい」と考えます。土地の贈与税は以下のように特例などを活用すれば、非課税にできるケースがあります。

  • 相続時精算課税制度を利用する
  • 贈与税の配偶者控除を適用する
  • 年間110万円以内持分割合で贈与する

この記事では、贈与税を抑えられるこれらの制度について詳しく解説します。

また土地を贈与するときは、贈与税以外にも次の税金が課されます。

  • 不動産取得税
  • 登録免許税

それぞれの税金額の算出方法や贈与税を抑える際の注意点、そもそも贈与税はどのような場合にかかるのかについてもご説明します。

「土地の贈与税を少しでも抑えたい!」「土地を贈与するとどのくらいお金がかかるのか知りたい!」という方は、ぜひ参考にしてみてください。

手っ取り早く贈与税を少しでも抑える方法を知り、手続きをスムーズに進めたい方には、税理士さんに相談することをおすすめします。「ミツモア」を使うと、費用・対応内容など最も自分に合う税理士さんを見つけられますので、ぜひご活用ください。

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土地の贈与税がかからないようにする方法

チェックリスト

土地を贈与すると、土地を引き継いだ受贈者に贈与税が課されます。しかし、次の方法により贈与税をゼロにできる可能性があります。

  • 相続時精算課税制度を利用する
  • 贈与税の配偶者控除を適用する
  • 年間110万円以内持分割合で贈与する

これらの特例などを活用するには、さまざまな要件を満たさなければなりません。一つずつご説明します。

相続時精算課税制度を利用する

相続時精算課税は、累計で2,500万円までの財産を非課税にできる制度です。ただし、のちに相続が発生した際に相続税の対象となります。

相続時精算課税の適用要件は次のとおりです。

  • 贈与者:贈与を受けた年の1月1日時点で満60歳以上の父母か祖父母
  • 受贈者:贈与を受けた年の1月1日時点で満18歳以上の推定相続人である子か孫
  • 贈与を受けた年の翌年の2 月1日から3月15日までに「相続時精算課税選択届出書」を税務署に提出する

相続時精算課税も贈与税を軽減できる制度ですが、一度選択すると同じ人からの贈与については暦年課税を選べなくなるので注意しましょう。

贈与税の配偶者控除を適用する

贈与税における配偶者控除は、配偶者から贈与を受けたときに、基礎控除とは別に最高2,000万円までの財産が非課税になる制度です。つまり、暦年課税の基礎控除と併せて最高2,110万円までの財産を非課税にできます。

贈与税の配偶者控除を適用するには、いくつかの要件を満たさなければなりません。

  • 婚姻の日から贈与の日までの婚姻期間が20年以上であること
  • 贈与を受けた年の翌年の3月15日までに居住し、その後も居住し続ける見込みであること
  • 贈与を受けた年の翌年の3月15 日までに贈与税の申告書を提出すること
  • 同じ配偶者からの贈与でこれまでに適用されていないこと

これらの要件を満たして配偶者控除を適用できると、税金の負担を軽くすることができます。

年間110万円以内持分割合で贈与する

贈与税の課税方法は「暦年課税」と「相続時精算課税」があり、暦年課税の場合は年間で110万円の基礎控除額を超えた財産に対して課税されます。基礎控除額とは、財産の金額から一定の金額を引くことができるものです。

つまり贈与の暦年課税の場合、財産の金額が110万円以下であれば課税される価格が0円の扱いになり、非課税です。申告も不要です。

贈与する財産の金額を毎年110万円以内に納めれば、贈与税はかかりません。土地の場合でも、毎年持分を少しずつ贈与することができます。

ただし毎年一定の財産を贈与し、税務署から定期贈与と見なされると、合計金額から110万円を引くことしかできなくなるので注意が必要です。定期贈与と見なされないようにするには、贈与契約書を一括ではなく毎年締結する、贈与する金額や時期をずらすなどの方法があります。

贈与税をかからないようにする方法として「相続時精算課税制度」、「配偶者控除」、「暦年課税」をご紹介しました。各制度の適用要件は細かいので、税理士に相談することをおすすめします。各制度を活用できるかどうか税理士に聞きたい方は、「ミツモア」を使って税理士を探してみてください。

