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商標登録を自分で行う方法と注意点!事前調査の上で早めの行動を

最終更新日: 2021年07月08日

商標登録はどのような方法で行うのでしょうか?具体的な方法と出願前の準備・登録までの流れをチェックしましょう。

くわえて拒絶理由通知への対処法や商標登録の注意点、出願にあたり知っておきたい商標の種類も紹介します。

代表的な商標の種類

商標法

他社の商品やサービスと区別するために使用するマークやネーミングを「商標」といいます。商標にはどのような種類があるのでしょうか?代表的な種類をみていきましょう。

イラストやロゴは「図形商標」

写実的なもの・デザインされたもの・幾何学模様でできているものなどは「図形商標」です。商品パッケージに印刷されているイラストやロゴなどが分類されます。

図形商標で登録されるのは、独自にデザインしたイラストやロゴ部分のみです。商標に付随して付けられるネーミングや、記載する位置などは含まれません。

また登録の審査では、見た目・読み方・意味からすでに登録されている商標と似ていないか判断されます。図形商標は3つの基準の中でも見た目がポイントです。

文字だけで構成されるのは「文字商標」

「文字商標」は平仮名・片仮名・漢字・アルファベット・数字など文字のみで構成されています。文字で書かれていると意味も商標に含まれるように感じるかもしれません。

しかし文字商標では特定の意味は必要なく、あくまでも文字のみを保護します。出願するときに「標準文字」と記載すると、純粋に文字のみを保護できます。

使用するフォントやデザインに制限がないため、登録後に使える範囲が広いのが特徴です。デザインしない文字で文章中に使うことはもちろん、フォントを変えても使えます。

図形+文字は「結合商標」

商標にはさまざまな種類がありますが、必ずしも単独で使用されるわけではありません。中には複数の種類を組み合わせた「結合商標」もあります。

たとえばイラストと文字商標の組み合わせや、異なる文字商標の組み合わせ、ロゴと色彩の組み合わせなどです。出願時の類似判定では、見た目・読み方・意味により総合的に判断されます。

結合商標は全体で類似判定されるのが基本です。ただし商標の一部分を切り離しても不自然ではないケースでは、その部分のみを比較されることもあります。

立体的なキャラクターや容器は「立体商標」

立体的な形状をしている商標を「立体商標」と言います。店頭で看板のような役割を果たすキャラクターの人形などが代表的です。他にも商品そのもの・包装・店舗の形状などを登録するケースもあります。

図形や文字など平面的な商標とは異なり、登録すると第三者がその形態を使用できないのが特徴です。使用を制限される範囲が他の商標より大きいため、登録のハードルが高く設定されています。

立体商標によって自社の商品やサービスであると分かると同時に、当然商品が備えていると考えられる形状ではないことも求められる要件です。

商標登録の方法と流れを確認しよう

特許庁

商標登録をするときには事前準備・出願・審査の流れで手続きします。各ステップでどのようなことを行い、注意しなければいけないのか知っておくとスムーズです。

事前調査と登録区分の検討

既に第三者が登録している商標や、似ている商標は登録できません。そこで出願前に公報で確認します。「j-platpat」を利用すると公報の情報を検索可能です。

マークやネーミングに類似のものがないとわかったら「登録区分」を検討します。商標は単体ではなく、利用する商品・サービスとともに登録する決まりです。

そのため特許庁が定める45分類の中から、自社で使用する区分を指定します。たとえば化粧品に使用するロゴマークを登録するなら登録区分は3類です。

この区分を誤って登録すると、商標権を取得できたとしても的外れなものになりかねません。適切な区分で登録されることにより、商標を生かせます。

参考:j-platpat Ι 独立行政法人工業所有権情報・研修館

商標登録の出願

登録区分を決定したら、書類を作成し特許庁へ提出する出願の手続きです。出願は「書類」で行う方法と「インターネット」で行う方法の2種類あります。

書類で提出するときには、特許印紙を貼り特許庁へ提出しましょう。併せて書類の内容を電子化するための電子化手数料も支払います。

インターネットによる出願は、電子証明書と専用のソフトウエアが必要です。これらを用いてオンラインで書類を提出します。提出時点で書類は電子化されているため、電子化手数料は不要です。

