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内装解体工事とは?スケルトン工事との違いや工事の流れ、費用を解説

最終更新日: 2024年06月28日

「内装解体工事」とはどのような作業を行うことか、ご存じでしょうか?どういった手順で工事が行われ、工事前・工事後にはそれぞれ何をすれば良いかをまとめました。また業者に依頼する際の費用や、選び方についても解説します。

内装解体工事とは?

内装解体工事とスケルトン工事は、似ているようで明確な違いがあります。

そもそも内装解体工事とは何をすることなのか、スケルトン工事との違いは何かなどをまずは把握しましょう。

原状回復工事のために内装の解体をすること

物件の退去時には「原状回復」といって、入居時と同じに戻す必要があります。そのとき発生する解体・撤去作業が内装解体工事です。店舗だけでなくオフィスなどの場合も該当します。

新しく設置された家具、什器類や照明器具なども対象です。建物の中だけでなく、店舗の場合は外に設置してある看板なども含まれます。

これらを全て解体・撤去して、借りる前の元の状態に戻す、大がかりな工事です。

スケルトン工事と間違えやすい

内装解体工事と似た用語で、スケルトン工事があります。スケルトン工事は内装に加え、壁や天井の下地部分、配管まで解体することです。

スケルトンという言葉は建物の骨組みを表しており、骨組み部分だけを残してほかの一切を撤去することになります。借りたときの状態にするのか、骨組み以外を全て撤去するのかが2つの工事の違いです。

同じ条件下において比較すると、解体の手間がかからないぶん、スケルトン工事より内装解体工事費の方が安価になります。

内装解体工事をする前の流れと作業手順

工事が決まったら、作業に入る前にいくつか済ませておくことがあります。工事内容に関係する打ち合わせなどはもちろん、工事によって迷惑がかかる可能性も考慮して近隣住民に挨拶もしておくと良いでしょう。

借主との入念な打ち合わせ

打ち合わせは最初に行われる工程であり、欠かせない大事な作業です。貸主・借主が話し合い、内装解体工事にするのかスケルトン工事にするのかなども含め、両者が納得できるような工事の進め方を決めます。

解体業者の選定や工事の条件、何か残すものはあるかなど、後でトラブルにならないように細かく決めることが重要です。両者の間で合意が得られたら、今度は解体業者を呼び、改めて打ち合わせを行います。

またこの打ち合わせ時に決定したことは、しっかり文書で残しておくことが大切です。工事が始まってから不要なトラブルが起きるのを避けるため、取り決め内容を明確にしておきましょう。

解体業者による現地調査、近隣調査

打ち合わせを終えたら、業者による現地調査が行われます。事前に調査をしておかないと、いざ作業が始まったときに追加で費用がかかる恐れがあるのです。

くわえて近隣調査もしておくことで、隣接する住居や店舗へも配慮できます。現地の調査と近隣への調査は必ずセットでやってもらうよう頼みましょう。

なかには調査なしで工事を開始する業者もあるようです。あえてそうすることで追加料金を取る悪質業者もいるので、事前確認を忘れないようにしましょう。

近隣の住人や店舗への挨拶

工事中には騒音や振動が伴います。近くの住人や店舗へあらかじめ挨拶をしておくことも重要です。

工事の全体的なスケジュールも最初に伝えておくことで、言われた側も「この日は洗濯物を外に干さないでおこう」など対策を取れます。

業者側でも近隣への挨拶をしてくれるのが一般的ですので、そのタイミングに同行して挨拶回りをすると、挨拶される側も一度で済むため印象が良いでしょう。もちろん別々で行っても失礼というわけではないため、都合が合わなければ自分がまず先に行って挨拶を済ませても大丈夫です。

その場合、挨拶は工事が始まる1週間前あたりに行うと早すぎず遅すぎず、ちょうど良いタイミングです。

残留物の撤去とライフラインの停止

店舗に残していた不用品がある場合、工事前に撤去しておきましょう。余計な残留物があれば、その処理で工事が長くなる恐れがあるためです。

またライフラインも作業前に停止させておく必要があります。ライフラインとは、電気や水道、ガスなどのことです。停止のための手続きで費用が発生することは、基本的にありません。しかし浄化槽の汲み取りには費用が発生しますので注意しましょう。

