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商標の検索を自分でする方法は?出願前に類似商標の有無を確認!

最終更新日: 2024年06月28日

商標登録をする際には、出願を検討している商標が既に登録されていないかを調べる「事前調査」が欠かせません。すでに登録されている商標だった場合、商標が取得できないばかりか、継続して使用するためには商標権者に許可を取る必要があります。

本項では、自分で無料データベースを利用して商標を検索する術をご紹介。活用して、円滑に商標登録を進めてくださいね。

商標登録出願前に類似商標を検索する方法

類似商標を検索する方法とは

自己開発した商品のネーミングやロゴを無断で使用されないようにするには、商標登録をするのが最も確実な方法です。しかし、いろいろと書類を揃えて出願したのに、既に類似の商標が登録済だったら、それまでの努力は徒労に終わってしまいます。

こうした事態を防ぐために、登録済の商標を検索するシステムがあります。どのように使用するのか、その方法を探ってみましょう。

商標を検索して類似商標の有無を確認

商標登録の出願前に類似商標の有無を調べるには、独立行政法人工業所有権情報が提供している「特許情報プラットフォーム J-Plat Pat」にアクセスすれば手軽に検索できます。商標登録初心者でも扱えるように設計されているので、安心です。
逆に、本格的な検索には専門知識が必要なので、商標のプロである弁理士に依頼した方が良いでしょう。

「J-Plat Pat」の簡易検索で分かること

J-Plat Patによる簡易検索では、検索したい商標のキーワードや出願者、登録番号(出願番号)が分かっている場合はピンポイントで商標を検索することができます。
ただし、社名が1文字でも間違っていると検索結果に表示されないなど、活用するにはある程度の慣れが必要と言えるでしょう。

「J-Plat Pat」の簡易検索の手順

それでは「J-Plat Pat」の簡易検索による検索方法をご説明します。

1.特許情報プラットホーム「J-Plat Pat」のホームページにアクセスします。「特許・実用新案、意匠、商標の簡易検索」のページが表示されます。

2.左枠内を「商標を探す」にセットします。次に右枠内に検索したい用語を入力します。ここでは「ヴァンガード」と入力してみます。「検索」をクリックすると検索を開始します。

3.検索結果が表示されたら、「件数」をクリックします。

4.「ヴァンガード」に関連する商標が表示されます。個別の詳細を確認するために、対象の登録番号をクリックします。

5.登録された商標の詳細な内容が表示されます。

表記があいまいな場合の検索方法

調査対象となる商標を正しく記憶しているとは限りません。検索内容に自信がないときは、単語の前後に「?」を加えて検索をすると、類似した単語を表示します。ここでは「ヴァンガード」か「バンガード」かがあいまいなケースで検索します。

1.「?バンガード?」で検索をすると139件のヒット数がありました。

2.「件数」をクリックすると「ヴァンガード」を含めた類似した単語が検索されていることが分かります。

商標登録は「図形」や「称呼」でも検索できる

簡易検索に慣れてくると、図形や称呼を手掛かりにした検索方法を用いれば、さらに求めたい情報を入手できる確率が高くなります。どのような方法で検索をするのか、説明していきましょう。

商標登録を「類似群コード」で検索・確認する方法

商標には、類似品をグループ分けするために、アルファベットと数字からなる5桁のコード「類似群コード」が付けられています。

商標は別の商品として分類されているものであっても、類似群コードが同一のものであれば、同一の商標を登録することはできません。たとえば「扇風機」と「洗濯機」は別の商品として分類されていますが、類似群コードは同じ「11A06」です。
このため、ある扇風機で登録された商標は、他の扇風機で使えないのはもちろんのこと、洗濯機でも使えないということになります。

このようにすべての商品や役務には類似群コードが定められていますから、登録しようとする商標のキーワードと類似群コードを入力することで、同一の登録商標がないかを検索できます。

