ミツモア

物撮りのコツ厳選3つ。基本のライティングから背景まで

商品撮影のプロカメラマンを探す
最終更新日: 2022年12月09日

物撮り(ブツ撮り)とは、アクセサリーや小物、食品などの商品を撮影すること。

昨今はネットオークションやフリマサイト等に出品する方も多いので、物撮りが上手くなりたいと思っている方も多いのではないでしょうか。

この記事では物撮りのコツや基本のライティングなどを解説します。

物撮りをプロのカメラマンに頼んだ場合のシミュレーションもご紹介していますので、自分で撮影しようとしている方も、プロに頼もうか迷っている方もぜひご参考にしてください。

物撮り撮影のコツ1:ライティングの基本

物撮り

とにもかくにも、物撮りはライティングが命です。

物撮りのための撮影機材のほとんどが光に関連したアイテムで、どう光を演出するかで写真の良し悪しが決まります。

まずは、撮影対象別に商品撮影のライティングテクニックを解説します。

メインのライトは1つ

物撮り
メインライト1つだけの光

まずは、メインの光源となるライトを設置します。

『メインライト』は、例えるなら太陽の役割

商品よりも必ず高い位置に設置するようにしましょう。

自然光を使う方は高さの問題はクリアされていますので、光の強さに気を付けることがコツです。

あまりにも日差しが強く差し込む時には、白いレースカーテンやシーツなどで光を和らげると、商品の細部が飛んでしまうのを防げます。

2つ目以降のライトはあくまでフォローに

物撮り
影を薄めると細部が見える

2つ目のライトを使う時には、メインのライトと同じような使い方はしません。

メインのライトでは届かない部分に光を当てるのが2つ目以降のライトの役割になります。

フォロー役のライトには2種類の役割があり、それぞれ別な働きをします。

正面からの「フロントライト」

1つのメインライトでは、影の濃さの調節をすることは出来ません。一方方向から強い光があたると、もちろん濃い影ができますよね。

でも、重厚感を出したい撮影でなければそこまで濃い影は必要ありません。

その影の濃さを調整するのが、正面から当てられる『フロントライト』と呼ばれる照明です。

メインライトとフロントライトの中間に置く「スカイライト」

ちょっとややこしくなりますが『スカイライト』と呼ばれるこのライトは、「空」の役割をします。

太陽役のメインのライトと、影の濃さを調整する正面からのフロントライトだけでは、影は被写体の後ろにできてしまいます。自然界では常に光源は上にあるので、その光の当たり方はあり得ませんよね。

わざと真後ろに影を置くライティングも存在しますが、自然な光を作り出すことを目的としたライティングでは、影をより自然に見せるために、太陽(メインライト)と明るさ調整(フロントライト)とは別に、影を被写体の下に持って行き、尚且つ自然なグラデーションを作るための空(スカイライト)を置く方法があるのです。

逆光を意識的に使う

物撮り
透明感が伝わる逆光の使い方

ふつうの写真撮影では、逆光にならないように太陽を正面にして撮影することが多いのではないでしょうか?

プロのカメラマンは逆光を効果的に使い、被写体の質感を表現します。

逆光は背後からの光が被写体の輪郭を際立たせます。陰になってしまう正面は光を補うことで、暗くなるという印象もクリア出来ます。

白飛びしてしまう部分は露出補正で自然な明るさに調節しましょう。また、測光モードはスポット測光に設定し、ピンポイントで光を測光しましょう。

「暗くなる」と言われている逆光を逆手にとってドラマティックな物撮り写真に仕上げることができます。

参考:【商品撮影のライティング】照明、レフ版、ディフューザーの当て方!

