「商標登録とはいったい何なのか?」「何のために商標登録を行うのか?」見ていきましょう。
時間と費用をかけてまで商標登録を行うのには理由があります。
まず、商標登録の重要性を解説してから、登録方法や費用などについての解説に入ります。
商標登録とは?
「商標」とは、事業者が、自己(自社)の取り扱う商品・サービスを他人(他社)のものと区別するために使用するマーク(識別標識)です。(特許庁HPより)
商品やサービス、あるいは企業のネーミングやマークのことですね。
その商標を財産として守るのが「商標権」という知的財産権になり、商標権を発生させるため特許庁が行う行政手続のことを「商標登録」といいます。
商標には、文字、図形、記号、立体的形状などが様々なタイプがあります。2017年には、色彩の商標登録が初めて認められて話題になりましたね(トンボ鉛筆「MONO」消しゴムでおなじみの「青・黒・白のストライプ」と、セブンイレブンの看板などに使用されている「白・オレンジ・緑・赤」が第1号)。
なぜ商標を登録するの?
商標は、商品やサービスの出所や品質保証を示す機能、広告宣伝の機能など、重要な役割を担っています。
「もの言わぬセールスマン」と表現されることもあるほどです。
特許庁にて商標を登録することで、他社が同じ商標を使用できなくなります。
他社はそれと同一の商標だけでなく、よく似た商標も使用できません。
逆にいうと、商標登録を受けずに商標を使用している場合、他社が先に似た商標の登録を受けていれば、他社の商標権の侵害にあたる可能性があるわけです。
場合によっては損害賠償請求を受ける恐れもあります。
商標登録の方法
では、ここで商標登録のおおまかな流れをご紹介します。
STEP 1:商標の事前調査
商標を特許庁に出願する前に、商標がすでに他社によって商標登録されていないか調査が必要です。
弁理士に依頼することで、登録可能性がどのくらいあるのかといった考察を得られ、どのような形で商標登録するかを相談することができます。
STEP 2:商標の出願
特許庁に願書を提出します。
一度、特許庁に商標登録出願を提出すると、商標の内容を変更することができなくなるので、入念なチェックが必要です。
STEP 3:特許庁による商標の審査
特許庁による審査が行われます。
特許庁には年間10万件以上の商標登録出願がされているため、審査待ちの期間が長く、審査結果が出るまでの期間は概ね4か月から1年です。
ここで商標登録が認められない理由がある場合、審査官がこちらの意見を求めてきます。弁理士に依頼してあれば、不許可の理由が解消されるよう、弁理士が意見書を提出します。
STEP 4:商標登録、商標権の発生
商標登録出願が特許庁により許可されると、正式に商標を登録する手続きが行われます。
商標登録を弁理士に依頼するメリット・デメリット
メリット
商標登録の手続きを弁理士に依頼するメリットは、なんといっても商標が登録される可能性が高くなることです。
特許庁へ出願する前の段階で入念に調査を行いますから、出願時に拒絶されるかどうかを高精度で判断でき、出願費用の無駄が生じにくくなります。
万が一、特許庁から不許可が出ても、弁理士に依頼してあればスムーズに最善の方法で対応してもらえます。
個人で商標登録を行う場合、相当な時間と労力がかかり、その間、本業に専念することもできなくなってしまいますから、やはり、弁理士への依頼がおすすめです。
また、商標登録が無事に済んだ後も継続的に相談に乗ってもらえますから、心強い存在です。
デメリット
それでは、商標登録の手続きを弁理士に依頼するデメリットは何でしょうか?
弁理士に依頼した場合、弁理士費用かかりますから、デメリットを挙げるとしたら必ずかかる費用が個人の場合より大きい。ということになります。
ただし、時間と労力は大幅に節約できますし、(書類の用意不足などで)何度も特許庁へ出向くことになった場合の交通費など、想定外の費用に関して言えば、個人で行うケースよりも確実に節約できます。
交通費程度で済めばよいのですが、個人での商標登録に行き詰まって最終的に弁理士に依頼することも考えられますから(個人で商標登録を済ませる予定だった場合には大きな想定外費用となってしまいますね)、早い段階での弁理士への相談をおすすめしたいです。
まとめ 商標登録に強い弁理士を探そう
商標登録とは何か、なぜ登録が必要なのか、商標を登録するメリット・デメリットをご紹介してきました。
商標登録の費用や区分などについて、もっと詳しく知りたい方はぜひ『商標登録に強い弁理士15選!費用・区分をかんたん解説』の記事をご参照ください。
また、『商標登録・出願に強い事務所・弁理士のサービスページ』では、ミツモア登録弁理士の口コミや、商標登録に関するQ&Aなどを見ることが出来ます。
依頼を出そうか迷っている、どんな風にメッセージが来るのか知りたいという方は、ぜひ参考にしてください。