商標登録を「図形」で検索・確認する方法

商品のロゴなどの商標登録は、図形検索ができます。ただし、J-PlatPatでは画像を直接読み込んで検索することはできず、図形の分類コードを入力することになります。
商標登録を検討しているロゴなどの図形が、どの分類コードに当たるのかを把握するのは、キーワード検索よりも難しいと言えるでしょう。
たとえば「犬」をモチーフにしたロゴであるなら、「動物」→「 四足獣:ネコ科、イヌ科(たぬき(3.5.5.01)を除く)、クマ科、パンダ科」→「イヌ」と追って行って、そこで初めて図形分類のコードが入手できるのです。

しかも、この図形分類コードの入力だけでは、確実に1000件以上がヒットしますから、さらに絞り込むためにはこの後に説明する類似群コードも把握しておく必要があります。

商標登録を「称呼」で検索・確認する方法

「称呼」とは一般に流通している呼び方のことです。漢字の商標であればルビ(ふりがな)がそれに該当します。

たとえば扇風機の商品名として「旋風の贈り物」という名称をつけたい場合は、カタカナで「センプウノオクリモノ」と入力をすると類似の名称が表示されます。もし同一の類似群コードに似かよった名称が登録されていなければ、登録される可能性が高いといえます。

簡易検索ではキーワードの文字が一致していないと検索で表示されません。一夫の称呼検索であればアルファベットで読み方が同じという場合など、検索結果に反映されるというわけです。

商標登録を検索する際の注意点

商標登録に際しては、商標登録の検索をして同一・類似の商標がなかったからといって、確実に商標登録が認められるわけではありません。本項では、さらにどんな点に注意をすればいいのかについても解説していきましょう。

称呼が複数ある場合はすべてを検索する必要

称呼はひとつだけとは限りません。漢字の商標の場合だと、一般の人が音読みをするのか訓読みをするのかが分からないことがあります。たとえば「作業場」だと「サギョウバ」と「サギョウジョウ」の二つの読み方が想定できますから、こうしたケースでは、両方の称呼が登録されることになります。

また長音だと「飛行機」が「ヒコウキ」と「ヒコーキ」の両方が登録されることがあります。そのため、商標を検索する際には、考えられるあらゆる称呼を検索しないと、検索もれが生じることがあるのです。

ブラインド期間中は検索にかからない

商標登録は、出願されてからJ-PlatPatに反映されるのが、1~2カ月後になります。この期間は通称「ブラインド期間」と呼ばれていますが、この期間中の商標は、検索をしてもヒットしません。

こうしたブラインド期間の商標と類似していたら、出願をしても、約8カ月後に「拒絶査定」を受けることになります。そこで示された「拒絶理由」を通して類似の出願が既になされていたことをようやく知ることになるのです。

このため出願した後も、ブラインド期間中だった商標をチェックするために、定期的にJ-PlatPatで検索する必要があります。

商標に「識別力」があるかどうかを検討する

一般名称と識別ができない名称のものは商標登録できません。たとえば地元産ミカンの商標として「みかん」を登録することはできません。商標法では、次の項目に該当するものが「識別力」がないとしています。

  1. 商品や役務の普通名称
  2. 商品や役務の慣用名称
  3. 商品の産地、販売地、原材料、生産地等で表示したもの
  4. ありふれた氏名を用いたもの
  5. 極めて簡単で、ありふれたもの
  6. 需要者が何の業務に係る商品であるのかを認識することができないもの

商標の調査は弁理士に任せた方が安心

商標の調査は簡易検索だと、単語の僅かな違いで検索漏れが発生したり、図形の検索ができなかったりします。かといって本格的に検索をするためには、専門的な能力が必要になります。それでは商標の調査を正確に行おうとすれば、どんな方法が最善なのでしょうか。

弁理士なら正確に商標調査をしてくれる

商標調査の調査をおろそかにすると、出願して8カ月も経過したあげくに拒絶査定を受けて、すべてが無駄に終わってしまうという結果になりかねません。商標調査は、判断が難しいポイントがいくつもありますから、不慣れな人が調査をすれば、見落としや判断ミスのリスクは、どうしても避けられないのです。

商標登録の業務経験が豊かな弁理士であれば、どんなに複雑な商標の調査でも、見落とすことなく業務を遂行してもらえます。またブラインド期間中だった商標も定期的に調査をしてもらえるので、安心してお任せすることができます。

商標登録に先立ち商標調査が必要な場合は、弁理士に依頼する方法が最も確実な方法です。

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