物撮りの撮影のライティング機材

物撮り

テクニックが分かったら、次は物撮りに必要な撮影機材を見てみましょう。

特に物撮り撮影で注目したいのはライティング機材。

ライティング機材があるかないかで、大きく写真の出来が変わります。

参考価格を出していますが、これらはあくまで手が届く範囲の参考価格です。

LED照明

参考価格:約3千~9万円

撮影用照明に使います。

比較的、素人でも扱いやすいのがLEDで、値段も安価なものから高価なものまでピンキリです。光の色も変えられるものが多いので、必要な光色を選ぶことができます。

光量が多く、スタンドが使える商品なら幅広い物撮りに対応できます。

レフ板

参考価格:約1千円~4千円

撮影現場の光の調整に使います。

光のムラをなくしたり、陰影を演出したりと、色々な用途があるので、本格的な物撮りに用意しておきたいところです。

専用のレフ版でなくても、パネルに白い紙を貼ったもの、銀紙をはったボードなど、身近なもので手作りすることも可能です。

レフ板による光の調整にはテクニックが求められます。

ディフューザー

参考価格:約4千円~1万5千円

光をやわらげる機材で、強すぎる光を拡散して調整できます。

Amazonなどで検索をすると、撮影ボックスキットなどのお役立ちアイテムが上がってきます。

簡単なセットがあれば良い方は、比較的容易に手に入ります。

物撮り用の照明とディフューザーを別々に購入する場合は、相性を考える必要があり、光に関する知識が必要です。

物撮りセット

参考価格:約3千円~7千円

リーズナブルな価格で本格的な写真が撮れるのが物撮りセットです。

ボックス型になっており、白の壁がレフ版の代わりをしてくれます。

大がかりなセットは必要ないけれど、それなりに写真のクオリティは求めたいという方には強い味方になってくれるでしょう。

ライトが付いているタイプが殆どなので、ディフューザーとライトの相性など難しいことを考えなくても良いのが利点です。

物撮り撮影のコツ2:基本の機材をそろえよう

物撮りの命はライティングということで、まずはライティングについて詳しくご説明しました。

それ以外に、物撮り撮影にあると便利な基本的な機材をご紹介します。

物撮りシートを活用する

大々的な設備をすぐに揃えるのは難しいとお考えの方が多いことでしょう。

手っ取り早くスマートフォンでオシャレな写真が撮りたい!という方は、

100円均一で売っているカラーボードとリメイクシートを使って、物撮りシートを作りましょう。

おすすめは大理石柄。嫌味がない高級感がどんな商品にもマッチします。

また、白ベースのものは品物が明るく見えるので、アクセサリーやコスメなどの撮影に最適です。

理想の撮影場所を探すよりも、お気軽な上に低コストで済むのです。

物撮り撮影におすすめのレンズ

物撮りをする時に、その写真をどのような場面で使用するか、ユーザーに何を伝えたいかでおすすめのレンズが変わってきます。

おしゃれなイメージカットを撮りたい

イメージカットを撮影するときには、単焦点レンズがおすすめ。

背景をぼかして、雰囲気が出る写真が得意なレンズです。

また、多少暗い中でも明るく撮れるのも特徴。

日当たりが悪い室内での撮影や、夜しか撮影時間が撮れない方などに向いています。

しかし「背景の小物等を使って商品の大きさを分かるようにしたい」等の意図がある場合には、背景をぼかしてしまうので避けたほうが良いでしょう。

正しく商品の状態を伝えたい

標準ズームレンズは、被写体のパースが歪んでしまうのをある程度防ぐことが可能です。

自分が商品に近づいてしまうために発生する歪みが、標準ズームレンズなら小さく抑えることができます。

その上、カメラを買う時に一緒についてくることが多い種類なので、そこまでこだわらない方には嬉しいレンズです。

細部を表現したい

アクセサリーや革小物など、細分の装飾や質感を伝えたい時におすすめのレンズはマクロレンズです。

それぞれのレンズには拡大できる限界があり、その中で最も商品を大きく撮影することが出来るのが子のレンズ。

撮影した画像を拡大したり加工したりする手間を省くことが出来るので、大量に小物を撮影するときに活躍します。

物撮り撮影のコツ3:プロが意識する物撮り撮影のポイント

物撮り

背景を工夫して被写体を際立たせる

背景と商品のコントラストを考えることで、商品が際立ちます。

例えば、商品の色が濃いなら背景を薄くし、逆に商品の色が薄いなら背景を濃くすることによって、商品がより目立ちます。

合わせる色によってもイメージが変わってきます。先ほどご紹介した物撮りシートなどもイメージを演出するために使用しますが、プロは微調整に色画用紙なども使ってより繊細に再現していくのです。