ライフライン停止の際は、内装解体工事を行う旨を伝えておき、2週間前までに連絡すればスムーズに進められます。

内装解体工事の流れと作業手順

工事前の準備が終わったら工事作業です。解体作業だけでなく、解体するための足場の準備などもあり、解体〜撤去作業は最終工程に近い段階で行われると考えておくと良いでしょう。

足場と養生の設置

作業のための足場を設置し、同時に養生を行います。養生の方法はシートで周辺を覆う、鉄板で埃や粉じんを防ぐなど。エレベーターやトイレなどのスペースも撤去する物の移動経路に使われたり、作業員が使ったりということがあるため、養生されるのが一般的です。

近隣への安全確保、騒音・粉じん防止などの効果があるので、養生は解体工事に欠かせません。

内装材や床材の撤去

解体工事の下準備が整ったら、まずは内装材や床材など、大きなパーツを解体します。借主との取り決めに沿って、不要なパーツを外して破棄する作業です。

壁紙やドアなどから電気に至るまで、ゴミの分別に配慮しながら撤去します。

床材の撤去は床の素材によって撤去方法が異なり、専用の工具を用いて撤去するケースが多いようです。この床材撤去の作業は、音と振動が大きく生じます。それゆえ長期間はできない作業です。

内装解体工事後の流れと作業手順

解体工事が終わった後も、やるべきことは残っています。産業廃棄物が出た場合は処理しなければいけませんし、清掃作業なども重要です。

産業廃棄物の処理

「産業廃棄物」とは廃棄物処理法で規定された20種類の廃棄物のことで、工事においては、鉄鋼または非鉄金属の破片や研磨くずなどの「金属くず」が該当しやすい項目です。

解体工事の過程で産業廃棄物が出た場合、業者は該当する書類を提出し、適切な処理を行わなければいけません。

書類には何の産業廃棄物をどのくらい処理したか、処分した業者名、運搬に携わった業者名などが記載されています。適切に処理した証拠として重要な書類ですので、必ず提出してもらいましょう。

不法投棄などを行った場合、業者だけでなく、施工主側も罰せられる恐れがあります。また産業廃棄物には重量による規定がないため、少量でも手続きが必要な点も覚えておきましょう。

テナントの清掃作業

解体工事が終わったら、清掃を行います。作業後は細かいゴミが散らばっていたり、埃が落ちていたりします。それらをきれいにするところまでが、入居時の状態に戻すことです。

清掃作業は業者が行ってくれる場合もありますが、事前の取り決めがない場合には省略されることもあります。その場合には、自分で掃除機をかけるなどして清掃作業を行いましょう。

逆に清掃作業まで業者に依頼したい場合には、「清掃作業も料金に含まれるのか」や「清掃作業も依頼することが可能か」をしっかりと事前に確認しておく必要があります。

場合によってリフォームを行う

工事後にリフォームを行うケースもあります。たとえば破損箇所があり、修復の必要が生じた場合です。退去するということは、次の入居者が入りやすいような状態でなければいけません。

部分的に破損している場合もそうですし、特に破損箇所がなくとも、入居者の食いつきをよくするためにリフォームすることもあり得ます。

この場合の費用は貸主が負うことが一般的ですが、契約内容によっては一概にいえません。念のため事前に確認しておくとより安心できるでしょう。

内装解体工事にかかる費用

工事を依頼する場合、費用はどのくらいかかるのでしょうか。相場はありますが、もちろん業者や物件によっても変動します。

坪単価や見積もりの出し方など、費用を計算する上で知っておくべきことをまとめました。

物件別、内装解体工事の費用相場と坪単価

内装解体工事を行うにあたって、1坪あたりの費用相場は対象物件で変わります。一口に工事といっても、オフィスなのか、飲食店なのか、マンションなのかによって工事の際にかかる負担が異なるためです。

