屋根の不具合を放置すると家屋が傷みます。早く修理したいところですが、屋根の修理には多額の費用がかかることが珍しくありません。補助金を活用すれば、経済的な負担を抑えられます。補助金の利用方法や、支給条件などを見ていきましょう。


補助金対象になる屋根修理・リフォームの目的と内容
屋根の修理やリフォームをする際、工事内容によって補助金が出るかどうかが決まります。どのような修理でも、補助金が出るわけではありません。補助金が出る工事の目的や内容を見ていきましょう。
- 省エネを目的とした修繕やリフォーム
- 軽量な素材に替えて耐震性を向上させる
省エネを目的とした修繕やリフォーム
太陽光パネルの設置・断熱材の使用・塗装工事など、「工事後に省エネ効果があると認められるもの」は補助金の対象になります。省エネに対応した住宅が増えると二酸化炭素の排出量が減り、環境によい効果が期待できることから、補助金が用意されています。
太陽光パネルの設置なども補助金の対象です。自宅で電力を作れれば、省エネにつながるでしょう。しかし、電力の売却益を目的とした設置は対象外になる場合があります。
なお、単なる雨漏りの修繕や見栄えをよくするための塗装工事などは、対象外になるケースがほとんどです。
軽量な素材に替えて耐震性を向上させる
耐震性を向上させるために行う工事も、補助金の対象です。例えば和瓦から金属瓦に取り換える工事などは、屋根の修理の補助金に該当します。
昔ながらの和瓦はメンテナンスがほとんど必要なく、耐用年数が長いなどのメリットがありますが、重量があります。和瓦は1㎡あたり約40kgですが、現代の住宅によく使用されている金属瓦は1㎡あたり約5kgです。
屋根が重すぎると家全体の柔軟性が減り、横揺れに弱くなってしまいます。屋根を軽量化すれば家屋にかかる負担が軽減し、地震に強い家になります。
屋根修理の補助金の支給条件
補助金の支給条件は自治体によって異なります。住んでいる地域の情報を確認し、申請を検討することが大事です。代表的な支給条件の例を見ていきましょう。
- 居住用物件のリフォームである
- 自治体が指定した業者を利用する
- 税金の滞納がない
居住用物件のリフォームである
屋根修理の補助金の支給対象として、多くの自治体が「居住用の物件であること」を掲げています。人が住んでいない店舗や事務所は、補助の対象外になることがあります。また収益物件や事業に使用するものは、除外されるケースがほとんどです。
住居に店舗が併設されているタイプの住宅を所有している場合、住居スペースが全体の1/2以上であることなどのルールが設けられていることが多いです。自治体ごとの条件を確認してみましょう。
自治体が指定した業者を利用する
補助金の支給条件として、屋根を修理する業者を指定している自治体もあります。指定されるのは、市内・区内にある業者であるケースがほとんどです。
指定されている業者以外に依頼すると、補助金が支給されません。リフォーム業には特別な資格が必要なく、悪質な業者も存在します。そうした業者が施工すると、適切ではない工事が行われる可能性があります。
自治体が指定・紹介する業者はその地域での実績を積んでおり、適切な工事をしてくれるでしょう。
税金の滞納がない
補助金は国の財源で賄われており、国民の払ってきた税金が元になっています。税金を滞納している人が使用するのは適切ではないという考えに基づき、税金を納めている人を条件の1つにしている自治体が一般的です。
また「屋根修理の補助金を利用するのが初めて」といった条件が設けられていることも少なくありません。「過去5年以内に同一の補助金が支給されていないこと」というように、期限が設けられていることもあります。
屋根の修理で補助金を受け取る流れ
屋根の修理で補助金を活用する際は、申請の手順や流れを事前に把握しておくとスムーズです。手順を間違うと、補助金を受け取れない可能性があります。一般的な流れを見ていきましょう。
- 着工前に申請する
- 屋根の工事を実施する
- 完了確認をしてもらう
- 補助金を受け取る
着工前に申請する
まずは住んでいる地域で補助金が活用されているかを調べ、所有する物件が条件に当てはまるかどうかチェックしましょう。
希望する修理の内容が条件に該当するか判断できない場合、市町村の担当窓口で相談するとスムーズです。必要書類をそろえて、補助金を利用するための申請を行いましょう。申請書は自治体のホームページなどからでも入手できます。
屋根の工事を実施する
自治体の条件に従って業者を選び、見積もりを取ります。信頼できる業者と契約し、屋根の工事を開始しましょう。
必要に応じて、リフォーム前の屋根の写真を業者に撮影してもらいます。申請時・工事着手時・完了後と、段階ごとの撮影や報告書の作成が必要な場合もあるので、あらかじめ確認しておくことが大切です。
完了確認をしてもらう
屋根の修理が完了したら、自治体に連絡して「申請通りに工事されているか」を確認してもらいましょう。写真を貼付した書類を提出すればよいだけの場合もあれば、調査員が現地に訪れる場合もあります。
補助金を受け取る
工事が問題なく完了したことを報告後に、補助金が振り込まれます。振り込まれるまでの期間は、完了確認から1~2カ月後が目安です。
国や自治体の屋根修理補助金制度の例