これも、商品を誰に向けて、どんな風に見せたいかを的確に把握し、その上でイメージするものを形にしていく技術が必要とされるシーンですね。

参考:物撮り背景は白がいい?紙、布、100均シートで作る撮影セッティング

商品との距離感でイメージをわかせる

物撮り

プロは何枚も何枚も、あらゆる角度から重ねて物撮りをします。色々な角度から商品の魅力が最大に発揮される部分を見つけていく、忍耐がいる作業です。

また、商品との距離感も非常に重要で、高い位置から撮影された写真は、商品の全体像を眺めるのに最適ですし、低い位置から撮影した写真は、商品を利用するイメージが得られやすいといわれています。

商品がよく見える角度、全体像の物撮り写真それぞれを用意することで、相手に説得力を与えられます。

参考:イメージカット写真とは?売れる商品写真のストーリーの作り方

プロカメラマンに物撮りを依頼するメリット4つ

物撮り

これまで物撮りについて、ライティング・撮影機材・基本技術・対象別技術を確認してきました。

自分で撮影するのも良いけれど「すぐにクオリティの高い写真が欲しい!」「自分で撮影するのは難しそう」など、迷っている方はプロのカメラマンの依頼を検討してみませんか?

機材コストが浮く

照明、レフ板、ディフューザーなどを撮影機材として紹介しましたが、これらの機材に加えて、カメラ、スタジオ代などが機材コストとして考えられます。

カメラやスタジオまで自分で用意する場合は、かなりのコストになってしまいます。

経験に裏打ちされたプロのテクニック

コストをかけて良い機材を用意しても、物撮りテクニックがなければ、見る人の心を動かす物撮り撮影はできません。

プロのカメラマンに撮影依頼をする最大のメリットはやはり、経験に裏打ちされたプロのテクニック。機材を揃えて、情報を集めて撮影しても、プロのテクニックにはかなわないものなのです。

物撮りに賭ける労力と時間

物撮り撮影には予想以上に労力と時間が必要です。

例えば、洋服に合ったモデル探し、小道具作成、スタイリングといったことにも時間をとられます。

この部分をプロに任せて、自分は別の仕事で売り上げアップに貢献する。

本来であれば作品を生み出す時間に使える仕事を、本業ではない物撮りに取られてしまうのはもったいないですよね。

売り上げに差が出る!

自分で撮影するか、プロのカメラマンを利用するか最終的な判断は、物撮りの画像で売り上げがどれくらい変わるかがポイントになってくるのではないでしょうか。

これについては、各メーカーが大きな費用をかけて、プロカメラマンに撮影を任せている点が答えだといえます。

もし、素人とプロの撮影に大差がなければ、メーカーがそこまで撮影に費用をかける意味がありませんよね。

最近では、ネットショップの物撮りにスマホを利用する方も増えています。

しかし、スマホでの撮影テクニックには限界があります。物撮りにかけるコストの差が、他のショップとの差別化につながり、明暗を分ける結果になっているようです。

どれだけ良い商品写真を掲載できるかが、売り上げに直結しているんですね。

プロのカメラマンに依頼するか迷っている、どのカメラマンに依頼すればいいかわからない、という方は以下の記事もご参照ください。

関連記事:商品撮影おすすめカメラマン50選!料金相場も一挙ご紹介!』

物撮りのカメラマンを探す!