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そもそも土地の贈与税はどのような場合にかかるのか

掌にはてな

贈与税を抑える制度についてご説明しましたが、そもそも土地の贈与税はどのような場合に課されるのでしょうか。贈与税がかかるのは、以下のケースです。

  • 贈与:無償で譲る
  • 負担付贈与:債務と引き換えに無償であげる
  • 停止条件付贈与:条件を満たしたら無償で与える
  • 低額贈与:時価より低い価額で譲り受ける
  • 共有持分を変更:持分を無償で増やす

各ケースについて解説します。

贈与:無償で譲る

贈与とは、所有者が生きているうちに財産を無償で譲ることです。

家や土地などは、所有者が亡くなると相続人となる配偶者や子に相続することになりますが、生前贈与は亡くなる前に特定の人に譲ってしまう制度です。生前贈与の場合は、相続人以外にも贈与できます。

負担付贈与:債務と引き換えに無償であげる

財産を無償で譲ることが贈与ですが、贈与にはいくつか種類があり、その一つが負担付贈与です。負担付贈与とは、受贈者にある債務を負わせることと引き換えに財産を無償であげることです。

例えば、ローンを支払ってくれるのであれば、土地を無償であげるというようなケースです。

負担付贈与は、贈与者が催告したのにもかかわらず受贈者が債務を履行しない場合、贈与者は贈与契約を解除できます。

負担付贈与では、土地の通常の取引価額からローンの残りを引いた金額が贈与税の対象となります。

停止条件付贈与:条件を満たしたら無償で与える

贈与には、停止条件付贈与もあります。停止条件付贈与とは、ある一定の条件が成立することにより効力が生まれる贈与契約のことです。

例えば、会社に就職が決まったらマンションをあげるというような契約です。

契約自体は当事者間の合意で成立していますが、条件を満たすときまで効力が停止した状態となります。

低額贈与:時価より低い価額で譲り受ける

低額贈与とは、個人の間で無償ではなく金額を払って財産を譲っても、その金額が時価と比べて著しく低い場合、贈与税が課されることです。時価と実際に譲り受けた金額の差額が贈与とみなされ、贈与税が課されます。

著しく低い金額とは、一般的に時価の80%とされていますが、明確な決まりがあるわけではないので注意しましょう。

共有持分を変更:持分を無償で増やす

共有持分を無償で変更したときにも贈与税が課税されます。

まず共有持分とは、不動産に対して複数の所有者が持つ権利の割合のことを指します。不動産は1人で所有することも、複数人で所有することもできるのです。

共有持分を変更すると、移転した持分が贈与税の対象になります。

土地の贈与税の算出方法

電卓

土地の贈与税の算出方法は、大きく以下の2つの手順を踏みます。

  • 土地の評価額を確認する
  • 基礎控除額を引いて税率をかける

各手順の詳細をご説明します。

土地の評価額を確認する

土地の評価額は、基本的には路線価方式で決まりますが、路線価がない地域は倍率方式で決まります。

路線価方式は、土地が面する道路ごとに定められた土地の価格である路線価を基に、不動産の評価を行う方法です。路線価は、国税庁の路線価図・評価倍率表で確認できます。

倍率方式は、固定資産税評価額に、その土地で定められた倍率をかけて評価額を算出する方法です。土地の面積や形状、立地条件などによって倍率が異なり、市場動向や需要供給の状況によって変動します。

基礎控除額を引いて税率をかける

贈与税の課税方法は「暦年課税」と「相続時精算課税」があり、暦年課税の場合は年間で110万円の基礎控除額を超えた財産に対して課税されます。基礎控除額とは、財産の金額から一定の金額を引くことができるもので、贈与の暦年課税では年間110万円です。

つまり贈与の暦年課税の場合、財産の金額が110万円以下であれば課税される価格が0円の扱いになり、非課税です。申告も不要です。

課税される場合の税率は、基礎控除後の財産の金額に応じて10%〜55%の間で決まります。また、財産の金額に税率をかけたあとに、さらに一定金額を引くことができる税額控除の額も、課税価格によって10万円〜640万円と定められています。

例えば、財産の金額が500万円のケースだと、以下の式で贈与税額が求められます。

(500万円-基礎控除額110万円)×税率15%-税額控除10万円=48 万5千円

「贈与税を自分で算出するのは不安…」という方は、税理士に相談してみましょう。「ミツモア」を使えば、贈与税に詳しい税理士を探すことができるのでおすすめです。

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土地の贈与でかかるその他の税金と費用

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土地の贈与には、贈与税以外にも以下の税金と費用がかかります。