屋根の修理に使える補助金制度の名称や条件は、自治体によって異なります。必ずその地域の制度や適用条件を確認しましょう。国や自治体で支給している、屋根の修理に使える補助金の例を紹介します。
国土交通省:長期優良化リフォーム推進事業制度
「長期優良化リフォーム推進事業制度」は、既存の住宅の性能向上や子育てしやすい環境作りに活用されています。
屋根の修理が、長期優良化リフォーム推進事業制度の「性能向上リフォーム工事に要する費用」に該当する場合に利用できます。性能向上リフォーム工事の対象は、耐震性・省エネルギー性・バリアフリー性・劣化対策などが認められる工事です。
1戸あたり100万円を限度に、補助対象費用の1/3の補助を受けられます。電子申請に対応しているので、公式サイトでアカウントを作成した後、申請手続きを行いましょう。
品川区:住宅改善工事助成事業
東京都品川区では、既存の住宅をエコ住宅へ改修したり、バリアフリー化工事をしたりをする際に「住宅改善工事助成事業」の制度を使えます。区内施工業者への発注、助成対象工事費用(税抜き)が総額で10万円以上などの条件が設けられています。
補助率は以下の通りです。
対象 | 助成額 |
---|---|
区民 | 上限20万円 (工事費税抜きの10%) |
マンション管理組合や賃貸住宅個人オーナー | 上限100万円 (工事費税抜きの10%) |
富士見市:住宅リフォーム補助金制度
埼玉県富士見市では、住民登録をしている市内在住の人を対象に「住宅リフォーム補助金制度」が活用されています。
居住している個人住宅が対象で、店舗は除外されます。補助金支給の対象となる工事は、屋根や外壁の改修工事、床・壁・窓・天井・屋根の断熱改修工事などです。
市内の施工業者を利用することも条件になっています。補助金額は20万円(税抜き)以上の工事費の総額5%以内で、上限は10万円です。
補助金を利用する際の注意点
屋根の修理内容が補助金の条件に当てはまっていても、支給の対象外になることがあります。補助金を受け取るために、注意したい点を見ていきましょう。
工事前の申請が必要
詳しい申請手順は制度によって異なりますが、工事に着手する前に申請を行う必要があります。工事を開始してしまってからでは、補助金が受け取れないので注意しましょう。
屋根の修理に使える補助金は、一度申請書を提出すればよいわけではなく、工事の前後で現場の写真や報告書などの提出を求められるケースが多くあります。
スムーズに申請をするには、業者の協力が必要です。工事の見積もりを依頼する際などに、補助金を使いたい旨を伝えておきましょう。
予算には上限が設けられている
補助金は予算に応じて、利用できる人の数が決まります。屋根の修理にかかる費用は高額になることが多いので、補助金を利用したいと考える人が少なくないためです。
受付期間中であっても、利用者が多ければ早めに締め切られてしまいます。補助金の情報を見つけ次第、素早く業者探しや見積もりの依頼を行うことが大事です。
年度ごとに募集がかけられることが一般的ですが、必ず毎年募集があるとは限らないので、チャンスを逃さないようにしましょう。
ほかの助成制度と併用できないことがある
リフォームに関する補助金には、さまざまな種類があります。全ての補助金を活用できれば大幅に費用を抑えられますが、公平を期すために、複数の補助金を併用できない決まりになっています。
原則として、同一事業に対する「国からの補助金同士」は併用できません。補助金制度の内容や、どの制度が併用できるのかは自治体によっても異なります。利用したいものが複数ある場合、申請前に確認しましょう。
工事の契約や工期が別のものなら、利用できるケースもあります。
補助金以外で屋根修理費用を安く抑える方法
屋根の修理費用の負担額を減らす方法は、補助金だけではありません。屋根の修理にかかる負担を少しでも減らしたい人向けに、火災保険やメンテナンスを活用する方法を見ていきましょう。
自然災害が原因なら火災保険の適用を受ける
経年劣化が原因ではない「自然災害での雨漏りや屋根の破損など」は、火災保険の適用が受けられます。加入している火災保険の補償対象を確認してみましょう。
地震・風・雹・雷などによる被害が、補償の対象となっているケースもあります。どこまでカバーされているかは、加入しているプランによって異なるので注意しましょう。
被害を受けてからの年数や修理費用の額などの条件によっても、保険金が支払われるかどうかが変わってきます。
定期的にメンテナンスを行う
屋根は普段の生活で目にする場所ではないため、住人が目視で状態を確認するのが難しいといえます。大きな修理が必要になる前に、定期的なメンテナンスをして、状態を確かめることが大事です。
戸建て住宅に多い「スレート屋根」の場合、定期的に塗装することで長持ちさせられます。塗装が剥がれた状態で長い間放置していると、建物の劣化を早める原因になります。
大規模な修理になるほど必要な費用が増えるので、劣化が激しくなる前に、必要なメンテナンスを行うとよいでしょう。
補助金を活用して屋根の修理をしよう
屋根の修理をする際、補助金の支給を受けられれば費用の負担を抑えられます。自治体によってさまざまな補助金や助成金の制度があるので、使えるものはないか一度探してみましょう。
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