出願する件数が少なければ書類の方が低コストですが、複数の区分で大量に出願するときにはインターネットの方が安く済むケースもあります。

方式審査と実体審査

出願し「方式審査」「実体審査」に通過すると、特許査定を受けられます。方式審査は出願された商標の様式が、要件を満たしているか確認する審査です。出願資格・書式・手数料の納付状況を確認します。

方式審査に通過すると審査待ちとなり、その後、実施されるのが実体審査です。実体審査では商標が登録要件を満たしているか、特許庁の審査官がチェックします。審査項目は下記が代表的です。

  • 正しい登録区分で出願されている
  • 普通名称や慣用商標の使用もしくは商品やサービスの特徴をそのまま表現している商標ではないか
  • 類似商標が登録されていないか

出願から審査結果の通知まではおよそ1年です。

費用の納付

審査の結果、商標登録できることになると「登録料」の納付が必要です。権利が発生する10年分を一括納付するときには「区分数×28,200円」を支払います。

5年分ごとに支払う分納では「区分数×16,400円」です。料金の詳細は「手続き料金計算システム」で計算できます。また納付方法は下記の6種類です。

  • 特許印紙:納付書に特許印紙を貼付
  • 予納:特許庁に予納台帳を開設し納付書を提出
  • 現金納付:専用の振込用紙を使用
  • 電子現金:電子出願ソフトでインターネットバンキングかATMから納付
  • 口座振替:銀行口座を特許庁へ登録し納付書を提出
  • クレジットカード:電子出願ソフトを使い納付書を提出
参考:手続料金計算システム | 経済産業省 特許庁

商標登録をする上で気を付けたいこと

書類を見比べる女性

手続きや登録についての注意点も解説します。あらかじめ知っておくことで、早めの対策をしやすいでしょう。

審査後「拒絶理由通知」が届く場合がある

実体審査が終わると「拒絶理由通知」が届くケースがあります。拒絶という言葉が入っていることから、商標登録できなかったのだと考えてしまうかもしれません。

しかしこの時点ではまだ商標登録の可能性はある状態です。ただしこのままでは登録できないため、通知に記載されている拒絶理由を解消しましょう。

意見書や手続補正書を提出し拒絶理由が解消されていれば、商標権を得られます。

商標権の効力は日本でのみ発揮される

日本で登録した商標権は、日本国内でしか効力を発揮しない点にも注意が必要です。今後海外への進出を考えているなら、進出先の国でも別途商標権を取らなければいけません。

海外進出しようとしたときには既に第三者によって自社の商標が登録されていた、ということも起こり得ます。後手に回ると計画通りに進まなくなる可能性があるため、早めの対策が重要です。

登録手続きを全て自分でやるのは難しい?

バッジ

登録手続きを自力で全て行ってもよいでしょう。ただし判断や適切な対応には相応の専門知識が必要です。自社に十分な知識を持つ担当者がいないなら、弁護士や特許事務所へ依頼する方法もあります。

弁護士や特許事務所に任せるのもあり

自力で手続きをすればその分費用を抑えられるメリットがあります。ただし知識不足のまま臨むと、必要な区分で登録できない可能性があるでしょう。

また拒絶理由通知へ適切に対応できず、出願費用が無駄になる可能性もあります。このようなデメリットを避けるには、弁護士や特許事務所など専門家へ任せるのが得策です。

その分費用はかかりますが、手間いらずでスムーズに商標権を取得できます。費用は依頼先によって異なるため、あらかじめミツモアで見積もりを取っておくと安心です。

カバー範囲を考慮しつつ、予算に合う専門家へ依頼しましょう。

商標登録の準備は早めに行うのが肝心

説明する女性

自社のロゴやマークを商標登録する方法は特許庁により決められています。事前調査をした上で登録区分を決定し、書類を作って提出しましょう。審査結果によっては拒絶理由通知が届くため、記載されている拒絶理由を解消します。

この一連の流れは自力でもできますが、専門知識が必要です。費用はかかりますが専門家に任せると安心でしょう。

また商標は先に類似したものが登録されていると登録できません。また出願しても登録までにおよそ1年間はかかります。商標権を得たいなら、早めに取りかかることが大切です。

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