  • 不動産取得税:固定資産税評価額×4%
  • 登録免許税:固定資産税評価額×2%
  • 雑費:必要書類の取り寄せ・郵送費用など

「固定資産税評価額はどこで確認できるの?」などの疑問をお持ちの方も多いと思うので、一つひとつ丁寧に解説します。

不動産取得税:固定資産税評価額×4%

不動産取得税は、土地や家を購入、新築したり、贈与されたりしたときに課される税金です。納税義務者は、不動産を取得した人です。不動産取得税は以下の式で算出します。

不動産取得税=固定資産税評価額×4%

固定資産税評価額は、市町村長によって決められており、市役所や税事務所で閲覧できる固定資産課税台帳に記載されています。

不動産取得税には免税点があり、土地と家でそれぞれ固定資産税評価額が以下の金額であれば課税されません。

土地の贈与:10万円未満

家の贈与:1戸につき12万円未満

登録免許税:固定資産税評価額×2%

不動産の贈与の際は、贈与税、不動産取得税のほかに登録免許税も納付しなければなりません。登録免許税とは、不動産を登記するときに課される税金です。

登録免許税も不動産取得税と同様に、固定資産税評価額に税率をかけて決まります。贈与における登録免許税の税率は、以下のとおりです。

贈与の登録免許税=固定資産税評価額×2%

なお相続の場合は税率が0.4%で、贈与よりも低くなっています。

雑費:必要書類の取り寄せ・郵送費用など

土地の贈与では、贈与する人、贈与される人、対象となる不動産に関する次の書類が必要となり、それぞれの取得費用がかかります。

  • 贈与する人の印鑑証明書:発行から3ヶ月以内のもの
  • 贈与される人の住民票(除票):居住地の市町村役場で取得する
  • 贈与契約書:原本が必要
  • 登記済または登記識別情報:贈与者が不動産を取得したときに交付された原本
  • 固定資産評価証明書:不動産所在地の市(都)税事務所か市町村役場で取得する

例えば、印鑑証明書は約400円、住民票(除票)は300円、固定資産評価証明書は200円〜400円かかる自治体が多いです。

加えて、必要書類と登記申請書を法務局へ郵送する費用もかかることを認識しておきましょう。

土地の贈与税を抑えても相続税に注意

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土地の贈与税がかからない方法をご説明しましたが、贈与税を抑えることができても後に相続税がかかる場合があります。以下の注意点を認識しておきましょう。

  • 相続時精算課税で非課税となっても相続税の対象になる
  • 相続開始の3年以内の財産は相続財産に加算される

この2点は混同しやすいので、丁寧に解説します。

相続時精算課税で非課税となっても相続税の対象になる

相続時精算課税を適用できれば、累計で2,500万円までの贈与財産を非課税にできます。しかし相続時精算課税により贈与した財産は、のちに相続が発生した際に、相続財産に加算されるので注意が必要です。つまり、相続時精算課税により贈与した土地も相続税が課される対象になるということです。

また一度相続時精算課税を選択すると、同じ人からの贈与については、毎年110万円までの財産の贈与を非課税にできる「暦年課税」を選べなくなることにも気をつけましょう。

相続開始の3年以内の財産は相続財産に加算される

2つ目の注意点は、相続開始前3年以内に贈与すると相続財産に加算されることです。

これは「生前贈与加算」といい、相続開始前の3年以内に贈与を受けた財産は、生前贈与財産として相続財産に加算されると決まっています。つまり、贈与された分も相続税の対象となる金額に含まれてしまうということです。

贈与時に払った贈与税の金額は控除されます。また、もし相続放棄などで相続財産を取得しないときには加算されません。

贈与税については税理士に相談しよう

税理士

土地を贈与する際は、次の3つの方法により贈与税を非課税にできる可能性があります。

  • 相続時精算課税制度を利用する
  • 贈与税の配偶者控除を適用する
  • 年間110万円以内持分割合で贈与する

これらの制度の適用要件は細かく決められています。また、土地を贈与するときには贈与税以外にも不動産取得税や登録免許税、その他の雑費が発生し、それぞれの税金額の算出方法は複雑です。

そのため、「自分の場合、贈与税やその他の税金はいくらになるのか?」、「贈与税を抑える特例は適用できるのか?」という疑問を払拭できるよう、税理士に相談することがおすすめです。

ミツモア」では、いくつかの簡単な質問に答えるだけで、贈与税に詳しい税理士を見つけることができます。プロに相談したい方は、ぜひ利用してみてください。

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