物撮りカメラマンの費用相場シミュレーション

物撮り

多くのカメラマンは時間で区切るプランが多い傾向がありますが、枚数で対応・立ち合いの有無で料金が変わることもあります。

商品撮影・物撮りの相場

38,500

標準相場

25,000

リーズナブル

63,800

プレミアム

ミツモアでの物撮りの価格は、リーズナブルなもので約2万円から、標準的な相場は4万円となっています。

上記の価格分布図は、商品の点数や撮影内容などでは分けておらず、全ての物撮り関係の依頼を総合した際の数字ですので、大まかな予算の目安としてお考えください。

物撮りの撮影は

  • 完全にお任せにする
  • その場で自分も確認したい
  • 出張してきてほしい
  • スタジオに自分が行きたい

など、様々な要望があると思います。

それぞれの場合で撮影料金が変わってきますので、もっと細かく、どの撮影方法がいくらくらいかかるのかを見ていきましょう。

一枚ずつ撮影 1カット 約300円前後
お任せ撮影 1商品 約1万円~
立ち合いプラン 1~5商品 約1万円~3万円
オプション費用 約300円~3,000円

◆1枚ずつ撮影:極力無駄を省けるので、最も低コストです。

しかし、「どの角度でこういう雰囲気の写真が何枚必要」と、依頼する側が撮影プランを伝えないと、使用しない不要な写真で料金がかさんでしまう恐れがあります。

◆商品だけ渡してお任せ撮影:撮影現場には立ち会わず、カメラマンに商品を預けるプランです。

商品のプロモーションはカメラマンのセンスに任せようという方にお勧め。

◆立ち合い撮影:カメラマンにより価格に幅が大きいプランになります。撮影時間は半日や2時間など、柔軟にプランが組めます。

また、時間内なら撮り放題などを行っているカメラマンもいますので、予算と今の自分の中のイメージ、どれくらいこだわりたいのか等を相談して決めましょう。

立ち合いプランの良い所は画像を確認しながら進められる所です。その場で「これが良い」とカメラマンに伝えられるので、依頼主がどんな写真が欲しいか分かりやすいメリットがありますね。

◆オプション費用:「小物撮影をしてほしい」「背景紙を数種類準備して欲しい」などの要望に応えてくれます。

商品をよりよく見せるために、カメラマンがあらゆるテクニックを駆使してくれるでしょう。

※出張撮影をカメラマンに依頼する際には、交通費が加算されます。

Q: スタジオによって物撮り金額がカットあたり200円から5000円まで差がありますが、何が違いますか?

A: 物撮り料金が安いところは、照明が固定でどんな商品でも同じ照明での撮影の所が殆どだと思います。 3000~5000円のところは各商品によって照明を変えて、その商品がより良く見えて売れるための撮影をしています。
(回答:adonoan 野田カメラマン 佐賀県武雄市)

adonoan

佐賀県武雄市武内町

カメラマン歴34年。佐賀を拠点に世界中で写真撮影を行っている野田カメラマン。広告代理店で広告、CM用の商品、車写真など数多くの実績を積み、2012年にフリーに。広告代理店時代に培った商品の個性を写真に映し出し、見る人の目に焼き付ける商品写真の技術には定評があります。佐賀県のスタジオでは、物撮り写真だけでなく家族写真や就活などのプロフィール写真も精力的に撮影しています。動画撮影、ドローン撮影、全国出張可能です。

参考価格
30,000円~

物撮り費用を抑えるポイント

物撮り

物撮りをカメラマンに外注するメリットを把握したら、今度はコストをできるだけ安くするポイントを確認してみましょう。

目的、枚数、予算をしっかりと伝えよう

特に指定なく物撮りカメラマンに撮影を依頼した場合、不足がないように十分な枚数を撮ってくれるはずです。

しかし、その場合、依頼者にとって余分な写真が入ってくる可能性も高いので、事前にしっかりと目的と枚数を伝えておくことが大切です。

さらに、予算を説明した上で、ここまでのコストでやってほしいと伝えることも大切です。

写真のイメージもサンプルなどを使って伝えよう

口頭で明確なイメージを伝えるのは素人には難しいので、事前にサンプルを用意しておくとよいでしょう。

こうすることでカメラマンは、依頼者の意図を汲み取ってくれるはずです。

『商品撮影・物撮りサービスページ』では、ミツモア登録カメラマンの物撮りの費用相場・見積もり例・見積もりの内訳などを見ることができます。

どんな風にカメラマンとやり取りできるのかも確認できるので、物撮りを依頼する際のイメージが付きやすくなります。

関連記事:商品撮影おすすめカメラマン50選!料金相場も一挙ご紹介!

ミツモアで物撮りカメラマンに依頼しよう!

ミツモアには、物撮りカメラマンとして、広告、通販カタログ、ネットショップ用の写真撮影を専門に手がけているプロが多数登録されています。

思わず購入したくなるような素敵な商品写真で、ネットショッピングの売上アップにお役立てください。

「やっぱりプロに頼んでよかった!」「プロの物撮り写真は全然違う!」という声をたくさんいただいております。

ミツモアで3ステップで依頼!

物撮りのカメラマンを探す!