オフィスの場合、1坪あたりの相場は10,000円〜30,000円ほどで、物件次第では多少上下すると考えておくと良いでしょう。エレベーターがないなどの条件が加わると、価格が上昇しやすくなります。

飲食店の場合、1坪あたり15,000円〜40,000円が相場です。厨房の撤去に手間がかかるため、ほかの物件よりも価格が高めに設定されます。また個室タイプの空間がある飲食店は、さらに価格が上で設定されることもあるようです。

マンションの場合、1坪あたり15,000円〜30,000円が相場です。高層階であれば、さらに価格は上昇するでしょう。

このほか美容院の相場もマンションとほぼ同じで、15,000円〜30,000円が1坪あたりの相場です。

見積もりの出し方

正確な見積もり額を出してもらうには、事前の現地調査が必須です。内装解体工事なのかスケルトン工事なのか、工事の内容によって見積もりは変わるため、どういった工事をするのかも明確にしておきます。

その上で業者だけでなく貸主も含めた3人で調査に立ち会い、見積もりを出してもらうようにしましょう。

業者によっては現地調査せず、電話などで見積もりを出してくるところもあります。これでは正確な金額が算出できないため、現地で調査してくれる業者に絞りましょう。

内装解体工事費用を抑えるコツ

札束

工事費用を少しでも安く抑えたい場合、見積もりの方法やゴミ処分の仕方次第では、通常の相場よりもお得に済むケースがあります。どのようにすれば出費を減らせるか、見ていきましょう。

複数社から見積もりを取る

見積もりを頼むときは、複数の業者から見積もりを取りましょう。全ての業者がまったく同じ解体作業をするとは限りません。

たとえばA社は撤去するゴミの量が多くても料金がそこまで上がらず、また高層階だったり物件前の道路が狭かったりしても価格の上昇が少ないとします。対してB社は、それらの条件で料金が大きく値上がりするとします。その際にB社からしか見積もりを取っていない場合、比較対象がないため、それが高いサービスなのか安いサービスなのか判断ができません。

このようなケースを避けるため、複数の業者に見積もりを依頼することが大切です。

安すぎる工事費用には注意

もし仮に相場よりも大幅に安い工事費用で請け負ってくれる業者を見つけても、すぐに飛びつかない方が良いでしょう。

なぜなら解体工事は決して安く済むものではなく、それなりにコストがかかる業務だからです。にもかかわらず相場よりも安すぎる費用である場合、本来あるべきサービスが行われないかもしれません。

たとえば工事が手抜きで雑にされたせいで建物の一部が破損したり、あるいは産業廃棄物を不法投棄されたりという事例です。

相場を把握し、あまりに安い業者の場合はその理由を事前に確認しておきましょう。前述した相見積もりの重要さは、この「相場を把握する」という点でも役立ちます。

自分でもゴミなどを処分する

自分で処理できる内装があれば、撤去作業が始まる前の段階で先に処分しておくのも、費用を抑えるコツです。

撤去するものが少ないほど業者の手間も減り、見積もり時の金額もより安価にできます。

もし見積もりを行う際の立ち会いまでにゴミの処分が間に合わなくとも、現地調査のときに、処分する予定のゴミを伝えておくことで費用の相談が可能なケースもあるため業者に相談しましょう。

内装解体工事は事前準備が大事

内装解体工事とスケルトン工事は、解体が主な作業である点においては同じですが、その範囲が異なります。事前の打ち合わせや現地調査のときに、どの程度工事するかを業者としっかり擦り合わせましょう。

相見積もりや自力でのゴミ処分など、あらかじめできることを済ませておくと費用の節約に繋がります。事前に何をしておけば安く抑えられるかを覚え、実践できるようになれば理想的です。

産業廃棄物の不法投棄などを行う悪徳業者に引っかからないよう、工事の相場を知り正しい業者選びをしましょう。

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